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Dec 26, 2005

軍事英語入門 I

軍事の世界で使われている英単語の中には、「この業界でしか出てこない単語」だけでなく、「一般的に馴染み深いけれど意味が違う単語」、あるいは「一般的に馴染み深い単語とは似て非なるもの」があります。

まず、前者の例として "range"。
軍事の世界でこの言葉が出てくると、「距離」を意味する場合が多くなります。レーダーやソナーの探知可能距離、銃砲類やミサイルの射程距離、航空機や艦艇の航続距離、いずれも "range" です。ただし航続距離の場合、行動半径を意味する "radius" を使う場合も多々あります。片道か往復かの違いですね。"mission radius" なら「作戦行動半径」でしょうか。

ところが、軍事の世界で "range" というと、もうひとつの意味があります。それが「射場」。実弾射撃訓練をやるために、陸上、あるいは海上の特定区域を占有して利用することがありますが、そういう場所のことを "ほげほげ range" といいます。ただし、訓練や演習ではなくて実験を行う場所だと、米陸軍のように "proving ground" と称するケースがあり、Aberdeen Proving Ground や Yuma Proving Ground が知られています。

もうひとつ。"motor" と紛らわしい "mortar"。
一般的には mortar というと「モルタル」のことですが、軍事の世界では通常、「迫撃砲」を指します。昔は臼砲というものがありましたが、これも mortar です。イラクで武器集積所 (weapon cache) が見つかったというニュースが出てくると、たいてい「mortar round が○○発、artillery shell が○○発」というように、迫撃砲と榴弾砲の弾は別のモノとして扱われています。さらに、小火器の弾は ammunition、対空砲弾は anti-aircraft artillery round といった具合に、それぞれ別のモノとして扱われます。

弾薬には他にもいろいろあるので、その辺の英語については、またそのうち。

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Comments

 某所でお世話になっているKWATです。このブログの記事ではなく本家サイトの今週のオピニオンなんですが、ホーネットの採用国にクウェートが抜けちょりますよ。

Posted by: KWAT | Dec 29, 2005 02:21 AM

おお、うっかりしていました。帰宅したら訂正しておきます。

Posted by: 井上 | Dec 29, 2005 07:28 AM

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