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October 2005

Oct 31, 2005

100 隻のタンカー

以前、日経新聞が「米ボーイング社の 100 隻のタンカーが云々」という記事を載せたことがあります。「隻」はフネを数える際の単位ですから、ボーイングが造船業に乗り出したのかと勘違いした人は… いたんでしょうか。少なくとも日経にはいたわけですが。
ノースロップ・グラマンやゼネラル・ダイナミクスはグループ企業として造船所を抱えていますし、ボーイングもジェットフォイルを造ったことがあります。しかし、タンカー (油槽船) なんて造っていたかどうか、と不審に思われても無理はありません。

日常的になじみがある英単語でも、業界によっては意味が違ってくる場合がある、ということを知っておかないと、こういうポカをやります。もちろん、石油類を運ぶ油槽船のことも tanker といいますが、空中給油機も、陸軍が使う給油トラックも、これまた tanker といいます。つまり、件の記事は油槽船じゃなくて空中給油機のことだったんですね。

似たような話は他にもあります。たとえば tank。
tank というと、一般的には燃料タンクや潜水艦のバラストタンク、といった類の、液体を溜め込む場所を連想しますが、戦車も tank です。かつてはいろいろな種類がありましたが、現在では MBT (Main Battle Tank) にほぼ一本化されています。これを「主戦闘戦車」と直訳する場合もあります。イギリスで初めて戦車が開発されたときに、秘密保持のために偽った名称が、そのまま定着してしまいました。

ちなみに、戦闘機なんかが使う増槽は、用が済んだら投棄してしまうので drop tank といいます。つくりつけのタンクと区別しているわけですね。日本語が「増槽」だからといって、additional tank とはいいませんので御用心。

あと、wing。一般的には「翼」のことだと思われている単語ですが、米空軍の組織編制では「航空団」を wing といいます。航空団の麾下に、複数の飛行隊 squadron が入ります。その他の支援部隊もいろいろあって、これらは分野別に○○群 (○○ group) としてまとめられています。運用群 (operations group)、兵站群 (logistics group)、支援群 (support group)、医療群 (medical group) といった具合です。
この group という言葉は、たいていの場合「群」と訳せば間違いありません。

ちなみに、地域別、あるいは任務別に航空団を複数まとめて、航空軍 air force を編成します。空軍そのものも Air Force ですが、航空軍は番号を付けて "1st Air Force" といった具合に呼称するので区別できます。似たような例に、陸軍における軍 (army) があります。これは軍団 corps を束ねたもので、やはり番号で区別します。

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Oct 29, 2005

チャンポンのイニシエーション

オウム真理教のおかげで、「イニシエーション」という言葉のイメージもすっかり悪くなってしまいましたが、本来は「開始, 創始, 創業」「加入, 入会, 入門, 入門式」といった意味の言葉です。(according to Microsoft Bookshelf 3.0)

オフィスが新宿の K ビルにあった頃の話です。
当時、MSKK 社員の昼飯/晩飯スポットというと、線路をくぐった先の歌舞伎町側か、あるいは小滝橋通り周辺のエリアでした。その歌舞伎町側、西武新宿駅の近くに、「北京」というお店があります。MSKK にやってきた新人はたいてい、このお店に連れて行かれるのが常でした。

この「北京」の名物はチャンポン。といっても、いわゆる長崎チャンポンとは別物で、海鮮系の具をメインにして、唐辛子で真っ赤っかにしたやつです。かなーり辛いです。有無をいわさず (?) これを食べるのが、新人にとっては半ば恒例のイベントでした。かく申す私も、この洗礼を受けた一人だったりします。

カレーを筆頭にして、辛いものは基本的に好きな私ですが、これはちょっと舌に合わなくて苦労させられました。最初の一度きりで二度と頼まず、「北京」に行っても違うメニューばかり選んでいたのですが、中には癖になっちゃってて、このチャンポンを頼んでは真っ赤っかなスープを全部飲み干してしまう人も。私はそれを見て

( Д) ゚ ゚ ポカーン

このお店、ググってみると今も健在みたいで、チャンポンも相変わらず存在しているようです。チャレンジなさりたいという方を止めはしませんが、自己責任でどーぞ。

そういえば、昼飯を終えて山手線のガード下を歩きながらオフィスに戻る途中、向こう側から古川さんが一人で、タッタッタッと走ってきたことがあったような…

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Oct 26, 2005

川と噴水とビールと花火

古川さんの blog に触発されて、前から暖めていたネタを投下。

会社が笹塚に引っ越した後で、引っ越し作業に関わった関係者が集まって、バモラで慰労会をやりました。今だったら業者を入れてやらせてしまうところですが、昔は社員が自ら作業することも多かったのです。
この慰労会には、引っ越しに際していろいろと肉体労働した私も呼ばれていたのですが、その宴会の席で財務部長 (当時) の I さんが真剣な顔で、こんな趣旨のことをおっしゃっていました。

