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Aug 29, 2013

シリア情勢

米・英・仏あたりがシリアに軍事介入するんじゃないか、という話が出てきてますけれど。ただ、すでに今のシリア情勢って「暴虐非道のアサド政権 vs 抑圧される国民」というシンプルなコンテキストでは語れなくなってきているんじゃないかと。

つまり、欧米諸国、ロシア・中国、湾岸諸国 (主としてサウジとカタール)、イラン、アルカイダやその他のイスラム過激派組織などといった面々が、それぞれ違った思惑を持っていて、それでもって直接的に首を突っ込んだり、あるいは間接的に首を突っ込んだりして、グチャグチャな代理戦争状態になっているという方が正しいのでは。

だから、「アサド政権をつぶせば問題解決」とは思えないし、その後の情勢次第ではさらなるカオスになる危険性が高そう。それじゃシリアの国民にとってはいいことなし。かといって、現状をこのまま放置しておいても、これまたシリアの国民にとってはいいことなし。

正直いって、どうすれば事態を解決・収拾できるのか、私にはさっぱり見当がつきません。どいつもこいつも「手を引け」といって素直に引き下がるメンツじゃなさそうだし…

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Comments

エジプトではサウジと米国の支持陣営が異なる。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE97I01V20130819
トルコもそう。一番の世俗政権がシリアという涙目。目を覚ませよアメリカ。

Posted by: sionoiri | Aug 31, 2013 at 07:19 AM

身も蓋もないことを書いてしまうと、「アラブの春」がネガティブ・インパクトになってしまったところがあったと思います。意図したことではないとはいえ、誰もが幸せになれない最悪事態。しかも収拾の道筋すら皆目不明なんですから、どうしたものか…

Posted by: 井上@Kojii.net | Aug 31, 2013 at 09:18 PM

 様々な記事を読むに,どうやらアメリカの「軍事介入するぞ」発言は,アサドに自重を促すためのブラッフ以上のものではないのではないかと.
 もちろん,そんなことで自重するような独裁者なら,最初からガスなど使うはずもないのですが.

 あとで,黒井文太郎氏のブログも覗いてこねば.

Posted by: 消印所沢 | Aug 31, 2013 at 09:59 PM

「自国民に対して化学兵器を使ったのは怪しからんから叩く」とはいっていても、「アサド政権を叩き潰すところまでやる」とはいっていませんからね。米・英・仏の首脳の発言を見ても、基本的には化学兵器の使用を非難しているわけですし。

イランや北朝鮮のこともあるから、大量破壊兵器の使用を座視することはできないけれども、さりとてイラクのときみたいな本格的な侵攻、あるいはリビアのときみたいな反政府勢力向けの継続的武力支援までは踏み込むつもりはない、ということでしょう。

その辺の意図は、現地に展開している資産の顔ぶれだけでも見当がつきそう。現時点では、本格的な陸戦をやるつもりも、航空戦力による支援を継続的にやるつもりもなさそうなメンツ。

本音のところでは、深入りしたくないでしょう。防空網が強力だから云々っていってますけれど、あれは多分エクスキューズ。内戦でグチャグチャになっている国で、全国規模の防空レーダー網と指揮管制網を維持できているとも思えませんし。

Posted by: 井上@Kojii.net | Sep 01, 2013 at 07:21 AM

>黒井文太郎氏のブログ

気持ちはわかりますね。

住民の平穏な生活が戻ることを願ってますが、国際政治はそういうのとはほぼ無関係のようですね。

化学兵器施設に攻撃すると称して、ヒズボラとアルカイダとアサド弟に誤爆するとか。

Posted by: しまだ | Sep 01, 2013 at 10:57 PM

「目下の弾圧をなんとかしなければならない」という問題があったときに、「とにかく弾圧の原因になっている現政権をつぶすのが先決」となるか、「現政権をつぶしても、その後の受け皿がないとさらなるカオスになるから、受け皿作りが先」となるか。どちらにも理はあって、それだけに難しい選択だと思うのですね。

ヒズボラでもアルカイダ系でも何でもそうですけれど、現場で暴れている「手足」をつぶすだけでは代わりが湧いて出てくるだけだと思うので、「頭脳」や「根っこ」をつぶせないかなあと。そんなことも考える次第です。

Posted by: 井上@Kojii.net | Sep 02, 2013 at 07:06 AM

>「頭脳」や「根っこ」をつぶせないかなあと。

レバノンですかねぇ。

シリアについては、ロシアが自分の縄張りだと思ってるし、イランも譲れない友邦意識がある。加えてフランスがそもそもおれの植民地じゃんってことで、ぐだぐだですが、アサド政権がぐらついている今が、レバノンがシリアの軛から完全に離れて、中東のスイスに戻れるチャンスなんじゃないかと。

