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Jul 01, 2009

アメリカの高速鉄道計画と GAO の指摘

アメリカの GAO (Government Accountability Office) が、ARRA (American Recovery and Reinvestment Act of 2009) から 80 億ドルを高速鉄道プロジェクトに支出する件について、報告書をまとめてました。

すでに新幹線を売り込む話が出ている San Francisco - Los Angeles 間の高速新線だけで 330 億ドルの費用がかかると見込まれている上に、それ以外にもいろいろ計画があるため、ARRA で 80 億ドルを支出するのは「最初の一歩」。80 億ドルというと 8,000 億円かそこらですが、確かにこれで済むはずがなく。

そうした多額の支出をするからには、一般市民や政治面のサポートが必要、と至極もっともな指摘をしています。あと、この件にばかり連邦政府のおカネを出すわけには行かないわけで、保健、国防、産業支援といった分野との兼ね合い、なんて問題もあります。実際、軍の施設改善工事なんかでも ARRA から支出している事例はいろいろ。

そうした中で、連邦政府が明確な目標を掲げて関係各方面からの支持を取り付けて、キチンとコミットメントして継続的に取り組まないとダメ、という当たり前のところに落ち着くのでした。

 

しかし冷静に考えると、西海岸、あるいは東海岸だけならともかく、いまさら全米に高速鉄道網を張り巡らしても、飛行機から転移するもんだろうかと。自著で書いた話の蒸し返しになりますけれど、鉄道が威力を発揮できるのは所要時間 3-4 時間ぐらいのレンジが中心。でも、アメリカの国土の広さはそれを大きく超えていると思うわけです。

だから、空港に高速鉄道を入れる等の施策により、各種交通機関をうまく連携させるのが重要なのでは。

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Comments

アメリカが高速鉄道の空港乗り入れをやったら、右習えの日本も夢の新幹線羽田駅が出来ないかなー…

ホント静岡空港なんて勿体ない事やっているの見ると、もう少し有機的な連携は出来ないんかね?と思いますわ。

アメリカも未来永劫石油文明は続かない、バイオエネルギーは、主流とするにはあまりに微妙、なんて考えているかもしれませんね。原油高は相当懲りたでしょう、かの国は。
(こちらの国は何も懲りていませんが orz)

それにしたって、この期に及んで大陸横断高速鉄道は微妙ですね、ホント。

Posted by: ぼろねこ2k | Jul 01, 2009 at 10:55 PM

アメリカみたいに国土が広いと、鉄道と飛行機のハブ & スポークが最善かと思うのですが、日本の国土規模だと協調というよりガチンコ勝負になっちゃうんですよね。

むしろ、本庄早稲田や岐阜羽島でやってるみたいに、クルマと連携する方が日本に向いているのかも知れません。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 01, 2009 at 11:21 PM

どこで見たか失念しているんですが、
カリフォルニア高速鉄道の場合、航空機からの乗換えより、
自動車からの乗換えを重視しているという話を見た記憶があります。
まあ、それが上手くいくかはいろいろ他の条件等も関連してくるとは思いますが。
航空機の利便性が日本より高いアメリカで、旅客輸送が航空機から転換できるかは確かに疑問だとは思います。

また、それ以外の地域については確かに高速「旅客」鉄道網は必要性が薄いとは思いますが。
貨物輸送の分野では、路線の悪さに起因する輸送速度・輸送量の問題もありますので在来線の改善はそれなりに合理性があると思います。

Posted by: とおりすがり | Jul 01, 2009 at 11:35 PM

確かに、日本だと 1,000km もクルマで移動するって考えにくいですが (といいつつ何度もやった私)、アメリカだと平気で、クルマで 1,000km かそこらは走ってしまいそうですね。アメリカでの、距離別・交通機関別のシェア比較があったら見てみたいところです。

貨物については仰るとおりで、鉄道貨物が改善されれば、いろいろな方面で喜ばれそうです。
そういえば面白いもので、貨物の超高速鉄道って、どこもやってないんですよね。高速新線に貨物列車も通す、という程度で。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 01, 2009 at 11:49 PM

高速貨物鉄道か・・
荷扱いの時間とかを考えると高速鉄道が有利になる区間d高速貨物が有利にはならないんですよね。トラック6時間新幹線3時間とかだと
そして鉄道貨物は内航と同じ時間と価格ってことにもなりますし

