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Jan 23, 2008

何でもいつかは寿命が来る

UK considers alternatives to Nimrod upgrade
(Jane's Defence Weekly 2008/1/23)

えっ、Nimrod MRA.4 の計画を見直し !? と思ったら、Project Helix こと Nimrod R.1 の方でした。ELINT 機なんですが、L-3 Communications がプライムになってアップグレード改修を実施、2025 年まで使い続けることになっています。

ところが、2006 年 9 月にアフガニスタンで墜落した Nimrod MR.2 (S/N XV230) の事故原因が燃料系の火災だったと判明したため、「こりゃ計画を見直した方がいいんじゃね ?」という話が出てきてしまったわけです。ただ、 この手の機体のキモはドンガラじゃなくてミッション・システムですから、開発しているミッション・システムはそのまま使い、 機体を別のものに変えてはどうか、と。

現実問題、Nimrod って元をたどれば Comet 旅客機ですから、ええ加減に設計が旧いわけです。ところが、Nimrod R.1 にしろ Nimrod MRA.4 にしろ、さらにそれを補修・改修して使い続けようというのだから、イギリス人の執念恐るべし。

でも、どんなにアップグレードや補修を重ねても、飛行してストレスがかかる状態が続けば、いつかは寿命が来るわけでして。 飛行機ほどクリティカルではないにしても、艦艇なんかも同じことです。

特に 1990 年代以降、予算の関係で既存の装備をアップグレードして使い続ける事例が多々ありますけれど、 それらがそのうちバタバタと使い物にならなくなって、業界大騒ぎ、なんてことになりはしないかと心配になります。なにせこの業界、 極端なことをいえば 1980 年代・冷戦末期の軍拡で揃えた装備を食い延ばしているようなところがありますから。

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Comments

そういえば、RAFはキャンベラの偵察機型をアフガンで運用してた様な気がしますが今でも使ってるんですかね。

Posted by: flanker | Jan 23, 2008 at 10:12 PM

キャンベラ PR.9 は、1 年ちょっと前に (!) 引退しております。なんて長寿な機体でしょうか。

Posted by: 井上 | Jan 23, 2008 at 11:11 PM

 センチネルでは代替できないんですかね。

Posted by: KWAT | Jan 24, 2008 at 10:14 AM

あれは J-STARS みたいなもんですから、ELINT 機にはならないでしょう。それに、ドンガラが小さいのでミッション機材の追加も難しそうですし。

Posted by: 井上 | Jan 24, 2008 at 11:06 AM

流石先の大戦で複翼機を雷撃機として使い続けた国です。(・ω・)ノ
しかし、ニムロッド改良て終いには皮が複合材製のまるでエアレース(レッドブルのじゃなくてリノの方)みたいにP-51だけと全く別物みたいになったりして。(笑)
で某所でP-1の価格話題になってますが、P-8Aと比較してどうなんでしょうねえ?
あんまりP-1安いので運用コストが嵩むのとか、P-8Aより性能低いのではて言っている人居ますが、どうなんでしょうね?
私は余り無理な設計して無いから、堅実な仕上りになっていると思ってますがどうでしょうか?

Posted by: 井上さん二人分の重さの男 | Jan 24, 2008 at 12:28 PM

うーんどうでしょう。
実のところ、イニシャルコストもさることながら O&M コストの方が高くなるのは事実で、民間機ベースの P-8A はそこがいくらか有利かも知れません。でも、ミッション・システムの維持管理にも相応にカネがかかりますし、ゲタをはいてみないことには何とも…

Posted by: 井上 | Jan 24, 2008 at 06:21 PM

確かにどちらもまだ実際に運用して無いから何とも言えませんですよね。
P-1これから色々金かかる可能性も否定出来ませんが、P-8Aも予想以上に金かかる可能性有り得る訳ですから。
本当に最近の兵器開発は難しい物です。

Posted by: 井上さん二人分の重さの男 | Jan 24, 2008 at 08:16 PM

後で思い出しましたけれど、P-1 と P-8A って、そもそも機体の性格が違うんじゃないですかねぇ。

P-1 は日本が置かれている条件に合わせて ASW 重視の香りがしますけれど、P-8A は違う方向にベクトルが向いているように思えるのですよ。だから、単純に機体のお値段で比較するのは、どちらにとってもフェアじゃないかも。任務様態によって異なるのはミッション・システムで、そこの部分がもっともカネがかかるわけですから。

Posted by: 井上 | Jan 24, 2008 at 10:39 PM

MMAは一度白紙に戻されて10年くらいプロジェクトが中断してたから、そこで生じたブランクの分だけ無理しとるんじゃないのかと思ったり。
MPAも部内研究からカウントすれば実は開始時期はMMAと同時期なので、差が生じるとすればそこじゃねいのかと。
GAOのレポート見ると、要素技術の幾つかが完成しておらず間に合うかも怪しいから既存技術をバックアップに、とか書いてあるので10年間本当に何もしてなかった可能性もあるし。

