すでに本館の方で何度もホワイトバンドの問題点について指摘しているので、私が主張している詳しい内容については、リンク先の記事を見ていただくとして。(追記 : 関連記事が増えたので、文面を直してリンク先を以下にまとめました)
この運動、おかしいですよ。
真っ先にいわれる、「実は募金じゃない」という話。確かに、巧妙に錯誤を誘っている部分はあるにせよ、いくらなんでも詐欺罪で立件するのは難しいでしょう。それに、"被害額" が少額過ぎるので、わざわざ告発、あるいは告訴する人もいないでしょうし。ただ、本質的な問題は別のところにあります。
まず、「貧困問題は募金では解決できない」といっておきながら、「債務免除」という名の国家的募金を求めているところ。債務免除しても、債務を生む構造が変わらなければ元の木阿弥だというのに。一応、フェアトレードがどうとかいう主張もしてますけど、具体的にどうすれば実現できるのか、そこのロードマップが何も提示されていない。
(追記 : しかも、債務免除ということは国民の税金、つまりすべての納税者に負担が降りかかってくるということ。この件について「一人当たり年間 1,300 円」という数字が提示されていますけど、これは生まれたての赤ん坊から高齢の年金生活者まで、担税力のない人まで含んだダマカシの数字。"納税者" にかかる実質的負担は、これよりずっと多くなります)
次に、「政府に圧力をかける」という手法の是非。自分たちの代表を国会に送り込みたい、というならまだしも、みんなにイカリングをつけさせて、その "数の力" で無言の圧力をかけようだなんて、なんだか陰険っぽくて嫌です。挙句、国連ワールド・サミットのことを勝手に「ホワイトバンド・サミット」と呼びかえてみたり、そこでの小泉総理の演説に関して我田引水な記事を書いてみたり。
そして、アフリカの貧困問題とは切り離せない、安全保障面の問題を無視していること。もっとも、この手の活動に携わっている NGO/NPO だと、往々にして「アメリカが悪い」で済ませてしまい、たとえばスーダンのダルフール紛争に首を突っ込んでいる中国のことなんかは無視してしまいそうなので、どっちに転んでも本質的解決にはなりそうにありませんが。
東京タワーのライトアップにしても、イベントの様子を見る限り、単に「東京タワーをライトアップする」という行為に対する熱気を共有しているだけ。それが何のために行われるもので、どういう結果につながるのかを真剣に考えている参加者が多いようには見えなかったですよ。それともあれですか、DJ の人が流す音楽に合わせて踊れば、それで貧困解決になるとでも ?
「とにかく人を集めて盛り上げよう」というイベント屋の発想で仕掛けるから、こういうズレまくったことになるんです。あそこに集まった公称 3,500 人のうち、どれだけの人が真剣に貧困問題の解決方法について考えるようになりましたかねえ ? まことに疑問です。
こういう、一発型打ち上げ花火的な仕掛けは、一時的な盛り上がりこそ生むかもしれませんけれど、貧困問題の解決に必要な、地味で継続的な努力を阻害すると確信します。百害あって一利なしですよ。
(2005/9/26 に加筆)
書き忘れてましたけど、これだけはいっとかないと。
日本のイカリングとアメリカの ONE キャンペーンはまったく別の内容なのに、その ONE キャンペーンの方を支援してるビルのことを、イカリングに正当性を持たせるために軽々しく引き合いに出さないでもらえます ? 本人の了解を取って名前出してるんですか ? > 関係者
(2005/11/14 に加筆)
上の一件、11/8 のサイト改訂で問題の記述が消えました。どういう事情によるのかは知りませんけれど。
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