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Sep 17, 2007

日本が軍拡中 ?

今日はなんだか調子が悪くて、大寝坊するわ、頭痛薬を幾つも消費するわで散々だったのですが。

なんか、どこだかで「日本が軍拡中」って駄法螺を吹いている人がいるそうですが。

  • 予算 : 対 GDP 費も含めて横ばい、ないしは微減 (SIPRI データベースで確認可能)
  • 人員 : 陸自の定員削減により、減少傾向
  • 装備 : 横ばい。ただし F-4EJ の減勢で低落傾向に転じる可能性あり

MD 関連で多額の支出が必要になっていますけれど、これは既存の装備を MD 対応にアップグレードするだけなので、 数は増えていません。第一、PAC-3 でも SM-3 でも陸上攻撃には使えないし、無理やり陸地に撃ち込んだところで、 ほとんど効果は見込めません。よって「MD = 軍拡」というのはウソ。
第一、MD 関連の費用は既存の予算枠の中から出しているんですから、その分だけ、他にしわ寄せが行っているんです。防衛省で、 こっそりと一万円札を刷ってるんなら話は別ですけど (マテ)

このあいだ、16DDH こと「ひゅうが」が進水しましたけれど、あれは「はるな」の代艦なので、数は変わりません。 能力的には向上しますが、それは主として C4ISR 分野の話であり、打撃力がドッと増えるわけではありません。第一、SH-60K を何機積んだところで、対潜戦にはおおいに役立っても他国に侵略する役には立ちません。

そもそも自衛隊の戦力というのは、「迎え撃つ」ようにはできていますが、「こちらから出掛けていく」ようにはできていません。 そこがアメリカやイギリスと違うところです。たとえ政治がその気になったとしても、実行能力が伴いません。

そんなわけで、「日本が軍拡している」というのは根拠がない駄法螺です。
ちなみに、中国・韓国・台湾なら、いずれも国防支出の 2 桁増って話が報じられてますけれど。

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Comments

>>軍拡
確かに防衛予算の絶対額自体は多いかもしれないけれど、増えているわけではないし、そもそも軍拡の定義によりけりですよね。

予算が増えたら軍拡なのか、人員が増えたらなのか、なにかの装備の数なのか。

むしろ昨今のアジア情勢をかんがみると、MDに予算取られて他の装備の更新を先送り、なんて健全で平和wなことしてないで多少軍拡してでもきっちりと装備を整えて欲しい今日この頃。

Posted by: 通りがかりの | Sep 17, 2007 at 09:28 PM

まったくです。MD 関連の調達費用は別枠で組んでもいいぐらいだと思うんですけれど。ブツが増える訳じゃないから、O&M は通常予算で持つのだとしても。

一般家庭でも同じですけれど、必要なときにちゃんと必要なモノを調達しておかないと、後でたんまりとツケを払わされることになるんですよね。それが心配です。

Posted by: 井上 | Sep 17, 2007 at 09:54 PM

アメリカには「生物は何か知的な超越者(神とは言わないのがミソ)によって創造された可能性もあるのだから進化論と両立併記して学校教育に取り入れろ」という愉快な主張がありますが、結論が先で証拠が後回しというあたりとても似ているような気がします。

Posted by: flanker | Sep 17, 2007 at 10:22 PM

日本における「護憲」や「平和運動」は、もはや一種の宗教みたいなもんですから。でなかったら、「神は九条に宿りたもう」なんてことを大真面目にいわないでしょう。

こんなこといってれば、ますます多くの人から相手にされなくなって、大局的にマイナスだというのに…

Posted by: 井上 | Sep 17, 2007 at 10:56 PM

ひゅうが( ・∀・)イイ!!

