いろいろなコンディションで滑ってみよう
「斜面」と一言でいっても、いろいろな種類があります。同じスキー場の同じコースでも、日によってコンディションは全然違います。そのため、簡単なバーンと難しいバーンがでてきます。
それなりにパラレルターンができるようになって、斜面に慣れてきたら、(コブやアイスバーンは論外としても) できるだけ、いろいろな雪質や斜面を体験してみるのも、いわゆるひとつの経験です。
斜度が急になるほど難しいのは当然です。斜度がきつい分だけスピードが出やすいので、スピードコントロールの技術が必要になるし、対応するための余裕時間も減りますから。ただ、斜度だけで難易度が決まらず、雪質や雪面の状態も影響するのが難しいところです。
そこで、簡単と思われる方から難しいと思われる方に向かって、独断と偏見で順位付けして並べてみました。
↑簡単
・圧雪したての新雪 (自由自在)
・普通の圧雪斜面 (まあ自由自在)
・積もりたてで誰も滑っていない新雪 (ときどき足をすくわれる)
・荒らされた後の新雪 (足元が安定しない・コブになりやすい)
・春や雨天のボテボテ雪 (板が走らない・コブになりやすい)
・フラットなアイスバーン (エッジがかからない)
・凸凹ができたアイスバーン (↑+足をとられる)
・柔らかいコブ (…)
・カチンコチンのコブ (……)
・さらに、溝が深くえぐれたコブ (問題外)
↓難しい
当たり前ですが、フラットな方が易しく、凸凹が増えると難しくなります。
まず、凸凹があると、それによって跳ね飛ばされて姿勢が乱れます。それに、好きな場所でターンできなくなるのも問題です。凸の部分でターンするとひっくり返るので凹の部分を狙うわけですが、「あっ、あそこで曲がらなくっちゃ。きゃー」とかいってパニックになったりします。
雪質は軽い方が好ましく、水分の多いボテボテの雪や、春スキーの時期の雪は、重くて抵抗が大きいので滑りにくくなります。板が滑らないと、ずらすのも難しくなり、その分だけ力を入れないといけないせいか、妙に疲れます。(でも、急斜面ではスピードが出にくい分だけラク)
また、アイスバーンではエッジを立てて食い込ませるのが難しいので、スピードを制御するという観点から見ると、難易度は高くなります。ずらしたときにも妙に滑りますから。
下半身で正しく板を操作できず、身体ごと振り回して「贋パラレルターン」をやっている人は、整備された整地の緩斜面なら平気でも、斜度が上がったり、コンディションが悪くなったりすると、たちまち馬脚をあらわします。ホントです。
そこで大事なのは、「ターンの基本は外脚荷重」という、スキッディング系パラレルターンの金言です。これができていれば、多少の凸凹があっても平気です。コブでもなければ、荷重された外脚で、多少の凸凹なら乗り越えていけます。
あと、身体は常にフォールラインに向けて、足が腰の下から大きく外れないようにすると、安定性が高まります。悪雪では身体を安定させることが大事です。
ちなみに、ボテボテ雪で板が走らないという問題。これ、早い時期から強引に、アイスクラッシュシステムの人工雪でオープンするスキー場 (例 : イエティ) にも共通する悩みです。これについては、フッ素に加えてモリブデンとかグラファイトとか、いろいろ配合したワックスを使ってホットワックスをかけると、ある程度、問題を解消できます。ホットワックスの話は、またそのうち。
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