まず、レバノンに西側のリソースを投入して安定化させて、それからじゃないですかね。

なんでヒズボラのナスララみたいなのって殺されないのか昔から不思議なんですが、他のよさげな政治家が出てくるとサクっと暗殺されちゃうわりには。素人には中東はわかりませんね。

Posted by: しまだ | Sep 02, 2013 at 08:04 AM

ヒズボラやハマスって武装闘争だけやっているわけではなくて、政治組織でもあるし、教育・福祉・自警といったこともやっているので、地元住民からの支持が結構あるんですよね。

そうなると、力任せで追い出すだけではなくて、さらに高水準の行政サービスを政府が提供できないと、取って代わるのは難しいかも。一般市民レベルで見れば、大所高所の話よりも、直接的に自分の生活に役立ってくれる方が嬉しいですし。

極端に言えば、レバノンって国家内国家ができちゃってるような状況。そこにヘタに欧米が首を突っ込んだら、さらにプレーヤーが増えて混沌の度が増して、大火傷しますよ。過去にも米海兵隊やフランス軍がひどい目に遭ってますし。

Posted by: 井上@Kojii.net | Sep 02, 2013 at 08:32 AM

そう、ムスリム同胞団がエジプトで一時的にせよ、大きな支持を得たのは地道な底上げ事業があってこそですし。
タリバンがアフガン南部からなぜ放逐できないかとなると、やはりそこの行政を担っているからだし。

米大統領は、前任者の失敗をすぐに忘れるみたいですけど、受け皿を一から構築するのには数十年とかかります。
敗戦後の日本みたいに環境が整っているのはそうはないんですよね。
しかも、時代が流れて、プレーヤーが増えてしまった結果、総論賛成各論反対どころか、積極的に足を引っ張るのも出て来るし。
(戦争時に、東南アジアで日本の撒いた種が独立国家という花になるのにやっぱり二十年、それが独り立ちするのにさらに二十年ってとこかな?)

Posted by: いーの | Sep 02, 2013 at 09:34 AM

受け皿を構築するには、当事国の人が「その気」になって纏まってくれないとどうにもならないのですが、中東やアフリカだと、そこが最大のネック。
これは、過去に欧州諸国が植民地化した際に自分らの都合でテキトーに境界線を引いて、それがそのまま国境線になってしまったせいでもあるのでしょうが。でも、いまさらそれを責め立てたところで問題解決にならないですし。

皆が「紛争疲れ」するまで待つしかないのか… と絶望的な気分になることもありますが、そうなるとべらぼうな犠牲者が出てしまうのですよね。

Posted by: 井上@Kojii.net | Sep 02, 2013 at 09:50 AM

>過去にも米海兵隊やフランス軍がひどい目に遭ってますし。

自爆テロの背後にはシリアがいたと想像するのですが、今のシリアは自国の内戦で大変ですので、状況が変わった今チャンスはあるんじゃないかと思うのですが。

レバノンには40%のキリスト教徒がいるし、ドルーズ派とかも取り込んでヒズボラを孤立させられる政治家がでてくればいいのですが。

地理的にイスラエルが後ろ盾になってくれるだろうし、イスラエルもレバノンを影響圏にしたらかなりいいんじゃないかと。ドルーズ系イスラエル人とかもwikiに載ってるように、結構おもしろいと思うのだけれど。

お金をつっこむならシリアじゃなくてレバノンでしょうか?ってのが素人の想像です。

Posted by: しまだ | Sep 02, 2013 at 08:32 PM

レバノン情勢の安定化・穏健化が必要というのは、まったくその通りなのですが。ただ、そのヒズボラの孤立化には、まず政府がしっかりして良質の行政サービスを提供することと、それを実現できる政治家や政治体制の出現が必要で、そこが最大の障壁かなあと。こればかりは、おカネを突っ込んでもどうにもならないですし。

あと、火事場泥棒的に (失礼) イスラエルがレバノン方面でプレゼンスを強化したら、却ってそれは情勢不安定化の火種にならないかな ? と思うところです。むしろ、イスラエルはレバノン方面では目立たないようにして、当のレバノン自身の足腰をしっかりしてもらう方が優先度が高いんじゃないかなあと。

Posted by: 井上@Kojii.net | Sep 03, 2013 at 06:56 AM

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