Jun 17, 2009
「雑談用」のコメント欄で、あかさたな さんから、こんな質問をいただきました。
http://d.hatena.ne.jp/zyesuta/20080502/1209722404#c
一理あるんだし、もっと日本人は戦争という敵を知らないといけないと思うけど、
ただ、賞賛しているアメリカはその割にイラクとかベトナムでは賢くない戦争をしているような・・・。
井上さんはどう思います?
最初はコメント欄で書こうかと思ったのですが、ちょっと長くなりそうだったので、独立したエントリを立ててみました。
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Jun 16, 2009
Boeing IDS (Integrated Defense Systems) 部門の社長兼 CEO、Jim Albaugh 氏の発言。(DefenseNews 2009/6/15)
「米空軍の KC-X 計画については、B.767 ベースの機体と B.777 ベースの機体と、両方を提案できるように準備を進めている」
「最終的にどちらで提案書を提出するかは、RfP の内容を見てから決める」
「提案が決まった方について、名称を “KC-7A7” とする」
(”A” とは何の意味かと訊かれて) 「”Advanced” の頭文字だ」
“7A7” なんて書かれたら、また新型の旅客機を開発するのかと早とちりしそうです。
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May 30, 2009
Diesel Sub Commander Recalls Historic Soviet Sub Chase (Navy.mil)
米海軍の Tench 級潜水艦、USS Grenadier (SS-525) が、1959/5/28 にソ聯のズールー型潜水艦 (SSG) を追い立てた話は「潜水艦諜報戦」の上巻でチラッと触れられていましたが、その一部始終について書かれているのがリンク先の記事。
いかにもアメリカらしいと思うのは、この件に先立ち、大西洋艦隊司令官の Jerauld Wright 提督が「アメリカや友好国ではない国の潜水艦 - 早い話がソ聯の潜水艦 - を見つけて、とっちめた艦長に対して、Jack Daniels Old No. 7 black label Tennessee を 1 ケース進呈する」という檄文を自分のオフィスの外に張り出していたこと。当然、USS Grenadier の艦長はウイスキーをゲッツ。
この件の前に、ソ連の近海で情報収集任務に就いていた米潜水艦が何回も、ソ聯海軍に見つかって追い立てられていたので、仕返しの機会を窺っていたのですな。
もっとも、酒を賞品にするのはこの件に限った話じゃなくて。第二次大戦中にドイツ海軍の某戦艦では、ネズミ退治の賞品にブランデーを出したことがあるのだとか。
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May 21, 2009
先日、インドネシアで空軍の輸送機が墜落する事故がありました。聞けば、墜ちたのは C-130 という話。
インドネシア空軍の C-130 について調べてみたら、 C-130B/H×20 機という情報と、C-130B/H×18 機プラス L-100-30×3 機という情報が。ただし後者の情報は 20 年前のものなので、その後で減耗して総勢 20 機というのはありそう。
ちょうど昨年 12 月に、シンガポールの ST Aerospace がインドネシア空軍から、C-130B×4 機を対象とするメンテナンスと改修の作業を 5,100 万シンガポールドルで受注したばかり。墜ちた機体が B 型かどうかは不明ですが、間の悪い話です。
実は、東ティモールなどにおける人権侵害を理由として、アメリカがインドネシア向けの制裁措置を発動していた時期が長く、その関係でインドネシア空軍のアメリカ製航空機は片っ端から整備不良で飛べない状態になっていました。
それが、2005 年の末になってようやく、FMF (Foreign Military Financing) がらみの制裁解除が決まった次第。それでやっとこさ、機体をフライアブルな状態に戻す作業を始められるようになったわけです。といっても予算が苦しいので、なかなか進まないのが実情のようですが。ST Aerospace の件も、20 機のうちの 4 機だけですし。
発展途上国の空軍だと、たとえ制裁を食らっていなくても、整備不十分で飛べない機体だらけというのはありそうな話です。特に航空機は、整備員の腕だけじゃなくて「ちゃんと交換用のパーツが入ってくること」も重要でしょうし。
そういえば、台湾海軍の Kidd 級駆逐艦も、射撃管制レーダーで使用する進行波管が discon になってて、オリジナルのコピー品をアメリカで作って輸出する羽目になってましたっけ。
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May 06, 2009
ヴァージニア州の Alexandria に寄港した、USS Freedom (LCS-1) の写真。
(Photo : US Navy)
注目すべきは艦の手前・桟橋上にある黒い物体で、形状からすると Lockheed Martin 製の遠隔操作式機雷処分具・AN/WLD-1 RMS (Remote Minehunting System) 用の RMV (Remote Minehunting Vehicle) かと思われます。
本体となる RMV はディーゼル推進なので、シュノーケルが上に突き出しているのがポイント。そこから AN/AQS-20 可変深度ソナーを曳航して機雷を捜索する仕組み。
ところで、LCS-1 の船体色って、特に上構部分が「アルミの地のまま・塗装省略」に見えて仕方ないんですけれど、こういうものなんでしょうか。謎です。
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Apr 20, 2009
「アムネスティから照明弾とフレシェット弾の件でお返事が来ました」で取り上げられている、M494 の話が載っている JDW (2001/5/23) が手元にあるので、他のフレシェット弾の話も交えてまとめておきます。
M494 APERS-T (Anti-PERSonnel Tracer) は、1972 年に米陸軍が制式化した 105mm 砲弾。ヨム・キプール戦争の後でイスラエルが、米陸軍の在庫品になっていた M494 を入手しています。
その後、IMI (Israel Military Industries) が M494 の 120mm 版を開発した、と JDW にあるわけですが、当該記事では「開発した」としか書いていないので、採用されたかどうか、今も実戦配備されているかどうかは、この記事だけでは分かりません。IMI の Web サイトには現時点で何も掲載されていませんが、「掲載されていない」と「製造していない」はイコールじゃありませんし。
M494 は、Reshef Technologies の電子式時限信管・OMEGA M127、あるいは同等品の M571 を使用します。これは装填の際に弾に取り付ける構造。信管が作動すると、砲弾に内蔵する 5,000 個のフレシェットを幅 94m、奥行き 300m の円錐状の範囲に飛散させる仕組み。
主な用途は対人用で、たとえば迫撃砲チームを制圧する場面で使える由。ただし、どれだけアテになるかという話になると、信頼が置けない部分があり、砲手にとっては使うのが難しいという話も。使っているのが時限信管だし、炸薬が破裂するわけではないので、破壊効果を推し量るのが難しい ?
もともと、この種の弾薬は第一次世界大戦のときに、塹壕に立てこもった敵を頭上から攻撃する目的で開発されたのが発端という話。
最近だと、米国防総省の Combating Teerrorism Technology Task Force が、CBU-107/B PAW (Passive Attack Weapon) を開発しています。これはイラクで大量破壊兵器関連施設を破壊するために開発したもので、ディスペンサーには TMD (Tactical Munition Despenser) を使用、さらに WCMD (Wind-Corrected Munitions Despenser) を組み合わせて命中精度を上げることもできます。
CBU-107/B の中には、長さ 14in のタングステン製ロッド 350 本、長さ 7in のタングステン製ロッド 1,000 本、長さ 2in のスチール製ロッド 2,400 本を内蔵。長いロッドで建物の屋根を突き破り、その後で短いロッドが中身を破壊する構造。
いずれにしてもフレシェット自体のサイズは小さくて軽いのですが、速度があれば、それなりに大きな運動エネルギーを発揮するはずです。撃たれる方はたまったもんじゃありませんが。
ref : 105 mm M494 APERS-T cartridge (United States), Tank and anti-tank guns (Jane's Ammunition Handbook), JDW (2001/5/23) "Israel's military debates use of flechette round), JDW (2003/5/14) "US Air Force reveals new strike munition", JDW (2005/4/27) "US DoD office focuses on tomorrow's threats"
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Apr 18, 2009
「ひゅうが」の電測兵装など のコメント欄で話題になった、謎のアンテナ (その 2) などについて。

後部煙突周辺には、ドームが 2 個。その後ろ、管制所の下から後方に延びているプラットフォームを見ると…

後方にいる艦のマストと重なってて見辛いですが、左端にある小さなお皿が「謎のアンテナ・その 2」で、テレビ放送用か、GPS か、はたまた船舶電話かといわれていたやつです。
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Apr 15, 2009
前回のエントリ で、いろいろ話題になっているので、写真を載せてみます。いずれも、クリックすると拡大します。
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Apr 13, 2009
土曜日に一般公開があったので見物してきた「ひゅうが」について、つらつらと。
- 航空管制所の上に謎のアンテナ。ESM かなと思いましたけれど、真相は不明。航空運用に関連する可能性も ?
- 艦尾側の右舷に起倒式のアンテナが 4 本立ってますが、前の 2 本と後ろの 2 本で長さや太さが違ってます
- 統合運用時、あるいは災害派遣時に指揮所をしつらえる「多目的区画」は、CPO 室や士官室、CIC などと合わせて、飛行甲板下の第 2 甲板に。米海軍式にいうとギャラリーデッキ
- その第 2 甲板は左右に 1 本ずつ通路を通した配置ですが、「おおすみ」や米海軍空母も同じですね。その通路の外側にも区画があるようです
- 格納庫では、両サイド、甲板 1 層分上がったところの左右に狭い張り出し通路があって、その上に移動式のクレーンらしきモノが。機材運搬用 ?
- 格納庫甲板に出入りするランプは右舷だけ ? 舷梯を降ろして人が出入りするだけなら、左舷側でもできるみたいですけれど
- 同程度の全長と排水量を持つインヴィンシブルと級と比べても大きく感じるのは、おそらくは飛行甲板の幅が違うせい
- 洋上給油用の給油口や補給ポストは飛行甲板の右舷側に固定設置してあるので、ちょっと場所を食っちゃってるかも。補給ポストは、使用しないときは後方に倒しておくのだとか
- AFFF 消火器の制御盤が、やたらと目についたような気がします
- 格納庫の照明は、昼間用の白色灯と夜間用の赤色灯を交互に並べた配置
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Mar 31, 2009
先週、Saab の Gripen NG で使用する AESA レーダーについて、Selex Galileo が協力することになったという発表がありました。もともと、Gripen Demo を発表した時点では、AESA レーダーについては Thales が協力することになっていたのですが、突発的な大逆転。
実はこれ、Dassault Aviation が Thales 株の買い増しに乗り出した件のトバッチリ。Alcatel-Lucent が保有している Thales 株を Dassault Aviation が買い取る話が進行中ですが、その Dassault Aviation は Rafale をあちこちに売り込んでいて、Gripen NG を擁する Saab とはコンペティターの関係にあります。
となれば当然ながら、その Dassault Aviation の支配力が強まる Thales が、競合する Gripen NG のレーダーを手掛けるなんて無理な相談。そこで Selex Galileo にパートナーを切り替えた次第なのでした。
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Mar 11, 2009
昨日、新聞各紙などで「中国が米海軍の調査船に対して妨害行為」というニュースが流れてました。
次の本館の更新で詳しく取り上げますが、調査船といっても、問題になった USNS Impeccable は T-AGOS-23、つまり SURTASS 装備の音響測定艦です。しかも場所が海南島の近く。その海南島には、ミサイル原潜の基地が新設されたという話が出たばかりです。
つまり、米海軍は中国の新型原潜を狙って、音紋取りなどの情報収集のために SURTASS 搭載の音響測定艦を送り込んだのでしょう。だから中国もピリピリして妨害に出たわけです。
米軍の発表では、曳航ソナーのところに棒を突っ込んだとか、艦の前方に材木を投げ込んだとか、針路前方に中国の船が居座ったとか、なかなか激しい話が出てきてました。
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Mar 05, 2009
JDW (2009/3/4) に、「BAE Systems が日本でのプレゼンスを拡大する動き」という趣旨の記事が載っていました。
現在、同社が home market とみなして拠点を置いているのは、オーストラリア、サウジアラビア、南アフリカ、スウェーデン、イギリス、アメリカの 6 ヶ国で、特にアメリカでの売上が全体の業績に貢献している昨今です。Force Protection や United Defense などを買収した成果ですね。
もちろん、日本でのプレゼンス拡大が取り沙汰される背景には、F-X として Typhoon を売り込む話があるわけですが。観測気球かも知れないけれども、こんな記事が出てくるところをみると、かなり本気なのかなという感じはあります。
ただ、日本向けのセールストークとして「我が社と日本の間には、戦艦三笠以来の御縁がある」というのは、ちょっと無理があるんじゃないかなあと思いました。確かに、三笠は Vickers の Barrow-in-Furness 造船所で建造した艦ですから、そういう話に持って行くことはできますけれど。
三笠で思い出したけれど、春になったら横須賀に行って、「ネイビーバーガー」を食べに行ってみようかなあ。
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Feb 11, 2009
"F-16 の父" こと Harry J. Hillaker 氏が亡くなったそうです。89 歳。
もう 17 年ぐらい前の話になりますが、「航空ファン イラストレイテッド」で F-16 を取り上げたときに、この方のインタビュー記事 (GD の社内誌 "Code One" からの翻訳転載) が載っていて、なかなか興味深いものがありました。
実は「戦うコンピュータ」に書いた F-16 の主翼取り付け位置の話は、そのインタビュー記事が元ネタだったりします。
そのインタビューの中で「F-16 は、余計なものを積めないように小さく設計した」という話が出てくるのですが、なんだか A-4 Skyhawk にも通じるものがあります。でも、後になって積みたいものが増えて、あちこちに凸凹ができてしまった点まで共通してますけれど。
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Feb 08, 2009
最近の JDW で、ネパールの話題が出てました。
ネパールでは国連が監視ミッション UNMIN (UN Mission in Nepal) を行っていて、その期限を半年延長して 7 月までとしました。その理由は、毛派反政府ゲリラの今後の扱いがはっきりしておらず、前途不透明な状況が続いているため。
これに限らず、アフリカあたりの内戦でも政府と反政府組織の間で和平合意がまとまった場合、その次のステップとして、反政府組織でゲリラをやっていた人たちの社会復帰という問題が出てきます。その際の手段として「政府軍との編合」を行う事例があるのですが、そんな簡単にうまくいくのかなあと。
政府軍といえば、この間まで銃をとって戦っていた相手。しかも、ゲリラをやっていたときと同じ意識のままでは政府軍の兵士はやれないので、教育・訓練のやり直しや意識改革が必要になります。大人が相手でも大変だろうに、子供兵だったらますます厄介です。
年端もいかないうちに反政府ゲリラに加わって (あるいは反政府ゲリラに拉致されて) 戦争ばかりやっていたら、果たして普通に社会復帰できるんだろうかと。大人の社会復帰以上に難しそうです。
それに、軍に入れないで武装解除して社会復帰させる場合でも、受け皿となる職業が必要で、それには職場も職業訓練も必要。そもそも、当人がその気にならないことには始まりません。結局、正規軍への編合や社会復帰がうまくいかなくて、そのうちに不満を募らせてしまい、またぞろ反政府武装闘争をおっ始めてヒャッハー、なんていうのは、すごくありそうな話です。
反政府組織が子供兵を多用していた事例がいくつか知られていますけれど、率直にいって反政府組織をつぶすことよりも、戦後の後始末の方が大変だと思います。だから、スリランカも LTTE の拠点を制圧した後の始末をどうするかは、頭痛がする課題でしょう。LTTE のボスが東南アジアに逃亡したらしいので、これで解決… とはいかないと思うわけです。
これが、国と国とが正規軍同士で戦争をやっていたケースだったら、むしろ後始末は楽なんじゃないかなあと。不正規戦の方が、何倍も後始末が大変だと思いますよ。正直、どうやったら解決できるか分かりません。
ふう。
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Feb 05, 2009
山手線の車内にある液晶 TV (VIS) を眺めていたら、「サッカー・ベッカム、ミランにぞっこん」という見出しが。
ミランってこれか ?
という冗談はさておき。
MILAN は Missile d'Infanterie Leger ANti-char の略ですが、今ではすっかり "MILAN" というひとつの単語として通用している状況のようです。TGV (Train à Grande Vitesse) が、頭文字略語じゃなくてひとつの単語になっちゃったのと似てるかも。
ちなみに、その他の対戦車ミサイルでも、頭文字略語のネーミングがゾロゾロと。
- HOT : Haut subsonique Optiquement Téléguidé / High Subsonic Optical Guided
- TRIGAT : Third Generation AntiTank
- TOW : Tube-launched, Optically-tracked, Wire-guided
でも、いちいち「何の略か」なんてことを気にする人は、あまりいないような気がします。AIM-120 AMRAAM (Advanced Medium Range Air-to-Air Missile) なんかもそうですね。
AGM-114 Hellfire は直訳すれば「地獄の炎」ですが、「ヘリコプターから撃つ (fire)」という意味もひっかけたネーミングだったような。日本のどこかの雑誌が間違って、AGM-114 のことを「ヘリファイア」と書いたことがあるそうですが、あながち間違ってないかも。
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Dec 27, 2008
関連記事 : 私に名前を付けてください
Alenia Aermacchi: “MASTER” is the name chosen for the Aermacchi M-346 trainer
(Alenia Aermacchi)
というわけで、M-346 練習機のニックネームは「マスター Master」に決定しますたー。
「マスター」というと、バーやスナックのあるじを連想してしまいがちですが、「支配者」「師匠」「親方」「巨匠」「大家」「熟練者」「勝者」など、いろいろな意味があります。
さて、M-346 はジェット練習機市場の支配者 or 勝者として君臨することができるでしょうか。
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Dec 17, 2008
Royal Navy’s submarine command system installation programme completes ahead of time
(BAE Systems)
例の、「英海軍の潜水艦は Intel Inside」といって話題になった (?) 英海軍の原潜向け指揮管制装置・SMCS NG (Submarine Command System New Generation) が、Trafalgar 級 SSN×7 隻、Vanguard 級 SSBN×4 隻、Swiftsure 級 SSN×1 隻への装備を完了したそうです。
そこで、初出時のスペックをおさらい。
- CPU : Pentium 4/2.8GHz
- RAM : 1GB
- HDD : 120MB
- グラフィックス : Matrox P650
- ディスプレイ : LCD×2
- ネットワーク : Ethernet
- OS : Windows 2000
JDW (2004/7/21) に SMCS NG の記事が載ったとき、担当メーカーは AMS でしたが、今は業界再編により、BAE Systems Insyte (Integrated Systems Technologies) になっています。
ちなみに、SMCS NG は 19in ラックにマウントする形をとっています。ともあれ、上のスペックだけ見ると「どこの自作 PC だよ」と思っちゃいます、ほんと。 それにしても、導入が完了する頃には Windows のバージョンが二つ上がってるんだから、COTS おそるべし。
ちなみに、反戦活動家の人で「Microsoft は怪しからん、Linux がイイ」といってる人がいますが、御安心ください。Linux を使ってる軍用コンピュータも HP/UX を使ってる軍用コンピュータも Solaris を使ってる軍用コンピュータもございます :-)
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Nov 20, 2008
さっき届いた JDW (2008/11/19) によると、オマーンが Typhoon×24 機を購入する話は確定みたいです。もっとも、本当に確定するまでは、確定なのかどうか分かりませんけれど。
新造機かと思ったらそうではなくて、英空軍手持ちのトランシェ 1 の中から 24 機について、所要の改修を施して売却するという話。英空軍では、手持ちのトランシェ 1 を売り払ってトランシェ 3 の調達資金に充てることで、手持ちの機体をトランシェ 2 とトランシェ 3 に揃えたい考えみたいです。
「オマーンにとっては (トランシェ 1 でも) 手持ちの Jaguar より性能が上がるから、欲しがっているのだ」とはイギリス側の談。おいおいおい !
仮にこの話が確定として、53 - 24 = 29 だから、残り 29 機についても買い手を捜さないといけません。まさか、日本に買えなんていいませんよね ?
仮に F-X で Typhoon を買うなら、トランシェ 3・オフセット率 100%・日本メーカーの生産参画・AESA レーダーの後日装備・イギリスのエアラインで MRJ を買ってちょ、ぐらいの条件は付けないと納得できませんぜ。
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Nov 19, 2008
次の本館の更新に入る話ですが、とりあえず先行して。
Lockheed Martin F-35 Lightning II Flies Supersonic (Lockheed Martin)
Edwards AFB で実施していたエンジン再始動試験などを終えてテキサスに戻った F-35A (AA-1) が、やっとこさ、超音速飛行を達成しました。高度 30,000ft でマッハ 1.05 を達成、加減速を繰り返して、合計 8 分間にわたって超音速飛行を実施したとのこと。
音速突破そのものが目的というよりも、兵装満載状態で超音速飛行を行い、ハンドリング特性などを検証する狙いも。なので、イナート弾やダミー弾を 5,400lb、機内兵器倉に搭載していたという話です。何を積んでいたかは書いていませんが、2,000lb 爆弾×2 発とスラマー×2 発で、おおむね符合するでしょう。
この後はさらに段階的に飛行領域を拡大して、兵装満載状態での想定最高速度・マッハ 1.6 まで引き上げていく予定とのことです。
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Oct 01, 2008
Israel - F-35 Joint Strike Fighter Aircraft (DSCA)
以前から話は出ていましたが、イスラエルの F-35 輸入が公式な話になりました。といっても、DSCA が議会に通告した段階ですから、議会が「駄目」といえば通りませんが、その可能性はないといってよいでしょう。むしろスケジュールや機体の熟成度合の方が… (イスラエルが欲しいと思っている時期に間に合うのかね ?)
興味深いのは、当初の 25 機が CTOL 型、オプション契約になっている 50 機が CTOL 型、あるいは STOVL 型、となっていること。飛行場が壊されても、とりあえず飛び立つことができるという点で STOVL 型にはメリットがありますが、イスラエルがその辺についてどう考えているのか、関心が持たれるところではあります。
イスラエルは F-22A を欲しがっていたこともあったようですが、これで F-22A については諦めたとみた方が良いのかもしれません。
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Sep 18, 2008
米上院・国防歳出小委員会 (Senate Defense Appropriations Subcommittee) が、FY2009 国防歳出法を承認しました。下院の方の話が聞こえてきていないので、これで確定になるかどうかは分かりませんが、どのプログラムが満額になったか、どのプログラムが減額になったか、というだけでも興味深いものがあります。そこで、サマリーを載せておきます (長いけど)。
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Sep 17, 2008
軍の業務の民間委託について、あーだこーだといわれるようになってしばらく経ちますが、この分野でもっとも熱心なのは、実はアメリカじゃなくてイギリスかも知れません。PFI (Private Finance Initiative) を利用する方式が多いようです。
たとえば英空軍の FSTA (Future Strategic Tanker Aircraft) 計画では AirTanker コンソーシアムが A330-200 MRTT (Multi Role Tanker Transport) を保有して、軍の求めに応じて空中給油や空輸のサービスを提供します。基本的に同じ機体を使うオーストラリアでは、単に空軍機として運用するので、形態が違います。
あと、空中給油機を飛ばしている民間企業としては、Omega Air があります。B.707 や DC-10 を改造した給油機で、米海軍などに給油サービスを提供しています。
イギリス軍がらみのメジャーな PFI というと、Skynet 5 もあります。これは通信衛星で、衛星を Paradigm Secure Communications なるコンソーシアムが保有・運用、通信衛星の "放送時間" を国防省に売る形。空き時間にアルバイトで民間向けの商売もできるところがミソです。もちろん、軍の通信が優先ですが。
海の上では、VT Group に哨戒艦 HMS Clyde を建造させて、それを英海軍がリースして運用している事例があります。こちらは PPP (Public Private Partnership) 方式。
その他の分野では、訓練業務を機材・教官も含めて民間委託するとか、飛行機の整備を民間委託するとか、UAV を使った偵察を民間企業に委託してデータだけもらうとか、SALIS (Strategic Airlift Interim Solution) みたいに民間企業保有の輸送機を NATO 各国が共同でチャーターするとか。
とにかく、チャーターとかリースとか PPP とか PFI とかいう言葉が、あちこちで出てきている昨今です。
ところが面白いもので、「【珍説】伊勢崎賢治「インド洋給油は民間業者でもできる」???」(週刊オブイェクト) で取り上げている洋上補給は、民間企業にやらせている事例ってないみたいなんですね。民間人が乗り組んだ軍のフネでやる、ということならアメリカでもイギリスでもやってますが、あれはあくまで軍のフネ。丸腰でも軍艦は軍艦です。
- 補給艦は専用の設備が必要だから、既存の商船を改造して一丁上がり、とはいかないし、結果として "つぶしのきかない" ものができてしまってリスクの大きい商売になる。しかも、独自の運用ノウハウも必要で、人員の育成も課題になってしまう。
- それと比べると空中給油機は、余っている旅客機を改造して作れるぐらいだから、比較的低リスクで商売できる。空き時間には貨物輸送機として使える。
という違いかなと思ったのですが、真相やいかに。
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Sep 09, 2008
先日、イラクで初の実戦使用を記録した GBU-54/B LJDAM (Laser JDAM) は、GPS/INS 誘導を使用している JDAM (Joint Direct Attack Munition) のノーズに、SALH (Semi Active Laser Homing) 用のシーカー ヘッドを追加して、レーザー誘導を可能にしたものです。