実物見ましたが、いいですわー

Posted by: にゃんこ | Sep 17, 2007 at 11:19 PM

うー、そんな焚きつけないでください。私も見たくなっちゃうじゃありませんか (´・ω・)

Posted by: 井上 | Sep 17, 2007 at 11:38 PM

ttp://kurumachan.seesaa.net/article/53157991.html
「ひゅうが」「護衛艦」でgoogleの海を漂っていたらまさにドンピシャなブログを発見。
我々は兵器オタクのお子ちゃまだそうです。

Posted by: いつもはromの人 | Sep 17, 2007 at 11:59 PM

すげー、ベトナム戦争でアパッチを使ってたのか…

まあ、こういうのは真顔で反論しに行ってもエナジーの無駄なので、観察してニヤニヤするのが吉ですよ。

Posted by: 井上 | Sep 18, 2007 at 12:06 AM

>ベトナム戦争でアパッチ
この当時からウェブサーバがあったと。

Posted by: 五月原清隆 | Sep 18, 2007 at 02:10 AM

> MD 関連の調達費用
 「中の人(佐官)」にその話をすると、途端に機嫌が悪くなる罠。
 要は「見せる」にしても、一般人か専門家(高級軍人)かで話は全く違い、「○○だから安心(脅威)」と言うのは一概には言えない(言うべきではない)そうです。
 個人的には予算もパラメータなのでしょうが、戦略も含めた総合的な戦力を維持できればいいと考えます。
 今までは防衛大綱等で正面装備の数が決められ、頭数をそろえれば良しとされてきましたが、今後は頭数の維持より、既存装備の近代化改修やコストパフォーマンスの良い装備の組み合わせ等も積極的に取り入れ、実質的な戦力の維持・強化が急務ではないでしょうか。

Posted by: へぼ担当 | Sep 18, 2007 at 05:55 AM

> この当時からウェブサーバがあったと。

いや、実はナバホ族に対抗して、アパッチ族で編成された特殊部隊が...

Posted by: H@tokara | Sep 18, 2007 at 10:56 AM

>機嫌が悪くなる
それってやっぱり「MD に予算をとられて云々」っていう文脈なんでしょうか。

だいぶ前に本館で書いた話ですけれど、金額だけでも頭数だけでも判断はできなくて、要は「能力」と「意志」の問題なんじゃないでしょうか。

>アパッチ族
ひょっとすると、ベトナム戦争がつぎはぎ (a patchy) だったというダジャレ… なわけがありませんね (殴)。

Posted by: 井上 | Sep 18, 2007 at 11:30 AM

>アパッチ族
ビッグ・ボスなどその筋では有名な特殊部隊員を多数輩出している最強の戦闘部族.
某平和運動団体から大量破壊兵器としてマークされている.

Posted by: 通りがかりの | Sep 18, 2007 at 12:14 PM

こっちが物価高+MDやら記念碑建設やらで弁当食減らされたり、幹部食堂でさえクソ不味い飯の質が落ちてるっていうのに「日本が軍拡」なんてファンタジーをよく言えたものだ。

酒飲んで寝る。

Posted by: ウィナ・ツァハル | Sep 18, 2007 at 02:31 PM

お察しいたします。食い物は元気の根源だというのに…

Posted by: 井上 | Sep 18, 2007 at 02:35 PM

俗に言う平和論者「どうやって嫁や子供や親族を守るか」というところがすっぽり抜けているような気がします。
私は防衛産業に属していますが、自分の嫁、子供、親族を守れるこんなにいい仕事は無いと思っています。

盲目的平和論者は、日本が軍縮をすれば平和が訪れると本当に思っているところが幸せですね。
確かに軍縮は一つの手段ですが、回りの国と歩調を合わせてやらないと意味がないのに・・・
家から防犯グッズを無くして、セコムも止めて、そんなところに強盗に入られて家族を殺されたりしたら、悔やんでも悔やみきれません。

後は手に入れたフォース(防衛力≒軍事力)に飲み込まれないようにしないとですね。

Posted by: Tivonix | Sep 18, 2007 at 02:51 PM

そうなんですよ。国に「無防備にしろ」と主張する人が、自分の家や blog については防備を固めまくっている、反論のコメントが書き込まれると中傷と称して強制削除する、ってんじゃ話になりません。まずは自ら手本を示して貰わないと。

軍縮が問題なく実現できるのは、信頼醸成措置が行き渡っていて、もめ事の原因がなくて、かつ地域全体で歩調を合わせた場合だけです。

>飲み込まれないようにしないとですね
太平洋戦争に至る過程で、もっとも反省すべき点はこれかも。

Posted by: 井上 | Sep 18, 2007 at 02:58 PM

はじめまして。中の人の端くれです。
20年度概算要求の目玉は89式小銃を一挙2万丁購入です。
その他にもF15近代化を一挙に32機など、
大量発注によるコストダウンをやっとやり始めました。
まぁこうでもしないとMD費用がひねりでないですからねぇ。

