ターン弧やターンの間隔を変えてみよう (ビビリ・急斜面克服 1)
小学校の算数の授業なんかで「角度」について習ったときには、「30 度」というと、とても緩い傾斜に思えたものです。ところが、スキー場で「30 度」の斜面の上に立つと、とんでもない崖に見えます。いや、30 度どころか、初心者・初級者のうちは 20 度でも大壁です (経験談)。
斜度もスピードも、根本的には慣れるしかないんですが…
そもそも急斜面になると何が怖いかというと、スピードが上がるのに制御できなくなって、あらぬ方向に突っ走るのが怖いわけです。よく初心者の女の子がやってますが、「きゃー、止まれない」というやつですね。
だから、ビビリと急斜面を克服するには、
・スピードに慣れる
・いついかなるときでもスピードを自分の意思で制御できる
の 2 点を身につけることが必要です。もっとも、スピードにばかり慣れてしまって、単なる暴走野郎になっちゃっても困りますけど (それはひょっとして、自分のことか)。
まず、緩斜面で自信を持ってターンできるようになってきたら、同じ斜面のままで少しずつスピードを上げて、板を走らせてみましょう。
スキッディング系のパラレルターンでは角付けが少なく、ターン中は板がずっと横滑りしています。ですから、それによって運動エネルギーが吸収されて、ターンするにつれてスピードが落ちていきます。つまり、ターンしている間にスピードが落ちるのであれば、ターンしている時間を長くとることで、それだけスピードを落とせることになります。
そこで、斜滑降を挟んで左右のターンをきちんと切り替えられるようになったら、だんだん斜滑降の時間を減らして、素早く切り替えられるように練習してみましょう。これで「ターンによる速度制御」になります。
(もしもうまくいかなかったら、もう一度、斜滑降を挟んでやり直し)
逆に、ターンとターンの間に斜滑降している時間が長いと、それだけスピードが上がります。
一方、ターン弧の調整は、股関節を使って板の向きを操作してやることで行ないます。回り方が少ないなと思ったら、回転の内側に板を回し込んであげると、ターン弧が小さくなります (これをスピーディーにやると、ショートターンになります)。逆に、板が回るのを抑えるように操作すれば、ターン弧は大きくなります。
つまり、
・ターンを小刻みに繰り返す
・ターン弧を深くする
といった方法でスピードを落とせますし、逆に
・ターンとターンの間隔を広げて、斜滑降で直進する時間を増やす
・ターン弧を浅くする
といった方法でスピードを上げることができます。
まずは斜度の緩いところで、いろいろ試してみてください。どんどん板を走らせてスピードに慣れるのも、練習のうちです。
なお、スピードが上がってきたときに、急激にエッジを立てないように注意してください。いまどきのカービングスキーは、エッジを立てると一気に「キュン」と回り込んでくることがあるので、びっくりさせられます。特に、短い板、柔らかい板、サイドカーブがきつい板はそうです。常に少しずつ、優しく操作するようにしましょう。
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