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May 21, 2009

インドネシア空軍の輸送機墜落

先日、インドネシアで空軍の輸送機が墜落する事故がありました。聞けば、墜ちたのは C-130 という話。

インドネシア空軍の C-130 について調べてみたら、 C-130B/H×20 機という情報と、C-130B/H×18 機プラス L-100-30×3 機という情報が。ただし後者の情報は 20 年前のものなので、その後で減耗して総勢 20 機というのはありそう。

ちょうど昨年 12 月に、シンガポールの ST Aerospace がインドネシア空軍から、C-130B×4 機を対象とするメンテナンスと改修の作業を 5,100 万シンガポールドルで受注したばかり。墜ちた機体が B 型かどうかは不明ですが、間の悪い話です。

実は、東ティモールなどにおける人権侵害を理由として、アメリカがインドネシア向けの制裁措置を発動していた時期が長く、その関係でインドネシア空軍のアメリカ製航空機は片っ端から整備不良で飛べない状態になっていました。

それが、2005 年の末になってようやく、FMF (Foreign Military Financing) がらみの制裁解除が決まった次第。それでやっとこさ、機体をフライアブルな状態に戻す作業を始められるようになったわけです。といっても予算が苦しいので、なかなか進まないのが実情のようですが。ST Aerospace の件も、20 機のうちの 4 機だけですし。

発展途上国の空軍だと、たとえ制裁を食らっていなくても、整備不十分で飛べない機体だらけというのはありそうな話です。特に航空機は、整備員の腕だけじゃなくて「ちゃんと交換用のパーツが入ってくること」も重要でしょうし。

そういえば、台湾海軍の Kidd 級駆逐艦も、射撃管制レーダーで使用する進行波管が discon になってて、オリジナルのコピー品をアメリカで作って輸出する羽目になってましたっけ。

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Comments

タイ陸軍のMi-17みたいに(あれは最初はロシアの米代か)整備費安くて手かからない方が良いでしょうね。

Posted by: 井上さん二人分の重さの男 | May 21, 2009 at 11:49 PM

カネさえあれば、中東の産油国がやってるみたいに、整備業を手掛ける PMF に丸投げっていう手もあるんですけれどねぇ…
たとえば、DynCorp International とか L-3 Vertex とか。

もっとも、装備の開発・製造元の了解なしに勝手にいじると、それはそれで紛糾する原因になりますが。

Posted by: 井上@Kojii.net | May 22, 2009 at 12:09 AM

空の人が何かと国産に拘る訳ですね…

Posted by: にゃんこ | May 22, 2009 at 03:13 AM

そういえば御近所の某国でも、F-16 のパーツが FMS でなかなか入手できなくて、メーカーとの DCS (Direct Commercial Sales) を検討した、なんて話があったような。

ただ、国産化したら高くなりすぎた、というのでも困るわけで、どこで折り合いを付けるかが難しいところです。

Posted by: 井上@Kojii.net | May 22, 2009 at 08:23 AM

こういう制裁をかけることで圧力をかける訳なのですが、お偉方はあんま軍用機で移動はしないので、どっちにしろ酷い目に遭うのは末端の兵士なんだろうな、と。まだC-130だと各国で採用されているのでDISCONの問題もなさそうですがね。
たしか火星探査機のぞみは一部の部品が専業メーカーの買収騒動で生産中止になって、設計変更をせざるをえなくなって、それあとあとトラブルの原因になったとか。貧乏怖い(´・ω・`)

Posted by: 憑かれた大学隠棲 | May 22, 2009 at 03:41 PM

ただ、このごろだと、開発費の高騰が量産効果を圧倒的に凌駕して、シンプルな開発で済む日本産がどんどん有利になっている気がしないでもないです、
特に航空機。
インテグレート出来る能力と、どんな細かい部品も自賄いできるバックボーンを得られると考えれば完全国内開発は、可能な国では非常に良い選択肢、とここ数年は思います。

Posted by: ぼろねこ2k | May 22, 2009 at 05:56 PM

日本の場合、いい意味でも悪い意味でも無茶苦茶な冒険をしないのが、いい方向に効いているのかもしれません。

アメリカの場合、熟成が足りないうちに楽観的なスケジュールとコストの見積もりで欲張ったものを作ろうとして炎上パターンが多いので、最終的にモノになればいいけれど、その前に議会や GAO に目をつけられるとあぼーん、ということになってしまいます。