(Photo : USAF)
一方、英空軍が導入を決めた Paveway IV は、Enhanced Paveway の発展型で、もともと SALH を使用していた Paveway II/III に GPS/INS 誘導を追加したものです。
行き着いたところは同じじゃん。
というツッコミは当然ながら出てくるわけです。メーカーがそれぞれ違う (JDAM は McDonnel Douglas → Boeing、Paveway は Texas Instruments → Raytheon) というだけでなく、上にも書いたように、目的地に行き着くまでの流れも違うのですね。
JDAM に SALH 用のシーカーを追加したのは、命中精度改善と移動目標攻撃能力の実現を図るため。移動目標攻撃については、以前にデモンストレーションを行った AMSTE (Affordable Moving Surface Target Engagement) を使う手もありますが、AMSTE を使うにはターゲットを追跡する E-8 みたいなプラットフォームが要る上に、データリンクを用意しなければならないので、費用がかかります。レーザー誘導の方がお手軽です。
Paveway に GPS/INS 誘導を追加したのは、悪天候対策。"Operation Allied Force" などで、天候が悪くてレーザー誘導の Paveway を使えないケースが多発したため、補助手段として GPS/INS 誘導を追加したのが Enhanced Paveway、それを改良してイギリス向けに売り込んだのが Paveway IV という図式。
源流も背景事情も違うけれども、行き着いた先は同じでした、というお話。
もっとも、搭載可能なプラットフォームに違いがあるとか、JDAM は GPS/INS 誘導パッケージを尾部に付けてる (もちろん SALH シーカーは尖端部) とかいう違いがありますけれど。
P.S.
AMSTE を開発したのは Northrop Grumman ですけれど、JDAM を手掛けている Boeing としては、KC-X で角突き合っている Northrop Grumman の製品を使いたがらなかった… なんてことはないよね。
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Aug 04, 2008
前回のエントリの続き。
今回の横須賀詣でで最大のヒットは、米海軍側で登場したジャンクフードと屋台の貼紙「破片」でしたが… (いやまあ、「木っ端」と書かれるよりマシだったけど)

(ホットドッグと比較されたし。ケチャップの瓶がでかい !)
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Aug 03, 2008
土曜日に、横須賀で海上自衛隊・米海軍合同の一般公開があり、mixi の OFF 会ということで行ってまいりました。で、海自の艦に混じって吉倉の桟橋で公開していたのが、USS Cowpens (CG-63)。
その Cowpens の艦上で、御一緒した皆さんと「あれはなんだ」と盛り上がる原因を作ったのが、これ。
ブロック 1B で追加した電子光学センサーの後ろ、レドームの脇に、なにやらウィンドウォッシャータンクみたいなのが付いてます。
で、帰宅後に写真を確認してみたら。

