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Dec 15, 2009

古くない Minuteman III

昨日、本館で書いた話と関連して。

米空軍では Peacekeeper を退役させて、古い Minuteman III を残しているのですが、その Minuteman III が登場したときのままかというと、さにあらず。実は、ロケット モーターも誘導システムも新しいモノと取り替えているので、新品とはいわないまでも、それに近い状態になっているのが実情。

そもそも 1960 年代に開発された誘導システムなんて、今ではテクノロジーが古い上にパーツも手に入らないでしょうから、新しい技術で開発された製品に入れ替える方が、信頼性は上がるし維持費も安くつくでしょう。それで GRP (Guidance Replacement Program) を実施したわけです。モノがモノだけに、信頼性の確保は重要。

ロケット モーターも PRP (Propulsion Replacement Program) によって換装。再突入体も SERV (Safety Enhanced Reentry Vehicle) によって、Peacekeeper から転用した Mk.21 に変更。地上側の環境制御システムや通信システムなども改良。

面白いのは、Minuteman III の主契約社は Boeing だったのに、一連の改良計画は Northrop Grumman が主契約社になっていること。その下で Boeing とか ATK とか Lockheed Martin とかいった面々が作業を分担してます。この手のあべこべ現象、案外とあるものですけれど。

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Comments

常識的に考えて、30年も前の機材を第一線のICBMに残しておくなんてあり得ないですよね。
卑近な例で言えば、自作PCなんかはケースは同じでも2年もすれば中身は全部入れ替わってるとかざらですし。
そういった意味では、メジャーどころでもアイオワ級戦艦やニミッツ級原子力空母が生涯どこをどう交換したかというのも、調べればかなり面白いことになってそうですね。本一冊は楽に書けちゃうかも…?

Posted by: slava | Dec 15, 2009 at 10:52 PM

実際、ニミッツ級はレーダーなどの電測兵装がチョコチョコ変わってますし、中で使っているコンピュータも入れ替わっていると思われます。

でも、イージス巡洋艦の AN/UYK-43/44 は建造当初のままで、新しいオープン アーキテクチャ版に換装するまで変わる予定もありません。結局、「モノによりけり」ということみたいです。

Posted by: 井上@Kojii.net | Dec 15, 2009 at 11:53 PM

自作機のたとえで言えばPCの自己同一性ってどこで担保されるかって話ですよね。ケース流用でもマザー交換なら改造じゃなくて機器流用による新製だと思うわけですがw
なんか機器流用車体更新と車体流用機器更新を繰り返す京阪を思い出しました。石山坂本線の車両とか本線の1000系とかは大正の創業期の車両の血筋を組んでるわけですしw

ICBMの飛距離とか弾頭の部分の性能は1950年代に逝くとこまで逝ってしまって、戦略兵器制限交渉のおかげで相互にこれ以上やんないことになったんでしょうね。従来型兵器ではコスト削減とか情報化というのは性能面では本質ではないわけですし。軍艦や空母もそういう面があるんでしょうね。

Posted by: 憑かれた大学隠棲 | Dec 16, 2009 at 04:00 PM

まさに、その自己同一性の話なんですよね、これって。

書類の上では Minuteman III が 3 個ウィング、で変わらないし、射程も核弾頭の数もおそらく変わっていない。でも、信頼性のレベルは違うし、命中精度も改善されてるかも知れません。

Posted by: 井上@Kojii.net | Dec 16, 2009 at 09:24 PM

> 生涯どこをどう交換したか
 まともにやれば5cmファイル1冊が出来上がりそうな悪寒。
 もちろん軍用ですから公開されることもありませんし、そこまで公開されても逆に理解不能なのかも知れませんが、民生用の発電所でも恐ろしい量と略語、その内容となっていますので、外見上、もしくは機能上特記すべき部分に区分けすべきでしょうね。
 とは言いつつ、仕様不変のまま交換か、仕様更新するか、と言うことだけでも大きな情報ですし、全体の仕様は変わっていなくても中身の構成部分は大きく異なるなど、この手のお離しは複雑怪奇というのがお約束です。

