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Oct 30, 2018

最近読んだ本 : ドリーム・マシーン

すでにあちこちで書評が出回っていますが、ひとことでいうと、V-22 オスプレイの歴史について書かれた本です。単に V-22 だけ取り上げるのではなくて、その前段に当たる技術実証機や、そこで関わってきた人々の話が盛りだくさん。

いうまでもなく、この機体は開発過程で何回か事故を起こしているわけですが、その事故の経緯や原因についても、ちゃんと説明されています。それだけでもこの本を読む価値はあると思いました。

V-22 は日本のみならずアメリカでも賛否両論・喧々囂々のところがある機体。この本の中には、アメリカで政府の意思決定権者に対して「いかに V-22 がダメな機体か」を延々と論じてメール攻撃を仕掛ける人が出てきます。

でも、これって「○○反対運動」に取り組んだ人がしばしば陥る、そしていちばんやっちゃいけないことの見本じゃないでしょうか。国が変わっても人間のやることって似てますね。

翻訳は自衛隊 OB の方が担当されていますが、そのせいか、ところどころに「自衛隊っぽい」言い回しが出てきます。ここでそれのネタばらしをするのは… まあ、止めておきましょうか。読んでみてのお楽しみということで。某書と違って、訳語は正確です。

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Comments

内容紹介に「軍産複合体」という言葉が出てきて、う~んと、うなってしまいました。
LMTSの本もあるし、石川さん訳のスカンク・ワークスの本も出るし、悩みどころ~。電子戦の技術も興味があるし~。

昔、ジェリー・パーネルが紹介したM1エイブラムスでも似たような本があって、どんな本だったのか忘れてしまったなあ。
……T-2/F-1とかF-2でこういう本が出せるといいんだけどなあ。

後段は蛇足になってしまいましたw。

Posted by: いーの | Oct 31, 2018 at 10:18 AM

まあ、「軍産複合体の陰謀ガー」とかいう類の話ではありませんから。

それよりもむしろ、DoD の装備調達に関わる、官僚機構・政治機構がらみの複雑怪奇さが興味深かったですね。議会が国防歳出法を策定するアメリカならでは、ともいえますが。その仕組みが、装備調達に悪い歪みをもたらしている部分もありそうだなと思いました。いい方向に影響する場面もあるわけですが。

Posted by: 井上孝司 | Oct 31, 2018 at 12:18 PM

 原本の値段はどうなっているんだろうと思って、USAmazonで検索したら、石川さん訳のスカンクワークスもこの本も38ドル、40ドルもするんですね。
 こっちの本にはペーパーバックがあって、それは18ドル。アメリカの物価を考えると、高いとも安いともちと言い難いですかね。Kindle だと14ドル。日本語版が2千円代だと買えるけどなぁorz。てかこの手の本て、日本語本のKindle 化とかどうなっているんだろう。

Posted by: えいじ | Oct 31, 2018 at 11:21 PM

>官僚機構・政治機構がらみの複雑怪奇
時代が下るにつれて部分最適化が進み、何か問題があるごとに、チェック機構が増えて……。どこの政府組織でも、企業でもある話です。
NASAが有人宇宙飛行を、一部、民間委託したのは、恐らくはこの複雑怪奇さを回避するためなんだろうなあと、思ってます。

>アメリカの本
どこかで、ペーパーバックよりも小さい、本当に日本の文庫に相当するものをアメリカで出すという話を聞いたんだけどどこだったかな。

>スカンクワークス
YF-23の本がウケたのか、イカロスはこういう本に力を入れだした印象。
大日本絵画はWW2に偏っている感じなので、ありがたいです。

Posted by: いーの | Nov 01, 2018 at 10:27 AM

問題なく動いていれば「信頼に基づく委任」でも済むけれど、いったん何かあるとチェックが厳しくなって、管理体制が厳しくなって、書類仕事が増えて、手続きが煩雑になって… あるあるすぎる (´・ω・`)

Posted by: 井上孝司 | Nov 01, 2018 at 08:16 PM

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