軍事 (解説)

Oct 17, 2017

MMP の逆提案

フランス陸軍では、MILAN (Missile d'Infanterie Leger ANti-char) の後継として MMP (Missile Moyenne Portée) なる対戦車ミサイルの導入を進めているんですが、その MMP に関する記事が最新の IDR に載ってまして。

で、開発の経緯をみると、最初はジャベリンとスパイク LR を評価したのだと。その結果、「スパイク LR を自国の要求に合うように手直しするのはどうか」と DGA が MBDA に話を持って行ったら…

MBDA が「要求に合うものをうちで新規開発する。すでに自己資金で研究もしている」という逆提案をやって、それが具体化したのが今の MMP だと。

どこかで聞いたような話だと思ったら、P-51 ムスタングの開発の経緯と似たところがあるような。

まあ、フランス政府としても本音の部分では、自国のメーカーがクリーン シートで開発した製品の方がありがたかったでしょうけれど。

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Dec 01, 2016

スパホのパイロン取り付け穴

いーのさんのコメント

F-2やF-15といった非ステルス機は、ボルト穴がそのままですが、あれはRCSに影響しているでしょうね。

……スパホとレガホでも違うのかな?
パックマンだと影響ないかも。

ネリスで、F/A-18F や F-22A の「お腹の写真」はだいぶ溜まったので、分かりやすいのをひとつ引っ張り出してみました。F/A-18F です。

_7D23775_DP4

全景じゃ分からん。アップだ。

_7D23775_DP4s

ボルト穴らしきものが開いていて、一応、栓をして塞ぐのが基本のようです。一部、穴が開いているようにも見えますけれど。

F-22 の場合、F-35 と同様にボルト穴をパネルで塞いでいるようです。

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Feb 19, 2016

HMCS Winnipeg の新装備

HMCS Winnipeg 撮ってきました」の続きを書いたのに、アップするのを忘れてた… ( ´゚д゚`)

すでに御存知の通り、HMCS Winnipeg は HCM (Halifax Class Modernization) 計画による近代化改修を受けたフネですが、そこで導入した新増備について備忘録代わりのメモ。

  • 指揮管制装置の更新
  • 対空捜索レーダーを AN/SPS-49 から SMART-S Mk.II に
  • 対水上レーダーを Sea Giraffe 150 HC に
  • Telephonics 製モード 5/モード S 対応 IFF の導入
  • SAM を RIM-7 Sea Sparrow から RIM-162 ESSM に
  • 射撃管制レーダーを Saab 製 Ceros 200 に
  • Bofors 製 57mm 砲を Mk.3 仕様に
  • RGM-84 Harpoon ブロック II に対応
  • MASS (Multi Ammunition Softkill System) デコイ発射機の導入
  • SIRIUS IRST の導入
  • ESM 装置の更新
  • 主機管制システムと航海用レーダーの交換

航海用レーダーは Raytheon 製の模様。

個人的にツボだったのは MASS ですが、現物を見ると、案外とちっちゃかったです。電測が全体的に増えたので、マストまわりの配置替えは盛大に発生した模様。

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Dec 22, 2015

最近読んだ本 : 防衛装備庁

御存知、森本敏・元防衛相の本。

読んでみると、「そんな当たり前のことを、何をいまごろになって」と思うところもあれば「そうそう、そうだよね」「おお、そういうことだったのか」と思うところもあり。かと思えば、「そうかぁ ?」と思うところもなきにしもあらず。

個人的によく知らなかった話、ノーマークだった話を知る役に立った部分もあるんですが。んが。

もともとの本の成り立ちが「関係者を集めて開いた座談会の再構成」なので、それぞれがそれぞれの立場で言いたいことを言って終わってしまっているというか、全体的に一貫した流れが通っているように感じられないというか。そんな印象を受けた次第。

企画はいいんだけど、実現手法がもうちょっと、どうにかならなかったのかなあと。

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Nov 27, 2015

Bodø 空軍基地の掩体

たまたま数日前に見つけて「さすがだ」と感心したのが、これ。ノルウェー空軍 (RNoAF : Royal Norwegian Air Force) の Bodø 空軍基地。

掩体がランダムに並んでいるのは NATO の空軍基地ではフツーの光景ですけれど、その掩体が丸見えになっていなくて、土だか植物だかで覆われているところが少なくないのですね。意図的にやったのか、年月を経た結果としてこうなったのかは分からないけれど、この方が存在が分かりにくいのは確か。

もっとも、掩体に飛行機が出入りするための誘導路だけはどうにもならないので、それをたどっていけば「ああ、掩体があるな」と分かるわけですけれど、上空を高速で飛ぶ飛行機からそれを暢気に見分ける余裕があるかどうかは別の問題。分かりにくくする手があれば、やって損はないのです。

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Apr 29, 2014

ロシア・ウクライナ情勢のトバッチリ

昨日、アメリカと EU がロシア向けの追加制裁を決めたとのこと。欧米にしろロシアにしろウクライナにしろ、「退くに退けない」状況になってきていて、どうやったら落としどころが見つかるのかと心配になるのですが、それはともかく。

欧米諸国とロシアの関係が悪化すると、実はアフガニスタンにトバッチリが行くというお話。

なぜかといえば、アフガニスタン向けの補給ルートとして、パキスタンから山越えするルートに加えて、ロシア経由の北方ルート、いわゆる NDN (Northern Distribution Network) があるから。