>お偉方
お偉方は軍用輸送機じゃなくて VIP 仕様のビジネスジェット機、というのはありがちかも。
C-130B についていえば、他にもちゃんと飛ばしているカスタマーは幾つもありますから、機体が古いから即ダメ、とはいいきれないはずなのです。

買収といえば、Dassault が Thales 株を買い付けたせいでレーダーを変える羽目になった Gripen NG はいい迷惑です、ほんと。

Posted by: 井上@Kojii.net | May 22, 2009 at 07:32 PM

>ビジネス機
C-130で開設前の羽田新滑走路(現行使用中)に着陸したのはインドネシアだった希ガス。
なかなかジェット機の専用機とは逝かない?
国産品愛用促進連盟
http://www.indonesian-aerospace.com/cn235mil/
>無茶苦茶な冒険
VH-71なんてどう考えても、素のEH-101の方が、VH-3より安全だと思うのに、なにをゴテゴテしたがるのか?

Posted by: sionoiri | May 23, 2009 at 07:02 AM

VH-71 では、大統領専用機ということで秘話通信機材なんかのミッション システムを充実させる必要があって、そこのところでモメているみたいですね。多分、自衛用電子戦装置やミサイル接近警報装置も必要でしょうし。

ドンガラの部分だけなら、おっしゃるとおり、何も問題はないはずなのです。

Posted by: 井上@Kojii.net | May 23, 2009 at 09:20 AM

まあ計画段階ではいろいろ妄想も有るみたいですが>日本も。FHI案P-Xはお約束として、KHIだって「可変翼を採用したかった」ですからね。 w

あと、単なる国外調達もKC-Xのスッタモンダを見るに、大変だなー、と。国内完結ってのも有効な場合はあるんだなー、と。(アメリカでそれやるのは不可能でしょうけど)

Posted by: boroneko2k | May 23, 2009 at 11:51 AM

それなんてボーイング 2707 (殴)

KC-X のあれは、技術的な話というより、政治的なところでもめてるわけでして。アメリカの議会って、地元利益誘導が露骨に出やすい場所ですから、KC-X や F-22 をめぐる議員の動きはなかなかの見モノです。

Posted by: 井上@Kojii.net | May 23, 2009 at 01:12 PM

B2707、なんかの冗談で可変翼のままだと楽しかったような、TU144よかずっと早く引退していたような。エアフォースワン用途以外は。w

政治(官僚かも…)が絡んだ揉め方は日本でもありますが、飴参はスケールがでかいですからねー。されとて建前があるから全く閉鎖市場に出来ませんし。(実質はともかく)

Posted by: boroneko2k | May 23, 2009 at 10:15 PM

先日も「F-22A は 187 機では足りない」と力説している議員がいて、どこの選出かと思ったらジョージア州。分かり易すぎます。こういうときには民主党も共和党もないのが面白い (?) ところ。

可変翼機って、大型になるほど設計が大変そうな気がしますが、実際のところはどうでしょうか。逆に、トーネードみたいに小さくまとめるのも厄介ですけれど。

Posted by: 井上@Kojii.net | May 23, 2009 at 11:08 PM

Boeing2707て古い百科辞典に有ったなあと家捜ししたら有りました。1967年12月25日発行の学研の原色学習図解百科(・ω・)ノ
1970年に初飛行予定になってました。可変翼でマッハ2.7で250~350人と凄そうな感じで当時のイラストで内部図解も載ってますねえ。
コンコルドがコンコートとしてTu-144と共にライバルとして載ってます。他の機体もB727、B737、YS-11、BAC-111、DC-9、DC-8-61、Tu-114が写真掲載されてます。
軍用だとE-2A、YF-12AやF-111、C-130から空中給油受けるA-4が載ってます。
退いた物やら別物に進化した物、未だ現役と色々有りますねえ。

Posted by: 井上さん二人分の重さの男 | May 23, 2009 at 11:26 PM

私が子供の頃って、いろいろ不便なことがありましたけれど、その一方で無限に発展することを期待する「夢」みたいなものもあったなあ、と思いました。

空の上だけじゃなくて鉄道業界でも、磁気浮上鉄道だけじゃなくて、空気浮上鉄道とか真空チューブとか、訳の分からん有象無象 (こら) がいろいろ出てきて。

はて、どこかで似たような話が… と思ったら、PC 業界も 1990 年代前半から半ばにかけては、似たような感じだったと思います。

Posted by: 井上@Kojii.net | May 24, 2009 at 07:35 AM

えーと、第2仕様の愛国者の整備やってる半人前の意見なんですが、失礼。
引用はじめ。

>発展途上国の空軍だと、たとえ制裁を食らっていなくても、整備不十分で飛べない機体だらけというのはありそうな話です。特に航空機は、整備員の腕だけじゃなくて「ちゃんと交換用のパーツが入ってくること」も重要でしょうし。