電子光学センサーの前面にワイパーがついてました ( ゚Д゚)
となると、例のブツはウィンドウォッシャーで確定でしょう。
ちなみに、海自の艦が装備しているブロック 1B も、よくよく見るとワイパー付き。いままで全然気付かなかった orz
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Jul 30, 2008
LCS (Littoral Combat Ship) の 1 番艦、Freedom (LCS-1) が、試験航海を開始しました。写真を見ると、センサー類もひととおり搭載済みのようですが、塗装はまだ不完全みたいですね。
(Photo : U.S.NAVY)
本来なら「初めて海に乗り出した」と書くところなのでしょうが、建造所の Marinette Marine は海なし州のウィスコンシンにあります。でもって、試験航海はミシガン湖でやっているので、「海に出た」とは書けないのであります。
しかしこれ、後が続くかどうかが問題だよなあ… FMS でイスラエルに輸出する話が実現するかもしれませんが、その際には「積み替え式ミッション パッケージ」は止めることになるようです。
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Jul 16, 2008
JDW で SM-3 関連の記事を読んでいたら、そこに登場した Raytheon Missile Systems の中の人の名前が "Ed Miyashiro" とあったので、「へえー」と思って検索してみました。そしたら、Raytheon のサイトに紹介記事が載っていました (PDF)。
もともと General Dynamics の Pomona Division 出身で、SM-1、SM-2、SM-3、SM-6、Phalanx CIWS、RAM、Sea Sparrow などの艦載ウェポン システムを担当。GD Pomona が Raytheon に買収されたために、Raytheon に移ったということのようです。そして現在は Missile Systems 部門の副社長。
日系だからどうした、といっちゃえばそれまでですけれど、たまたま日本に縁がある製品を多く手掛けているところが印象的、という話です。はい。
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Jul 10, 2008
Pentagon Reopens Bidding on Tanker Contract
Robert M.Gates 米国防長官は、KC-X 計画の機種選定をやり直すと発表しました。「産業界、議会、そして国民は、選定プロセスに対して信頼を持たなければならない」として、仕切り直しの選定プロセスによって「納税者にとって最善の機体を選定する」と説明しています。
よって、Northrop Grumman に対しては作業の中断を指示、改訂版の RfP をリリースすることになります。
# またテクノバーンが 午砲 誤報した…
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Jun 24, 2008
JDW (2008/6/25) によると、ノルウェーの弾薬メーカー・Nammo の中の人が「クラスター弾禁止条約により、既存のクラスター弾を廃棄処分する需要が発生する。これで新たなビジネスの機会が創出される」と発言している由。
なんでも、Nammo はドイツ・ノルウェー・スウェーデンに弾薬処分施設を持っていて、東西ドイツ統一で不要になった旧東ドイツのソ聯製弾薬などを廃棄処分しているとのこと。また、クラスター弾規制による需要を見越して、すでに施設増強の投資もやっているという話。
_ ∩
( ゚∀゚)彡 陰謀論!陰謀論!
⊂彡
「ダブリン会議は、弾薬処分を強制的にやらせるための、弾薬処分業界による陰謀だ」って主張する人はいるかなあ ?
そういえば日本でも、名前を出せば誰でも知ってる某社が、対人地雷の処分を請け負ってたような…
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Jun 17, 2008
携帯型ロボット (小型ロボット建物内移動技術の研究) (防衛省・技術研究本部)
「実験模型 (遠隔操作部)」が、どう見ても VAIO Type U の旧モデル。まさにパソコン兵器 (笑)
このあいだ Interop に行ったときにも、MIL-STD-810F に準拠した耐衝撃型 PC を出展している会社がありました。Windows XP モデルだけじゃなくて、携帯式バーコードリーダーみたいな外見をしたやつ (Windows CE ベースだったかな ?) もありましたっけ。
もっとも、それをいいだすと、ヨドバシカメラでも売ってる Flipstart だって軍事転用済みですが。
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Jun 06, 2008
米空軍の Donald Winter 長官と T.Michael Moseley 参謀総長が、揃って辞任を表明しました。
具体的な理由については明言していなくて、「新しいリーダーと交代すべき時期が来た」とか「空軍の評判を損ねた一連の事態の責任をとる」とかいう説明なんですが、これってひょっとして KC-X の機種選定を巡るゴタゴタのこと… ?
と思ったら、核兵器の取り扱いに関連する事件が絡んでいるという話もあるので、「AGM-129 の実弾を積んだまま空輸しちゃった事件」「核弾頭の部品を台湾に輸出しちゃった事件」が響いた可能性もありそうです。
続報
どうやら、直接的な原因になったのは「核弾頭の部品を台湾に輸出しちゃった事件」のようです。これを受けて Robert M.Gates 国防長官は、核弾頭、輸送手段 (ミサイルとか)、関連コンポーネンツの管理を担当するタスク フォースの創設を表明しました。
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May 21, 2008
米国税関が新制度を近くスタート、入国者が所持するPCのデータを丸ごとコピー - Technobahn
http://www.technobahn.com/news/2008/200805161507.html
の誤報に絡んで、BAE Systems 社の CEO・Mike Turner 氏が一時、米司法省 (DoJ) に身柄を拘束された際に PC と Blackberry 端末の内容を調べられた、という話が出てきました。
I have got some news from...
http://d.hatena.ne.jp/nofrills/20080519/
この件については讀賣でも報じているので、御存知の方も多いと思いますが、問題は、司法省の捜査対象が「サウジ不正疑惑」、つまり Al Yamamah 計画がらみという点。なんでイギリスの疑惑にアメリカの司法当局が出てくるのか ?
イギリスの司法当局がこの件に関する捜査を取り止めてモメていますが、 代わりに米司法省が捜査に乗り出した… というのともちょっと違います。
BAE Systems 社はサウジアラビアから Typhoon×72 機を受注していますが、これにはアメリカ製品もいろいろ使われています。すると、実際に輸出を実現するにはアメリカの承認も必要で、その承認を担当する部門が司法省による Al Yamamah 計画に関する調査の結果待ち、という状況なのですね。だから司法省が BAE Systems の CEO に「ちょっと話を聞かせてもらいたい」とやったわけです。
これに限らず、輸出する装備品の製造当事国だけでなく、そこで使っているパーツやコンポーネンツの製造国からも承認が要るのは、他の件でも同じ。
これを活用 (?) して、ベネズエラがスペインの EADS CASA に C-295 輸送機と CN-235MP 洋上哨戒機を発注した際に、アメリカが 1976 U.S. Arms Export Control Act の規定を盾にして「これらの機体で使っているアメリカ製品には輸出許可を出さない」とやって、結局は商談をつぶしてしまったことがあります。
もちろん、ヨーロッパ製のコンポーネンツに入れ替えれば回避できますけれど、そうすればまたインテグレーションや試験でおカネがかかりますし。
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Apr 23, 2008
米海軍の BAMS 計画が、Northrop Grumman に決まりました。詳しくは金曜日に本館で。
しかしそれよりも、現地時間の 23 日にロールアウトするとかいう "Gripen Demo" の方が気になる存在。どんな魔改造をやってくるのやら…
http://www.gripen.com/en/MediaRelations/Demo/
# 注 : DEMO といっても技術選や検定には使えません (ばかもん)
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Apr 17, 2008
Looming Budget Issues Threaten Defense Readiness (発表本文)
U.S. Defense Modernization: Readiness Now and for the Future (PDF)
これは、アメリカの航空宇宙・防衛産業が集まって構成する業界団体・AIA (Aerospace Industries Association) がまとめた報告書なんですが、骨子は以下の通りです。
「国防予算全体の伸びと比べて、装備調達・研究開発関連の伸び率は低い。これは、(進行中の戦争のために) O&M (Operation and Maintenance) 経費、兵士の待遇改善のための経費、戦闘で損耗した装備の修復・補充にかかる経費が嵩んでいるため。そのせいで、装備の近代化に必要な調達や研究開発に回る資金が不十分になっている。かかる現状が、将来の米軍の即応体制に悪影響をもたらす可能性について懸念する」
さて。
私が以前、本館で「防衛産業って戦争でボロ儲けできるの ?」をライブしてみたら、もう賛否両論が入り乱れて、・毀誉褒貶が激しい、のスッタモンダ状態になりました。「兵器産業陰謀論者」の皆様方からは、そりゃもうボロクソにいわれたもんです。リファラをたどって片っ端から見に行ってみたから、知ってます。
そして現実にはどういうことになったかといえば、私が 2 年ばかり前に書いていたのと同じことを、当の防衛関連企業の団体が言い出すようになったわけです。
さて、これでもまだ「兵器産業はボロ儲けしたくて戦争を起こさせている」って主張しますかね ?
関連記事 :
AIA: Spend More on Defense (DefenseNews.com)
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Apr 12, 2008
このカテゴリのエントリは久しぶりかも。
EDA Electronic Bulletin Board
電子掲示板といわれればその通りですが、そんじょそこらの電子掲示板とは意味が違います。
これは EDA (European Defence Agency) がヨーロッパ各国の国防省向けに、調達情報の公告などを行う手段として開設しているもの。国際調達を推進するには、まずどんな商談があるのかが分からないと話にならないので、こういう仕掛けを用意したわけです。
首尾良く「御成約」となったものから、RfI (Request for Information) をリリースした段階のものまで、内容はいろいろ。どこの国が何を調達しようとしているかが分かっちゃいますから、眺めてみると、何か貴重な情報が落ちてるかもしれません。
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Mar 17, 2008
Poor Air Power Planning Exposed But Super Hornet to Stay
(Australian DoD via Defense-Aerospace.com)
オーストラリア国防省が評価作業の俎上にのせていた F/A-18F×24 機の調達案件ですが、ボツになる事態は避けられる模様です。上のリンク先の内容を見る限り、かなり消極的な継続勧告という印象ですが、事情はどうあれ継続は継続。
そもそも、すでにオーストラリア向け F/A-18F に関して米海軍がメーカーに幾つも契約を発注してしまっているので、この期に及んでキャンセルなんていったら、上のレポートにもある「受け入れがたい緊張を引き起こす」「大きな財務的ペナルティ」どころの話じゃ済まないかもしれません。
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Feb 08, 2008
エコロジー軍隊プロジェクト : 週刊オブイェクト
↑ の記事で、米陸軍の FCS (Future Combat System) でハイブリッド車輌を取り入れる等の、軍用ハイブリッド車輌の話を取り上げていました。
上のエントリでは取り上げていなかったハイブリッド AFV として、スウェーデンの BAE Systems Hägglunds 社が開発している、SEP (Splitterskyddad EnhetsPlattform) があります。
現時点では装軌型と装輪型のプロトタイプを 2 両ずつ作ったところで、将来は共通プラットフォームからさまざまな派生型 AFV を産み出し、さらに英陸軍の FRES (Future Rapid Effects System) とハーモナイズしようぜ、なんて話もあったのですが…
Sweden Abandons SEP Program (DefenseNews.com)
il||li _| ̄|○ il||li
技術的に問題があったとかいうならともかく、「単独で開発できるだけのカネがない。パートナー企業が思うように集まらない。仕方ないから開発止める」だそうです。今後、パートナーが見つかれば再開できるかも、という含みは残していますが、さてどうでしょうか。スウェーデン軍は O&M (Operation and Maintenance) 経費に手を付けざるを得ないぐらい、財政的にきつい状況ですし。
この件に限ったことではありませんが、新しいウェポン・システムの開発にはカネも時間もかかります。しかも最新技術をつぎ込むために開発リスクが増えて、コスト上昇やスケジュール遅延の問題も出てくるのがお約束。これはもう、技術力があるとかないとかいうのとは別次元の問題といえるでしょう。
だから、過去には独自路線にこだわっていたスウェーデンですら、他国との共同開発による経費・リスク分担路線に舵を切らざるを得ないのが実情。案外と、こんなところから新兵器の開発競争を抑制する格好になってしまうかも知れません。
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Jan 23, 2008
UK considers alternatives to Nimrod upgrade
(Jane's Defence Weekly 2008/1/23)
えっ、Nimrod MRA.4 の計画を見直し !? と思ったら、Project Helix こと Nimrod R.1
の方でした。ELINT 機なんですが、L-3 Communications がプライムになってアップグレード改修を実施、2025
年まで使い続けることになっています。
ところが、2006 年 9 月にアフガニスタンで墜落した Nimrod MR.2 (S/N XV230)
の事故原因が燃料系の火災だったと判明したため、「こりゃ計画を見直した方がいいんじゃね ?」という話が出てきてしまったわけです。ただ、
この手の機体のキモはドンガラじゃなくてミッション・システムですから、開発しているミッション・システムはそのまま使い、
機体を別のものに変えてはどうか、と。
現実問題、Nimrod って元をたどれば Comet 旅客機ですから、ええ加減に設計が旧いわけです。ところが、Nimrod
R.1 にしろ Nimrod MRA.4 にしろ、さらにそれを補修・改修して使い続けようというのだから、イギリス人の執念恐るべし。
でも、どんなにアップグレードや補修を重ねても、飛行してストレスがかかる状態が続けば、いつかは寿命が来るわけでして。
飛行機ほどクリティカルではないにしても、艦艇なんかも同じことです。
特に 1990 年代以降、予算の関係で既存の装備をアップグレードして使い続ける事例が多々ありますけれど、
それらがそのうちバタバタと使い物にならなくなって、業界大騒ぎ、なんてことになりはしないかと心配になります。なにせこの業界、
極端なことをいえば 1980 年代・冷戦末期の軍拡で揃えた装備を食い延ばしているようなところがありますから。
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Jan 17, 2008
米空軍が最新版の Air Force Roadmap をリリースしました (参考)。基本的には
「何をどこに配備するか」の予定表みたいなものです。
ただ、メールで回ってきた分と上記リンク先に載っている分とで、内容にちょっとズレがあるのが気になるところ。具体的にいうと、
以下の項目はメールには載っていたのに Web には載っていません。
F-35A Lightning II or F-22 Raptor :
- Atlantic City IAP, NJ
- Barnes ANGB, MA
- Fresno Air Terminal, CA
- Great Falls IAP, MT
- Jacksonville IAP, FL
- Klamath Falls IAP, OR
- NAS JRB New Orleans, LA
- Portland IAP, OR
みんな州兵航空隊がらみなのと、F-22A の追加調達が決まったわけではないことから、州兵航空隊に F-22A ないしは
F-35A を装備するアソシエート部隊を増強するのか (これなら増えるのは人だけで機体は増えない)、あるいは単なる誤掲載か。
ちょいと気になるところではあります。
そもそも、予定を立てないと何も進まないとはいえ、今から四半世紀近く先、FY2030 の話なんかされても、
「どーせそのうち変わるだろう」とぼやいてみたくなりました。はい。
ときに、今日は「F-117 の日」? 他にも「阪神淡路大震災」とか「湾岸戦争」とか「私が MSKK
の入社試験面接を受けに行った」とか、いろいろあるわけですけれど。
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Jan 03, 2008
W05K のインプレを上げようと思ったんですが、それは明日に回して。
インド洋で実施している対テロ洋上哨戒作戦が、実はテロ対策とは関係ないんじゃないか、と主張している人がいるみたいですね。なんでも、「海賊事件といったって、大した事件は起きていない。それなのに軍艦が出ていって洋上哨戒をやるなんておかしい」なんてことを主張しているらしいのですが。
まず、陸の上と海の上に共通する話ですけれど。
テロリストにとって好ましい土地とはどんな土地かといえば、政府のコントロールが効かない無政府状態。もっとも理想的なのは、政府が崩壊状態になっている国です。裏を返せば、治安維持組織がちゃんと機能していて、悪いこと、怪しいことをするとたちまち通報されて警察が駆けつけてくるような場所は嬉しくありません。
ということは、テロリストの聖域を潰して追い込みをかけるためには、各国政府がちゃんと機能する治安維持部隊を擁している必要があります。ところが、「おたくの国の治安維持体制はなっていない。うちが代わりに出ていく」といって他国が乗り込むのは無理があります。そこで、テロリストが好みそうな状況になっている国に対して治安維持部隊を対象とする訓練を提供して、自力で治安維持をできるようにするという考えが出てきます。
その一例が TSCTI (Trans-Sahara Counter-Terrorism Initiative) で、後に TSCTP (Trans Sahara Counter Terrorism Partnership) と改称しました。これはサハラ砂漠周辺諸国が対象。アフリカの広大な砂漠地帯がテロリストにとっての聖域になっているのではないか、という懸念を受けてアメリカが打ち出した構想で、米軍が地元の当事国に対して訓練を施すものです。似たようなことを他の地域でもやっていますね。武器を供与しても効果がないということで反省して、代わりに訓練を施すことにした経緯があります。
陸の上なら、たいていの国に (内容は千差万別ながら) 軍や警察はありますから、それを育成することができます。ところが問題は海の上。IMB (International Maritime Bureau) がまとめている海賊事件の発生状況 (例 : 2006 年版) を見れば分かりますけれど、政府の治安維持能力やシーパワーに限りがある国、あるいは政府が崩壊状態にある国の近辺海域で、海賊事件が多く発生しています。
まともな海軍を育成するには、たとえそれが沿岸警備海軍程度であっても、カネもノウハウも必要です。ところが現実には、それができない国が多いわけです。公海まで出ていって警備行動を行えるような海軍を育成するなんていったら、さらにハードルが高くなります。
だから、まともな海軍力がある NATO 諸国などが中心になって公海上で警備のための哨戒を行い、テロリストや海賊などが自由に往来できる洋上の聖域を塞ぐことには、間接的な抑止効果があるわけです。実際、スリランカの LTTE みたいに、海上輸送ルートを通じて武器を手に入れている反政府武装組織もありますし。
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Dec 30, 2007
といっても、ピンクレディの歌でもなければインスタント焼きそばでもなく。
少し前、永田町で UFO がどーとかいって騒いでいましたが、現実問題として UFO は実在します。しかも作っているのはボーイングです。
ただし、未確認飛行物体ではなくて (殴)、UHF Follow-On という正式名称を持つ、米海軍向けの通信衛星のことですけれど。
Boeing Integrated Defense Systems - Satellite Development Center - UHF Follow-On - Evolving, Advanced Military Communications (Boeing)
リンク先にもあるように、もともと FLTSATCOM (Fleet Satellite Communications) の後継機として Hughes Space and Communications Company が作っていたものですが、後で Boeing が引き継いで現在に至っており、F1~F11 まで合計 11 基が上がっています。
ただ、なにかと acronym に凝るのが好きなアメリカのことですから、この名前は絶対に "狙った" と思いますよ。
ちなみに、リンク先の記事には衛星を意味する "spacecraft" に加えて "bus" という言葉が出てきます。UFO の場合、Boeing の model 601 を使っています。
bus とは衛星のドンガラのことで、Boeing だけでなく他の衛星メーカーでも、汎用の bus を用意しています。これに用途ごとの payload を組み合わせると spacecraft のできあがり。場合によっては payload が別のメーカーの担当になることも。
だから、衛星メーカーのプレスリリースを見ていると、往々にして「bus は○○を使用」というくだりが出てきます。共通化できるとこは共通化して、コストと開発期間の抑制を狙っているのですね。
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Dec 22, 2007
Russia Completes Hybrid Submarine (DefenseTech)
Norman Polmar 氏が書いた、ロシアの新型潜水艦に関する記事。
ただの新型じゃなくて、ディーゼル・エレクトリック推進に小型原子炉とターボ発電機を組み合わせて、潜航中でもバッテリに充電できる、つまり原子炉を AIP 代わりにしてしまった、ということみたいです。
しかも、今回が初出じゃなくて Juliett 型で同じことを試したことがあるっていうんですが、ううむ。
初めて原潜を造る国ならいざ知らず、原潜大国のソ聯/ロシアなんですから、それだったら最初からターボ・エレクトリック推進の SSN にすればいいじゃないか、と突っ込みたくなったり。既存ディーゼル潜水艦の設計を流用できる利点があるのか、それとも他の方式の AIP より馬力を出しやすいと考えたのか。
原子炉って、大きくても小さくても遮蔽の手間は変わらないんじゃないか。だとすると小型化のメリットは減るし、むしろディーゼル主機を抱える分だけスペースを食うんじゃないか。なんてことも思ったのですが、この辺は専門家の御教示をいただきたいところだったり (←それは誰かを名指しで召喚してないか)
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Nov 25, 2007
http://mltr.free100.tv/faq23.html#10055
【質問】
欧州航空機メーカーは今どれだけ生き残っているの?
【回答】
ドイツの航空機工業は DADS に集約されました,
そしてそれも今はヨーロッパ航空コングリマリット EADS の一員です.
イギリスの航空工業もほぼ BAe に集約されました.
イタリアまだ幾つか独立した航空機会社があります,アレニアとかマッキとか.
UK・ドイツ・イタリア共同開発機:パナビア・トーネード
上記+スペイン:ユーロファイター・タイフーン
えーと、DADS じゃなくて DASA ですね。
それはそれとして、これだけだとちょっと大雑把なんで、「よくぞ生き残ったる我が精鋭達よ」(谷隼人風に) のメンツを並べてみると。
(後で書き忘れがあったら加筆するかも)
- イギリス : BAE Systems
- イタリア : Alenia Aeronautica, Alenia Aermacchi, ATR,
AgustaWestland (いずれも Finmeccanica 傘下)
- フランス : Dassault Aviation
- 多国籍 : EADS (登記地はオランダ),
Airbus, Eurocopter (いずれも EADS 傘下)
- スペイン : EADS-CASA
- オランダ : Stork Fokker
- ベルギー : SABCA
- ノルウェー : Kongsberg Aerospace
- スウェーデン : Saab
- スイス : RUAG Aerospace
- ポーランド : PZL
- チェコ : Aero Vodochody
- ルーマニア : IAR, Aerostar
- トルコ : TAI
- ギリシア : HAI
中には、現在ではコンポーネントしか手掛けていないところも含まれてますけれど。
あと、特定機種のためにジョイントベンチャーを作った例が、Eurofighter GmbH (英独伊西, 登記はドイツ)。
ただし、製造は BAE Systems・EADS・EADS-CASA・Alenia Aermacchi で分担するわけです。
Airbus Military も、このパターンに入れていいかな。
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Oct 27, 2007
海自のインド洋給油騒動をめぐって、突如として「軽油」が各方面で脚光を浴びているようです。
この騒動のせいで (?) 広く知られるようになりましたが、海自や米海軍の艦船用燃料は主機の種類に関係なく軽油です。その話は以前にも、「艦艇の燃料とトマホークの燃料」で書きました。日米とも、現在では重油は使っていません。
つい、先入観で「蒸気タービンなら重油、ディーゼルなら軽油、ガスタービンなら灯油」と考えてしまいます。実際、昔は海自でも 4 号軽油 (高速ディーゼル用)・1 号重油 (中速ディーゼル用)・ボイラー重油 (蒸気タービン用) と使い分けていたのですが、1975 年に「軽油 2 号 (艦船用)」への統一を決定、それが現在まで続いています。米海軍が F-76 (これは NATO 式の名称で、米軍の Mil Spec では MIL-F-16884、旧称 DFM : Diesel Fuel Marine) に統一したのも同時期です (*1)。
問題の燃料、海自では「軽油 2 号 (艦船用)」と呼ばれていますが、基本的には F-76 と同じものと考えてよいでしょう。
日米以外に、NATO 諸国やその他のアメリカの同盟国も、同様の燃料を使っているはずです。でないと、演習なんかでお互いに燃料を融通することができませんし、主機だって同じモノを使っている場合が多いんですから。だから、NATO 諸国から中古艦を購入すれば、これまた必然的に F-76 規格の燃料を使うことになります。
では、これらがどんな燃料かというと。
「軽油 - Wikipedia」に、さまざまな軽油の比較表が載っていますが、「軽油 2 号 (艦船用)」は載っていません。基本的には JIS の軽油 2 号 (海自規格の 4 号軽油) と同じものですが、船舶機関規則の関係で引火点を 50 度から 61 度に引き上げたのが、「艦船用」の相違点です (*1)。ちなみに米海軍の F-76 だと、引火点の規定は 60 度 (*2)。
あと、以前に本館で書きましたが、艦艇用燃料の方が民間用よりも長期保管する可能性が高いため、品質の安定性などに関する規定 (*3) が民間用より厳しくなっています。余談ですが、F-76 から長期保管時の安定性に関する規定を除外したのが B-76。半年以内に使うこと、という条件付きで、アメリカ国内の一部で使っているようです (*2)。
こういったあたりの質的な違いが、「パキスタン海軍向けの燃料はハイオクみたいなもん」という答弁につながったのでしょう。とはいえ、民生用の軽油と大きく異なるものではなく、値段が 3 倍も違うなんてことは考えにくいですが。価格差が発生する原因としてはむしろ、輸送費の違いや為替変動の方が大きいのでは ?
*1 : 「世界の艦船」1992 年 10 月号、特集「艦艇用燃料の話」
*2 : Fuel Oil (Global Security)
*3 : Naval Distillate, F-76, Stability Requirement – What Does It Mean? (Word 文書、オレオレ証明書の警告が出る)
と、いろいろ調べ回って書いてみたわけですが。もしも不備があったら、詳しい方の突っ込み希望…
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Oct 05, 2007
別に、ミャンマーで起きていることについて政府側の肩を持つ訳じゃないんですが、一応、こういう話もあるということで。
なんでも、JDW 誌が入手した内部資料によると、ミャンマー軍はウソの報告、デタラメな調査、記録の残し方がいい加減、というグダグダぶり。指揮官は私腹を肥やすわ女道楽の度が過ぎるわ。その一方で、兵卒は食い物の質が悪い上に安月給、休暇は極めて不規則にしか与えられず。しかも、やっと給与を上げてもらってもインフレで食いつぶされてしまい、意味ないんだとか。
そのせいもあって、2006 年の 6-9 月に発生した 9,497 名の人員減は、その大半が脱走という始末。脱走対策を図っても、2005 年と 2006 年の同期で比べると 8% も人員減が進んでいる有様。2005 年 12 月にミャンマー陸軍の大隊長クラスが集まった会合で作成された資料によると、全部の大隊が半分以下まで定員割れしていて、AWOL (Absent Without Leave : 無許可離隊) が 4,701 名。
それでも装備を調えないと始まらない、でも諸外国は制裁措置を講じていて売ってくれない、ということで頼りになるのは中国様。最近でも、国産化を図っている艦艇に載せる目的でディーゼル主機などを中国から購入。中国の Shaanxi Diesel Engine がフランス製品をライセンス生産しているのですが、ライセンス生産品を第三国に輸出するには本家の仏 SEMT Pielstick 社と、その親会社・独 MAN Diesel SE 社の承認が必要なはず。ミャンマーと中国が、この問題をどう解決したかは謎です。ひょっとすると無許可で勝手に輸出 ?
あと、ミャンマーに対してはインドが食い込みを図っていますが、これは中国がミャンマー経由でベンガル湾方面に橋頭堡を作るのを防ぐ狙い。といっても相手が相手だけに大っぴらには動けず、BN-2 アイランダー軽輸送機を提供したり、人員の訓練を引き受けたり、といった程度だそうですが。
つまり、はっきりいっちゃえばミャンマー軍自体も相当にグダグダなんですが、それでも組織があって指揮系統があって武器を持っていれば、丸腰の民間人よりもずっと強いから、軍事政権を維持できているわけです。もちろん、背後にいる中国様の御威光もあるわけですけれど。
参考 :
JDW 2007/8/1 "Myanmar receives frigate engines from China"
JDW 2007/4/4 "Myanmar army report spotlights morale problems"
JDW 2006/4/5 "Army conditions leave Myanmar under strength"
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Sep 22, 2007
あまり何回も、同じ blog にネタ元を求めるのもマンネリ化しそうなのでなんなんですが、あまりにもすっ飛んでいて笑っちゃったので。
2、3 日前、何気なく TV をみていたら、補給艦の記録から、やはり自衛隊の補給はイラク爆撃に向かうトマホーク (?) に使われたという事を調べた市民団体の NEWS をやっていました。
なんともやりきれない思いになります。
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Aug 29, 2007
Imagine this was a "Snatch" (EU Referendum)
リンク先には、各種ある MRAP (Mine Resistant Ambush Protected) のうち、Force
Protection 社の Cougar が、イラクで IED 攻撃に遭って吹っ飛ばされた写真が載っています。といっても、
乗員は全員が軽傷を負っただけで済み、みんな無事だったそうです。
リンク先はイギリスの政治系 blog ですが、いわんとすることは「もしも、
同じことがイギリス軍のランドローバーで起こったらどうなったことか。我が国も米海兵隊と同様に、MRAP の導入を促進するべきだ」
とのこと。この写真を見ると、そういいたくなる気持ちも分かります。
それにしても。乗っていた海兵隊員が無事だったのはなによりですけれど、これだけ派手に壊されると、車輌の方はスクラップか部品取り、
ですかねぇ。それとも、根性で直して使うのかしらん。
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Aug 28, 2007
25 日の横監一般公開で、個人的には面白いなと思ったネタ。
艦上に搭載してある武器類に銘板がついているだけなら驚くことはありませんが、米軍の場合、制式名称やシリアルナンバーだけじゃなくて、御丁寧にも発注時の Contract Number まで書いてあるんですね。
たとえば、USS John S.McCain の両舷に搭載してあった Mk.88 mod.1 銃架 (25mm 機関銃 M242 Bushmaster を装備) の場合。(ややこしいですが、機関銃単体の名称は M242、銃架の名称は Mk.88 mod.1、両方合わせて Mk.38 MGS (Machine Gun System) となります)
クリックして拡大しないと分かりにくいですが、「NAVAL SEA SYSTEMS COMMAND」と書いてある下に、Contract Number が書いてあります。だから、これでググれば発注時の契約情報を追いかけることができます。といっても、同じ Contract Number で modification を重ねていることも多いので、そうなると簡単じゃないですが。
ちなみに、某護衛艦のチャフロケット発射器も同じでした。SAM 発射機ならともかく、チャフロケット発射器が FMS 案件の輸入品って、ちょっと意外。
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Aug 13, 2007