「夏になったら、裸足になってここの前の川に足を突っ込んで、ビールを飲みながら花火を上げる奴が出ないかと心配なんだよ」

川というのは、前に書いた、バモラ公園の中を流れる川のことです。いちばん上 (京王線に近い側) に噴水か何かがあって、そこから下流に向かって流れてきている川です。一応、両側に石を積んで仕切ってあるので、そこに座るとちょうどいい感じなのですね。

実際には、誰もそんなことはしなかった (と思う…) のですが、心配するということは、そう思わせるだけの "実績" があったということ。最近では普通の会社になってきたようですけれど、昔は「仕事はハードにやるけれど、ハメを外すときも盛大にやる」という雰囲気がありました。なんというかこう「サムライ集団」という感じがありましたね。中には、ちょっと公開の場には書けないような話もあります (犯罪って訳じゃないです YO!)。

でも、会社が大きくなって知名度が上がってくると、あまりハチャメチャにハメを外せなくなってしまうのも確か。会社が大きくなる上では避けて通れない通過儀礼みたいなモノですね。

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Oct 24, 2005

領収書の宛名

いかんいかん、ずいぶんと間が空いてしまった。

フリーで仕事をしていると、「領収書」はとても大事です。仕事で使った経費の証明になるから、現金と同等の価値があります。といっても、実際に得になるのは「額面の数字×税率分」だけですけれど。

私の苗字は比較的メジャーですから、「宛名はいかがいたしますか ?」と訊かれたときでも「井上、としてください」でたいてい通じます。念を押すなら、「井戸の井に上下の上」で OK。
ところが、いつぞやの秋葉原デパート内書店では、これが通じませんでした。「井戸」が分からなかったみたいです。最近の若い子って、そういうもんですかねぇ。

「井上」なんていうメジャーな苗字でもこれですから、横文字の長ったらしい名前が多い IT 業界で、会社の名前で領収書をもらうのは結構面倒です。なにせ「マイクロソフト」ですら怪しいもので、笹塚あたりの商店街のおばちゃんにかかると「マイクロさん」になってしまうという有様。もっと長くて、かつ、一般的にはなじみの薄い単語を使った社名を持つ会社にお勤めの方なんかは、さぞかし苦労なさっていることでしょう。

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Oct 14, 2005

セブンイレブンと深夜のタクシー

会社が笹塚に引っ越してからしばらくして、近所にセブンイレブンができました。

となると、昼飯の調達に行く社員が続発するわけです。普通の会社と違って、12:00 になったら一斉に昼休みというわけではありません。キリのいいところで適当に休みます。でも、お腹が空く時間なんてさほど違わないですから、コンビニに昼飯の調達に行く人も、同じような時間帯に集中します。その結果。

お弁当を暖めるための電子レンジは、普通は 1 店舗につき 2 台ですが、ピーク需要をさばききれなくなりました。そのため、レジの行列がどんどん伸びてしまいます。結局、開店からしばらくして、このセブンイレブンは電子レンジを 1 台増設する羽目になってしまったのです。ほんの 1 時間足らずのために。ピーク需要をさばくために線増をやらなければならない鉄道会社と似た立場ですね。

コンビニが近所にできて助かるのは、深夜まで、あるいは徹夜で仕事をするとき。夜中になると、なんとなく腹が減りますから。そして、夜中に裏の通用口から外に出ると、NA ビルの前に並んで客待ちしているタクシーの一群から、モロに視線を感じるのです。
なぜ、笹塚駅ではなく NA ビルの前でタクシーが客待ちをするかって ? もちろん、電車がなくなってからタクシーで帰る MSKK の社員を狙ってのことです。口コミで話が広まったのでしょう。

でも、並んでいるタクシーの方ではなく、反対側のセブンイレブンの方に向かうと、背後から「なんだよー」という感じの落胆した雰囲気を感じます。気のせい ? いや、きっとそんなことはないはず…

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Oct 09, 2005

超なつかしい Windows 用語と言えば ?

http://pc8.2ch.net/test/read.cgi/win/1107448764/

懐かしい単語がいっぱいで、楽しいですね~

ちなみに、「オブジェクトパッケージャ」は、台湾版 Windows だと「物件包装程式」といいます。もちろん、「マイコンピュータ」は「我的電脳」です。でも、ここのスレ住人の中には、微妙に記憶違いをしている方も少なくないようで。たとえば、MSCDEX は「.COM」じゃなくて「.EXE」です。
(追記 : 御存じない方のために説明すると、オブジェクトパッケージャとは、OLE - Object Linking and Embedding - に対応していないアプリのデータを、OLE 対応アプリの文書内に OLE オブジェクトとしてぶち込むためのツールじゃなかったかと。間違ってたらゴメン)