Posted by: 憑かれた大学隠棲 | Jul 02, 2009 at 01:24 AM

貨物は自分で歩いてくれませんからねえ。

さらに、新幹線だと夜間は走れないし、昼間に走らせて旅客列車と競合しても面白くないし、おまけに旅客会社と貨物会社が別だし。そうなると、在来線で可能な限り高速化する方が、費用対効果が良いのでしょうね。

そもそも、一部の生鮮食料品みたいな例外はあるにしろ、貨物は人間ほど急がないんじゃないかという説も。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 02, 2009 at 11:22 AM

日本に限定すれば、貨物は内航海運という巨大なライバルがありますからね。高速化しても高運賃化したら船と勝負にならないでしょう。

青函トンネルを物流の大動脈という記述も見かけますが、物流シェアでは海運の敵ではありませんし、路線の維持費もアボイダブルコストベースの負担力しかない訳ですし。

今年のはじめに第2東名・名神を利用した物流新幹線構想も突然ぶちあげられましたが、コスト面で勝負になりますかねぇ。

Posted by: 砂兎 | Jul 02, 2009 at 12:20 PM

ですね。どこぞのように、30kt で巡航する高速フェリーなんてものまでありますし。鉄道貨物が喰うべきは、特に日本の場合、海運ではなくてトラックかと。

となると今度は、高速道路や主要幹線道路と貨物駅を結節して… とかいう話になるのかも知れません。いまさら変えるのは大変難しいですが。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 02, 2009 at 01:35 PM

>貨物鉄道
コンテナ船が運ぶ20フィートコンテナは国内の道路では運送が困難なので、鉄道と連携できらば面白いです。

けど、ターミナル港に貨物駅なんてあったかな?

Posted by: | Jul 02, 2009 at 09:43 PM

比較的、海に近いところにあるのは東京貨物ターミナルでしょうか。

こういうところも、なんとなくチグハグなんですよね。競合させるばかりで、連携のための土台があるかどうか怪しいところが。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 02, 2009 at 10:00 PM

アメリカでの内航海運はパナマ運河経由というボトルネックがありますから、鉄道貨物の高速化は
日本と違って結構有効だと思います。

日本の鉄道貨物の場合、鉄道の荷卸場所からの届け先まではどうしても車両輸送になりますから、
荷物の積み下ろしおよび関連する施設の維持費や人件費を差し引いても変更するメリットがなければ喰うのは難しいかも。

逆に荷捌きを迅速かつ低コストで出来るシステムがあれば鉄道や船舶と車両とのすみわけ
が出来ないかとか考えたこともあります。

Posted by: とおりすがり | Jul 02, 2009 at 10:55 PM

そういえば昔、日本からヨーロッパに向かう貨物をアメリカ西海岸で陸揚げして、大陸横断して東海岸でまた船積みする「ランドブリッジ」なんて話が出ていた時期がありましたっけ。

米運輸省のサイトをパラパラと調べてみたのですが、貨物輸送の手段別シェア、なんていう統計があるのか無いのか… 何もないとは考えにくいのですが、まだ見つけられておりません。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 02, 2009 at 11:20 PM

そう言えば、ロシアもシベリア鉄道を一部新設して高速貨物輸送てプラン有りましたねえ。
ロシアも内航海運は北極海航路は砕氷船が必要で、一時期タイフーン型戦略原潜改装した潜水貨物船プランも有りましたねえ。
因みに地球温暖化で北極海航路が砕氷船無で周年利用出来る様になるかもしれない様で、この辺は日本や中国の東アジアと欧州の海運にもソマリア沖の海賊問題と共に大きな影響有りそう(スエズ運河の通航料が大事な収入のエジプトも大変そう)ですが。

Posted by: 井上さん二人分の重さの男 | Jul 03, 2009 at 12:03 AM

まあ、「交通を真剣に考えている人」(笑)でさえ、他の交通モードは敵とか思っている節がありますしねえ。そんな状態で一貫した計画なんて無理でしょう。

地方に行けば行く程連携すべき物だと思うし、ストラスブールや沖縄でさえ車の利用が数%減少したかどうかのレベルなんですよね。

Posted by: あかさたな | Jul 03, 2009 at 07:20 AM

>高速道路や主要幹線道路と貨物駅を結節して
答えになっているかどうか判りませんけど、
札幌と東京は流通団地の真ん中にありますし、
吹田も名神高速が間近にありますねえ。
もっとも吹田はICまで結構距離がありますけど。