いまさら説明の必要はないかも知れませんが、弾道ミサイルの発射試験があるというと出現するミサイル追跡艦、USNS
Observation Island (T-AGM-23) です。
昨日、某マイミクさんがたまたま横須賀で撮影してきた写真に映っていたのを見て、ビックリ仰天。今日、
クルマを出して横須賀まですっ飛んでいったところ、まだ在泊していました。先日、ロシアが SLBM の試射をやった件に関連するのか、
それとも中国か北朝鮮が花火大会をやるという情報を聞きつけたのか…
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Aug 02, 2007
「え、
ヨーロッパで軍事費削減 ?」と「え、
ヨーロッパで軍事費削減 ? (その 2)」の続き。
先週の JDW (25th July, 2007) に "Russian spending gathers pace"
という記事が載っていて、「ロシアの国防支出が 2009 年に、初めて 1 兆ルーブル (393 億ドル) を突破する見込み」
という趣旨の内容でした。そこで、例の SIPRI のデータベースを調べて裏取りしてみました。
ただ、SIPRI と JDW の記事 (のソース) とで、
どこからどこまでを国防予算に分類するかの解釈が違っている可能性があるせいか、数字には食い違いがみられます。なので、
厳密な数字というよりも、増減の傾向を見る資料として扱ってもらえればと。
ロシア (SIPRI 推定額)

他国との比較にはドル建ての数字を使うことになりますが、
国内でのトレンドを見るにはルーブル建ての数字が適しているだろうということで、両方並べてみました。
件の JDW の記事によると、今のペースで増加が続けば 2012 年には日本を抜くんじゃないか、というのですが、
実際にどうなるかは分かりません。ちなみに、日本より先にフランス・ドイツを抜く必要があります。
韓国

同じ理由で、韓国についてもウォン建てとドル建ての両方を並べています。
ついでに日本。これも円建てとドル建ての両方を。

以前にも書いたことですけれど、インフレ率の違いや軍種別の重点の違い、装備体系の違い、それにもちろん外交政策も絡んでくるので、
単に金額の多寡だけで「軍事大国だ」「軍事大国じゃない」というのは、公正な見方とはいえません。ただ、
自国通貨とドルの両方で増加が続いているのは、それだけ力を入れている証拠である、とはいえると思います。
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Jul 29, 2007
中国は仏製武器で埋め尽くされる (大石英司の代替空港)
のコメント欄で、「そういえば、そんなネタがあったなあ」という話が出てきたので、投稿。
Jane's Defence Weekly (18 Feb. 1995) に、"Spain offers carrier
designs to Chinese" という記事が載っています。
スペインの Empresa Nacional Bazan 社が中国に、小型の CTOL 空母を売り込んだという記事で、
提案したのはSAC200 (全長 221.8m、23,000t) と SAC220 (全長 240m、25,000t) の 2種類。
速力 26kt、航続距離は 7,500nm/15kt、カタパルト 2 基、飛行甲板面積は 9,600 平方メートル、格納庫面積は
3,300平方メートル、舷側エレベーター 2 基。航空関連要員を含めて乗組員 1,000 名ほど。
搭載機は 21 機。小型の SAC200 は A-4M や AMX 艦載型、もうちょっと大型の SAC220 なら MIG-29K
や F/A-18C/D を運用可能。また、どちらでも E-2C や S-2T を運用可能、という触れ込みでした。
ぶっ飛んでいるのは、ポテンシャル・カスタマーとして、インド、アルゼンチンに加えて日本の名前が出てくることでしょうか。
ちなみにお値段は 3 億 5,000 万~4 億ドル、と主張しているのですが、そんなに安くできるわけないでしょ。
この記事では、中国側は関心を示しつつもコスト面で難色を示している、という内容でした。でも案外と、中国の本音は
「もっとデカい艦じゃないとダメだ」というところだったのかも。面白いのは記事の末尾で、カナダの外相が「中国が空母を持たないのは、
近隣諸国に対する平和的な意図の現れである」なんてコメントしているところでしょうか。

P.S.
それにしても、たまに 10 年以上も前の JDW を引っ張り出してみると、面白いですね。なくなっちゃった会社は出てくるし、
「そうそう、このプロジェクトって、こんなだったよねえ」的な話はいろいろ載ってるし。
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Jul 28, 2007
米 Boeing 社が鳴り物入りでスタートさせた、旅客機向けの衛星ブロードバンド・サービス、CbB (Connexion
by Boeing)。登場したときには、わざわざ他人の blog のコメント欄なんかで「今、空の上からアクセスしてますー」
と書き込む、お茶目な方も見られました (リモホを調べれば分かりますから)。しかし、採算が合わなくて、2006/12/29
付でサービスを終了してしまいました。
と思っていたのですが、あれえ ?
Boeing Service Co., Richardson, Texas, is
being awarded a firm-fixed-price contract modification for
$31,057,411. This contract action will provide
broadband data service to Department of Defense and Department
of State operated aircraft equipped with the Connexion by
Boeing (CBB) system (continental United States and
Overseas). Typical applications include Internet,
E-mail, video teleconferencing, and server access. The
service also includes access to Direct Broadcast Satellite
television service compatible with the CBB system. At this
time, total funds have been obligated. This work will be
complete August 2008. Headquarters Air Mobility Command,
Scott Air Force Base, Ill., is the contracting activity
(FA4452-03-C-0006/P00015).
(Contracts
2007/7/27)
どうやら、イリジウム衛星携帯電話と同じデンで、
民間向けの一般商用サービスは中止したものの、政府機関向けにひっそりとサービスを継続しているようです。上の契約告知では期限が
2008 年 8 月となっていますから、少なくともそのときまではサービスが稼働しているんじゃないでしょうか。
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Jul 16, 2007
アメリカの CRS (Congressional Research Service) が、F-22A の対日輸出に関して利害得失をまとめたレポートを作りました。今後も必要に応じて更新するそうで、すでに 6 月末の初版リリースを経て、7 月に最初の改訂がかかっています。下のサイトからダウンロードできます。
Potential F-22 Raptor Export to Japan
まだダウンロードしたばかりで、ちゃんと目を通していないのですが、とりあえずの速報ということで。
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Jul 12, 2007
2006/8/6 に、アメリカが露 Rosoboronexport に対する制裁措置を発表しました。シリアとイランに対する取引が、2005 Iran and Syria Non-proliferation Act にひっかかった、という理由なんですが、詳しい制裁措置の内容は不明です。
そうしたら、当の Rosoboronexport が、「Rosoboronexport を、"Russian Technology" という新しい企業体の傘下に入れる」なんて話を持ち出してきました。これは、アメリカによる制裁措置の対象が「Rosoboronexport の後釜、あるいは子会社 (successors, sub-units or subsidiary) となっている点の抜け穴を突くのが狙いとのこと。つまり、Rosoboronexport が別の会社の傘下に入ってしまえば、親会社名義で取引することで、先の対象から外れる、ということみたいです。
この "コロンブスの卵" 的な記事を読んで、思わず「一方、ロシアは鉛筆を使った」のコピペを思い出してしまいました。
ref : Jane's Defence Weekly (2007/7/4) "Rosoboronexport moves to bypass US-imposed sanctions"
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Jun 14, 2007
SIPRI (ストックホルム国際平和研究所) が、毎年恒例、各国の国防支出などに関するレポートを発表しました。「中国の国防支出が日本を超えた」ってんで、mixi ニュースあたりでは日記の嵐になっているみたいですが、ドル建てに換算して比較しているので、為替変動の影響を受ける可能性がある点については留意しておいた方がいいと思います。
それはさておき。
国防支出とは、英語で military expenditure (または military spending) と書きます。SIPRI でも、この言葉を使っています。つまり、実際に支出した金額ということで、平素から必要になる人件糧食費・装備調達費・O&M (Operation & Maintenance) 費・研究開発費などだけでなく、戦時下の国なら進行中の軍事作戦に関連する支出も含むと考えてよいと思います。
一方、予算の方は defence budget といいますが、予定は未定にしてしばしば変更される ((C) 帝国海軍) ものですから、budget よりも expenditure の方が実情に近いといえるでしょう。
なお、今のアメリカが典型例ですが、平時の国防予算 (defence budget) と GWOT (Global War on Terror) 関連の戦費支出は別枠になっていて、後者は毎年、補正予算 (emergency fund) を組んで処理しています。「アメリカの国防支出が世界全体の 46%」というぶっ飛んだ数字になっている一因は、この辺にもあります。これは当然といえば当然の話で、戦時でもないのに戦時経費を予算化するのは筋が通りませんし、逆に、戦時なのに通常と同じ予算で切り回すのは無理です。
ただ、この補正予算については「議会のコントロールが効きにくいんじゃないか」ということで、通常予算枠に繰り入れてしまえという議論もあります。実際、何が戦時経費で何が通常予算かという使い分けは曖昧で、どうとでも理由がつけられる一面もあります。ドサクサに紛れて、本来なら通常の予算で処理すべき物件を戦時補正予算に潜り込ませて、議会で「なんだこれは」と突っ込まれた事例もあるみたいですし。
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Jun 06, 2007
横須賀ネタの続き。
「あたご」と「きりしま」ではマストの形状が変わっていますが、電測兵装の面でも細かい違いがあります。
まず、ヘリコプター用のデータリンクがマストの上寄り、前面に付いているのは両艦とも同じですが、「あたご」ではその両側に、電子戦関連と思われる機材が増えています。
また、FCS-2 が消えている一方で、艦橋より 1 層上、AN/SPG-62 ミサイル誘導レーダーが載っている構造物の前面に、タイル状の謎の物体が付いています (下の写真だと、ちょっと分かりにくいけど)。これは、ヒマができたら調べてみた方がいいかも。
追記 (2007/6/28)
「世界の艦船」(2007/8) 号によると、この謎の物体は電波吸収材とのこと。でも、どうしてこの場所にだけ電波吸収材をつけているのか。かなり深い事情があるように思えます。
あと、マスト両脇に加わったアンテナが電子戦装置という推測は正解でした。

「あたご」のマスト

「きりしま」のマスト
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May 18, 2007
毎週、本館の方に「今週の軍事関連ニュース」なんてものを掲載しておきながら、こんなことを書くのも何なんですけれど。
この業界では特に、さまざまな矛盾する情報が錯綜するものだ、ということは念頭に置いておいて欲しいなあと思うわけです。肯定的な人、批判的な人、当事者、政府の会計監査機関など、立ち位置が違えばモノの見方は当然ながら違ってきますし、対立する複数の国の言い分だって、それぞれ違ったものになります。
だから、たとえば装備調達プロジェクトなんかで、一方から「うまくいっていない。コストは上がるしスケジュールも遅れている」といえば、当事者が「いや、そんなことはない、順調だ」と反撃するのは毎度のパターン。パキスタン向けの FC-1 に装備する (はずの) RD-93 エンジンなんか、「パキスタン向け輸出は許可しない」「いや、実現するみたいだぞ」「やっぱり駄目」といった具合に、さまざまな情報が入り乱れてワヤワヤです。もうゲタを履くまで真相は藪の中。
作戦面でも似たところがありますね。特に現在進行中の作戦の場合、OPSEC (作戦情報の保全) を優先して、わざと情報を流さない、あるいはガセネタを撒き散らす、ということもあり得るわけです。
MNF-I が毎日のように、イラクでの出来事についてプレスリリースを流しています。「アメリカ軍のぉー、イラクにおけるぅー、悪行がぁー」とアジ演説でもかましそうな人達からすれば、「あんなものはプロパガンダだ」と簡単に切って捨ててしまいそうですけれど、それは考え方が単純すぎ。
内容がどこまで真実に迫っているかどうかは別としても、少なくとも MNF-I が何を伝えたいと考えているのかを知る材料にはなりますし、御丁寧に部隊名を書いてくれることも多いので、どこでどの部隊が活動しているかを知る材料にもなります (もちろん、わざとガセネタを流している可能性もありますけれど)。
細かい事例を挙げ始めるとキリがないですけれど、「互いに矛盾した話が、あちこちから出てきても不思議はない」「単にプロパガンダだと切って捨てるのはダメダメ」ということはいえるんじゃないかなあ、と思うのです。はい。
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May 17, 2007
Navy Names Two New Guided Missile Destroyers (DoD)
Arleigh Burke 級イージス駆逐艦の 61 番艦 (DDG-111) が、USS Spruance と命名されることになりました。もちろん Raymond A.Spruance 提督のことです。先代の DD-963 がいるので、この名前がついた艦は初めてじゃないのですが、とりあえず TakaC@迅雷計画 のモデルになった私としては、この命名を単純に喜ぶことにします (おい)。
ちなみにこのクラスでは、USS Halsey (DDG-97)、USS John Paul Jones (DDG-53)、USS Sir Winston Churchill (DDG-81) など、大物がずらり。いや、そもそもネームシップからして大物ですね。
そんな中で変わっているのが、USS The Sullivans (DDG-68)。USNS Lewis and Clark (T-AKE-1。先代は SSBN-644) ともども、複数の人名をタバにしているのは珍しいケースです。
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Apr 21, 2007
え、ヨーロッパで軍事費削減 ?
え、ヨーロッパで軍事費削減 ? (その 2)
のおまけ。
最後になりましたが、某国について SIPRI が国防支出額を推定した結果のグラフを示します。

どこの国なのか知りたい方は、グラフをクリックして拡大してみてくださいね。
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Apr 18, 2007
「え、ヨーロッパで軍事費削減 ?」の続きです。
SIPRI (ストックホルム国際平和研究所) が公開しているデータベースを使って、1998-2005 年の国防予算をヨーロッパの主要国について調べてみました。ドル建てに換算すると為替変動の影響が出て正確さを欠いてしまうのと、それぞれの国における相対的な変動トレンドが分かればいいという理由で、通貨圏別にグラフ化してみました。いずれも、クリックすると別ウィンドウで拡大します。
まずユーロ圏諸国。

これら諸国の分を合計してみました。

グラフの左端と比較すると、三割・四割増は当たり前って感じです。特に 2000 年代に入ってからの伸びが目立ちます。
次にイギリス。

特に 2000 年代に入ってから、激しく伸びてます。
微増なのは昨年度から今年度にかけてだけでした (汗)
次にデンマーク、ノルウェー、スウェーデン。



スウェーデンだけ、2000 年代に入ってから減っていますが、顕著な減少というほどではありません。1996 年の極端な落ち込みが謎です。
※追記 (2007/4/20)
なんていっていたら、"Sweden Considers Defense Budget Increase" なんて記事が DefenseNews.com に載っちゃいました。
最後にスイス。

