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Sep 17, 2008

民間企業に任せる分野・任せない分野

軍の業務の民間委託について、あーだこーだといわれるようになってしばらく経ちますが、この分野でもっとも熱心なのは、実はアメリカじゃなくてイギリスかも知れません。PFI (Private Finance Initiative) を利用する方式が多いようです。

たとえば英空軍の FSTA (Future Strategic Tanker Aircraft) 計画では AirTanker コンソーシアムが A330-200 MRTT (Multi Role Tanker Transport) を保有して、軍の求めに応じて空中給油や空輸のサービスを提供します。基本的に同じ機体を使うオーストラリアでは、単に空軍機として運用するので、形態が違います。

あと、空中給油機を飛ばしている民間企業としては、Omega Air があります。B.707 や DC-10 を改造した給油機で、米海軍などに給油サービスを提供しています。

イギリス軍がらみのメジャーな PFI というと、Skynet 5 もあります。これは通信衛星で、衛星を Paradigm Secure Communications なるコンソーシアムが保有・運用、通信衛星の "放送時間" を国防省に売る形。空き時間にアルバイトで民間向けの商売もできるところがミソです。もちろん、軍の通信が優先ですが。

海の上では、VT Group に哨戒艦 HMS Clyde を建造させて、それを英海軍がリースして運用している事例があります。こちらは PPP (Public Private Partnership) 方式。

その他の分野では、訓練業務を機材・教官も含めて民間委託するとか、飛行機の整備を民間委託するとか、UAV を使った偵察を民間企業に委託してデータだけもらうとか、SALIS (Strategic Airlift Interim Solution) みたいに民間企業保有の輸送機を NATO 各国が共同でチャーターするとか。

とにかく、チャーターとかリースとか PPP とか PFI とかいう言葉が、あちこちで出てきている昨今です。

ところが面白いもので、「【珍説】伊勢崎賢治「インド洋給油は民間業者でもできる」???」(週刊オブイェクト) で取り上げている洋上補給は、民間企業にやらせている事例ってないみたいなんですね。民間人が乗り組んだ軍のフネでやる、ということならアメリカでもイギリスでもやってますが、あれはあくまで軍のフネ。丸腰でも軍艦は軍艦です。

  • 補給艦は専用の設備が必要だから、既存の商船を改造して一丁上がり、とはいかないし、結果として "つぶしのきかない" ものができてしまってリスクの大きい商売になる。しかも、独自の運用ノウハウも必要で、人員の育成も課題になってしまう。
  • それと比べると空中給油機は、余っている旅客機を改造して作れるぐらいだから、比較的低リスクで商売できる。空き時間には貨物輸送機として使える。

という違いかなと思ったのですが、真相やいかに。

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Comments

佐○急便が飛脚便飛ばす時勢ですから出○あたりで中古のB-767とか改造して空中ガスステーションを・・・

日本○空さんはフラグシップエアラインなのですが労組体制が左巻きなので如何なる日本の業務代行もしないでしょうな・・・orz

いかん、きちんと所属を管理しないと周辺諸国の空軍力増強に寄与してしまう・・・w

Posted by: にゃんこ | Sep 18, 2008 at 05:07 AM

松茸も生えない海上で旨味の無いサービスなんでしょうね、洋上補給活動だけに特化した艦体派遣するなんて国はあまり聞かないですし・・・

Posted by: やのちゃん | Sep 18, 2008 at 06:30 AM

鈴与なら、物流もガススタも航空事業もやっているので、ちょうどよいかも。って勝手に決めちゃいけませんね。静岡空港を拠点にすれば、ヒマそうだから運用の柔軟性もあるし。

日本の場合、戦闘艦を出して警備行動がメイン、とかいうとブーブーいう人も出てくるので、政治的に無難、かつ日本がリソースを持っていて役に立つ、という意味では、給油活動というのはなかなかいい落としどころだったと思いますよ。

Posted by: 井上 | Sep 18, 2008 at 09:42 AM

給油に手馴れた民間…水産庁には捕鯨母船という洋上補給に手馴れた船があって、先の大戦でも…

Posted by: sionoiri | Sep 18, 2008 at 11:51 AM

ttp://www.whalelove.org/news/1711038
直リンクは避けておこう

Posted by: sionoiri | Sep 18, 2008 at 11:57 AM

そういえば、給油作業の手順には影響しないかも知れませんが、商船だと燃料が重油、軍艦だと燃料が軽油、という違いもありましたっけ。

Posted by: 井上 | Sep 18, 2008 at 12:02 PM

> 佐○急便が飛脚便飛ばす
 そのギャラクシーエアラインズ株式会社 (GALAXY AIRLINES Co.,Ltd.)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BA
は、ここ最近の航空燃料高騰等で赤字を垂れ流し、再建(黒字転換)不能と判断されましたので、あぼーんとなる予定ですね。
 ただ、せっかく使っていたエアバスA300-600Fが余剰となりますので、ドイツ空軍のA310 MRTTのような魔改造をして空中給油及び人員・貨物輸送に転用というのも夢があって良いでしょう。

> 洋上補給活動
 もし民間にアウトソーシングするなら、低速である事による運用制限はかかりますが、中古タンカーを転用する手がありますね。
 実際、中国海軍の南倉Nancang(現在は青海湖qinghaihuと改名)はウクライナで建造されたタンカーを転用したもので、速力は物足りない(17ノット)ものの、元がタンカーだけあって満載排水量37000tonの大容量を誇っています。(出典:世界の艦船2004年8月号)
 ただ、それにしても洋上補給ポストの設置など、大改造を行っていますので、そのまま寿命まで使い切る覚悟がない限り、民間では相当難しいのではと愚考します。
 また、日本の航空会社でも思想的な問題がありますが、海運会社の場合、日本の海運会社所有・運行の船であっても、海外運用可能なような大型船の場合、船長以外の乗員はほとんどが外国人であるのが実態であることからことを考えると、人員・機密確保の面からも難しいのは明らかでしょうね。
 夢のない話ではありますが。

Posted by: へぼ担当 | Sep 18, 2008 at 08:20 PM

他国の例を見ると、中古の旅客機を改造して給油機にする事例、案外とあると思います。

ただ、空自の場合はみんなフライングブーム方式なんですよねえ… プローブ/ドローグ方式の方が、タンカー側の改修は楽そうですが、どうでしょうか。

Posted by: 井上 | Sep 18, 2008 at 11:08 PM

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