« USB フラッシュメモリの互換問題 ? | Main | 【Day 20】盛岡駅で積み残し »

Feb 08, 2008

ハイブリッド AFV の脱落

エコロジー軍隊プロジェクト : 週刊オブイェクト

↑ の記事で、米陸軍の FCS (Future Combat System) でハイブリッド車輌を取り入れる等の、軍用ハイブリッド車輌の話を取り上げていました。

上のエントリでは取り上げていなかったハイブリッド AFV として、スウェーデンの BAE Systems Hägglunds 社が開発している、SEP (Splitterskyddad EnhetsPlattform) があります。

現時点では装軌型と装輪型のプロトタイプを 2 両ずつ作ったところで、将来は共通プラットフォームからさまざまな派生型 AFV を産み出し、さらに英陸軍の FRES (Future Rapid Effects System) とハーモナイズしようぜ、なんて話もあったのですが…

 

Sweden Abandons SEP Program (DefenseNews.com)

il||li _| ̄|○ il||li

 

技術的に問題があったとかいうならともかく、「単独で開発できるだけのカネがない。パートナー企業が思うように集まらない。仕方ないから開発止める」だそうです。今後、パートナーが見つかれば再開できるかも、という含みは残していますが、さてどうでしょうか。スウェーデン軍は O&M (Operation and Maintenance) 経費に手を付けざるを得ないぐらい、財政的にきつい状況ですし。

この件に限ったことではありませんが、新しいウェポン・システムの開発にはカネも時間もかかります。しかも最新技術をつぎ込むために開発リスクが増えて、コスト上昇やスケジュール遅延の問題も出てくるのがお約束。これはもう、技術力があるとかないとかいうのとは別次元の問題といえるでしょう。

だから、過去には独自路線にこだわっていたスウェーデンですら、他国との共同開発による経費・リスク分担路線に舵を切らざるを得ないのが実情。案外と、こんなところから新兵器の開発競争を抑制する格好になってしまうかも知れません。

|

« USB フラッシュメモリの互換問題 ? | Main | 【Day 20】盛岡駅で積み残し »

Comments

> ハイブリッド AFV
ハイブリッドカー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%BC
の項を参照していただければおわかりになるかと思いますが、旧来からある電気式ディーゼル機関車や、いわゆる海軍での「統合電気推進」(除くディーゼル潜水艦)との違いは、「急速充放電可能な電池(キャパシタ含む)を活用するか否か」であり、その正否は極端な話「電池」が握っています。

 ディーゼル潜水艦はその重量にあまり制限を受けませんので、運用形態に応じてバッテリー容量の増減を容易に計ることが出来ます。
 しかし、軍用車両となると、あまり小さければその意味が無くなる一方、増やしすぎれば重量オーバーでまともに動かないなどバランスが難しい面があります。また、VVVF装置などのパワー半導体技術や、ホイール・イン・モーターなどの技術は民生用が先行しているものの、電池の分野だけはどうしてもと言うところがあり、電池屋曰く「狙った通りに作るのは大変難しい」のが現実だそうで。
 それでも、昨今の需要の高まりを受けて、電池技術の開発にも相当熱が入ってきており、従来までは難しかった大型車においても路線バスとはいえ、羽田空港でターミナルビル間で定期運用
http://www.exblog.jp/blog_logo.asp?slt=1&imgsrc=200802/03/29/a0022129_631641.jpg
されている三菱ふそうエアロスターエコハイブリッドが実用化されています。ちなみに最新型の詳細は以下の通りです。
【三菱ふそう エコハイブリッド 新型】第2世代に進化 | Response.
http://response.jp/issue/2008/0106/article103803_1.html
【三菱ふそう エコハイブリッド 新型】エンジンは停止か1600rpm | Response.
http://response.jp/issue/2008/0104/article103802_1.html
 これによると出力132kWのエンジンを発電のみの1600rpmで回っているか停止しているかの2モードに使い、定格出力79kW×2基の電気モーターで常時駆動する、いわゆるシリーズハイブリッド方式を採用とのことで、これだけの大容量電池を備えた仕様となっています。
 一方、軍用車両ではより大きな容量・出力が求められるため、主に電池部分での開発が難航し、今回の頓挫の遠因にもなったと考えられます。
 ただ、ここのところの民生用技術の急激な進歩に伴い、装甲車両に応用が広がるのは時間の問題であり、単に今回の試みがまだ時期尚早、野心的すぎただけと考えます。

 10年程度も経てば、静かにVVVF音を立てながら進む装甲車両が散見されるのでしょうか。ホイール・イン・モーターなどの技術を組み合わせれば、革命的な進歩ともなりうるだけに楽しみなところです。