1990 年代に落ち込んだ後、おおむね横ばい傾向です。
これでヨーロッパの主要諸国はだいたいカバーしているはずですが、その他の国は金額的に小さいので、全体傾向に大きな影響を及ぼすかどうかは疑問です。それに個別に見てみたところで、東欧の NATO 新規加盟国なんかは軒並み国防予算が上げ基調ですから、持ち出すだけ藪蛇ってもんです。
実際には、単なる国防予算の多寡だけでなく、インフレも考慮に入れる必要があります。といっても、ジンバブエあたりならともかく、ヨーロッパでそんなとてつもないインフレって起きてたでしょうか。
それに、ここでは取り上げていませんけれど、SIPRI のデータベースには対 GDP 比の数字も載っていて、そちらは 2000 年以降、おおむね横ばい基調。つまり「削減して軍縮」っていう風情じゃないのは同じことです。
あと、おカネ以外の話をすると、EU 諸国が独自に EUFOR を編成してボスニア・ヘルツェゴビナに送り込んだのも、NATO が緊急事態に備えて NRF (NATO Response Force) を編成したのも、これみんな 2000 年代に入ってからの話。ヨーロッパ諸国が軍事的オプションの放棄に向けて動いているわけではない、ということの傍証になります。EU はコンゴにも平和維持部隊を送り込んでいますし。
で、どこのヨーロッパが軍事費を削減して軍縮に向かってるんでしたっけ ?
辻元さん、あなたが仰るヨーロッパって、どこのヨーロッパ ?
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「辻元氏『非武装の方がよっぽど身を守ります』」より。
辻元: 憲法はあくまで権力を縛るものなので、その時々の民意によって解釈が変わってはいけないと思います。いったん歯止めをなくしてしまえば、武装解除から戦争までいってしまうということです。例えば、ヨーロッパは集団的自衛権ではなく、集団的安全保障です。軍事費を削減し軍縮に向かっており、歯止めを作っています。
※太字筆者。なお、元記事の Web 魚拓はこちら。
この人に Jane's Defence Weekly を読めといっても無理な相談だとは思いますけれど、その JDW で一年半ばかり前に、"French defence budget boosted for a fourth year" という記事が載りました。*1
ヨーロッパといってもいろいろあるわけですが、その中でも大手といえる、おフランスの話です。まさに読んで字のごとく、記事が載った 2005 年が、国防予算増額の 4 年目という内容です。
実はフランスという国、国防予算をケチりすぎたせいで装備の稼働率がムチャクチャに悪くなってしまった時期があって、それを反省して国防予算を上積み、O&M (Operation and Maintenance) 費用をちゃんと出すようにした経緯があります。あと、新型フリゲートの建造計画やら、新型 SSN の建造計画やら、イギリスとつるんでいる空母建造計画やらと、大型案件もいろいろ。
そういえば、国防大臣が先頭に立って兵器輸出のセールス行脚をやっているのもフランスですねえ。
ちなみに、イギリスも国防予算は微増傾向で、FY2007 には FY2006 より 0.6% 上積みしています (イラクとアフガニスタンでの作戦経費は別枠)。*2
念のために SIPRI のデータベースも調べてみましたけれど、英仏両国についていえば、どう見ても軍縮中って風情じゃないですね。ドイツは横ばい、他国も程度の差はあれ増加傾向がメイン。2000 年代に入ってから明確な減少傾向が見えるのは、スウェーデンぐらいのもの。
というわけで、ヨーロッパの主要国を総合すると「国防予算を減らして軍縮中」というのは真っ赤なウソです。
辻元氏のいうヨーロッパがどこのことで、それがヨーロッパ全体の国防支出にどの程度の比率を占めているのか、ちょっと興味があったりして。
*1 : JDW 2005/10/5 "French defence budget boosted for a fourth year"
*2 : JDW 2007/3/28 "UK chancellor announces rise in defence budget"
P.S.
ところで、前回も今回も、撃たれて重傷を負った長崎市長って武装してましたっけ ?
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Mar 30, 2007
週刊オブイェクトで、「反戦軍事学」の「イージス vs テポドン」関連について突っ込みが入りまくっているので、さらに追い討ち。
BMD 能力を持つ軍艦というとイージス艦ばかりが連想されますが、実はそうじゃありません。オランダ海軍の De Zeven Provinciën 級ミサイルフリゲート (*1) とドイツ海軍の 124 型フリゲートが装備する、APAR (Active Phased Array Radar) を中核とする対空戦システムについても、Thales Nederland 社の手で弾道弾迎撃能力を持たせる構想が進んでいます (*2)。
すでに、De Zeven Provinciën 級の HrMS Tromp が昨年、米海軍の弾道ミサイル迎撃試験に参加しており、弾道弾の探知・追跡と追跡データの Link16 経由の送信をテストしています。同艦は SMART-L 対空捜索レーダーに ELR (Extended Long Range) モードを新規に開発・追加して、レンジを 480km まで延伸しました (*3)。
さらに、イギリスでも 45 型ミサイル駆逐艦こと Daring 級 (*4) の対空戦闘システム・PAAMS (Principal Anti-Air Missile System) に弾道弾迎撃能力を持たせる研究をしています。ただ、APAR は 4 面固定式のフェーズド・アレイ・レーダーですが PAAMS の SAMPSON は回転式アンテナですから、場合によってはちょっと不利かも。
*1 : Naval Technology - De Zeven Provincien Class Air Defence and Command Frigate
*2 : JDW 2006/1/18 "Netherlands looks to Thales for frigate-based TBMD upgrade"
*3 : Kojii.net 「今週の軍事関連ニュース (2006/12/15)」
*4 : Naval Technology - Type 45 Daring Class - Anti-Air Warfare Destroyer
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Mar 28, 2007
Royal Air Force Merchandise Soars Into Stores
英空軍が "RAF グッズ" の販売に乗り出すそうです。ド級戦艦、アングルド・デッキ、スチーム・カタパルト、地震爆弾、パンジャンドラム、民間委託の積極活用、アパッチ攻撃ヘリによる兵員輸送など、なにかと革新的なことを考えるイギリス軍ですが、今回の試みが吉と出るか、凶と出るか…
The RAF Collection
そういえば、以前にどこかの会社が「カラシニコフ」ブランドのスポーツ用品を発売するというニュースがありましたが、その後、どうなったのかは不明です。どなたか御存知ですか ?
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Mar 05, 2007
「朝日新書『反戦軍事学』を読む~戦車のお値段編~」(週刊オブイェクト) のコメント欄を眺めていて思い出した話。
フランスに「nexter」という防衛関連企業があります。名前だけ見ると通信機器メーカーみたいですが、実はこれ、元の GIAT Industries。昨年秋に、組織の再編と一部事業の売却によるリストラをやったときに、社名を変えました。
なにせ景気の悪い会社で、1990 年頃には従業員が 12,000 名もいたというのに、今ではその 1/5 かそこらしかいません。看板商品だった Leclerc 戦車は、自国と UAE 以外以外はすべて売り込みに失敗、しかも UAE 向けは安売りセールをやったので、儲かったとは思えません。それなのに追加受注を獲得できず、もちろん会社は赤字続き。数年前、久しぶりに黒字になったら「GIAT が黒字を計上した」と、JDW 誌でニュースになってしまったぐらいです。
一応、フランス陸軍向けに新型装甲車 VBCI (Véhicule Blindé de Combat d'Infanterie) や自走砲 CAESAR (Camion Equipe dún Syste'me dÁrtillerie) の受注はあるものの、前者はまだ開発中、後者はそんなに数が出ず、というわけで散々です。つぶれちゃ困るので、フランス軍もいろいろとメンテの仕事なんかを出して支援しているのですが。
同じ「親方三色旗企業」では、艦艇建造所の DCN がひとあしお先に、Thales と艦艇関連部門の事業統合に乗り出しています。ひょっとすると、AFV 分野でも業界再編があるかもしれません。イギリスで、AFV メーカーがみんな合併して BAE Systems だけになってしまったように。
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Feb 24, 2007
「大石英司の代替空港」によると、ノルウェーで開催されていたクラスター爆弾の規制に関する会議で、「日本、ポーランド、ルーマニアだけが宣言に加わらなかった」と、朝日新聞が非難がましい記事を書いているんだとか。ちなみに、当該記事によるとアメリカ・ロシア・中国が会議に参加していない由。また、イギリス・フランスも単純な一律禁止には反対していたとのこと。
そんな中で、こんなことをいっている国もあるわけです。(太字筆者)
Finland Considering Cluster Bombs to Replace Antipersonnel Mines
(STT Finnish government news via Defense-Aerospace.com)
Cluster bombs are to be part of Finland's defence system and a replacement for antipersonnel mines
(中略)
"Finland is prepared to discuss different technical limitations and ways to decrease human suffering, but Finland does not want to enter into a full ban on cluster bombs,"
(中略)
Arto Räty, a brigadier general at the defence ministry, told STT on Thursday that Finland would not be acquiring the kind of cluster bomb that would leave unexploded bomblets on the ground.
"The new bombs that we have planned to acquire would all have to have a self destruct mechanism that either destroys the bomb or makes it inoperable after a certain time," Gen Räty affirmed.
つまり、対人地雷の代わりにクラスター爆弾を使いたい。ただし人道的見地から自爆機能付きのものだけを調達する。全面的な即時規制には反対。というわけです。フィンランドでも、クラスター爆弾で対人地雷の代わりになるのか ? と疑義を呈している人はいますが、その人ですら「即時規制はしてもらいたくない」といっている由。
フィンランドに関する話は、日本のメディアでは取り上げられていないようなので、書いてみました。
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Feb 13, 2007
杉さまが、また飛ばしてくれました。
http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-February/011265.html
また、電子戦機 EP3 の改修は 09 年度までに完了する予定で、これにより海自に配備されている 5 機全てが改修されることになります。電子戦機の危険性について、半田滋さん (東京新聞社会部記者) はこう述べていました。「足りなかったのは、相手が地対空ミサイルを撃つために照射するレーダー波をかく乱する電子戦機だけで、その開発には 2005 年度から着手することが決まっている」「自衛隊が攻撃的な武器類をそろえ、敵基地を攻撃できる能力を備えるのは、もはや時間の問題となっている」(『憲法を変えて戦争へ行こう という世の中にしないための 18 人の発言』岩波ブックレット)。
F2 等の戦闘機と GPS 精密誘導爆弾 JDAM、空中警戒管制機 AWACS、空中給油機 (2 月に小牧基地に初配備)、それに電子戦機という組み合わせによる先制攻撃態勢を完成させ、MD を併せ持つことで、「矛と盾」を兼備した攻撃軍へと脱皮するという魂胆です。
えーと、どこから突っ込めばいいんでしょうか (笑)。
EP-3 は「電子戦機」に分類されてますけど、いわゆる ELINT 機であって、電子情報を収集する機能しかありません。同様の機能を持つ機体として、RC-135 や ES-3A (退役済み) などがあります。いずれも聞き耳を立てるだけの能力しかありませんが、その代わり、極めて高性能な "耳" を持っています。
一方、敵のレーダー (主として地対空ミサイル用の捜索レーダーや射撃管制レーダー)、それと無線通信を対象として妨害をかける「ジャミング機」としては、EA-6B や EA-18G、EF-111A (退役済み) があります。これも厳密にいうと、攻撃部隊に随伴して自らも突っ込んでいくエスコート・ジャマー (ESJ) と、攻撃部隊の後方から妨害をかけるスタンドオフ・ジャマー (SOJ) があります。
前者は戦闘機並みの飛行性能を持つ必要があるため、戦闘機をベースにすることが多くなります。後者は高性能だけど大型で機敏さに欠ける機体を使うもので、B-52H を SOJ 化する構想が出たり消えたりしているのが典型例ですね。
最近では戦闘機や爆撃機が自らジャミング機能を内蔵する、あるいはジャミング・ポッドをぶら下げる場合も多いのですが、搭載スペースや能力・出力に限りがあるため、やはりここぞという場面では「餅は餅屋」となる傾向はあります。
まあ、ELINT 機で収集したデータがジャミングの際に活用されるのは当然のことなんですが、それとてジャミング用のプラットフォームがあればの話。空自で EA-18G を買う、なんて話はありませんし、米軍はわざわざ日本の ELINT 機から情報をもらわなくても、自分で EP-3 や RC-135 を使って情報収集に励んでますし。
(追記 : F-15 に、ESJ 用のポッドを搭載する構想はあるとのこと。コメント欄で指摘をいただきました。ただし、それが「敵地攻撃」に直結するかどうかはまた、別の問題)
そんなわけで、これは「電子戦機」と聞いた途端に「ジャミング機」だと早とちりした杉さまの、「飛ばし記事」というわけでした。はい。
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Jan 10, 2007
TBS が (もともとのソースは AP らしい) 「F-22A の沖縄配備」なんてことを報じていますが、米空軍が発表している F-22A の "配備" 先は、実戦部隊では Langley AFB (VA)、Elmendorf AFB (AK)、Holloman AFB (NM)、Hickam AFB (HI) の 4 ヶ所だけです。第一、嘉手納は F-35 の配備先として真っ先に名前が挙がっている場所で、これでは整合性がとれません。
現時点で実働可能な体制にある F-22A 部隊は、第 1 戦闘航空団 (1st FW。Langley AFB, VA) 麾下の 2 個飛行隊だけで、これから Elmendorf AFB の第 3 航空団 (3rd WG) に配備が始まるところです。ですから、嘉手納にやってくるとすれば前者しかありません。
この件では、機数が 1 個飛行隊に満たない端数 (12 機)、人員もわずか 250 名と少ないのがミソです。
このように、飛行隊の一部 (半個飛行隊・8-12 機程度が多い) を一時的に別の基地に展開させるのは、「配備」ではなくて「一時派遣任務」(TDY : Temporary Duty) といいます。派遣期間が終わると母基地に帰ります。
恒久的に展開するけれども母基地は別、というときには「分遣隊」(Det : Detachment) といい、1 個フライト (4 機) から半個飛行隊程度の規模になることが多いです。親部隊の名称に「Det.○○」と付けた表記になり、「○○」の部分には展開先の基地名、あるいは数字やアルファベットが入ります。
ぶっちゃけ、今回の TBS の報道では単なる TDY を「配備」と表現しているところに、ちょっとした悪意を感じるわけです。別に嘉手納の第 18 航空団 (18th WG) が F-22A に機種改変するわけではないのですから、厳密にいうと誤報です。
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Dec 17, 2006
サウジアラビアで、BAE Systems 社による王族への贈賄疑惑という話が出ました。イギリスの司法当局が捜査していたのですが、最近になって捜査の打ち切りが決まったところです。この件の捜査が原因で、サウジアラビアが Typhoon の調達案件をチャラにする可能性が取り沙汰されていたのと、決して無関係ではないでしょう。すでにフランスもサウジへの食い込みを図っていますから、ここで Rafale に乗り換えられでもしたら大変です。
もともと、サウジの王族といっても一枚岩ではなくて、内部では熾烈な権力闘争があるようです。私みたいな人間には、とてもじゃないけどつとまらない世界です。権力闘争とか権謀術数とか、私がもっとも苦手な類の話ですから。ですから、その権力闘争に絡んで、贈賄疑惑によるライバル潰しに出た可能性はありそうです。
あと、イギリスにしてみれば、もしもこの件が原因で Typhoon の商談を潰してしまうと、自国のみならず、パートナーのドイツ・イタリア・スペインにも火の粉が降りかかるという悩みがあります。パートナー諸国から「うちの仕事を減らしやがって」と怒られたら、ちょっとした政治問題です。
だからといって、火のないところに煙は立たないのですから、BAE Systems を無罪放免するのも、ちと問題があります。そこで考えたのが、同社がすでにいろいろと、政府に弱みを握られているということ。
具体的にいうと、Nimrod MRA.4、Astute 級攻撃型原潜、45 型ミサイル駆逐艦といった大型プロジェクトが軒並み、スケジュール遅延やコスト超過に悩まされて、会計監査当局に文句をいわれている状況にあります。これから本格的に話が進み始める CVF や FRES だって、どうなるか分かりません。
ですから、「サウジの件は捜査を中止するが、その他のプロジェクトでこれ以上ドジを踏んだら (以下略)」みたいな形で政府に有利な言い分を呑ませている可能性を、完全に否定するのは難しいんじゃないでしょうか。
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Dec 14, 2006
「ちゃんと公表してるんだが」の続き。
このエントリに「カナダ de 日本語」の新エントリからトラバを頂戴したわけですが、それを見て私はひっくり返りました。いわく。
SM-3 ミサイルは、3 億円どころか、458 億円で
これだけ読むと、ミサイルの値段が 458 億円だと主張しているように読めます。さて、そこで DSCA が公開している元文書の原文を見てみましょう。
The Government of Japan has requested a possible sale of nine SM-3 Block IA Standard missiles with MK 21 Mod 2 canisters, Ballistic Missile Defense (BMD) upgrades to one AEGIS Weapon System, AEGIS BMD Vertical Launch System ORDALTs, containers, spare and repair parts, publications, documentation, supply support, U.S. Government and contractor technical assistance and other related elements of logistics support. The estimated cost is $458 million.
特に重要なところを抜粋。
...Ballistic Missile Defense (BMD) upgrades to one AEGIS Weapon System...
つまり、SM-3 ミサイルとそれを収容する Mk.21 mod.2 キャニスターだけじゃなくて、
イージス護衛艦×1 隻について、イージス・システムをイージス BMD 対応にアップグレードする費用も含んでいるのです。そりゃ金額がでかくなるわけですよ。SM-3×9 発だけで 4 億 5,800 万ドルもしたら大変です。
先生 ! 英語の読解力は大丈夫ですか !? それとも、ひょっとするとケベック州にお住まいで、フランス語じゃないとダメですか !?
細かいことをいうと、件の DSCA のリリースの下端、担当メーカー名として Lockheed-Martin Maritime System and Sensors が出てきています。これがイージス・システムの担当メーカー。SM-3 だけなら主契約社は Raytheon ですからね (これは二番目に出ている)。そこまでフツーの人に気付けというのは無理でしょうが、それにしても、なんともかんとも。
追記 (2006/12/16)
ここにトラバがついてるから、新エントリを立てるよりも追記する方が見通しがよいでしょう。
さて、カナダの先生は、英語だけじゃなくて日本語の読解力もないことが分かりました。いや、正確にいうと、自分に都合がいいように曲解して、都合のいいところだけつまみ食いする能力しかないということです。
冒頭でリンクした記事のウエブ魚拓から、コメ欄の関連投稿を抜粋すると。
- 井上孝司氏はプロのライターです。単なる軍事オタクだと思っているようでは、認識が甘過ぎます。(JSF さん)
- 井上氏は、本職はプロのWeb技術ライターであり軍事関係は趣味に過ぎません。(mobius1さん)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
『Kojii.net ココログ別館』の井上さんを軍事オタクと呼んだら、井上さんは、「なんちゃって軍事オタク」だそうだ。私から見たら、井上さんだって軍事オタクなのに、上には上がいるもんだ!
少なくとも、金額的に少ないとはいえ軍事関連の記述でおカネをもらったことはあるので、完全に素人というと語弊があります。これは「週刊オブイェクト」のコメ欄でも指摘されたところ。だからこそ、まだ知らないことだらけだという自覚があるので情報収集と勉強を怠らないわけです。ところが「本職に噛みつかれた」ということにしたくなかったらしいカナダの先生、mobius1 さんの発言だけつまみ食いして、上記のようなことにしてしまったわけですな。
というかそもそも、突っ込みを入れた人の属性が何だろうが関係なく、カナダの先生が元記事をちゃんと読んでいないとしか思えないエントリを上げた、という事実は動かないのですよ。一介のヲタが突っ込んだからスルーしていい、本職が突っ込んだらスルーできない、という考え方なのだとしたら、そいつはとんだ間違いというものでして。
あと、「4 億 5,800 万ドルの大半はイージス・システムの改修費」という指摘をスルーして「これだけのお金がかかっているという事実が重要なのであって」と、金額の多寡論に逃げちゃいました。そもそも私は本エントリで、「元記事をちゃんと読んでいない読解力のなさ」について突っ込んでいるのですが、それについて触れていないところをみると、よほど痛いポイントだったのでしょうなあ。
つまりは、カナダの先生の言葉を借りれば、
「この突っ込みをした人が市井の軍ヲタかプロの物書きかなんて細かいことよりも、このエントリが根本的な事実誤認に基づいて誤解を招く表現をしているという事実が重要なのであって、そんな重箱の隅をつつくようなまねはしないで欲しい。まあカナダの先生にこんなこと言っても無駄なのは承知しているが… 」
てことでしょうかね。(この段落、2006/12/16 20:55 に追記)
で、先生。英語読めるんですか ?
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Dec 13, 2006
Dec 11, 2006
Lockheed Martin F-35 Completes First Ground Taxi Test
テキサス州 Fort Worth で、F-35A 初号機のタキシー試験が実施されました。低速タキシー (~30kt)、中速タキシー (~65kt)、高速タキシー (~80kt) まで行われて、いよいよ明日は (天候などに問題がなければ) 初飛行です。

