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Nov 06, 2009

A400M にキャンセルが出た

詳しい話は次回の本館の更新に入りますが、南アフリカが、8 機を発注していた A400M についてキャンセルを決めました。「スケジュール遅延とコストの高騰が原因」と説明しています。

もっとも、192 機のうちの 8 機ですから、比率からいうと 5% 以下、消費税分にもなりませんけれど (違)。とはいえ、このことが他の計画参加国に及ぼす心理的な影響となると別問題かも。

最近になって南アフリカでは、A400M のコスト上昇を野党が攻撃していたせいもあり、キャンセルの決定は与野党ともに歓迎している、という状況。ただ、手持ちの輸送機が老朽化している問題は解決されていないので、アフリカ各地の平和維持活動に関わっていこうとしたとき、これは厄介な問題になるかも知れません。

もうひとつの問題が、契約の仕切り直し。南アフリカでは A400M の主翼で使用する一部のコンポーネンツについて生産に参画しており、ありていにいえば、Airbus Military が生産参画という餌をぶら下げて受注を勝ち取ったようなもの。でも、キャンセルになってしまったのに生産参画だけそのまま、では他国が納得しないでしょう。

この辺は契約の条項がどうなっているかにもよりますが、常識的に考えれば、機体の発注と生産への参画はワンセット。当然、キャンセルになれば生産参画も取り消し、となる可能性が考えられます。さらに、違約金の請求なんてことになったら厄介。

なんにしても、南アフリカが「いち抜けた」したことで、計画の足を引っ張ることになりはしないかと気になるところです。もしも作業分担の組み直しとなれば、事務処理だけで相当な分量になるでしょうし、関係各国の間で話をつけるのも手間がかかりそうですし。

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Comments

この記事見て最初に思ったことはなぜか

「C-Xってどうなってたっけ?」

…すっかり忘れてた、ごめんよC-X。

それはさておき、
井上さんの「ビジネス視点で防衛産業ウォッチング」第6回のユーロファイターから抜けたフランスの話を思い出しました。
フランスが抜けたのは自分の要求が通らなかったからで、南アフリカは予算上の問題、という主な原因に違いがありますので同列にしていいのか、とは思いますが。
さすがに南アフリカが独力で別の機体の開発に手を出すのは難しいと思うのでC-130あたりを購入するのかな?

Posted by: かきぴぃ | Nov 06, 2009 at 06:54 PM

今回のケースはどちらかというと、「ドイツが抜けそうになってスッタモンダしたユーロファイター」に近いかも知れませんね。結末は違いますが、計画がそこそこ進行してからハシゴを外されたあたりが。

南アフリカは資金的にかなり苦しいみたいなので、手持ちの C-130 を延命する結論に落ち着きそうに思えます。

Posted by: 井上@Kojii.net | Nov 06, 2009 at 07:54 PM

キャンセルするの?

Posted by: BlogPetの⊂⌒~⊃。Д。)⊃ | Nov 07, 2009 at 02:28 PM

ほんと、C-Xはどうなったのでしょう。

P-Xはもう立派に飛んでいるのに・・・

あ、飛行試験はぜひとも入間で・・・

Posted by: にゃんこ | Nov 07, 2009 at 02:49 PM

乱暴なことを書くと、技術者は修羅場や失敗を経験した方が強くなると思います。といっても、程度問題ではあるのですが…

Posted by: 井上@Kojii.net | Nov 08, 2009 at 12:24 AM

C-Xは今、予定の2年遅れでしたっけ?
2ちゃんを見ている分には来年早々、という噂も。何とか今年度中には一度飛ばしたい見たいですね。

ユーロファイターもいいだけ遅れたし、民間機だと787があれだけのリソースをつぎ込んでいるのにgdgdで溶けかかっているし、後世ではそんな事もあったね、程度に落ち着くと思いますけどね。

もっと言うとP-Xがあれだけ順調なんだから、政府も大目に見ておけよ、と
(実際はそうなっているのかも知れませんが。建前あるので表だって言うことは絶対無いでしょうけど)

A400Mはスケジュール遅れもそうですし、機体重量の超過が激しすぎて、今のまんまだと単なるガタイだけでかいC130に成り下がる、何ともはや、な状況ですし。

Posted by: ぼろねこ2k | Nov 08, 2009 at 02:18 PM

A400M の場合、今頃になって「軍用機が民間機と比べてこんなに複雑なものだとは」なんてコメントが出てくるあたり、なんだかなあ、と思いました。

言い換えれば、経験の蓄積はそれだけ重いわけです。
あらゆる分野で自前にするのは難しいにしても、「これだけは」というものを選んで固守することは重要だなあと。たとえば、潜水艦の建造なんていうのは典型例でしょう。

Posted by: 井上@Kojii.net | Nov 08, 2009 at 07:06 PM

 個人的にはC-130おじさんだけではなく、A400Mにも期待をしていたのですが、少々残念な結果になりそうですね。今後の盛り返しに期待したいところですが。
 一方、C-Xの方は期待の星であり、C-130おじさんが酷使されている状況を考えると、一刻も早く戦力化を願いたい反面、日本の防衛装備品にありがちな現場にツケを回すのではなく、出来る限りの健康優良児で送り出して欲しいところ。その意味では現在の産みの苦しみは無駄ではないと信じますし、その分、より良い物を熟成していただければと考えます。

Posted by: へぼ担当 | Nov 08, 2009 at 11:53 PM

他のプログラムでも、炎上しているといって馬鹿にする人がいますけれど。

でも、開発過程で炎上するのと、ブツができあがってからボロボロと問題が出てくるのと、どっちがいいのかと訊いてみたいところです。しかも、完成して順調になると、開発過程で苦労していた話なんて、みんな忘れちゃうんですから。

Posted by: 井上@Kojii.net | Nov 09, 2009 at 09:30 AM

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