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Jul 03, 2011

最近読んだ本 : まさに NCW であった日本海海戦

以前にどこかで、日本海海戦と無線電信の活用についてチラッと言及したことがあったと記憶していますが、同じことを考えているのは自分だけじゃなかったのね。という一冊。なにしろ、著者は海自で護衛隊司令を務めていたという方だけに、半端なものではありませんでした。

こちらは日本海海戦の話にフォーカスしている分だけ内容が濃くて、特に明治の日本における無線電信網の整備、それと日露戦争における無線電信網や監視網の整備に関する記述は必見。後の方で気象観測や天気予報についての話も出てきますが、これも滅多に取り上げられない分野だけに価値が高いと感じたところ。

ところがそれとともに、「明治にはこれだけしっかりしていた帝国海軍が、どうして後世になると通信を軽視してボロ負けしたんだろう」と、なんだか釈然としない思いが。なまじ歴史的な大勝利を達成してしまったことが、一種の「勝利病」「夢よもう一度」となって、転落への原因を作ってしまったのかもしれませんが。

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Comments

気象に関しては半沢正男「戦争と気象」なんてのもありますね。今は亡きシミュレイター誌の連載をまとめたものですが。
日本海海戦も取り上げられています。

Posted by: いーの | Jul 04, 2011 at 11:36 AM

「カメラと戦争」は読んだのですが、「戦争と気象」もあるのですね。折りを見て探してみます。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 04, 2011 at 09:14 PM

これは「デムパ系(おいおい)」として読まねばと思ったものの、仕事が佳境で、本屋が開いている時間に職場を出ることが出来ない・・・。orz...

まあ、今朝方は自宅を早く出て、職場近所の本屋へ潜り込んでみたものの感無し。こりゃ、週末に新宿か秋葉原で探すしかないかなと思っております。(ブックカバーが欲しいので、密林は最後の手段として取っておきます。)

Posted by: 観音旭光の両刀使い | Jul 05, 2011 at 12:49 PM

電波じゃないですが、有線電信網の構築に関する記述が、なかなか "読ませる" ところでありました。よくよく考えたら、銅線が光ファイバーに変わっただけで、現代にも通用する部分があるかも知れません。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 05, 2011 at 02:30 PM

ざっと前半を読みましたが、中々に読ませる本でした。有線電信と無線電信の有機的接続なんて、スマートフォン普及に伴うパケット通信の爆発的増大に対して、如何に有線網へ通信を流すか、と言う点で現代に通じると思います。

なお、著者が専門でないので致し方ないのですが、当時の無線機は火花式送信機で周波数を高くできないため、現在では殆ど使われていない超長波で、火花のため帯域も広いので、敵味方・報道側もほぼ同じ周波数を使わざる得ない(ので、傍受や妨害が可能)と言う事情の説明が欲しかったですね。

ちなみに、ロシア側の事情を書いている所にある参考図書の太平洋学会「日本海海戦:その情報通信からの視点1~3」の著者3名の名前に見覚えがあるなと思ったら、私の母校の大学のOB&在学中の教官でした。特に3の著者は、電気回路・通信実技(いわゆるモールス)の授業を受けた人だったりします。ちょっとビックリ。

Posted by: 観音旭光の両刀使い | Jul 07, 2011 at 08:21 AM

な、なんか世の中って狭いですね。物書きとか IT 出版/教育の業界も、相当に狭いですけれど。

今だったら「超長波なら潜水艦向き」とかいう話が出てきそうですけれど、まさか当節、火花式ということはないでしょう (苦笑)

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 07, 2011 at 10:40 PM

マジレスすると、流石に現代では、火花式送信機は不要電波(スプリアス)が多くて妨害電波をまき散らすことになるので、無線局として申請しても免許が降りません。バレッジ・ジャミング用には使えるかも知れませんが(爆)

Posted by: 観音旭光の両刀使い | Jul 08, 2011 at 12:30 AM

そのうち九州南部の洋上に、火花式送信機を大量に積んだバージが某国からやって来て VLF の通信を妨害 ! なんてことは、さすがにないでしょう。ないと思う。ないんじゃないかな… ま、ちょっと覚悟は (ry

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 08, 2011 at 12:43 PM

無線の場合には日本は発明当初から追いかけて、後進国のロシアをボコボコに。ところが、対米戦ではアメリカがその辺が強すぎて、というところですかね。元から通信に注力していたとしてアメリカと肩を並べられたのやら

Posted by: 憑かれた大学隠棲 | Jul 09, 2011 at 03:06 PM

日露戦争では、自国が置かれている状況や彼我の能力差・国力差を的確に認識した上で、自国が勝てる方策を正しくやった、と思うのです。

しかし対米戦の場合、もともと国力が隔絶している中でどうやって勝つか (少なくとも負けずにケリを付けるか) という認識が足りなくて、それをさらに悲惨なものにしたのが C4ISR 分野の認識不足・注力不足ではなかったのかなと思いました。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 09, 2011 at 05:21 PM

亀レススマソ。

日露戦争の時は、明治維新の影響を引きずっていて、国全体が若く、新しいものを積極的に取り入れようとした時代なんだろうな、と個人的に思います。

対米戦の場合、日本海軍のレーダー開発に限定しても、兵科将校の佐官級には必要性を認識していた人たち(草鹿龍之介大佐、柳本柳作大佐)もいるので若手にはある程度の認識があったようです。しかし、将官級では「闇夜の提灯」として理解を示さなかった人がいて、そんな人が艦政本部長として、傘下の技術研究所の無線技術担当の技術士官(伊藤庸二中佐)が兵科将校と水面下で交流するのを「けしからん」とか言って止めさせたと言うのも事実だったりします。

ちなみに、誰とは言いませんがその時の艦政本部長、レイテ・沖縄戦の時の連合艦隊司令長官、最後の軍令部総長として、自らがそのツケを思いっきり払うことになりますけど。(って、誰だか判るんですが(爆))

Posted by: 観音旭光の両刀使い | Jul 11, 2011 at 08:40 PM

なんとかして日本を一流国に近付けたい、不平等条約もどうにかしたい、というような強力な動機があると、新しいモノを取り入れるドライブがかかりやすいのかも知れないなと思いました。なまじ「一流国」意識が身に付いてしまうと、保守的になってしまうのではないかなあと。

これ、企業でも個人でも同じかも知れないですね。常に自分で自分にリセットをかけて仕切り直せればいいのでしょうけれど、それはそれでタフさが求められそうです。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 11, 2011 at 10:55 PM

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