しかも、NATO 諸国は 2014 年末の撤収に向けて、アフガニスタンから人員・装備・物資の搬出作業中。

パキスタン経由のルートは安全面で問題を抱えている上に、例の UAV 攻撃をめぐる対立があって、いつ封鎖されるか分からないリスクが。そこでさらにロシア経由のルートまでアテにならない、なんてことになれば、在アフガニスタン軍の撤収に悪影響が生じる可能性が懸念されるところ。

持ち帰ると高くつくものは現地で処分したり売却したりしてますけど、何でもそれができるわけではないですし。

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Apr 05, 2014

小型 UAV の探知

韓国で波紋「安保体制に欠陥」…北機捕捉できず (讀賣)

当局の発表が二転三転した話はともかく、小型の UAV を探知するのって、案外と難しいんじゃないかと思うのですけれど。

小型の機体が低空をノロノロ飛んでくるということは、それを探知するレーダーには高い分解能とクラッター抑圧能力が求められるし、山がちな地形のところを飛んでいれば、なおのこと。

それに、速度が遅ければ、それだけドップラー効果の利用も難しくなるのでは ?

小さいから目視探知は難しいし、周囲が騒々しければ音を聞きつけるのも簡単ではないだろうし。この手の小型 UAV には RQ-11 みたいに電気モーター駆動のやつがありますけれど、そうなるとなおのこと。

もちろん、「なんで探知できなかったんだ」と問題意識を持つのはいいんですけど、それに対して技術的に対応できるのか、対応するならどうやって、というところでヒステリーを起こしても、ねぇ。

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Feb 04, 2014

ground

普通、「ground」というと「地面」あるいは「運動場」といった意味で使う言葉ですが、それだと対象によっては、なんかしっくり来ません。 たとえばこんな面々。

  • BADGE (Base Air Defense Ground Environment)
  • JADGE (Japan Aerospace Defense Ground Environment)
  • SAGE (Semi Automatic Ground Environment)
  • DCGS (Distributed Common Ground System)

ところが辞書を調べてみたら、ground には「根拠、理由」という意味もあるんだそうで、それだとことに軍事情報系のシステムではしっくり来そうです。作戦行動の根拠となる情報を提供する、という意味で。

うーん、まだまだ知らないことがいっぱい。人生、終わりが来るまで勉強だなあ。

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Dec 17, 2013

秘匿度の高い情報

菅官房長官「あり得ないことが報道されている」(讀賣)

同法は安全保障にかかわる機密情報を漏らした公務員らへの罰則を強化するものだが、菅氏は「映画監督が映画を作れなくなるとか、(米軍の新型輸送機 MV22) オスプレイをスマートフォンで撮ってメールをすると逮捕されるとか、あり得ないことが報道されている」と指摘。

現実問題として、われわれ一般市民が「これが秘密ではないか」と思っていることと、実際に業界で高い秘匿度を設定している対象は、意外と食い違ってるんじゃないかと思うんですよね。

航空機やミサイルの性能データについて、本物の数字をそのまま公開することは滅多にないだろうし、交戦可能エンベロープなんかは確かに秘匿度が高い。

でも、そういう分かりやすい話ならともかく、「えっ」ていうところで厳重に情報を保護している事例もあるんじゃないかと。冒頭で引用した、官房長官の「オスプレイ発言」にしても、機体そのものと違った部分で、センシティブな情報になる可能性はあります。

ただ、そういうのは一般向けに書いても理解が難しいから、マスコミが恐怖感マーケティンのネタにする事例は、まず存在しないといってよいでしょう。で、単純化した分かりやすい話で煽って空振りに終わるというパターンに。

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Nov 12, 2013

脅威評価をめぐるアンビバレンス

なにも現在の日本に限らず、一般論としていえることですけれど。
どこか「仮想敵国」が存在しているときはたいてい、脅威評価に際してアンビバレントな状況が起きるよね、と。

つまり、世論を煽ったり、国防予算の増額を求めたり、軍事力の強化を求めたりする場面では、脅威は強大であるほど都合が良いわけです。だから、脅威の過大評価、あるいはそこまで行かなくても「できるだけ強大に見せたい」というドライブが働く。

ところが一方では、脅威があまりにも強大だと、「本当に花火が上がって攻めかかってきたらどうする」という恐怖感から逃れて心理的安寧を求めるために、脅威を過小評価しようとするドライブも働く。

平素から「軍備縮小」「国防費削減」を主張する向きは、当然ながらその主張に合わせるために脅威を小さく評価しようとするもので、それはよくある話。ところが実は、脅威を大きく評価しようとする動きが裏返って、脅威を過小評価する動きに転化して、「過大評価」と「過小評価」が同居することもあり得るわけです。

ただ、「過大評価」も「過小評価」も度が過ぎると害毒にしかならないので、情報評価、とりわけ仮想敵国の軍事力に関する評価って難しいし、注意してかからないと危ない。というお話。

特に、心理的安寧を求める動きの度が過ぎると、「仮想敵国に対する擦り寄り & 親近感」にまで変化してしまうことがあるので要注意。「いっそ味方になれば脅威にならない」というロジックですね。えてして片想いで終わるわけですが。

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