(Photo by Lockheed Martin via Defense-Aerospace.com)
追記 (2006/12/13)
Lockheed Martin のプレスリリースによると、タキシー試験はすべて完了、「後は飛ぶだけ」という段階まで来たそうです。"may make its first flight today, Dec. 11. " っていってたのは何だったの ?
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Nov 28, 2006
ホワイトバンドが話題になったときに、
「ホワイトバンドを仕掛けた本家本元のイギリスは、アフリカに兵器を売りまくっている。つまり、ホワイトバンドとは債務免除で捻出した資金でイギリス製の兵器をアフリカ諸国に買わせるための運動なのだ」
という陰謀論が囁かれていました。それに対して私は、「イギリスに、アフリカの貧困国に買わせるような品物があるかよ」と否定的な見解をとっていたのですが、面白い資料を見つけたのでメモ。
Conventional Arms Transfers to Developing Nations, 1998-2005 (PDF)
これは、アメリカの CRS (Congressional Research Service) がまとめた報告書なんですが、注目は 83 ページ目の表「Table.7 Number of Weapons Delivered by Major Suppliers to Africa」。これを見ると、アフリカ向けの兵器輸出では「ロシア、中国、英仏独伊以外の欧州諸国」が大半を占めている、という現実が一目瞭然です。
まあ、これは「輸出」の話ですから、軍事援助と称して無償供与した分はカウントしていないでしょうが、イカリング騒動のときに流布されていた内容に疑義を呈するためのネタ元としては、信憑性があるんじゃないでしょうか。と書くと、アメリカ議会がまとめたものだという点にイチャモンをつける人が出てくるのは想定の範囲内ですが、別にウソをつく理由もないですしねぇ。世界全体で見るとアメリカがダントツ 1 位、という数字はちゃんと出てるわけでして。
ついでに書いておけば、アメリカが FMS 経由で行う兵器輸出は DSCA (Defense Security Cooperation Agency) がいちいち議会に通告しているし、議会が反対なら阻止する権限もあるので、"すべて闇の中" ってことはないです。
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Nov 17, 2006
「うめ吉ワラワラ」の次がこれか YO!
と突っ込まれそうですが、まあいいからいいから。
中国海軍の宋級潜水艦が、USS Kitty Hawk (CV-63) の近所まで探知されずに接近できたというので、一部で話題になっているようです。これに限らず、ディーゼル・電気推進の通常動力型潜水艦はノイズが小さい傾向があるので探知が難しく、さらに沿岸水域だと水測状態が悪いことが多いので厄介です。
ただ、このニュースをわざわざ米海軍が記者発表したのには、ちょいと裏があるようにも思えます。
何も対潜戦に限ったことではありませんが、センサーが何かを探知したからといって即座に対応行動を起こすと、こちらの探知能力を相手に知らせる結果になります。だから、たとえばパッシブ・ソナーが宋級を探知したからといって、即座に反応するのは賢くありません。いざというときに相手を驚かせる能力を隠し持っておく方が、頭のいい方法といえます。
だからといって放置プレイにすると、相手に余計な自信を与えてしまい、それはそれで問題があります。無難なのは、本来の探知距離よりも近くまで引き寄せておいてから、いきなりガンガン探信して相手を追い払う方法でしょうか。あ、探知できなかったのだとすれば大問題。
今回の件が「わざと」なのか「探知できなかった」のかは分かりません。ただ、一見したところでは失態に見える話を晒すことで、いろいろな波及効果が考えられます。
・議会に対して「中国に対する警戒心を解いてはならない」というメッセージ
・さらに、「リットラル対潜戦のために予算を出してよ」というアピール
・そして内輪に対しても「気を抜いてはいかんぞ」とネジ巻き
米中間の軍事的関係は、片手で握手しながら他方の手で小突き合うようなところがありますが、それを象徴するような事件かも。
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Oct 30, 2006
五月原清隆のブログハラスメントで、戦闘機のコックピットの広さについて取り上げていたのですが、「有識者」の突っ込みがひとつもなかったので、有識者ではない私がネタ投下。
その昔、NAF 厚木の一般公開があったときに、「フライトスーツを着てヘルメットを被って、F/A-18 のコックピットに座ってポラロイドを 2 枚撮影して \1,000-」というイベントがありました。もちろん飛びついて、米海軍の小遣い稼ぎ (?) に協力してきました w
当時も今も私は超痩せ形ですが、その私が「狭いなあ」と思ったのが、ホーネットのコックピット。太った人はいうまでもなく、普通に体格がいい人でも辛そうです。左右のコンソールに挟まれた部分の幅が狭いのですね。
今では米海軍はこんな太っ腹をやってくれませんが、航空自衛隊の浜松広報館に行けば、三菱 F-1 のコックピットをのぞき込むことはできます。これも相当に狭いので、ぜひ見てみましょう。
F/A-18 が装備する AN/APG-65 レーダー (今は AN/APG-73) は、F-15 の AN/APG-63 や AN/APG-70、F-14 の AN/AWG-9 や AN/APG-71 と比較するとアンテナが小径で、φ685.8 しかありません。その分だけ、胴体を細くできます。そもそも前面投影面積を増やすと空気抵抗に響きますから、胴体断面が細いに越したことはないのですが、レーダーの性能も無視できないので、どこでバランスをとるかという問題になりますね。
あと、胴体がむやみに太いと、下方視界に影響します。古くは紫電、最近だとタイフーンが、下方視界の問題を抱えていますね。もっともタイフーンの場合、胴体サイズというよりも、コックピット直下に取り付いたカナードのせいですが。
ちなみに、リンク先記事にあった「スイッチ類の集中配備」というのは、コックピットのサイズとはあまり関係ないです。今は HOTAS (Hands on Throttle and Stick) 化するのが普通ですから、よく使うスイッチはみんな操縦桿やスロットルレバーに取り付いてしまうので、コックピットの広さには影響しません。
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Sep 26, 2006
昨日のエントリのコメ欄で出た話題にからめて。
米海軍のニュースリリースを見ると、新しい艦が進水式、あるいは命名式をやる場合に用いられる言葉は "christen" です。Microsoft Bookshelf で見ると、最初に出てくる "christen" の意味は「洗礼を施す」で、その後に「船に命名する」が出てきます。英語圏では、艦の進水が洗礼に相当する行為だと位置付けられているようです。
厳密にいうと、船台で建造してから海に滑りこませる (または放り込む) ときにやるのが進水式で、ドック建造の場合には水を満たして引き出すだけなので命名式といいます。戦艦大和はドック建造でしたが、同型艦の武蔵は船台で建造して進水させました。最近では、クレーンで吊って海に下ろす艦もありますが、これはどっちでしょうね (?_?)
ちなみに、起工は laid down または start construction、いわゆる進水は launch、艤装は fit out、引き渡し (納入) は delivery、就役は commission、退役は decommission といいます。
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Sep 25, 2006
Lockheed Martin チームの LCS (Littoral Combat Ship) 1 番艦、USS Freedom (LCS-1) が、9/23 に進水しました。