引用終わり。

この文章の後半に関しては、いたく同感です。
ぶっちゃけ整備する人間の腕は今でも重要といえば重要ですが、アメリカ製の兵器なら大抵の場合、Technical-Manual(Order)が付いてくるので、マニュアル見て書いてあるとおりにやれば、「バカ」でも整備できるんですよ(書いてる自分の胸が痛む話です)。

最も重要なのは、

>「ちゃんと交換用のパーツが入ってくること」

なんです。
これが無いと、もうどうにもなりません。
日本の場合は、多くの外国産装備の部品をライセンス生産できていることもあり、
なにか仕様に変更が加わった部品があると、すぐにマニュアルにもそれに応じて変更が加えられますし、国内の請負製造メーカーでも仕様変更に応じた改善ができますが、
これがもしも、今回の記事のインドネシア空軍のような、お古の完成品の購入しかできない状況であれば・・・・・。

いやあ、ライセンス生産にせよ、国産品っていいですね。
自国での用途、環境、国情に合わせて仕様変更しても許されるのですから。空調や給排気関係なんか、特に。

熱帯地域で「北米仕様のままの器材」の運用を強いられる現場の苦労は如何ほどか。

Posted by: Echo-10 | May 25, 2009 at 12:35 AM

その「誰でも分かる T/O がある」っていうのが、実はアメリカの最大の強みではないかと思ってみたり。
実際、彼の国ではマニュアル作りも学問のひとつですし。確か、カーネギーメロン大にその辺の専門家がいるそうです。

現実問題、ライセンス生産にしろ自主開発にしろ、自前でパーツを用意できる国はごくごく限られている以上、輸入に頼っている国の方がずっと多いわけで、どうやって整備を回しているんだろうかと気になります。

傍から思われている以上に、共食い整備なんかをやっているところって多いのかもしれませんね。

Posted by: 井上@Kojii.net | May 25, 2009 at 08:29 AM

そして、北海道の風力発電は輸入物ばっかで、一度壊れると補修が大変、だとか。

風力発電も日本の風の吹き方(いきなりトンでもない突風が吹くこと多し)に舶来品は対応できず、国産に少しづつシフトしているそうで。

国産を大事にするって大切ですねー、と。
ディーゼル機関車の黒歴史DD54も全く同じ構図だったような…

Posted by: ぼろねこ2k | May 26, 2009 at 01:06 PM

DD54 は「アレ」でしたねえ。最近でも他所の国では、高速車輌を輸入してみたものの、いろいろ国情に合わない部分が出てきて苦労している事例が散見されますし。

といったところで新エントリに続きます。

Posted by: 井上@Kojii.net | May 26, 2009 at 01:37 PM

これを考えると、空軍の装備の多くが未だにアメリカ製のイランって、技術レベルがかなり高いって事なんでしょうかねえ。
今でもF-5Eやファントムにトムキャットまで飛ばしてるみたいですし、AH-1Jを自前で改修してAH-1Wモドキを作ったりもしてますし。
シーキングやチヌークまで現役とか、飛ばせる物はなんでも飛ばせ状態。

Posted by: クルーガ | May 27, 2009 at 01:19 AM

しかも、F-5 を双垂直尾翼化した「イラン版サイレントイーグル」なんてものまで。

もちろん、共食い整備から何から、あれこれと知恵を絞っているのでしょうけれど、まさに「必要は発明の母」という感じです。あと、対戦車兵器や自動小銃の類も国産してますし、そこそこの水準の兵器産業はあるんですよね、あの国。

Posted by: 井上@Kojii.net | May 27, 2009 at 10:53 AM

それだけ兵器の維持、改造が出来る工業力なら、大抵のことは出来そうな気がするんですけどね。
若干平和になれば、イスラエル級まで到達しそうですし。
まぁトムを現役で動かしている、ってだけでハァハァ物ですが。w

Posted by: boroneko2k | May 27, 2009 at 10:11 PM

それもさることながら、その F-14 に MIM-23 HAWK を搭載したのがビックリです。いくらアナログ時代の製品とはいえ、AN/AWG-9 をどういじったのやら…

Posted by: 井上@Kojii.net | May 27, 2009 at 11:19 PM

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