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Sep 06, 2005

ターン時の動作を洗練させる (基礎パラレル 4)

前回まで書いてきた方法を使えば、緩斜面で、基本的なスキッディング系のパラレルターンはできると思います。
スキッディング系とは、板が横滑りしながらターンするもので、進行方向は、板の前後方向よりも (横滑りしている分だけ) ターン外側に向かうことになります。それに対して、直滑降や斜滑降では横滑りしていませんから、板の向きと進行方向が一致している、という違いがあります。

ただ、言葉でいわれても、最初はなかなかその通りに身体が動かないのはよくある話。注意点とか、コツなんかをまとめておきましょう。

◎ターン運動とは、遠心力とのバランス
自転車やバイクでカーブを曲がるときに、車体を内側に傾けます。その理由は、遠心力と釣り合いを取るためです。
スキーも同じです。ターンすることで遠心力が発生しますから、ターン外側の脚 (いわゆる外脚) に大きな力がかかります。左ターンなら右脚、右ターンなら左脚が、外脚になります。

スピードが上がってくると事情が変わりますが、最初は上体を常に真っ直ぐ伸ばすように心がけて、股関節から下の部分で、遠心力と釣り合いを取るための左右の傾斜をコントロールする方がよいでしょう (以下の写真を参考に)。

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なお、ターン時に上半身をどちらに向けるかについては、2 種類の方法があります。
ひとつは、冒頭の写真のように、常に斜面の下の方を向いたままにする方法。いわゆる「外向傾姿勢」というやつです。ショートターンを覚えるようになると、外向傾姿勢は必修科目です。
もうひとつは板の進行方向に向ける方法です。この場合、左ターンすれば身体も左を向き、右ターンすれば身体も右を向きます。斜滑降でターンとターンをつなぐのであれば、こっちの方がやりやすいでしょう。

◎あくまで、動作はゆっくり、スムーズに
急に沈み込んだり、逆にピョンと伸び上がったりすると、ターンがバラバラになります。上下動はあくまで、ゆっくりスムーズに。また、ターンを仕掛けるところで沈み込み、ターンから抜け出すところで伸び上がる、という原則を忘れないでください。身体を沈みこませながら外脚に乗ることで、ターンを仕掛けるわけですから。
上下動の力を借りる理由とは、身体を落とすことで角付けがやりやすくなるのと、ターン始動のきっかけ作りになる、という二点です。

特にありがちなのが、上下動がほとんどできない人と、真上に伸び上がってしまう人。上下動ができないと板の操作が難しくなるので、ターンがターンにならず、真っ直ぐ進んでしまいます。
また、真上に伸び上がってしまうと、伸び上がっている間に足元はどんどん移動しているので、上半身が置いていかれて、結果的に「空気椅子」に座っているような姿勢になって回復不可能になってしまいます。斜め前方に向かって伸び上がるくらいで、ちょうどいいです。

◎上下動は太腿の角度で操作する
これは「後傾」問題とも絡んでくるのですが、腰から上は動かさずに、膝と股関節を使って太腿の角度を調整することで、上下動を行ないます。

◎最初は必ず、ターンとターンを斜滑降でつなぐ
ターンとターンの間に斜滑降を入れるのは、いったんニュートラルな直進時の姿勢に戻して、それから次のターンに入るようにするためです。慣れないうちは、その方が確実です。(慣れれば、瞬間的に切り替えられますけど)

◎棒立ちにならない
外脚を突っ張った状態にしないで、常に適度に曲げた状態を維持します。斜面との位置関係が原因で、外脚よりも内脚の方が曲がった状態になるはずです。ターンとターンの間に斜滑降を挟むのは、この状態を元に戻して、反対方向への動きに入りやすくする、という理由があります。

◎エッジを立てすぎない
「エッジを立てる」とは、雪面に対して大きい角度を取るという意味です。エッジと雪面の角度が大きくなると、それだけ食い込みが強くなるので、板がまっすぐ走ってしまいます。最初のうちは、ズレながらゆっくりターンするぐらいでちょうどいいでしょう。

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