That Others May Live
何かと話題のアニメ「よみがえる空」で舞台になっている、空自の救難隊。米軍も含めて、救難隊のモットーとして知られているのが "That Others May Live" というフレーズ。正式には
"These things we do, that others may live."
といいます。では、"These things" ってどんな行いのこと ?
実は、"These things" とは救難隊の部隊章に描かれている絵柄のことで、女神 (?) が天空から救いの手を差し伸べる行為、つまり救難活動そのものを指しているのですね。著作権の関係があるんでかっぱらってくるのは避けますけど、"That Others May Live" をフレーズ指定して Google イメージ検索か何かをかければ、すぐに何点か出てきます。
つまり、このモットーはサバイバーに対して「生き残るであろう者達よ、我等は (部隊章の絵柄に書かれている) 行いをなさん」と呼びかけているのですね。
Comments
亀レスですが・・・
These things we do that others may liveは、USAF初代air rescue service司令官Brig Gen Richard Kightの定めた全文の最後のセンテンスで、It is my duty, as a member of the Air Rescue Service, to save life and aid the injured. I will be prepared at all times to perform my assigned duties quickly and efficiently, placing these duties before personal desires and comforts.に続くものです。よって、These thingsは通常、I will be以下を指します。
(参照)AFDD 2-1.6 P2
http://www.dtic.mil/doctrine/jel/service_pubs/afdd2_1_6.pdf
Posted by: kage | Jan 19, 2012 01:02 AM
おお、勉強になります。ありがとうございました。
元をたどると、けっこう長い文面なんですねえ… そこから削ぎ落として肝心要のところだけ残したのが、件の 4 語ということになるのでしょうか。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jan 19, 2012 12:36 PM
そのとおりです。ちなみに、空自の救難部隊の中でもTHAT OTHERS MAY LIVEの言わんとしていることは理解されていても、文法的にTHATが関係代名詞ではなくて接続詞だということはあまり知られていなかったりします(苦笑)。あの石川潤一氏も過去の軍事研究誌上でちょっと誤った記事を書いてらっしゃったりします。正確な理解がなされていない気がします。
Discovery Channelが米国内で放送した特集に「Pararescuemen - That Others May Live 」というものがあり、私は個人的にVHS版を購入しましたが、この特集の最後に米空軍のPJ訓練生が晴れてベレー帽を手にした後、誓いの言葉として全文を読み上げる、との説明があります。
※ソマリア(ブラックホークダウン)やパーフェクトストームでの活動に参加した将兵のインタビュー満載で資料価値も極めて高く、本ビデオに日本語訳を付けて某救難隊内で教育に使ったりしています。
Posted by: kage | Jan 22, 2012 01:02 AM
基本的な英語資料であれば「なんとかなる」と思っていても、歴史や文化といった類のものが関わってくると難しいなあ、と思い知らされました。その点、技術的な話の方が、まだしも楽だなあと。
でも、その歴史や文化が重要なんですよね。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jan 22, 2012 07:52 AM