ブーツ購入記@2004年6月 (前編)
一見したところでは、みんな同じに見えるスキーブーツですが、やはり上級者用と初級者用では、いろいろ違うんだそうです (無論、値段も違いますけど、そういう話じゃなくて)。具体的な相違点としては、「固さ」「幅」「インナーの違い」があります。
まず「固さ」ですが、初級者用は柔らかく、上級者用ほど固くなります。固い方がパワー伝達は確実になりますが、下手なうちにあまり固いブーツを履くと、自由な操作を妨げて、却って上達を妨げるのも事実です。
「幅」は、初級者用は幅が広めで、上級者用はタイトになります。もっとも、これは人種ごとの違いも考慮する必要があって、一般的に日本向けは欧米向けよりも幅広・甲高とのこと。
最後に、インナーの違い。
実は、スキーブーツというやつは「インナーブーツ」と「シェル」の二重構造になっています。高いやつだと、そのインナーの材質が違っていて、熱整形 (熱を加えながら形を整える)、あるいはフォーミング (足の形に合わせてカスタムメイド) といった方法を使って、一人一人の足に正確に合わせることができます。それが、安いやつだとサイズ合わせが大雑把になります。はっきりいえば、緩めに作ってあります。
基本的には、痛い目に遭わないことが重要です。足に合わなくて当たる部分があり、滑る度に痛い思いをしていたら、スキーが楽しくありません。だから、初心者・初級者用のブーツは、ゆったりしたサイズでできていますし、それでも間違いはありません。ところが、ある程度上手くなってくると、緩いのも問題になります。ターン中に足がぶれると、板をちゃんと操れなくなってしまいますから。
ちなみに、スキーブーツにも「寿命」があります。それを左右するのが、シェルの劣化とヘタり。「加水分解」といって、シェルを構成しているプラスチックの分子構造がいかれてきて、ある日突然バラバラに、なんてことが起こります。そこまでいかないまでも、長く使っていれば、だんだんとヘタってきて、ヤワになってくるもののようです。
シーズンあたりの出動日数が一桁、というフツーのスキーヤーならまだしも、私みたいに狂ったような勢いで出動していると、劣化が早いかもしれません。どっちにしても、使わなくても劣化するものなので、4-5 シーズンぐらいで代替するのが無難とされているようです。
といったところで、話は 2003-2004 年シーズンに遡ります。
「パラレルターンを覚えたて」から始まった 2003-2004 シーズン、終盤の 3 月には板を買い換えたりもして、少しずつ上達してきてるかも… と思うようになってきたのですが。んが。
滑走スピードが上がり、たまにはショートターン (のようなもの) もするようになってくると、嫌なことに気づいてしまったのですね。どういうことかというと、きついターンをしたときなんかに、ブーツの中で足がぶれるんです。
板をきちんとコントロールできないと、ズレもキレもあったものではありません。なのに、ターンして強い力がかかると、ブーツの中で足がぶれる。それは困ります。コントロール不可能になってしまいます。
そこで、シーズンが終わってしばらく経ち、おそらくは旧モデルの在庫処分中だろうと思った 6 月某日に、神田に繰り出しました。シーズンが終わり、翌シーズンに向けたニューモデルが出てくる少し前の時期で、在庫処分で安く買えるんじゃないか、という狙いがありまして。
で、3 月に板を買ったのと同じ某店で、「いま使っている奴は、痛くないのはいいけど少し緩くて、きついターンをすると足がぶれるんですぅ」と話しました。
(続く)
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