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Sep 06, 2005

チューンアップって、何するの ?

クルマの世界で「チューンアップ」というと、エンジンやサスペンションに手を入れて速く走れるようにする、「走り屋御用達」のイベントです。つまり、フツーのドライバーには縁のないものといってよいでしょう。

スキーの世界にもチューンアップという言葉がありますが、クルマと同じつもりで考えると、いささかカン違いになります。もちろん、人によって要求される作業の内容はいろいろ違うのですが、「何もしないでいい」ということだけはありません。具体的にどんなことをするかというと、

・エッジ研ぎと角度の調整
・滑走面のフラット出し
・ホットワックス

といったあたりがメインです。

まずエッジですが、シーズンを通じて酷使した板はたいてい、エッジがガタガタになっています。これは、小石やブッシュを踏んだり、あるいは下手なうちだと板同士を重ねて踏んでしまったり、といった事情によります。
エッジの状態が悪いと、滑りの質にも影響してくるので、エッジは常にいい状態を保ってあげたいところです。

あと、「角度の調整」ですが、これは滑走面側 (ベースエッジ) と側面 (サイドエッジ) について、0.5 度から 1 度ぐらいずつ削り落として、エッジがひっかからないようにする、というものです。
削る角度次第でエッジの食いつきが違ってきますが、初心者・初級者のうちはエッジの食いつきが良すぎても具合が悪いので、あまり強い角度はつけません。

滑走面のフラット出し。これは簡単ですね。滑走面が凸凹してると板の滑りが悪くなりますし、ワックスをかけるのもうまくいきません。そこで、サンディングといって、サンドペーパーの親玉みたいな機械を使って滑走面を削って、平らにします。これで、滑走面についた浅い傷ぐらいは消えてしまいます。もし、サンディングしても消えない傷があれば、リペア作業で埋めてもらいます。
たまに「大外れ」な板があって、フラット出しをやろうとしたら滑走面の凸凹がひどすぎて、エッジが無くなりかける場合もあるようです。そんな板に当たったら悲惨です。

ホットワックスは、以前にも書いた話です。ただし、チューンしたときにかけるホットワックスは、基本的には保管時の表面保護用。シーズンが近付いて「さあ滑るぞ」となったら、いったんワックスをひっぺがして、自分で好みのワックスを塗り直します。

オプションで「ストラクチャー」というのがあり、滑走面に細かい凸凹のパターンをつける場合があります。これは排水性を向上させて、滑りを良くするするのが狙いだそうですが、上級者やエキスパート、あるいはレーサーの人でもないと、却って面倒の元かもしれません。
というのは、ストラクチャーを施した板にホットワックスをかける場合、いちいちストラクチャーの凸凹からワックスを掻き出す必要があるから。自分の場合、まだ脚前はヘタレだし、ストラクチャーからワックスを掻き出すなんて面倒だということで、ストラクチャーは入れてもらってません。だから、滑走面は平らです。(メーカーによっては、出荷の時点ですでにストラクチャーを入れてる場合があるんですよね… もっとも、それは上級者向けの板に限った話ですけれど)

ちなみに、チューンアップに出す時期ですけど、基本は「シーズンが終わったら出す」です。でも、「スキーばか」の度が増して、10 月頃からカキ氷の上で滑るようになると、その時点で板が傷んでしまいます (経験談)。
私はシーズン中に板を買い足したので、シーズンの初めと終わりは古い板で滑り、ハイシーズンに新しい板、という分担にしました。で、古い板はシーズン初めの時期をクリアしたところでチューンに出すわけです。

P.S.
私が使っている主力戦闘機、サロモンの DEMO 9 Pilot 3V は、買った時点で滑走面が真っ平らという「大当たり」な板でした。2 月半ばに買って家に持ち帰った後、滑走面の状態をチェックしたら問題なかったので、そのままホットワックスだけかけて、3 月下旬まで使ってました。シーズン途中に買った板なので、チューンアップに使う時間が惜しかったから。
でも、最近のカービングスキーは幅が広いので、たいてい、滑走面がフラットになっていないようです。メーカーの倉庫における保管状態が悪い、なんてケースもあるようですし。そんなときには「プレチューン」といって、フラット出しとエッジ研ぎ、それとホットワックスをやります。通常のチューンアップと違うのは、リペア工程がないこと。新品でリペアが必要だったら、怒っちゃいますけどね。

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