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Jan 30, 2014

US-2 の対印輸出報道について

先日にロイターで「US-2 の対印輸出で基本的に合意成立」なんて話が流れてきました。

そりゃもちろん「売れればいいなあ」とは思いますけれど、なにせインドが相手となると、合意ぐらいでは安心できないし、契約調印どころか、完納するまで喜べないというのが偽らざる本音。

現に、MMRCA で採用を決めたラファールが未だに、発注契約に至っていない有様。あと、発注が決まったかと思えば「汚職疑惑が出た」といって卓袱台をひっくり返すこともあるし。おまけに、インド名物のお役所仕事により、何をするにも時間がかかることかかること。

そういう鉄火場に乗り込んでいかなければならない上に、オフセットの条件も満たさないといけないことを考えると (この分野でも注文が多いんだ、インドは)、大変なのはこれからですよ。いや本当に。

これは一般論としてですけど、選挙があって与党が交代すると、前政権時代の装備調達にいちゃもんをつけ始める国もあるわけです。金額が大きいだけに、叩きのネタにしやすい部分があるからでしょう。

あと、大口の装備調達案件について、選挙で争点になるのを避けて選挙の後まで先送り、なんてことが多発するのもこの業界。「モノが良ければ売れる」なんて考えるのはおめでたすぎるってものです。

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Comments

そもそも、あんな5発機をまともに運用できるとは思えないんですし、インド空軍(?)としては救難だけじゃなくて、海洋監視も視野に入れてるでしょうから、そっちの用途はまともに使えるとも思えません。
Il-38を使ってるけど、水洗いもちゃんとできるのかどうか。

新幹線と一緒で、そうそう出せるものじゃないと思いますけどね。

Posted by: いーの | Jan 30, 2014 at 04:15 PM

搭乗員と整備員の教育訓練、維持管理のためのノウハウ伝授など、とことん面倒見てあげないとダメでしょう。そこまでやって売る覚悟があるというなら、それはそれでよいのですけれど。

新幹線はねえ… 「新幹線というシステム一式」を売るのとは別に、車両だけ単品売りする手も考えた方がいいかも。もちろん、導入後のメンテや要員の訓練まで含めたターンキー ソリューションで、ですけど。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jan 30, 2014 at 06:07 PM

>US-2
まだまだ、サプライチェーンの考え方が分かっていない人が多いのが何ともかんとも。

>輸出
台湾新幹線なんかは、その「ターンキー」になるんでしたっけ? 信号システムはアルストムだったようですし。

こないだから、つらつらと考えているんですよ、今のようにビジネスモデル特許が成り立つなら、当時の新幹線は見事にそれにあたるよなあ、と。

Posted by: いーの | Jan 30, 2014 at 06:47 PM

台湾高鉄はターンキーというよりツギハギー (マテ)
途中まで欧州連合方式で作っちゃったところで日本勢に切り替わったので、いろいろ大変だったようです。日本にはない双単線方式もそのまま、レール締結装置も欧州式があったような。

インドは確か 5 月頃に総選挙を控えているので、それより前に契約ってことはないんじゃないかと睨んでいます。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jan 30, 2014 at 07:01 PM

 インドの市場規模を考えると、鉄系はやった方が良いと思いますけどどうなんでしょうか。だって、もし四半世紀後、あるいは半世紀後、中国だか欧州だかのシステムがその市場を占めていたら、「なぜあん時、やらなかったんだ!」と後悔する羽目になるでしょう。
 中国で散々な目に遭ったというけれど、でも日本だって、昭和の時代は、結構えぐいことをやりましたよね。

 US2さんは、中東みたいに、趣味で買ってくれる所なら良かったんだろうけれど(^_^;)。最初に売り込む相手としては、ハードル高いことは事実だけど、航空機ビジネスとして考えると、そもそも航空機ビジネスのハードルは大なり小なりこんなものだろうと思います。正直、あの会社もこの国も、みんな痛い目に遭っているorz。

Posted by: えいじ | Jan 30, 2014 at 08:24 PM

鉄道業って経験の積み上げがモノをいうところがあるから、いきなり異質の高速鉄道車両、あるいは高速鉄道システムをポンと持ち込んで、問題なく運営できるのかどうかが気になるのですね。その点で、インドの鉄道屋さんがどの辺の水準にあるのかが鍵だと思います。

実はひょっとすると、まず在来線の底上げから手をつける方がいい、なんてことになるかもしれませんし。そういうところも含めて売り込みをかけること自体は良いと思いますが、国の体質そのものは業界が違っても大差なさそうだし…

Posted by: 井上@Kojii.net | Jan 31, 2014 at 10:30 AM

日本の鉄道系はガラパゴスといわれる物の極み、東海道・山陽新幹線はその中でも究極でしょう、と。
正直在来線は日本は独自すぎて、外国での入札案件では中国と競争しても難しいという気すら。
(在来線は、それ以前に自国の貨物をどうする気なんだ、とも思いますが。保線も限界超えていますし、何処も)

…ってUS-2輸出でしたね。年1~2機の現地ノックダウン生産で、代金分が来れば万々歳でしょう。
ロシアみたいに、ある程度相手の弱みを見てきちんと必要な金額を回収する狡猾さ(空母ヴィクラマーディティヤ)はまだまだでしょうしw

Posted by: ぼろねこ2k | Feb 01, 2014 at 11:57 PM

それがあるから「システム全体だけでなく、車両の単品売りも」という話になるんですよね。日立みたいに、成功事例がないわけではないですし。

日立はイギリスに組立工場を造りますけれど、US-2 の機数だと、現地に組立工場を造っても元を取れないと思うのです。となると、一部のコンポーネントをあっちで作らせて日本でアセンブルする方が、理に適っているんじゃないかと… あと、納入後のサポートはオフセットの一環として地元企業に対応させる。これは必須でしょう。

Posted by: 井上@Kojii.net | Feb 02, 2014 at 09:02 AM

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