概算要求の概要はこちらです。
http://www.mod.go.jp/j/library/archives/yosan/2008/yosan.pdf
http://www.mod.go.jp/j/library/archives/yosan/2008/gunji.pdf

Posted by: SAMBAL | Sep 18, 2007 at 11:21 PM

ttp://kurumachan.seesaa.net/article/53157991.html
って、酷いブログですね・・・・・

あきれ果てます。

井上さんが仰られているように、平和だ平和だと叫ぶブログ自身が、そのブログの一番嫌う言論弾圧をしているのですから。

そんなに他国を信用できるなら、ネット上で実名と住所を公表して無防備な状態で生活して欲しいものですね。

Posted by: leopard | Sep 18, 2007 at 11:50 PM

>概算要求
それ、少し前に「軍事研究」か何かでも見た記憶があります。確か、役所の仕組みだと単年度契約が基本なので、多年度一括発注は難しいと聞いた記憶があるのですが、中の人はけっこう大変だったんじゃないでしょうか。

それもさることながら、2 万挺も注文が来たら、豊和工業の生産能力は大丈夫なのかしらん、と余計な心配をしてしまいました。

>言論弾圧
目下、別のところでも燃えさかっていて観察中なのですが、立場上、見るだけで手を出してはならないというのも、ちょっと辛いものがあります (マテ)

Posted by: 井上 | Sep 18, 2007 at 11:57 PM

因みに、同じような内容を先ほど投下、無事帰還してきました(笑)

反応が楽しみです。

それにしても、こういう人達って憲法9条自体が、圧倒的な軍事力とアジアや欧米、そして日本の多大な、本当に多大な犠牲で成り立っていう経緯を知らないんですかね??

もし、当時の米国がこの人達の主張どおりの平和国家で軍備も最小限、太平洋や大西洋を越えてまでの作戦能力を持っていなければ、ドイツはともかく、日本は戦争に勝っていたかも、(あくまで かも ですが)
知れないですよね。

ナチスや、戦前日本を倒したのは言論の力とでも言うのでしょうか?

Posted by: leopard | Sep 19, 2007 at 12:07 AM

なんか、えらそーにコメントするブログ主の人ですねえ。
> ttp://kurumachan.seesaa.net/

9 条の精神は立派だけれども、こちらが手を出さなくても相手が手を出してくる可能性はある、という当たり前のロジックを理解しようとしないところには、ほんと絶望的になります。

平和主義者の好戦性について、何十年も前に看破していたリデル・ハートはすごいです。昔から、この手の人ってこうだったんでしょうか。

Posted by: 井上 | Sep 19, 2007 at 12:22 AM

株式などの相場に
「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、
   楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」
という格言があります。

「平和は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、
   楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」

・・・・・・、自画自賛ですが、割合会ってる様なw
お粗末でした。

まあ、人間は昔から変わらないと言うことです。と言う事は、軍事に関しても言わずもがなですね。人間自体が「殆ど」進歩していないんだから。

Posted by: leopard | Sep 19, 2007 at 12:43 AM

> 中の人
 基本的には「ウィナ・ツァハル」さんの仰るとおりでした。おまけにそれにかかる特殊事情としては、トランスフォーメーション絡みで組織改変、部隊移動もあるため、「土日ですら休みがねー。」とのこと。
 たまたま戦闘職種ではないため、まだ気楽な方のようですが、それでも部下と上司の間で大変なようです(そもそも佐官の上司が、一足飛びに空将補クラスというのは...。)

> 大量発注によるコストダウン
 MD関連で背に腹は代えられないと言ったところですね。防衛産業の維持にも心を裂かなければならないのですが、正面装備に気を取られるばかりで、それまでの五月雨式の発注の悪弊を絶ちきる良いきっかけになったと、この点は非常に高く評価できると考えます。
 F15近代化も遅きに失した感もありますが、コストパフォーマンスに優れるため、このまま一気にやってくれればと願う次第。
 しかし、89式小銃2万丁購入の納期はどうなるのでしょうか。豊和工業の生産能力が試されそうですが、もっと早くにやっておかなければならないこと、また陸自だけではないため、豊和工業がどのような対応を見せるか目が離せないところですね。