昔、潜水艦なんかでもよくやっていた方法ですが、滑走台から首尾線方向に滑らせるのではなくて、横向きに海に放り込むという豪快な進水です。

(Photo by US Navy)
# テクノラティで「LCS」をキーワードに指定して検索したら、
# この件に関するエントリが全然出てこなかった…
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Sep 02, 2006
「障害報告@webry」さんのコメ欄で振られた話題。
毎日新聞が「北海道開拓は無駄だった」という記事を載せていて、それに対して当該記事やコメ欄で「いやそれは違うだろ」と。そのひとつとして軍事的な話が出ているのですが、ソ聯/ロシアの立場から見ると、北海道の土地そのものよりも、チョーク・ポイントに風穴を空けられる魅力が大きかったのではないかと。
現状では、日本が北海道まで押さえているので、「水深が浅くて潜水艦には辛い宗谷海峡」「平時はともかく、戦時になると領海宣言されて通行できなくなる津軽海峡」「辛うじて通れる公海部分が残るものの、日本と韓国に挟まれていて、おまけに両国の海軍基地から近い対馬海峡」という、気の進まない三択を求められる状況にあるわけです。
でも、北海道がソ聯/ロシアのものなら、宗谷海峡では好き勝手にできるし、津軽海峡だって雪隠詰めというわけにはいきません。そうすれば、艦隊が自由に太平洋とウラジオストクの間を行き来できます。SSBN をウラジオからオホーツク海に向かわせるのも簡単です。
それができなかったからこそ、高い有形無形のコストを払ってド僻地のカムチャッカ半島に SSBN の基地を維持する羽目になりましたし、さらには本土との間を結ぶ電話用海底ケーブルに盗聴器を仕掛けられる、なんていうオマケまで付いてしまいました。北海道を確保すれば、こんな問題はないのです。
トム・クランシーの「レッド・ストーム作戦発動」では、G-I-UK ギャップに風穴を空ける目的でソ聯がアイスランドを占領しました。つまりは、あれと同じ立場に北海道も置かれていたんじゃないの、という認識です。どんなもんでしょう。
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Aug 28, 2006
「対テロで ICBM 改造と米国防長官 = ロシア側は懸念示す」(時事)
「ミサイルが飛んできたら、それが核弾頭装備か通常弾頭装備か分からない」と思いがちなんですが、実はちゃんと逃げ道があります。
赤道上に陣取っている米軍の DSP、あるいはその後継となる SBIRS 衛星はいずれも、赤外線センサーを使ってミサイル発射を探知します。そこで、ICBM を通常弾頭装備に改修する際にはロケット・モーターに手を加えて、核弾頭装備型とは異なる赤外線放射特性を意図的に持たせることで、核弾頭型と通常弾頭型を区別できるようにしよう、という手法があるのですね。ただし、どういう赤外線放射特性を持っているのか、という情報を事前に周知徹底しておく必要がありますが。
ちなみに、ミサイルの排気炎を検知するセンサーには、赤外線だけでなく紫外線を使うモノもあります。主として航空機搭載用のミサイル接近警報装置が用いる方法で、確か AN/AAR-47 なんかが該当します。
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Aug 14, 2006
「障害報告@webry」さんからのネタ。
1944 年 11 月に中島飛行機武蔵工場を爆撃した 73rd BW の B-29 に対して、「第二目標」として東京の下町が指定されていたというニュースがあった由。
長いこと、爆撃機や攻撃機は爆装したままで母基地に帰るということをしませんでした。それは、最大着陸重量の制約であるとか、安全性の問題であるとか、そういう事情があるからです。たいていの飛行機は最大離陸重量よりも最大着陸重量の方がずっと小さいので、燃料や兵装を消費しないと降りられないのですね。
ただし、だからといっていつも具合よく洋上投下できるとは限らないし、洋上投下したら貴重な弾薬が無駄になってしまいます。そこで「第二目標」が出てくるわけです。第一目標に投下できないような事情があったときには、そこに落として帰れと。洋上に投下するよりは無駄にならないという考え方でしょう。
そのせいで、とんだトバッチリを受けたのが浜松市。マリアナから北上してきた B-29 が、第一目標に爆弾を投下できなかったときには「とりあえず浜松に落として帰れ」という指令が出ていたようで、中小都市にしては爆撃を受けた回数が多くなっています。太平洋岸で本州の真ん中辺、というロケーション故でしょうか。
最近では、bring back payload という言葉があります。つまり、捨てて帰るのではなく、使わなかった兵装はちゃんと持って帰れと。高価な精密誘導兵器ばかり使うようになったのと、政治的な理由でお気楽にポンポン爆弾を落とせなくなったせいで、「使わなかったから適当に落として帰る」というわけにはいかなくなってしまったのですね。まあ、ちゃんと持ち帰る方が余計なトバッチリを受ける人は減るし、納税者の負担も減るのですが。
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Aug 05, 2006
8/4 付の DefenseNews によると、太平洋航空軍 (PACAF) 司令官の Paul Hester 大将が
「F-22A の実戦飛行隊は 7 個、そのうち 3 個を太平洋地域に配備する」
と言明した由。
配備先の基地は、すでに Langley AFB (VA)、Elmendorf AFB (AK)、Holloman AFB (NM)、Hickam AFB (HI) と決まっていますが、総数が 7 個と発表されたことで、かなり状況が見えてきた感じです。
このうち Hickam AFB については 2 個飛行隊の名前が挙がっていますが、そのうち 1 個 (531st FS) は提携部隊なので除外。となると、こんな感じでしょうか。
- Langley AFB (1st FW) : 27th FS, 94th FS
- Elmendorf AFB (3rd WG) : 12th FS, 19th FS?
- Holloman AFB (49th FW) : 8th FS, 9th FS?
- Hickam AFB (ANG 154th WG) : 199th FS
1st FW/71st FS については、F-15C/D のままでビッグスコードロン化するという話もあるので、上のリストからは除外しています。ちなみに、この話を Wikipedia の F-22 の項に書いたのは私。
また、3rd WG についても F-15E が Mountain Home AFB に移駐するとかいう話があるみたいなので、残る F-15C/D 飛行隊をリストに入れてみました。
さて、どうなるでしょうか。
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Jul 24, 2006
「障害報告@webry」さんからのネタ。
イスラエル軍は西岸地区やガザ地峡で、装甲車を何度も RPG で吹っ飛ばされたのに耐えかねて、米キャタピラー社製のブルドーザー、D9R を改造した装甲ブルドーザーを投入しています。改造したのは IAI 社 Ramta 事業部。2 年前の時点で、100 両ぐらい保有していたそうです。
この装甲ブル、100kg の爆弾が破裂しても平気というものすごさ。あらゆる場所にガッチリ装甲を施して、窓ガラスも防弾仕様。死角をなくすために CCD カメラまで付けてます。でもって、パレスチナ人が夜間、道路に爆弾や地雷を埋めると、翌朝、まず D9 がやってきて道路を掘り返してしまうという仕組み。人力で設置できる程度の爆弾なら、たいがいは耐えられるみたいです。
確か、2 年ばかり前にコロラドで街中を爆走して暴れた自家製装甲ブルも、この D9 を改造したもの。とんだところに異母兄弟がいたもんです。
ググってみたらびっくりしたんですが、英語版 Wikipedia に、この D9 ブルのページがあるんですね。よろしかったらどうぞ。
ただねえ。
これを「ブルドーザー兵器だ、怪しからん。回収を求める」などと杉さまみたいなことを言い出すと、ガザ地峡からイスラエルに向けて撃ち込まれている、Qassam ロケットの燃料になっている砂糖はどうするんでしょう。「砂糖兵器だから全力を挙げて回収しろ」ってことになるんでしょうか。
追記 :
Israeli-Weapons に載ってる写真が、いちばんスゴイっす。
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Jul 08, 2006
「F-35 のニックネーム」の続きです。
7/7 に、F-35A の初号機が完成してセレモニーをやったのですが、その席でニックネームが決定・発表されました。
Lightning II
だそうです。いろいろやった割には、無難なところに落ち着きましたね。
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Jul 03, 2006
F-22A の対日輸出案をアメリカの下院が可決した、ということで、一部で盛り上がっているようです。でも、実は上院に行くと反対意見もあって、このまますんなり決まるかどうかははっきりしません。
実のところ、アメリカでも基地施設、あるいは大規模な防衛関連産業が "公共事業" 的な色彩を帯びているのは同じです。大手の防衛関連企業は、みんな政府が大株主、という状況のフランスだと、もっと露骨なんでしょうけれど。
だから、F-22A の輸出案を支持しているのは、メーカーである Lockheed Martin 社の地元、テキサス州選出の議員だったりするのですね。一方で、別の州から選出された議員が「最新技術が詰まった戦闘機を輸出するなんて、たとえ同盟国が相手でも駄目だ」と主張している状況もあります。
なにも F-22A に限らず、他のメーカーでも同じです。去年の BRAC (Base Realignment and Closure) 2005 で基地閉鎖案をまとめたときにも、俎上にのぼった基地の地元選出議員が、いろいろとロビー活動をやったんじゃないでしょうか。
ちょうど先日、ニューメキシコ州の Cannon AFB が、航空戦闘軍団 (ACC) から空軍特殊作戦軍団 (AFSOC) に移管されて、フロリダから 1 個航空団が移駐して来るというニュースがありました。これも、「Cannon AFB の用途を決めるか、さもなくば閉鎖」ということだったので、閉鎖を避けるためにいろいろ動いた人がいても、何の不思議もありません。
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Jun 23, 2006
DID で見つけたのでメモ。カッコ内は SDD フェーズへの出資額。
Tier 1 Partners:
The USA (majority commitment), Britain ($2 billion)
Tier 2 Partners:
Italy ($1 billion); The Netherlands ($800 million)
Tier 3 Partners:
Australia ($150M), Canada ($150M), Denmark ($125M), Norway ($125M), Turkey ($175M)
Observer status:
Israel ($35M), Singapore
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Jun 21, 2006
別エントリのコメント欄で、テポドンが日本に着弾したら
「テポドンの残骸から英語が刻印されたパーツが見つかった。実はこれはアメリカの自作自演だ」
と騒ぐ人が出るんじゃないか、と書きました。景気が悪いのも路駐の取り締まりが厳しくなったのも郵便ポストが赤いのも、みんなアメリカが悪いと思ってる某方面の人なら、本当にこれぐらいのことはいいそうです。
実は、これの下敷きになるような出来事が OIF (Operation Iraqi Freedom) で発生しています。
米軍が 2003/3/22 にイラクに向けて航空攻撃を仕掛けた際に、ADM-141 ITALD (Improved Tactical Air-Launched Decoy) なるものを使いました。これはプログラムされた通りに飛行しながら敵の対空捜索レーダーに探知されると応答、自分を本物の航空機であるかのように見せかけます。つまり、これを撃ち込むことで「米軍機の大群が押し寄せている」と思わせるダマカシをやったのですね。全長 2.34m、翼幅 1.55m、重量 280kg。
ところが。後で発見された ITALD の破片に「イスラエル製」の刻印だかなんだかが書かれていたので、さあ大変。イラク側は「イスラエルが密かに参戦している」と騒ぎ立てました。実は、ITALD はイスラエルの IMI 社 Advanced Systems Division が開発・製造している製品で、それを米軍が購入して使ったもんですから、こういうことになっちゃったんですが。
これ以外にも、米軍が他所の国から導入した製品はいろいろあります。パッとリストアップするには多すぎるぐらい。この業界もいろいろとグローバル化しておるのです。
参考 :
IMI 社の製品紹介
fas.org の記事
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久々にこのネタを。
米空軍の場合、地域別・任務別に Command (軍団、あるいはコマンドと書きます) があり、その下は以下のような構成になっています。
航空軍 : Air Force
航空団 : Wing
航空群 : Group
飛行隊 : Squadron
飛行班 : Flight
2機編隊 : Element
このうち Flight については、4機編隊を意味する場合もあります。第二次世界大戦以来、戦闘機の編隊は 4 機がひとつのまとまった単位になっているのと関連するのでしょう。
通常、ひとつの航空団の指揮下に、作戦群 (OG : Operations Group)、兵站群 (LG : Logistics Group)、支援群 (SG : Support Group)、医療群 (MG : Medical Group) があり、そのうち OG の指揮下に飛行隊が 2-4 個ぐらい入ります。その飛行隊がさらに、飛行班以下に枝分かれするわけです。
「群」の下にさまざまな「隊」が入る構成は、兵站群・支援群・医療群についても同じです。このように、機体を飛ばすだけでなく、その機体に対する後方支援や給養・医療・事務・従軍牧師まで、必要なものは全部ワンセットになっているわけです。
航空軍以下の部隊名称は通常、数字を使います。だから、「1st Fighter Wing」なら「第 1 戦闘航空団」と訳します。
これがイギリス、あるいはイギリス連邦諸国になると、地名だのロイヤルほげほげだのクイーンズほげほげだのと、いろいろとややこしい名称が出てきて覚えるのが大変です。でも、部隊名というのは過去からの「伝統」を継承する大事なものなので、簡単にコロッと変えることはしません。
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Jun 15, 2006
昨日、秋葉原のヨドバシで布団乾燥機を買ってきました。普段、家電のフロアはあまり行かないのですが、こういうときは例外です。
家電のフロアですから、掃除機も置いてあります。そこでデモっていたのが、iRobot という会社のお掃除ロボット・ルンバ。はて、iRobot ? なんか聞き覚えが。
そう。MTRS (Man Transportable Robotic Systems) という計画名称で、小型の爆弾処理用ロボット PackBot を米軍に納入している会社です (Web サイトはこちら)。ヨドバシカメラで売っているお掃除ロボットにも、軍用ロボット開発で得られたテクノロジーが活用されているのでしょう。いや、逆だったりして。
高い方の製品だと、こんな機能があるそうです。yodobashi.com から引用。
>カンタンなリモコン操作で、曜日ごとのスケジュール設定が
>可能。15分刻みで1日1回設定できます。決められた時間
>になると専用充電用ホームベースから出てきてお掃除をス
>タート。終了すると充電用ホームベースに自動で戻り、次の
>掃除のために充電して待機しています。
すげー。
ところで。これ、なんてロボット兵器 ? (←しつこい)
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Jun 03, 2006
Choice of Names for JSF Narrows (DefenseNews.com)
F-35 のニックネーム候補が、以下の 6 種類に絞り込まれたそうです。
- Black Mamba
- Cyclone
- Lightning II
- Piasa
- Reaper
- Spitfire II.
んー、どれもパッとしないような。"Lightning II" は YF-22A でも取り沙汰されていたニックネームだし、Black Mamba なんて…
そういえば、1990 年代初頭に TR-3A Black Manta なるステルス偵察機の存在が噂されましたけれど、あれって何だったんでしょうね。
個人的には "Cyclone" かな。でも、これはこれで三菱自動車のエンジンみたいだし (いつの話だよ)
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May 29, 2006
防衛庁や米軍では、民間企業に発注を行った案件に関する情報を公開しています。米軍ではそれを誰でも電子メールで受け取れてしまうところがものすごいのですが、それに関連する話。
空軍向け JSF・F-35A 関連の契約が米海軍から出ている、という話を本館に載せたら「私が誤訳したんじゃないか」といってる奴が 2ch にいたんですが、ソースではちゃんと「NAVY」と書いてあるんですね。米軍の発注では、たまにこういう珍妙なことが起こります。ある軍種が、実際には他の軍種に引き渡す装備を発注するという現象が。
この件以外でメジャーな事例では、空軍基地の土木工事に関する発注が陸軍を窓口にして行われたりします。軍の施設に関する土木工事を陸軍工兵隊 (Army Corps of Engineer) が仕切ることになっているのか、あるいは空軍が陸軍から独立した歴史的経緯によるものなのか。ハリケーンの被害を受けた海軍関連施設の災害復旧については海軍が発注していましたから、状況にもよるようです。
海兵隊の場合、海軍が調達の窓口になっています。だから、海兵隊向けの AFV 発注案件が「Contracts」では「NAVY」の下に載っていたりします。飛行機のシリアルナンバーも、確か海軍と海兵隊で通しになっていたはず。でも、これはそんなに違和感ありませんね。
それと比べると、H-60 系のヘリをまとめて陸軍が発注している事例の方が、違和感があります。でも、もともと H-60 系列は陸軍の UH-60 ブラックホークから始まっているわけですし、空軍や海軍の H-60 系ヘリはドンガラよりアンコの方が大事です。となれば、機体はまとめて陸軍を窓口にする一方で、キモとなるミッション・システムは空軍や海軍が発注する、という方が理に適っているのかなとも思います。
P.S.
ググってみたら、Army Corps of Engineer のことを「陸軍エンジニア部隊」と訳してる人が意外といるんですね。これこそ大誤訳。軍隊組織で Engineer といえば「工兵」に決まってるでしょーが。ぶつぶつ。
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May 09, 2006
佐世保の米海軍基地で、工事現場から不発弾が発見されたそうです。もちろん、太平洋戦争中に投下されたやつでしょう。
「不発弾」とは、投下されても信管が作動しなかった爆弾や砲弾のことです。信管とは早い話が起爆装置で、直撃した瞬間に起爆させる「瞬発信管」、直撃してから数秒後に起爆させる「遅発信管」(遅動信管)、発射から一定時間が経過すると起爆する「時限信管」、電波やレーザーを使って近くに物体が接近すると起爆させる「近接信管」など、いろいろなバリエーションがあります。
勘違いされやすい話なのですが、炸薬が詰まっているとはいっても、爆弾や砲弾を起爆させるのは信管なので、その信管が作動しなければ炸裂しません。衝撃などで起爆しにくいように工夫した「低鋭敏性炸薬」なんてものもあるぐらいです。
そのため、信管を抜いてしまえば、爆弾や砲弾そのものをパワーショベルでひっかけても爆発しません。つまり、「不発弾処理」とは信管を抜いて無力化する作業なのです。ただし、元々は作動させるつもりでセットした信管ですから、何かの拍子にいきなりドカンと来る可能性はあるわけで、そのために爆発物処理班という専門家集団が必要になります。
ちなみに、信管のことを英語で fuze といいます。だから、「○○信管」は「○○ fuze」といいます。種類によって、爆弾や砲弾の先端に取り付ける場合と、後端に取り付ける場合があります。
似たようなパーツで雷管というものもありますが、こちらは blasting cap といいます。信管というと爆弾・砲弾・ミサイルの弾頭といった軍用品に限定されますが、雷管の方が対象が広くて、ダイナマイトを起爆させる場合、あるいは銃の薬莢を作動させる場合などに用いられるパーツも雷管です。イラクなんかで武装勢力の武器集積所が発見されたときの報道発表では、"fuze" と "blasting cap" は別物として扱われています。
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Apr 18, 2006
F-22A の大掛かりな整備を担当するのは、ユタ州 Hill AFB にある Ogden ALC。
そこに F-22A が到着した様子を報じる写真がこちらに載っているのですが、珍しいことに増槽付きです。ちょっと貴重な写真かも。
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Apr 08, 2006
英 BAE Systems 社が、保有している Airbus Industries 株を EADS 社に売却するようです。その件に関するプレスリリースで目をひいたのが、以下の部分。
We believe that now is the right time for us to divest our Airbus shareholding to allow us to concentrate on our core transatlantic defence and aerospace strategy.
(中略)
Selling its stake in Airbus is entirely in line with BAE Systems’ declared strategy to be the premier transatlantic defence and aerospace company with a strong footprint in both the United Kingdom and United States.
"transatlantic" といえば、対米関係しかあり得ません。F-35 をめぐる技術情報開示問題でゴタゴタしているアメリカとイギリスですが、その最中にこういう動きがイギリス側から出てくるのは、なかなか興味深いです。
実際、過去にもアメリカがイギリスにだけ引き渡した装備というのはいろいろあるわけで、両国の関係の深さは侮れません。具体例としては、ポラリス SLBM、トマホーク SLCM、CEC などがありますが、なかなかセンシティブなものばかりです。
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Mar 28, 2006
無線通信の世界では、「聞き間違え」は厄介な問題です。特に戦争に関わる通信で聞き間違えなんかやったら、国の運命に関わるかも知れません。
そこで、アルファベットを正確に伝達できるように、フォネティックコードというものがあります。業界によっていろいろ内容が違いますが、私が使っているのは NATO 標準のもので、以下の内容。
Alpha
Bravo
Charlie
Delta
Echo
Foxtrot
Golf
Hotel
India
Juliet
Kilo
Lima
Mike
November
Oscar
Papa
Quebec
Romeo
Sierra
Tango
Uniform
Victor
Whiskey
X-Ray
Yankee
Zulu
たとえば「BTR80」なら「Bravo, Tango, Romeo, eight, zero」と発声します。軍用通信だけでなく、旅客機の管制交信でもフォネティックコードを常用しているので、エアバンドを聞いたことがある方なら御存知のはず。ソ聯海軍の潜水艦につけられたコードネームも、26 文字を超過してあぶれたもの以外は上記の内容です。
あと、米陸軍や米海兵隊では、中隊の名前だけ数字ではなくアルファベットなので、Alpha 中隊だの India 中隊だのといいます。「ファルージャ 栄光なき死闘」では、この辺の訳が甘かったのが惜しまれるところ。
そういえば、NASPA スキーガーデンのコース名はアルファベットですが、コース案内看板を見ると、それぞれのアルファベットで始まる「人の名前」を振っているのが分かります。内訳は、Betty, Charlie, Dan, Ed, Frances, George, Helen (A コースだけ不明)。でも、ついつい日常会話と同様に "NATO 式" で呼んでしまう私 (爆)
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Feb 28, 2006
鉄道趣味の世界では、「形態分類」はポピュラーですが、実は軍艦でも軍用機でも成立します。
特に軍艦の場合、長い時期に渡って建造することから途中で仕様を変える場合が少なくない、あるいは就役期間中に近代化改修などでいろいろ装備を変える、といった事情があるので、艦ごとに形態が微妙に違ったり、同じ艦でも時期によって形態が違ったりします。
特に、米海軍のニミッツ級原子力空母みたいに 30 年以上に渡って建造が続いていると、もう別物といっていいぐらい。まず、対空捜索レーダーが AN/SPS-43 から AN/SPS-49 に変わったり、ファランクス CIWS が増設されたり、シースパロー SAM 発射器が Mk.25 から Mk.29 になったり、アングルド・デッキと艦首のブライドル・リトリーバーがなくなったり、ファランクスに代わって RAM が搭載されたり、電子戦装置が交換されたり、衛星通信アンテナが増設されたり、ときには魚雷発射管まで載せちゃったり、etc, etc。
フォレスタル級なんかも、艦ごとにレーダーの配置が違っていたので、艦番号を見なくてもどの艦か分かっちゃったりしました。
そんなわけで、鉄道趣味界で形態分類の眼力を培っておくと、兵器を眺めるときに役立ちます。ホントです。
ただ、最近だとコンピュータだのネットワークだの指揮管制装置だのと、表に見えない部分で能力が向上する事例が多いので、見た目だけでは判断できないことが増えていますね。イージス艦のベースラインがいくつかなんて、外から見たって分かりませんから。たとえば、最新のベースライン 7.1 が ATM (非同期転送モード) ネットワークを使ってるなんて話は、外見には現れません。
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Feb 16, 2006
F-14 が最後の戦闘任務を実施したそうです。詳しくは、金曜日の本館定期更新で。
このニュースを報じる米海軍のリリースで、"trap" という言葉が出てきます。これは、空母に艦載機を着艦させる行為を指しています。普通、着陸は landing といいますが、空母に降りる場合は皆さん御存知のように、着艦拘束装置で強引に機体を止めるので、こういう言葉を使うのでしょう。
ちなみに、着艦拘束装置は arresting gear。arrest というと警察が犯人を捕まえるときなんかにも使う言葉ですが、「拘束」という訳語も同じです。機体側に付いているのは arresting hook といって区別します。別名 tail hook といいますが、艦載機乗りの集まり・テイルフック協会 (前にセクハラ事件で槍玉に挙がりましたね) の名前も、当然、ここから来ています。
最後の F-14 飛行隊となったのは VF-213 "Black Lions" と VF-31 "Tomcatters"。スパホへの転換時期の関係で、公式には VF-31 が最後ということになるそうです。どっちを最後にするかは、ニックネームを見て決めたとか (笑)
海軍の固定翼飛行隊はすべて "V" で始まる部隊名ですが、この場合の "V" とは翼を意味する象形文字、という由来があります。空母の艦種記号 "CV" も、Carrier と、翼を意味する "V" をくっつけて決まったものです。
その空母に乗る航空団を CVW というのは、"CV" に乗艦する Wing だからですね。昔は Carrier Air Group、略して CAG といっていましたが、今は Carrier Air Wing で、略語が CVW と食い違っています。CAG はというと、CVW 指揮官を意味する言葉になっています。
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Feb 05, 2006
米国防総省の QDR が公開されました。(リンク)。これに関して讀賣が、こんな記事を書いています (元記事)。
>事実上、中国を念頭に置いた対抗策として、次世代
>長距離爆撃機を約 20 年前倒しし、2018 年に配備
>する計画を正式に盛り込んだ。
おそらく、QDR にある以下の記述のことだと思われます。
>Develop a new land-based, penetrating long-range