最近は「Pentium OverDrive プロセッサ」なんていっても通じないんだろうなぁ。
これは、80486 用のソケットに取り付ける、Pentium のコアを流用した OverDrive プロセッサで、クロックは 83MHz。でも、体感性能的には、DX4/100MHz のコアを使った奴と大差ありませんでした。私はこれらを会社で、COMPAQ の名機・DESKPRO 66M に搭載して使ってましたっけ。どっちの種類でも、OverDrive プロセッサは動作保証外でしたけど、ちゃんと動きましたよ。

ところで、拙宅にある PC-H98 model 90-002 を再稼働させて「大戦略 II」で遊びたいんですが、電源が死んでて動きません。誰か、H98 model 90 の電源をお持ちでしたら、御一報いただけると嬉しいです。

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Oct 06, 2005

コーヒー中毒

さあ、気合入れて仕事するぞ !
というときには、まずコーヒーを 1 杯用意するのがお約束。そういえば、米陸軍の野戦教範には「コーヒーは体力・気力の源である」と書かれているとかいないとか。これがイギリス陸軍だと、当然ながら「お茶」に変わるわけですが。

以前は、拙宅におけるコーヒーの消費量は限りなくゼロに近かったし、外出してもコーヒーに手を出すことはあまりありませんでした。それが大きく変化してしまったのは、マイクロソフトにいた 7 年間。いつのまにやら、コーヒーが手放せなくなっていたのでした。そうなると、出先でちょっと休もうとかいうときにも、まず「コーヒー 1 杯」。人間、変われば変わるもんです。

もっとも、在職中の私は自販機のコーヒーで済ませていましたけれど、人によっては「自販機のコーヒーは嫌だ」といって、自席にコーヒーメーカーを持ち込んでいたりもしました。それもなかなか気合の入った話です。

会社を辞めたからといってコーヒー中毒が改善されるはずもなく、朝から晩まで何杯も飲んでいる今日この頃です。ヨドバシのポイントで入手したコーヒーメーカーを使い、スタバで豆をいろいろ買ってきて試すのが楽しみ。
いま飲んでいるのは「エステートジャバ」。そんなに重たくなくて、フルーティでいい感じの豆です。

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Oct 02, 2005

オフィス移転と TV ドラマのロケ

私が入社したとき、オフィスは新宿 (というか大久保に近いよな) の K ビルにありました。中央線と山手線が分かれるあたりの線路際で、南端から下を見下ろすとライブで鉄道模型をやっています。古川さんあたり、さぞかし楽しめたことでしょう (自分もだよ)。

入社から 1 年後に、笹塚に引っ越しました。ここは、笹塚 NA ビルというオフィス棟と「東京バモラ」という食い物屋が集まった建物の二本立て。そして、両者の中間にちょっとした小公園が作られていたのですが、そこが「バモラ公園」と呼ばれていました。ふたつの建物に挟まれて、川が流れてたり噴水があったりと、狭いながらもいい雰囲気です。(今ではバモラもなくなってしまったので、「バモラ公園」なんていうとトシがばれますが)

そのせいか、この「バモラ公園」では TV ドラマのロケをよくやってました。最初はいつだったか「キョンキョンと明菜が来てるよー」と社内が騒ぎになって。その後も、「あすなろ白書」を見たら石田ひかりがバモラの窓ガラスに張り付いてるのに気付いて仰天したことがありました。

でも、なんといっても個人的印象が強いのは「妹よ」。「バモラ公園」の小川にかかったちっちゃな橋があって、そこに唐沢寿明が立ってたものだから、手空きのときに NA ビルの側から見物する人がチョコチョコと。
さらに、仕事が終わって深夜、代々木上原の駅まで歩こうと外に出たら、バモラ公園に電話ボックスを仮設して和久井映見が電話かけてるのも見かけました。

その後、オフィスは調布に引っ越すわけですが、それに先立って調布オフィスの見学会があったときに「ここじゃ、TV ドラマのロケも来そうにないなあ」とぼやいたのは私です。もっとも、調布は映画関係の会社や石原プロがあったりして、ロケ地になりやすそうではあるんですが、生憎と「バモラ公園」みたいなのがなかったもので。

そういえば、調布に移転した直後には「電話がつながらない」と騒ぐ人が何人もいました。その理由は、「03」をつけるのを忘れたから。調布の市外局番は「0424」ですからね。なんだかなあ。

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