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Apr 18, 2007

え、ヨーロッパで軍事費削減 ?

辻元氏『非武装の方がよっぽど身を守ります』」より。

辻元: 憲法はあくまで権力を縛るものなので、その時々の民意によって解釈が変わってはいけないと思います。いったん歯止めをなくしてしまえば、武装解除から戦争までいってしまうということです。例えば、ヨーロッパは集団的自衛権ではなく、集団的安全保障です。軍事費を削減し軍縮に向かっており、歯止めを作っています。

※太字筆者。なお、元記事の Web 魚拓はこちら

この人に Jane's Defence Weekly を読めといっても無理な相談だとは思いますけれど、その JDW で一年半ばかり前に、"French defence budget boosted for a fourth year" という記事が載りました。*1
ヨーロッパといってもいろいろあるわけですが、その中でも大手といえる、おフランスの話です。まさに読んで字のごとく、記事が載った 2005 年が、国防予算増額の 4 年目という内容です。

実はフランスという国、国防予算をケチりすぎたせいで装備の稼働率がムチャクチャに悪くなってしまった時期があって、それを反省して国防予算を上積み、O&M (Operation and Maintenance) 費用をちゃんと出すようにした経緯があります。あと、新型フリゲートの建造計画やら、新型 SSN の建造計画やら、イギリスとつるんでいる空母建造計画やらと、大型案件もいろいろ。
そういえば、国防大臣が先頭に立って兵器輸出のセールス行脚をやっているのもフランスですねえ。

ちなみに、イギリスも国防予算は微増傾向で、FY2007 には FY2006 より 0.6% 上積みしています (イラクとアフガニスタンでの作戦経費は別枠)。*2

念のために SIPRI のデータベースも調べてみましたけれど、英仏両国についていえば、どう見ても軍縮中って風情じゃないですね。ドイツは横ばい、他国も程度の差はあれ増加傾向がメイン。2000 年代に入ってから明確な減少傾向が見えるのは、スウェーデンぐらいのもの。

というわけで、ヨーロッパの主要国を総合すると「国防予算を減らして軍縮中」というのは真っ赤なウソです。

辻元氏のいうヨーロッパがどこのことで、それがヨーロッパ全体の国防支出にどの程度の比率を占めているのか、ちょっと興味があったりして。

*1 : JDW 2005/10/5 "French defence budget boosted for a fourth year"
*2 : JDW 2007/3/28 "UK chancellor announces rise in defence budget"


P.S.
ところで、前回も今回も、撃たれて重傷を負った長崎市長って武装してましたっけ ?

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Comments

>いったん歯止めをなくしてしまえば、武装解除から戦争までいってしまうということです。

 うーん、武装解除の状態から再軍備、戦争まで行くって事なのか?
 僕、頭悪いからナニを言いたいのか読み取れません、辻本せんせえ(^^)>てかその辺り省略したら解釈いかようにも取れてやばかろう。

 しかしまあ、「民意」を否定したような物言いだの、何か視線の高さという奴が読み取れるような文章ですな。

Posted by: ooi | Apr 18, 2007 at 07:55 AM

>いったん歯止めをなくしてしまえば、武装解除から戦争までいってしまうということです。

思うに、この言葉だけを抜き取れば正しい。
軍備無くして戦争はありえないし、ぶっちゃけ兵器がなくなっても、
拳で戦争するでしょ。人間って。
今の平和も次の戦争までの間でしかないから、
平和な期間を少しでも長く得るためには
軍縮するのは一つの手だとは思います。

でも、それを訴えるのに嘘を付くのは論外。
ただの逆効果だし、民衆をバカにしている。
平和を訴えるなら、ソレまでのプロセスを分かりやすくしろと。
と、いうだけ無駄なんかな。

Posted by: もふっと | Apr 18, 2007 at 10:19 AM

あ、ハンドルネーム間違えた(ノ∀`)ノ∀`)ノ∀`) ジェットストリームアチャー

修正お願いします。

Posted by: あるくびゅーず | Apr 18, 2007 at 10:21 AM

ていうか、辻元氏は「武装解除」という言葉の使い方まで間違えているような希ガス。武装解除というのは、武装している兵士や民兵から武器を取り上げることであって、丸腰だった人や国家が新たに軍備を整えることじゃないのに。

Posted by: 井上 | Apr 18, 2007 at 10:35 AM

 正味のところ、軍縮に関して言うならそう言う動きがある、と言えるかも知れませんが、それとて陳腐化した装備やら、より高価になっていく装備の更新に予算を取られて戦力の見直しが行われ、結果として見かけ上の軍縮が行われているように見えるだけ何じゃないかしら、とか思うんですが。

 これで実際の戦力はむしろ上積み、質的向上ってんじゃあ、ホントに話になりませんな。

Posted by: ooi | Apr 19, 2007 at 12:48 AM

最近の先進諸国って、頭数だけ見ると確実に減ってますからね。陸軍と海兵隊の増員を決めたアメリカが、むしろ例外的です。

その一方では御存知のように、情報力や命中精度の向上で、打撃力は大幅に上がっています。頭数だけで軍事力を語れない時代って、見ようによっては厄介ですね。

Posted by: 井上 | Apr 19, 2007 at 01:26 AM

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