Posted by: へぼ担当 | Dec 17, 2009 at 01:58 AM

B-52 は外板を張り替えてるし、P-3 は主翼の外板交換、あるいは外翼をまるごと交換、なんて話も。
プラットフォームを長く食い延ばす傾向が強まっているので、使えば使うほど入れ替わりが激しくなり、用廃になったときは製造当初と同じパーツはありません、なんてことが常態化するかも知れません。

Posted by: 井上@Kojii.net | Dec 17, 2009 at 11:03 AM

> プラットフォームを長く食い延ばす傾向
 仰る通りでしょうね。
 どこもかしこも財政難ですから、従来の物で電装品は総入れ替え、機体構造も再生産というのは常態化していますし、B-52Hなど化け物か?と思うぐらいですから。
 ただ、少々解せないのは、初期型の低バイパス比ターボファンエンジンがまだどこらかしらに残っていること。O&M費を考えればあっさり換装した方が、トータルコストでも信頼性でも勝ると思うのですが、予算の壁はどうしようもないのでしょうね。
 その意味では泥沼の争いとなっているKC-Xや、C-5Mの行く末が気になりますが、果てさてどうなりますやら。

Posted by: へぼ担当 | Dec 19, 2009 at 08:49 AM

B-52 に RB211 を載せる話が出たことはあるのですが、やはり費用の壁でしょうか。エンジンの数が同じならまだしも、半減するとなると変更が加わる部分が増えて、改修費が高くつきすぎるという判断になったのかも知れません。

それとも「スロットルレバーが 8 本付いていないと B-52 じゃねぇ」とパイロットが文句をいったとか (ないない !)

Posted by: 井上@Kojii.net | Dec 19, 2009 at 08:58 AM

> B-52 に RB211 を載せる話
 如何にも変態英国紳士が考えそうなことだ、と思ってしまった私は英国面に墜ちているのかも。
 まあ、冗談はともかく、燃費や信頼性の面では申し分ないのでしょうが、予算以前の問題として改修範囲が広くなりすぎて、技術的にも難しかったのかも知れませんね。まあ、大部分はお金が解決する問題なのでしょうが、そこまでの予算が工面できなかった物と考えるべきなのかも知れません。
 ただ、同程度のエンジンを持つP&Wからの音沙汰はなかったのでしょうか?buy AmericanでRRが排除されたのでしたら、B-52Hも草葉の陰で泣いているのでしょうね。
<その前にいつまで使う気なんだyo!と文句を言いそうですが(大汗)。

Posted by: へぼ担当 | Dec 19, 2009 at 09:36 AM

それが、RB211 へのリエンジンを提案したのは Boeing なんです。後になって、PW2040 や CF6 の名前も出てきたのですが。

まさか、民間航空界で引退した L10 からエンジンを安くかっぱらってくるつもりだった ?

Posted by: 井上@Kojii.net | Dec 19, 2009 at 09:45 PM

KC135で前科(?)有りますねえ、民間機のエンジン拝借・・・

Posted by: bugaisha | Dec 19, 2009 at 11:21 PM

> 民間機のエンジン拝借
 個人的にはあまり推奨できませんが、否定する物でもないかと考えます。
 しかし提案が Boeing というのは有る意味納得なのですが、驚きの方が大きいですね。最初からPW2040 や CF6 だったら納得していたのですが、実は途中頓挫した理由もそこにあったりするのかも。
 もっともCF6クラスではエンジン推力が大きくなりすぎて、機体への負担増で補強しまくりとなってしまったのかも知れませんが。
<やっぱり英国面に墜ちるのか?