Posted by: へぼ担当 | Sep 19, 2007 at 01:36 AM

>割合会ってる様なw
ぴったりではありませんか。

なんか、こういう話を見聞すると「人間って進歩してねえなあ」と思うんですが、進化論はこういう部分には反映されないようですね(そりゃ違うだろ)

>2 万挺
F-22A の多年度調達では、「3 年で 60 機発注するからね」ということでとりあえず契約しておいて、実際には毎年 20 機ずつ支出していく、という形をとっています。それでも、メーカーにとっては「60 機分の仕事の保証」があるから、先行調達や生産プロセスを (単年度ごとにやるよりは) 効率的に進められる、ということなのでしょう。
日本の場合にも、手法は同じなのかも知れませんね。

Posted by: 井上 | Sep 19, 2007 at 10:21 AM

2万丁作った翌年から豊和工業に何を作らせるかが興味がありますね。
89式をより細々とつくるのかそれともそれ以外に新規で何かあるのか?楽しみでもあります。

大量発注に関しては昔々に担当に「一挙に発注すればやすくなるのに?」と聞いたところ、
「大量に買うのは良いがいずれそれが一斉に整備や耐用を迎えるようになるとその時が大変だし、
その時に整備費や後継が確保できるか判らない」という話を聞いて
そういう考え方もあるのね。と思った物でした。
そんなことからも今回の概算要求ではホントになりふり構わず、とりあえずお金をひねり出すことにしたんでしょうね。

Posted by: SAMBAL | Sep 20, 2007 at 12:46 AM

うーん確かに… これが艦艇や航空機みたいな大物になると、ますます厄介ですね。

朝日新聞社の「兵器産業」を読み返してみたら、ピーク時の 1970 年代には 64 式を年間 2 万挺近く納入しているので、人手さえ確保すれば、キャパはありそうです。あるいは、F-22A の MYP と同じデンで、生産・納入は多年度に分割するとか。

Posted by: 井上 | Sep 20, 2007 at 10:16 AM

> 納入
 いつも言われることでしょうが、ASAP (as soon as possible) なのか、ASARP (as soon as reasonabliy possible) なのかでしょうね。
<ちなみに私たちの世界ではその区別は常識ですが。
 査収・検品側の方も体制が整わなければ、作ったのは良いが補給処に山積みでは元も子もありませんからね。
 というわけで、本当のところは契約を見ないと分かりませんが、ある程度余裕を持ったスケジュールになっていることは確実でしょうね。納入遅延で罰金を払い続けている某航空機の事例から考えても、影響度は大きいため無難な線を狙うと考えます。
 実際、一斉リプレースにしても優先度・必要性の高い所から行っていくでしょうし、何より自衛隊は物(装備品)を大切に使うことにかけては、芸術的な手腕を発揮しますからね(汗)。

Posted by: へぼ担当 | Sep 21, 2007 at 03:30 AM

>豊和工業に何を作らせるか
http://www.mizuho-ir.co.jp/column/shakai041102.html
団塊定年でつくれるうちに作っちゃう、あとはライン閉鎖なら笑う

Posted by: sionoiri | Sep 21, 2007 at 05:24 AM

>あとはライン閉鎖
エエェェ(´д`)ェェエエ

いきなり増産となったときには、豊和工業本体よりも、案外と下請け部品メーカーの方が大変かも知れませんね。

ところで。確か、89 式は弾だけじゃなくてマガジンも M16 と共用できますよね ?

Posted by: 井上 | Sep 21, 2007 at 10:51 AM

http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_int&k=20071029014937a
むかしはブラジルの札なんて紙切れだったけど、いまとなってはBRICsの一翼。でも、やっぱり豪気だね。「08年の軍事費、5割以上増額へ」

Posted by: sionoiri | Oct 29, 2007 at 08:41 PM

ブラジルの国防予算増額傾向は、アマゾン方面の警戒強化と、北方のベネズエラが兵器買いまくりな情勢が影響しているようですね。

早い話が、国防予算を増やすべきかどうかは周辺諸国との相対的な状況で決まるという、当たり前の原理原則に拠るのでした。

でも、予算を増やしてモノを買い漁っても、それを使いこなせないでタンスの肥やしにしてしまうのも、特に発展途上国ではよくあるパターンですけれど。

Posted by: 井上 | Oct 30, 2007 at 12:54 AM

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