Posted by: へぼ担当 | Feb 09, 2008 at 02:38 AM

これからは、装甲車両はコマツの時代ですね。旋回式ショベルカーといい(嘘)

Posted by: sionoiri | Feb 09, 2008 at 06:56 AM

>コマツの時代
 実際に電池式フォークリフトや、大型油圧式ショベルなどでも電動(動力源として外部電源を引き込む)の物が登場していますので、その点からもそうですね。
 もっとも自衛隊の場合、装輪式の物はコマツ製ばかりで、自衛隊にしては非常に珍しく、ものすごい勢いで増備されて、なじみが出てきた軽装甲機動車も同じく、ですからね。
 三菱がどう巻き返すか、個人的には見物と考えています。

Posted by: へぼ担当 | Feb 09, 2008 at 08:24 AM

>共同開発
 他国との共同開発による経費・リスク分担路線を選択したはいいものの、今一つ運用要求が絞りきれず、総花的な目標の設定をせざるを得ず、要求性能が過大になり、開発経費が嵩みコスト上昇を招き、開発期間の増大を招き、更にコストの増大を招き…と負のスパイラルが展開されるのが目に見えるようですな(ヲイ

 いえね、共同開発の要点は結局予算よりマネジメントなのかも知れないと最近思うようになりまして、船頭が多いわけですから、その船頭を以下に同じ目標に向かって作業をさせるかという辺りがプロジェクトの成否を決めるのだろうなあと。

>余談
 これは、「オハナシ」程度の裏話としてきいといて下さい、ちょっと昔の話らしいし。

 K松の開発陣は、非常にフレキシブルな体制が組まれるそうでして、開発計画が持ち上がるたびにスタッフを招集し、プロジェクトチームを組むンだそうです。

 この体制、一つ大きな問題がありまして。

 毎回プロジェクトチームを組むと言うことは、何らかのコア集団があってその場で必要なスタッフを徴集してくるなら良いんですが、そうじゃなくて、一から集め直すんだそうで。

 それで装輪式を何とかしてるんならすごいじゃんとも言えるんですが…毎回戦闘車両とは、と言う辺りから始めているのだよと言う怖い話が(爆)

Posted by: ooi | Feb 09, 2008 at 08:49 AM

 あ、上の話、防衛部門の話だそうです。>所謂キイハナですからね?

Posted by: ooi | Feb 09, 2008 at 09:57 AM

http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07021523.cfm
キャタピラー製の装甲車両ならそれはそれで構わないと思います。
でも、タダノの装輪自走砲、550tクラス(嘘)とかの方が興味があります
http://www.tadano.co.jp/products/construction/allter/ar5500m/index.html

Posted by: sionoiri | Feb 09, 2008 at 01:53 PM

高性能電池に被弾って怖い気がしませんか?
なんか燃料タンクより始末悪そう…

Posted by: トレペ | Feb 09, 2008 at 03:40 PM

> キャタピラー製の装甲車両
 イスラエル陸軍御用達装甲ドーザーですか(笑)

> タダノの装輪自走砲
 ちなみにうちの方では装軌式ですが、1200tクラスや850tクラスがごろごろと。いつもの50tクラスがかわいく見えて仕方がありません(爆)。

> 高性能電池に被弾
 リチウムイオン電池は特に懸念されますね。
 もっとも化石燃料にしても、電力にしても、それだけのエネルギーが内蔵されており、被弾によりそれが爆発的に解放されたら、それはそれで同じ事なのですが、その入れ物の段階で怖いというのは一考ですね。

Posted by: へぼ担当 | Feb 09, 2008 at 04:11 PM

>ホイール・イン・モーター
GD が作っているデモンストレーター、AHED (Advanced Hybrid Electric Drive) がありますね。これも SEP と同様、英陸軍の FRES 計画を狙っていましたが、SEP が脱落となると、ひょっとすると AHED でいく可能性があるかも知れません。

>負のスパイラル
マネージメントが重要というのはまったく同意です。基本的に、要求仕様が似たもの同士でないとうまく行かないでしょうね。
あと、予算事情が苦しい国が混じると、MRAV/Boxer みたいにパートナーが途中ですっぽ抜ける "社会の迷惑" になるのも、難しいところです。