Posted by: へぼ担当 | Dec 20, 2009 at 03:21 AM

あるいは、RR が強力に売り込みをかけた可能性もあるかもしれないですね。どっちにしても、リエンジン型 B-52 はデイル・ブラウンの小説の中だけで終わってしまいましたけれど。

Posted by: 井上@Kojii.net | Dec 20, 2009 at 11:40 AM

結局運行頻度の問題なんでしょうかね、B52がリエンジンしなかったのは&C-5がリエンジンをしたのは。
C-5もいいかげん古いんですけど、後継機はあと半世紀くらいでない予感が…

Posted by: ぼろねこ2k | Dec 20, 2009 at 08:44 PM

C-5 の場合、エンジン換装は搭載力や航続性能にストレートに響いてくるけれど、それと比較して B-52H の場合、換装のメリットが (皆無ではないにしても) 少なくて、費用対効果がイマイチだったということかも知れないですね。冷戦期なら、また事情は違ったと思いますけれど。

Posted by: 井上@Kojii.net | Dec 20, 2009 at 09:37 PM

 憶測でしか有りませんが、C-5 の場合、その当時としては画期的な大パイパス比のターボファンエンジンを搭載しており、その延長線上に燃費が劇的に改善され、民間航空機でも実績の豊富なエンジンがあり、なおかつ空力的にもそれほど大きく変化するとは考えにくいことが大きかったのではないかと考えます。
 まあ、KC-135Rのように、換装用のエンジンから開発するような気合いが入った場合は別ですが、出来合いの物を持ってきても、1から飛行試験をやり直さなければならない状態にはならなかったのが、技術的には大きなメリットとして指摘できるかと思います。
 一方、B-52H の場合、エンジンやその支持部分などほとんど1からの魔改造レベルになりますので、いくら換装のメリットが大きかったとしても、技術的には飛行試験を相当の部分からやり直す必要があり、下手をすれば新規開発と同じレベルであったであろう事は容易に想像できます。
 それでも冷戦が続いていたのであれば、もしくは現在のように対テロ戦争でも、空中待機で爆撃機を酷使する状態が続くのであれば話は別でしょうが、今更、魔改造というのは少し時機を逸したようにも思います。
 ただ、C-5Mが想像以上の大成功を収めた場合、また話は別になってくるのかも知れませんが、C-5Mの代わりはなくともB-52Hの代わりはB-1Bほか、米空軍にはいくらでも存在することを考えると、そこまで賭をする必要もない、との考え方が勝ったとしても不思議ではないと考えます。

Posted by: へぼ担当 | Dec 21, 2009 at 10:14 PM

CF6 は、元をたどれば C-5 用の TF39 に行き着きますもんね。

ところで、KC-135R のエンジンは CFM56 だから、新開発ということはなかったと思います。C-17A の F117 も PW2000 ベースですし、この辺でまるっきり新開発というのはなかったかと。

Posted by: 井上@Kojii.net | Dec 22, 2009 at 12:01 AM

 CFM56の場合、B.737を始めA320、A340等に採用されたベストセラーエンジンですが、基となるターボメカはB-1B爆撃機向けのF101エンジン。
 それがスピンアウトして最初期型の一つであるCFM56-2B採用のKC-135Rに繋がっていますので、有る意味民間利用も前提に入れた専用エンジン(最初期はDC-8リエンジンが目的でしたが)と表現しても良いかと考えます。
 まあ、KC-135シリーズもDC-8も似たような機体規模であり、鶏と卵みたいな物ですが。

 なお、C-17A の F117 の原型である PW2000 は民間機としては少数派のエンジンですね。適用例としてはB.757程度しかないのですが、短通路型航空機のみの運用制限が手伝ってB.757はアメリカ国内ではよく売れたことを考えると、さほど悪い選択でもなかったのかも知れません(大汗)。

Posted by: へぼ担当 | Dec 22, 2009 at 12:44 AM

B.757 なら、9 年前、シカゴから DC まで移動するときに乗ったことがありますよ。単通路で狭苦しかったですけれど、フライトの時間が短かったから、そんなに気にならなかった印象が。

実はその後、A320 かなにかで DC からラスベガスまで飛んでいたような…

Posted by: 井上@Kojii.net | Dec 22, 2009 at 09:42 AM

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