Posted by: あかさたな | Jul 03, 2009 at 07:31 AM

>北極海航路
高い通行料をふんだくられないかなあ、と少し心配だったり。石油・天然ガスの価格動向にも拠りそうですけれど。

>地方に行けば行く程連携すべき物
パイが小さいところで奪い合いをやったら、総倒れになりかねないですもんねえ。でも、みんな「勝者の総取り」をやりたがるし。

数パーセントでも変化があれば大したものですけれど、それで元が取れるかというと ?

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 03, 2009 at 08:11 AM

>全米に高速鉄道網を張り巡らしても
それをまじめに主張してる者はいません。「連邦政府が明確な目標を掲げて関係各方面からの支持を取り付けて、
キチンとコミットメントして継続的に取り組」んでも、このグーグル地図に青く示された線はほとんど建設されないでしょう。
http://www.infrastructurist.com/2009/04/20/a-map-of-proposed-high-speed-rail-projects-in-the-us/
所要時間3-4時間以内に、人口100万以上の大都市圏(全米に52)が複数ない線は建設されないでしょう。
そのうえ、真の高速鉄道を支える需要は北東部とカリフォルニア(・ラスベガス)にしか無いから、
所要時間の制約はさらに厳しくなります。(テキサスは高速鉄道をあまり欲しがってないですね。)
二枚目の地図は4月にオバマ政権が用いたものですが、古い法律によるので、路線はこれから削られます。

Posted by: 炎暑雪国人 | Jul 03, 2009 at 08:44 AM

赤線の "Identified High-Speed Rail Corridor" だけでも、大風呂敷もいいところだと思いました。「真の需要が北東部とカリフォルニアにしかない」という点は同意です。

どこで見た数字だったか、アメリカの人の流動は大半がクルマだそうで、飛行機のシェアでさえ案外と低かったのは意外。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 03, 2009 at 08:58 AM

http://www.mercurynews.com/breakingnews/ci_12744120?nclick_check=1
北海道新幹線や長崎ルートだって、財政と独立して建設中?と、言う訳にはカルフォルニアじゃ行かないでしょう。
世の中は金がすべて。南満州鉄道の様に、敷設権と付属地の入札で作るか(藁)

Posted by: sionoiri | Jul 03, 2009 at 10:01 AM

>数パーセントでも変化があれば大したもの
ストラスブールについてのソースは以下の通りです。
http://www.koutsu-machi.com/tram01-strasbourg.htm

また、浜松の例を引き合いに出しますけど、あそこは、鉄道利用客がICカード導入で増えても一向に中心街は繁盛していないわけですからねえ。
もっとも、浜松の場合はおじゃんになったけど大丸の出店計画があっただけマシですけど。他の地方は撤退したら二度とデパートが出店なんて事は有り得ないでしょうから。

Posted by: あかさたな | Jul 03, 2009 at 12:30 PM

「金がすべて」って冷たい真実で、高速鉄道でも LRT でも、人の流動・地理的条件・産業の動向・資金調達の可否など、えらく多数のファクターが絡んでくるのは同じですね。かといって、今の状況で PFI とかいっても、食いついてくる民間はあまりいないでしょうし。


松菱 (「末尾死」とはひでぇ > 阿波徳島) の場合にはちょっと事情が特殊ですけれど、それ以外にも西武と丸井が討ち死にしてるわけで… そういえば、イトーヨーカドーは駅のすぐそばに出店してましたけれど、調べてみたらこれも 2 年前に撤退。うーむ。

そもそも冷静に考えると、「中心街」といってもそれほど規模が大きい訳じゃないんですよね、浜松の場合。
もともと街が平面的に拡がった「分散型」だったので、郊外にちょっとした "黒船" が加わっただけでダメージが出たのかなと思いました。コンパクトシティとかトランジットモールとかいう議論も、そういうところまで視野に入れないとダメかも。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 03, 2009 at 12:49 PM

ただ、イオンの場合地域にまるで見合ってない巨大店を郊外に作って、平日閑古鳥鳴かせて、結局赤字、とか頭悪いことやっているんですよね…
で、次に恐れるのはダイエーよろしく地方からの撤退、ちょっとした風で傾きかねないので何ともはや。