>機体の性格
少なくとも機体そのものが向いてる方向は同じだと思うよ、ジェット化やレーダーのISAR機能とかは明らかにASuWへの適応を狙ったものだし。
違いが出るとすればBAMSとのインテグレートだけど、これも今の構想を見る限り単なるセンサー機とのデータリンク構築に過ぎないんじゃないかと疑ってる。
というか相互運用性確保の研究までやっといて方向性がガラっと変わったら不味いって。

Posted by: CHF | Jan 25, 2008 at 03:47 AM

いえね、ASW や ASuW はともかく、ISR を意識した部分が強いのかなと思ったわけです。でなければ、ペイロードに ESM とは別に SIGINT 機材なんて出てこないだろうと < P-8A

確かに、1990 年代以降の P-3C にはそんな使われ方が増えてきていますし、アフガニスタンでも P-3 や Nimrod MR.2 が ISR ミッションをやってますし。あと、最近では電子情報収集機などを IED 対策に応用する流れもありますし。

Posted by: 井上 | Jan 25, 2008 at 11:12 AM

寧ろESMをレーダーと併せてSIGINT用センサに仕立てるんじゃないかな、それで汎用コンソールの強みで表示インターフェイスを数種類追加してISR対応と。
737のSIGINT専用機プランがあるんだから、ISR/SIGINTにだけ突っ走るということは流石にない、と思う。
MRAP大量調達とか見てると自信無くなるけど。

Posted by: CHF | Jan 25, 2008 at 03:50 PM

>737のSIGINT専用機プラン

これって ACS がらみで一時期出てきた話でしたっけ。結局、ACS に一本化したと思ったら ACS がいったん頓挫して、EP-3 後継機については仕切り直し状態ですけれど。

もっとおそろしいのは、MMA に当初、BAE Systems が Nimrod MRA.4 を売り込もうとしていたこと !

Posted by: 井上 | Jan 25, 2008 at 04:22 PM

>もっとおそろしいのは、MMA に当初、BAE Systems が Nimrod MRA.4 を売り込もうとしていたこと !

何を言ってるんです、素 晴 ら し い じゃないですか!
あの素晴らしき変態が世界中で108機も飛び交うかもしれなかったなんて、想像しただけで涎が。

採用されてたらGAOがボやLMと一緒になって燃料系統の問題で袋叩きにしてたかも。

Posted by: CHF | Jan 25, 2008 at 05:26 PM

そうなんですよね。当初ニムロッドも提案されてましたね。
しかし、21世紀になっても元が世界初のジェット旅客機コメットが100機以上も新造されたかもしれないとは…
思えばP3-Cも旅客機ベースですが、ニムロッド同様旅客機としては成功してませんよね?失敗作の方が良いかも?(オイ)

Posted by: 井上さん二人分の重さの男 | Jan 25, 2008 at 06:15 PM

問題は、旅客機として失敗すると、軍用機ができる前にベースモデルがなくなってしまうかも知れないこと…

Posted by: 井上 | Jan 25, 2008 at 06:56 PM

> 旅客機として失敗すると、軍用機ができる前に
 米空軍のボーイング提案KC-Xが同じ轍を踏みそうな罠。
 物は傑作機と言っても良いBoeing 767の-200ERベースに、ほとんど世代が違うと言っていい-400の技術を適宜盛り込んだハイブリッド機で、技術としては鉄板なはずなのですが。
<それ以上に鉄板なはずのKC-767が下手オクレになっているのはいかがな物かと小一時間(以下略)
 後継機のBoeing 787の登場で、そろそろBoeing 767の生産が終わってしまいそうな悪寒。ただ、Boeing 787の開発もずるずる遅れ、引き渡しも何度も伸ばされているのがあれなのですが(笑)。

Posted by: へぼ担当 | Jan 26, 2008 at 09:41 AM

うーん、KC-767 の遅延原因が、民間機と共通する部分なのか、給油機に固有の部分なのかが問題ですよね。

ただ、ここで KC-30 を採用するなんていったら、アラバマ州以外のところで大モメになる政治的爆弾だという説も。

Posted by: 井上 | Jan 26, 2008 at 07:22 PM

要求仕様として給油機の要件ってこれからどうなんざんしょ。グローバルホークなどの無人機への給油って高度どれくらいでやるんでしょ?
無人機をインテグレートする方が項目を決めるんなら、KC-30除けはそこから始まると思われます。

Posted by: sionoiri | Jan 27, 2008 at 10:41 AM

UAV だから高度などのエンベロープが変わるってことはないと思いますが、完全自律給油をやるとなると、風速などの条件が有人機より厳しくなる可能性はあるかも知れませんね。

ちなみに、昨年に終了した DARPA の AAR デモンストレーションでは、テストベッドに F/A-18 を使ったのでプローブ/ドローグ方式ですが、これは KC-767 も KC-30 も対応しているので無問題かと思われます。

Posted by: 井上 | Jan 27, 2008 at 01:06 PM

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