Posted by: 井上 | Feb 09, 2008 at 06:54 PM

静かなら敵に接近するときも有利になるんでしょうか。一度プリウスに背後とられたことが……。

「――ふりむけば、貴方の後ろにこっそりと――トヨタ・プリウス」

Posted by: TB&SH | Feb 09, 2008 at 07:45 PM

なると思います。AHED には、バッテリでモーターだけ動かす「ステルス・モード」があるそうですし、明らかに狙っているでしょう。

プリウスの場合、モーターだけで走っているときには、意図的に何か音を出す方が安全なような気がします。エンジン音で味気なければ、小田急ロマンスカーみたいにミュージックホーンとか (殴)

Posted by: 井上 | Feb 09, 2008 at 07:48 PM

インホイルモーターは駄目。

何故ならばホイル自重が増えるためにサスペンションが地表を追従できませんから。要するに乗り心地が最悪って事。余程の薄型化・軽量化が達成されない限り、インホイルの利点はサスペンションの高騰化という欠点に食いつぶされると考えます。

民生・大学のコンセプトカーを見れば分かりますが、インホイルモデルはサスペンションなんかちっとも考えてません。慶應のエリーゼは同期モーターを用いたダイレクトドライブですが、同期モーターの大きさも相まって、F1カーもかくやという様な金の掛かったダブルウィッシュです。

ここいらを考えれば、軍用でのインホイル化はまだだろうという感じです。せめて電磁推進式のアクティブサスでも安価に実用化されることでホイル自重の増加に対してフォローできれば違うでしょうが。

Posted by: あっさむ。 | Feb 09, 2008 at 11:13 PM

ということは、乗り心地だけでなく路外走行性の面でもネガがありそうですね。つまりはバネ下が重すぎるってことでしょう ?

Posted by: 井上 | Feb 09, 2008 at 11:33 PM

> プリウス
 現行型でも航続距離は10kmほどと極端に短いのですが、エンジンを全く始動しない電動自動車モードで走ることが可能です。
 我が家(実家)のものも近所迷惑を考えて、夜間などの際はその設定にする場合が多いのですが、危険と思えるほど音がしません。騒音がないという点では狙い通りなのですが、近くに車が来ていると言うことが、ヘッドライトでも照射しない限り、周りの歩行者や自転車等に認識してもらえないのは意外な盲点で、狙い通りゆっくり走ることが多くなります。
 電気自動車モードは家庭で充電できないこと以外、プラグインハイブリッドの先取りとも言え、それはそれでメリットがあるのですが、接近者対策は考慮すべきと言うのが、実際に運転している中での実感です。
<「ドレミ音」を響かせるシーメンスのVVVFを採用すればいい、というのは半分冗談。半分本気ですね。

Posted by: へぼ担当 | Feb 09, 2008 at 11:59 PM

>でも、タダノの装輪自走砲、550tクラス(嘘)とかの方が興味があります

コン・○トラーも持ち上げられる!(爆)

Posted by: 通りすがり | Feb 10, 2008 at 12:19 AM

ちょっと待って、クレーンを 57m より上まで持ち上げられるか確認しないと ! (ええかげんにせえ)

Posted by: 井上 | Feb 10, 2008 at 12:26 AM

あ。エリーゼじゃないや、エリーカか。

エリーカも一応(思いっきりはみ出ているとはいえ)インホイルドライブではありますが、そのサスペンションの実態はプッシュ式のダブルウィッシュボーンです。金掛かりすぎ。そういった意味では、ハイブリッドカーの様にシャフトで動力伝達する方が既存のシステムの延長線が適用できますので、コスト的には有利です。

でもって、乗り心地ですが当然のこと路外機動性能にも直結します。バネ下が数倍以上増えるのですから当然の事ですね。まあ、コストさえ気にしないのであれば、それなりの対策法もありますけど。

Posted by: あっさむ。 | Feb 10, 2008 at 01:17 AM

プリウスと言えば昔あれにはサブCタイプ(RCに使用されているバッテリー)の電池がいっぱい積まれているて聞いた事有りますが本当だったんだろうか?

Posted by: 井上さん二人分の重さの男 | Feb 10, 2008 at 01:36 AM

>コスト
そういえば、よりによって JLTV のコンセプトモデルでハイブリッドとインホイールモーターを使っているやつがありますね。数が出るだけにコスト面の要求もきついでしょうに、大丈夫なんでしょうか。
http://www.defense-update.com/features/november_07/mdm07_hed.htm#more

そりゃまあ、ドライブシャフトがない分だけ車高変換はしやすそうですし、室内スペースを増やす効果もありそうですけれど、失うものも負けず劣らず多そうです。コストとか開発リスクとか、既出のバネ下重量の問題とか。

Posted by: 井上 | Feb 10, 2008 at 09:28 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« USB フラッシュメモリの互換問題 ? | Main | 【Day 20】盛岡駅で積み残し »