でも中心街≒便利、って誰が決めたんだか。そう言うほど便利な所って少ないような。

あと、駐車場整備をする気無いなら、鉄道、バスの運賃補助はしてくれ、と。


鉄道貨物は20ftのISOコン24tをフルに引っ張れる(目標2000t。w)、全国で40ftのハイキューブを送れるようになればちょっと違った展開に…ならないかなー…
ハイキューブのついでに車両限界を見直してくれると在来線の2階建てが実用的になってありがたいんですけどね。(w

Posted by: ぼろねこ2k | Jul 03, 2009 at 06:54 PM

イオンといえば面白かったのは、盛岡 IC 近くのイオンに行くためのバスが、盛岡駅から出てることです。川を隔てた反対側の中心街からは、怨嗟の声が出そうですけれど。

そのイオンの裏手を田沢湖線が通っているのですが、そもそも各駅停車の運転本数が少なすぎて、にんともかんとも。

ハイキューブはトンネルで破壊されてしまうのでアレですが、海上コンテナをそのまま運べるのはよいかも。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 03, 2009 at 07:01 PM

今のところ、車両限界と建築限界の狭間でやっているみたいですけどね>ハイキューブの鉄道輸送。
割と全国主要都市圏なら送れるみたいです。架線を張っている所なら余裕でしょうね。中央東線くらいでしょう、全く駄目なのは。w

北海道…  …   …  室蘭本線の電化を強く要望するのであります。

油断すると新幹線貨物、とか本気でやられかねんし。JR北は訳わからん代物研究中だし。

Posted by: ぼろねこ2k | Jul 06, 2009 at 11:01 PM

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A

>9フィート6インチ (2,896mm) のハイ・キューブ・コンテナ
>(背高コンテナ、クンロクとも呼ばれる) も普及している

クンロクって… なんかモデムみたい。
搭載する貨車の床面高さを 1m 未満まで抑え込めば、なんとか載るかな ?

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 06, 2009 at 11:54 PM

JR貨物は最初床高85cmでやろうとしたけど、案の定特殊な構造になってしまったのと、主要路線の殆どが今までのコキ+ハイキューブで充分行ける、と実地で試験して判ったので、それで行くようですね。

ハイキューブの高さを車両限界に取り込めれば、かなり天井に余裕が出来るので、在来線の2階建て車両が出来やすく、とか寝台の夢よもう一度、とか、妄想を広げやすいんですけどね。 w

クンロク…9600型蒸気機関車(栗山在住時は夕鉄の同型機が子供の遊び場w、どっかで復活して。)、親の6400あがり…

Posted by: ぼろねこ2k | Jul 07, 2009 at 12:56 PM

ただ、現実問題としては限界を拡大すると電気設備からトンネルから何から影響でまくりなので、路線・区間限定とせざるを得ないかもです。

そういえば、千頭駅には静態保存しているキューロクがいましたっけ。よくよく考えると、コンテナも蒸気機関車も「ハチロク」と「キューロク」があるのですね。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 07, 2009 at 09:38 PM

中央東線みたいな例外はありますが、電化されている路線は、パンタの分車両限界が広いので、厳密にははみ出ますが、天井方向に余裕が作れると思います。
(ケーブルがそこを通っている事はありますので、多少は修正が必要でしょうけど)

現状は建築限界内に辛うじて収まっているので、ハイキューブは非電化区間でも何とかなると思いますが、車両限界の拡大となると、おっそろしく大変でしょうねー。
逆にこれをネタに国交省から予算をせびれないかな、とか思うんですが、あの人たちなら、道路の限界高さを30cm上げるのに100倍の金を使うんでしょうねー …

Posted by: ぼろねこ2k | Jul 09, 2009 at 05:30 PM

奥羽本線の副米間を交流電化に切り替えたときだったか、トンネルの盤下げを行っているハズなんですよ。多分、交流の方が電圧が高くて、安全のために余裕空間を大きくとる必要があるとかいう理由で。

(すべての場所で使える手ではないにしろ) こんなこともあったなあ、というお話でした。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 09, 2009 at 05:55 PM

× : 副米間
○ : 福米間

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 09, 2009 at 05:56 PM

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