>strike capability to be fielded by 2018 while
>modernizing the current bomber force.
"long-range strike capability" のことを「長距離爆撃機」と書いたのは、やや先走りの感がありますね。
もちろん爆撃機という可能性もありますが、極超音速 UAV、あるいは極超音速巡航ミサイルという可能性もあります。アメリカ本土から遠距離のターゲットを迅速かつ精確に攻撃できれば、手段は何でもいいわけですから。第一、あと 12 年で新型のステルス爆撃機をゼロから開発するなんて無理ですよ。すでに何かブラック・プログラムが走っていれば別ですが。
実は、QDR でポイントになっているキーワードのひとつが "Expeditionary"、つまり外国に普段から駐留する代わりに、本土から有事の際に駆けつける比率を増やしましょうということです。もちろん、東アジアみたいに恒常的なプレゼンスが求められる場所は別ですが。
あと、他国の文化に対する理解を深めて云々という話も強調されているのですが、米軍がもっとも苦手なのが、これかも知れませんね。
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Jan 28, 2006
何かと話題のアニメ「よみがえる空」で舞台になっている、空自の救難隊。米軍も含めて、救難隊のモットーとして知られているのが "That Others May Live" というフレーズ。正式には
"These things we do, that others may live."
といいます。では、"These things" ってどんな行いのこと ?
実は、"These things" とは救難隊の部隊章に描かれている絵柄のことで、女神 (?) が天空から救いの手を差し伸べる行為、つまり救難活動そのものを指しているのですね。著作権の関係があるんでかっぱらってくるのは避けますけど、"That Others May Live" をフレーズ指定して Google イメージ検索か何かをかければ、すぐに何点か出てきます。
つまり、このモットーはサバイバーに対して「生き残るであろう者達よ、我等は (部隊章の絵柄に書かれている) 行いをなさん」と呼びかけているのですね。
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Jan 11, 2006
ホワイトバンド批判に絡めて、こういう論調があります。
「イギリスの対アフリカ武器輸出は 4 倍に増えている。つまり、(イギリスが発祥の) ホワイトバンドとは、アフリカ諸国の債務を他国に負担させて、浮いたカネで兵器を売りつけるための運動なのだ」
分かりやすい構図ですけど、いろいろと突っ込みどころが多いのも事実。
まず、「4 倍に増えている」というところ。兵器輸出の額が毎年のように変動している以上、特定のスパンで「4 倍に増えた」というのは、実のところ、どうとでも操作できる数字。起点になる年を、たまたま兵器輸出が落ち込んだ年に設定すれば「○○倍に増えた」の部分は好きなように変えられるわけで。重視すべきは相対的な倍率変化よりも長期的な絶対額のトレンドでしょう。
さらに、「対アフリカ」という枠のおおざっぱさ。アフリカといっても広いし、国によって需要もそれぞれ。具体的に、どこの国にいくらの商談で何を売ったのか、までリストアップした上で批判しないと、とんでもなく的外れになる危険性があります。
そして、イギリスの兵器産業にも得手・不得手があるし、競争力がある商品なのか、紛争や貧困が問題になっているような国が買いたがる物なのか、というところも問題。最初に兵器一式を輸出したものなのか、その後の補用品輸出なのか、はたまた補修などのサービス業務なのか、それとも既存装備のアップグレードなのか。そういう内容も問題です。
そこまで言及した上でこの件を論じている人は、極めて少ないのが実情。とりあえず、イギリスの兵器産業がどんな状況にあるのか知るために、12 月にリリースされたばかりの DIS (Defence Industrial Strategy) について調べてみるようにお勧めしたいところ。
まあ、イギリスを筆頭に欧州諸国がアフリカ諸国に兵器をいろいろ売りつけているのは事実であるにしても、"兵器" という言葉が指す対象が極めて多様化している昨今、内容や仕向地までちゃんと目を向けた上で論じてみる、という姿勢も必要なんじゃないかと思うわけです。冒頭に書いたような構図は、批判する際のネタとしては分かりやすくてアピールしやすいですけど。
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Jan 07, 2006
あまり間が空いてしまっても何なので、イラク関連のニュースでよく出てくる言葉の話題を。
陸軍の部隊は通常、以下のような階層構造になっています。
- 軍 Army
- 軍団 Corps
- 師団 Division
- 旅団 Brigade
- 聯隊 Regiment
- 大隊 Battalion
- 中隊 Company
- 小隊 Platoon
- 分隊 Squad
部隊名を表記するときには、これらを下の階層から順に書いていくのが基本パターンです。住所の書き方と似ていますね。日本だと「国→都道府県→市区町村→番地→名前」ですが、外国だと「名前→番地→市区町村→州とかなんとか→国名」となるのと同じです。
だから、「第 1 歩兵師団・第 2 旅団・第 3 大隊・D 中隊」であれば、「D Company, 3rd Battalion, 2nd Brigade, 1st Infantry Division」と書きます。聯隊がすっぽ抜けているのは、旅団が聯隊に配属部隊を追加したもので、基本的には同一レベルだからです。
また、組織階層名に兵科名称が加わる場合もあります。歩兵なら Infantry、野戦砲兵なら Field Artillery、機甲なら Armour、空挺なら Airborne、工兵なら Engineering。上の例で師団だけ兵科名称が加わっているのは、「第 1」には機甲師団も騎兵師団もあるから、です。
米陸軍や米海兵隊の場合、中隊名だけは数字じゃなくてアルファベットです。それと、兵科の名称だけで部隊階層名称を省略したときは、たいてい聯隊のことです。近代的な軍隊では、聯隊が基幹戦闘単位となっているという歴史によるものでしょう。(ただし、第 82 空挺師団みたいに数字も内容も重複していないと、"82nd Airborne" で済ませてしまうことも)
そのほかの例外としては、米陸軍の騎兵隊があります。第 1 騎兵師団 (1st Cavalry Division) や第 3 機甲騎兵聯隊 (3rd Armoured Cavalry Regiment。第 11 もある) では、大隊が Battalion ではなく Squadron になります。飛行隊の Squadron をときどき「飛行大隊」と訳す人がいるのは、この影響でしょうか。
中隊名でも、変わった書き方をする場合があります。典型例が、SAS 戦闘中隊の Saber Squad。その SAS 自体、正式には「第 22 SAS 聯隊」ですが、アンディ・マクナブの本によると、通常は単に "Regiment" と呼ぶそうです。
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Dec 26, 2005
軍事の世界で使われている英単語の中には、「この業界でしか出てこない単語」だけでなく、「一般的に馴染み深いけれど意味が違う単語」、あるいは「一般的に馴染み深い単語とは似て非なるもの」があります。
まず、前者の例として "range"。
軍事の世界でこの言葉が出てくると、「距離」を意味する場合が多くなります。レーダーやソナーの探知可能距離、銃砲類やミサイルの射程距離、航空機や艦艇の航続距離、いずれも "range" です。ただし航続距離の場合、行動半径を意味する "radius" を使う場合も多々あります。片道か往復かの違いですね。"mission radius" なら「作戦行動半径」でしょうか。
ところが、軍事の世界で "range" というと、もうひとつの意味があります。それが「射場」。実弾射撃訓練をやるために、陸上、あるいは海上の特定区域を占有して利用することがありますが、そういう場所のことを "ほげほげ range" といいます。ただし、訓練や演習ではなくて実験を行う場所だと、米陸軍のように "proving ground" と称するケースがあり、Aberdeen Proving Ground や Yuma Proving Ground が知られています。
もうひとつ。"motor" と紛らわしい "mortar"。
一般的には mortar というと「モルタル」のことですが、軍事の世界では通常、「迫撃砲」を指します。昔は臼砲というものがありましたが、これも mortar です。イラクで武器集積所 (weapon cache) が見つかったというニュースが出てくると、たいてい「mortar round が○○発、artillery shell が○○発」というように、迫撃砲と榴弾砲の弾は別のモノとして扱われています。さらに、小火器の弾は ammunition、対空砲弾は anti-aircraft artillery round といった具合に、それぞれ別のモノとして扱われます。
弾薬には他にもいろいろあるので、その辺の英語については、またそのうち。
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Dec 23, 2005
公式リリースがニュースソースに間に合わなかったので「今週の軍事関連ニュース (2005/12/23)」に入れるのは見送ったのですが、サウジアラビアがユーロファイター・タイフーンの発注を決めたそうです。これで割を食ったのは、なんといってもラファールを売りつけたかったフランスでしょう。これで、韓国 (F-15K)、シンガポール (F-15SG) に続いて三連敗です。(追記 : このエントリをポストした後で DID の記事が入ってきたので、追加しておきました)
ただし冷静に考えると、サウジアラビアはもともとイギリスとのつながりが強く、ライトニングだのトーネード IDS/ADV だのを導入して、「蛇の目の楽園」と化していた状況があります。そこに独自色の強いフランス製兵器が食い込むのは至難の業。現に、「ルクレール戦車をサウジが買う」という話も観測気球だけで、一向に具現化しません。タイフーンに負けたラファールもしかり。
国と国との歴史的つながりは、往々にして兵器購入の際の選択肢に大きく影響します。アジア・中東・アフリカ諸国の場合、「元宗主国」から兵器を購入する事例が多数。そのことを知っておけば、どこの国が何を買うかという話になったときに、それほど大外しな予測はしないで済みます。
もちろん、例外が発生する可能性はありますし、政治体制の変化 (と、それに伴う外交政策の変化) が原因で、兵器の供給元をガラッと変えてしまう事例もありますが。後者の典型例として、エジプトとイランがありますね。
ただ、ある国の装備体系に合わせてしまうと、後からそれを変えるのは大変です。航空自衛隊の機種選定でアメリカ機以外がすべて当て馬扱いされるのは、そういう理由。そう考えると、いろいろな国の戦闘機を混ぜて使っている台湾、ギリシア、インドあたりは、現場が大変でしょうね。
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Dec 14, 2005
軍隊というところは IT 業界と並んで、acronym (頭文字略語) の宝庫です。いっとき、マイクロソフトでは社内向けに、内輪で使っている acronym のリストをまとめたヘルプ ファイルを作って配っていたことがありますが、今ならこういうのは Web で用が足りるので楽ですね。
特に米海軍に顕著なのですが、「TR CSG があーたらこーたら」みたいな、パッと見には訳の分からない見出しを付けたプレスリリースが出ることがあります (例 : TR CSG Offers OIF Air Support)。CSG は Carrier Strike Group (空母打撃群) のことですが、TR とは ?
これ、原子力空母 USS Theodore Roosevelt (CVN-71) のことです。頭文字を取って "TR"。似たような例で、USS George Washington (CVN-73) の "GW" があります。あと、USS D.D.Eisenhower (CVN-69) の "Ike"、USS John F.Kenndy (CV-67) の "JFK" みたいに、名前をもらった人のニックネームで呼ぶ事例もあります。空母だと大統領みたいな超大物ばかりなのでまだマシですが、かつてのミサイル原潜、あるいは駆逐艦やフリゲートになると人名のバラエティも豊かになるので、その分だけ長ったらしい艦名が増えます。USS Francis Scott Key (SSBN-657) なんて、何者だかパッといえる人が日本にどれだけいることやら…
もともと、米海軍では人名を使った長ったらしい艦名が多いのですが、その一方で海軍というのはとろくさいことを嫌い、何でも簡潔に済ませたがる組織です。そのため、艦名もついつい略して書きたくなるのでしょう。内輪向けはそれでいいですけれど、せめて対外向けの文書ぐらいは正しい名前で書いてくれないかと思います。ただでさえ acronym 過剰の業界なんですから。
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Dec 11, 2005
JDW (2005/12/7) によると、タイは 2004 年にロシアとスウェーデンに対して、戦闘機と鶏肉のバーター取引を持ちかけたそうです。その件に関する当事者の説明がこれ。
"They both have wings and they can both fly"
激しくワラタ。
まあ、タイに限らず、東南アジア諸国はバーター取引が得意技なんですけれど。しかしなあ。
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Dec 07, 2005
イランで C-130 ハーキュリーズ輸送機が墜落したそうです。
C-130 といえば、戦術輸送機業界の世界標準。あまりにも広く普及してしまったせいで、AFV の空輸展開では「C-130 に積めるかどうか」が基準になってしまいました。それが性能やサイズや防禦力の面で少なからぬ足枷になってしまっているという、この機体を当初に設計した人にとっては甚だしく「想定の範囲外」な事態を引き起こしています。
単に機体そのものが同盟国と共通とかいう話だけでなく、米空軍が使っている空輸用パレット・463L とのサイズが合うかどうか、なんていう問題もあるので、NATO 規格の軍隊に生まれ変わろうとしている東欧諸国では、C-130 の導入事例が相次いでいます。ソ聯製の輸送機だと、463L パレットを積めるかどうかが問題になるわけですね。
もちろん、輸送機といえども軍需物資ですから、アメリカとイランの関係が悪化してから輸出されたとは思えず、パーレビ国王の時代に輸出した機体をそのまま使っていたのでしょう。整備状態なんか、さほど良かったとは思えません。ただ、アメリカ相手には突っ張るイランのことですから、今回の墜落事故を受けて
「アメリカが武器禁輸でパーツを引き渡さないから、墜落しちゃったじゃないか。
我が国の国民の生命を奪ったのだから謝罪と賠償を要求する」
なんてやらかすかもしれませんね (おいおい)。
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Nov 19, 2005
米軍の報道発表を見ていると、軍種ごとに兵士の呼び方が違うのに気付きます。陸軍は soldier、海軍は sailor、空軍は airman、海兵隊は marine。
ややこしいことに、異なる軍種同士が一緒に行動する事例もあります。たとえば、イラクの西部では海兵隊の指揮下に陸軍の部隊が入って作戦しています。だから、「第 2 海兵遠征軍・第 2 海兵師団に配属された陸軍の兵士が」ということも起こります。こういうときに、私は「配属」という言葉を使っていますが、もっと適切な訳語があったら御教示くださいませ。
つまり、部隊名だけでなく、soldier と書かれているか marine と書かれているかで立場が違ってくるので、そこのところにも気を使わないと誤訳になります。特に海兵隊は誇り高き集団ですから、陸軍と一緒くたにすると怒り出しそうです (苦笑)。
なんか、gun と howitzer と mortar の話に似たものを感じるわけですが、この話についてはまたそのうち。
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Nov 18, 2005
JDAM みたいな GPS 誘導爆弾、あるいはペーブウェイみたいなレーザー誘導爆弾なら関係ない話ですが。
自由落下爆弾、あるいは非誘導式ロケット弾を使って攻撃するときには、爆撃機や攻撃機がターゲットを確認しやすいように、目標をマーキングします。
たとえば、第二次世界大戦中に多用された市街地夜間爆撃では、まず航法がうまい爆撃機が目標となる都市の周囲四隅に焼夷弾を落として火災を起こして、マーキングをやります。残りの爆撃機は、その四隅の枠内に爆弾を落とせばいいというわけです。
(もっとも、その裏をかくために防衛側がニセの火災を起こしたりすることもありますが)
地上軍を支援する近接航空支援では、前線航空管制官 (FAC。フ○ックと読まないでね) が乗った航空機が、ターゲットの位置に発煙ロケット弾を撃ち込んでマーキングします。攻撃機は、その煙の位置を狙って爆弾やロケット弾、あるいは機関砲なんかを撃ち込むわけです。
また、地上にいる兵士が、ターゲットに発煙手榴弾を投げ込む場合もあります。用途別に使い分けられるように、発煙手榴弾は煙の色によっていろいろな種類に分かれています。
突如として話題になった "化学兵器" こと白燐弾とは、このマーキングに使用するものです。ロケット弾の弾頭に白燐が仕込んであって、撃ち込まれると燃えて煙を出します。つまり、主な目的は上空から明瞭に視認できる煙を出すことで、これを使って何かを破壊するのが主目的というわけではありません。まあ、付随的に火災になる可能性までは否定しませんけれど。
米軍では、この発煙ロケット弾のことを「WP」あるいは「ウィリー ピート」と呼んでいます。目標マーキングの手段としては、はるか昔のベトナム戦争の頃から当たり前のように使われているものです。別に目新しいものでもなんでもありません。むしろ骨董品です。
この発煙ロケット弾のことを、"新型の化学兵器" と称して非難しているウスラトンチキがいるらしいですね。化学反応を起こすものはみんな化学兵器だというなら、人間のオナラだって化学兵器でしょうに (爆)。
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Nov 12, 2005
軍事関連のニュースにつきものなのが、平素はあまりなじみのない海外の地名です。特に海外のニュースソースにあたっていると、英語で書かれた地名を見て「はて、これってなんだっけ」ということになります。Baghdad 以外のイラクの地名がさんざん報じられるなんて、イラクで戦争がなければあり得なかった話でしょう。
たとえば、さまざまな騒擾やイスラエル軍の撤退でおなじみの「ガザ地峡」と「ヨルダン川西岸地区」。それぞれ、Gaza Strip と West Bank といいます。特に後者は、日本語とは微妙に言葉の雰囲気が違います。
もうちょっと厄介なのが Gulf。一般名詞としては「湾」ならなんでも gulf ですが、頭を大文字にした Gulf だと、ペルシア湾を意味する場合と、メキシコ湾を意味する場合があります。the Gulf conflict なら前者 (湾岸戦争のこと)、Gulf hurricane relief なら後者の意味になります。湾岸協力会議も GCC、Gulf Cooperation Council (またたは Cooperation Council for the Arab States of the Gulf) ですね。
地名の頭文字を取った略語というのもありますね。たとえば、最近では死語ですが、GIUK ギャップというのがあります。Greenland - Iceland - United Kingdom を結ぶ、大西洋上の阻止線のことです。ソ聯海軍の潜水艦が進出してくるのを防ぐ拠点ということで、冷戦期には馴染み深い言葉でした。
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Nov 04, 2005
米陸軍と米海兵隊が共同で、HMMWV の代わりになる小型車輌のプロジェクトを始めようとしています。HMMWV では IED に弱いということで、今度は防禦力を大事にしたいのだとか。(関連記事)
その「関連記事」に載っているイラストなんですが、あまりにも海兵隊っぽくなくていい味出してますね。
(Illustration by US Marine Corps)
私はてっきり、宮○駿監督にイラストを描いてもらったのかと思っちゃいましたよ !
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Nov 01, 2005
前回、タンカー tanker について書きました。もちろん、海軍にはフネのタンカーもあります。日本語では給油艦といいますが、これも oiler と transport oiler に区別されます。前者は洋上給油機能があり、後者にはありません。そのため、後者を油送艦などと呼んで区別することもあります。もっとも、こんなものまで自前で持っている海軍は、今となっては皆無ですが。
燃料以外にも、海軍はいろいろな補給物資を必要とします。昔は用途別に全部補給艦が分かれていて、弾薬を補給する給兵艦 ammunition ship、糧食などの日用品を補給する給糧艦 store ship、といった具合になっていました。
しかし最近では、品目別にいちいち補給艦を使い分けるのは面倒だということで、1 隻でさまざまな品目をまとめて補給できる、多目的な補給艦が当たり前になりました。
米海軍の場合、洋上補給艦 replenishment fleet oilers と高速戦闘支援艦 fast combat support ship があり、それぞれ艦種記号が AOR と AOE に分けられています。どちらも燃料・弾薬・糧食などをまとめて補給できますが、AOE は空母戦闘群に随伴できるだけの速度性能 (27-28kt) があるのに対し、AOR はもっと低速で、20kt ぐらいしか出ません。そのため、揚陸艦のように低速な艦のお供をすることが多くなります。
支援任務にあたる艦としては、母艦もあります。といっても、航空母艦 aircraft carrier ではなくて、駆逐艦母艦 destroyer tender や潜水母艦 submarine tender のこと。駆逐艦や潜水艦は小型なので、乗組員の休養、物資の補給、ちょっとした修理作業などを支援するために、別途、支援作業にあたる母艦を用意するというわけです。
日本では掃海母艦というのがありますが、これも機能的には同じですね。掃海艇の場合、独特の補給品をいろいろ必要とするので、掃海母艦が予備を持って行きます。
ちなみに、攻撃型原潜 nuclear powered attack submarine と弾道ミサイル原潜 nuclear powered ballistic missile submarine とで、対応する潜水母艦が別々になっています。なぜかというと、後者は SLBM の搭載作業を行う必要があるからです。そのため、弾道ミサイル原潜に対応した潜水母艦は艦内に予備の SLBM を保管していて、必要に応じてクレーンで積み込みを行います。
(でも、ミサイル原潜が SLBM の実弾をぶっ放した後で、悠長に潜水母艦から再装填を受ける図ってあり得ないと思うんですけどねぇ…)
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Oct 31, 2005
以前、日経新聞が「米ボーイング社の 100 隻のタンカーが云々」という記事を載せたことがあります。「隻」はフネを数える際の単位ですから、ボーイングが造船業に乗り出したのかと勘違いした人は… いたんでしょうか。少なくとも日経にはいたわけですが。
ノースロップ・グラマンやゼネラル・ダイナミクスはグループ企業として造船所を抱えていますし、ボーイングもジェットフォイルを造ったことがあります。しかし、タンカー (油槽船) なんて造っていたかどうか、と不審に思われても無理はありません。
日常的になじみがある英単語でも、業界によっては意味が違ってくる場合がある、ということを知っておかないと、こういうポカをやります。もちろん、石油類を運ぶ油槽船のことも tanker といいますが、空中給油機も、陸軍が使う給油トラックも、これまた tanker といいます。つまり、件の記事は油槽船じゃなくて空中給油機のことだったんですね。
似たような話は他にもあります。たとえば tank。
tank というと、一般的には燃料タンクや潜水艦のバラストタンク、といった類の、液体を溜め込む場所を連想しますが、戦車も tank です。かつてはいろいろな種類がありましたが、現在では MBT (Main Battle Tank) にほぼ一本化されています。これを「主戦闘戦車」と直訳する場合もあります。イギリスで初めて戦車が開発されたときに、秘密保持のために偽った名称が、そのまま定着してしまいました。
ちなみに、戦闘機なんかが使う増槽は、用が済んだら投棄してしまうので drop tank といいます。つくりつけのタンクと区別しているわけですね。日本語が「増槽」だからといって、additional tank とはいいませんので御用心。
あと、wing。一般的には「翼」のことだと思われている単語ですが、米空軍の組織編制では「航空団」を wing といいます。航空団の麾下に、複数の飛行隊 squadron が入ります。その他の支援部隊もいろいろあって、これらは分野別に○○群 (○○ group) としてまとめられています。運用群 (operations group)、兵站群 (logistics group)、支援群 (support group)、医療群 (medical group) といった具合です。
この group という言葉は、たいていの場合「群」と訳せば間違いありません。
ちなみに、地域別、あるいは任務別に航空団を複数まとめて、航空軍 air force を編成します。空軍そのものも Air Force ですが、航空軍は番号を付けて "1st Air Force" といった具合に呼称するので区別できます。似たような例に、陸軍における軍 (army) があります。これは軍団 corps を束ねたもので、やはり番号で区別します。
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Sep 16, 2005
最近、防衛産業界でよく聞く言葉です。
戦闘機でも戦車でも艦艇でも、システムが複雑化・高度化してしまって、開発にかかる手間とカネ、そしてそれらに付随するリスクが馬鹿にならないものになってきました。かつてなら、最初に要求仕様を固めてしまい、それを実現して「はい終了」となっていたんですが、それを変えるのが Spiral Development ということになります。
つまり、まず初期段階のシステムを作って配備する。それを実際に運用してみて問題点をいぶりだす。そうこうしている間に開発が進んだりテクノロジーが進歩したりして、もっと高性能・高機能のものができるので、次の段階ではそれを組み込む。既納入分についても新しいシステムをバックフィットする。
特に、ソフトウェア・ベースで物事が動くようになってくると、ハードウェアは変えずにソフトウェアを新しくするだけで、新しい機能の追加や既存機能のブラッシュアップが可能になる。こうして、開発とフィードバックが互いにループして、常に発展し続けるシステムができるわけです。
多分、ウェポン・システムの世界だけでなく、PC 業界でも同じことがいえるんじゃないかと。一度に完成品を出すのではなく、毎年のように発展していくという。
あ、バグやセキュリティホールがあっても構わないという意味じゃないですよ。根絶するのは無理としても、なくす努力は必要ですから、そこんとこ誤解なさらないで。んじゃ。
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Sep 15, 2005
JDW (2005/8/24) に、"UK aims for New Afghan mission" という記事が載ってます。要旨は、アフガニスタンで NATO (というか ISAF) が担任範囲を同国南部まで拡大するのにともない、イギリス軍はアフガニスタンへのコミットメントを強化、旅団規模の部隊を 6 ヶ月単位でローテーションするというもの。最初に展開する第 16 航空強襲旅団の展開時期は、2006 年の 5-6 月頃となってます。
どうしてこれがイラクに関わってくるかというと、イギリス軍ではアフガニスタンでの部隊増強に必要な戦力を捻出するため、イラク派遣部隊の規模を縮小するため。ただし、原文では "will reduce the size of the UK contingent in Iraq" となっており、全面撤退とは書いてません。
また、オーストラリア軍の動向に関する記事は、この号も含めて JDW には出てきていません。
この話に関する日本国内での報道が実にあやふやで、「イラクのイギリス軍が全面撤退」なのか「サマワから撤退」なのか、そこのところが極めて不明瞭です。MoD が公式に何か発表するまでは、憶測や願望であれこれいわず、静観するのが賢明じゃないでしょうか。
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http://jitoh.seesaa.net/article/56390647.html#comment より引用