リペリング体験@陸上自衛隊
数年前、防衛庁広報誌「セキュリタリアン」の取材で、陸上自衛隊の朝霞駐屯地にお邪魔したことがあります。午前中は演習場を走り回り、午後はリペリングをやりました。
ご存じない方のために説明すると、リペリングとはホバリング中のヘリから人を下ろすために使う方法です。自分の身体にロープを巻いて「座席」を作り、それとヘリから地上に垂らすロープをカラビナという金具でつないで、ヘリから地上に向かって滑り降ります。
(これは本物のリペリング。http://www.eae.jgsdf.go.jp/12b/06topic/souritsukinen1.htm より転載)
ちなみに、カラビナを使わず、ロープを掴んで滑り降りるファストロープという方法もあります。こっちの方が速く降りられますが難易度も高いので、スピードを重視する特殊作戦部隊が主に使っています。映画「ブラックホーク・ダウン」の始めの方で、ヘリから降りようとしたレンジャー部隊の兵士が地上に落下する事故が起きますけど、このときやっていたのがファストロープ。手で掴んでいるだけなので、手を離したら墜ちます。
ただし、取材ごときで本物のヘリを使うわけには行かないので、演習場の片隅にある高さ 12m ぐらいの鉄塔を使います。
なんでも、この訓練用鉄塔の高さは「人間がもっとも怖さを感じる高さ」なんだそうです。しかも、ただ飛び降りればよいというものではなくて、ロープが反動で振られてしまうことがないように、上手に飛び出さないといけません。そうしないと、自分が鉄塔にクラッシュしてしまって危険です。
で。このリペリング体験のときに、東部方面総監部の報道班長・S さんが、こういって煽る (?) わけです。
さすがに、ここまで言われたら「できません」とはいえませんです。
ちゃんとやりましたとも。確か、一度ならず二度もやったような…
しばらくして、空自にいる知り合いを交えて宴会をやったとき、真っ先に掲載誌を出されて、さんざからかわれたというおまけつき。でもまあ、民間人でリペリング経験者って少ないはずなので、貴重な経験ができたと思ってます。
自分は鉄塔の上。近くでは施設科の人が訓練中。その一方で、駐屯地の敷地の外ではフツーの日常生活。なんだか奇妙な経験でした。はい。
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