板を信じよ (基礎パラレル 3)
正しい位置に乗って、足裏全体に体重がかかった状態でターンを始動すると、角付けして、股関節で板を回してきっかけを作ってやることで、板がスーッと回ってきます。本当です。「フォースを信じよ」ではなくて「板を信じよ」。逆にいえば、板が回ってこないのは、それなりの理由があるってことです。
もちろん、自分で積極的にターン弧を大小いろいろと変えたりしていくようになると、板の回転性能に頼るだけでは駄目で、積極的に回しこんでいく操作が必要になることもあります (例 : ショートターン)。
でも、ここで書いているのはそれ以前の問題ですから、板を横ずれさせてスピードを殺しながら、ゆっくりと向きを変えていける程度でよいでしょう。最近のカービングスキーは、正しい位置に乗って角付けしてやれば、ちゃんと回旋を始めるようにできています。だから、板を信じましょう。
ただ、この段階ではエッジを立てすぎないように注意してください。あまりエッジを立ててしまうと板が突っ走り始めるし、反対方向のターンに移るのが難しくなります。最初のうちは、少しだけ角付けして、横ずれさせながら回っていく方が安全です。それに、横ずれさせることで運動エネルギーを吸収できるので、スピード制御にもなります。
そこで、板選びにも関わる問題が出てきます。
カービングスキーは、側面が真っ直ぐではなくて、円弧状になっています。いわゆる「サイドカーブ」というやつで、モデルによって、円弧がきついものもあれば、緩やかなものもあります。初めてスキーを履くような人は、サイドカーブがあまりきつくない板の方がいいです。
というのは、サイドカーブがきついと、角付けの度合を深めていったときに、サイドカーブに合わせて板が強くたわむので、それだけ急激に回旋します。初心者のうちにそんな事態に遭遇したら、パニックになって暴走するかもしれません。それで立ち木に突っ込んだりしたら洒落になりません。
そんなわけで、サイドカーブが緩い板の方が、(一般的な傾向としては) 挙動が穏やかでよいです。もっとも、板の固さなんかも影響してくるので、サイドカーブだけですべて決まるわけではないですが。
サイドカーブの度合は、半径何メーターの円弧に相当するかという表記をします。
たとえば、私が使っている SALOMON の DEMO 9 Pilot 3V (155cm) は、R=11m、つまり半径 11m の円弧に相当するサイドカーブがついています。これは、現時点で売られているスキーの中ではきつい部類に入ります。不慣れなうちに、こんな過激な板を買っちゃいけません。
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