軍事英語入門 III (空母関連)
F-14 が最後の戦闘任務を実施したそうです。詳しくは、金曜日の本館定期更新で。
このニュースを報じる米海軍のリリースで、"trap" という言葉が出てきます。これは、空母に艦載機を着艦させる行為を指しています。普通、着陸は landing といいますが、空母に降りる場合は皆さん御存知のように、着艦拘束装置で強引に機体を止めるので、こういう言葉を使うのでしょう。
ちなみに、着艦拘束装置は arresting gear。arrest というと警察が犯人を捕まえるときなんかにも使う言葉ですが、「拘束」という訳語も同じです。機体側に付いているのは arresting hook といって区別します。別名 tail hook といいますが、艦載機乗りの集まり・テイルフック協会 (前にセクハラ事件で槍玉に挙がりましたね) の名前も、当然、ここから来ています。
最後の F-14 飛行隊となったのは VF-213 "Black Lions" と VF-31 "Tomcatters"。スパホへの転換時期の関係で、公式には VF-31 が最後ということになるそうです。どっちを最後にするかは、ニックネームを見て決めたとか (笑)
海軍の固定翼飛行隊はすべて "V" で始まる部隊名ですが、この場合の "V" とは翼を意味する象形文字、という由来があります。空母の艦種記号 "CV" も、Carrier と、翼を意味する "V" をくっつけて決まったものです。
その空母に乗る航空団を CVW というのは、"CV" に乗艦する Wing だからですね。昔は Carrier Air Group、略して CAG といっていましたが、今は Carrier Air Wing で、略語が CVW と食い違っています。CAG はというと、CVW 指揮官を意味する言葉になっています。
Comments
聞けば、トムキャットは燃料を食うので飛ばすのに経済的でなかったとか。フェニックスは一度も使用されることなく、トムキャットと共に去りますか。トムキャットがいなくなると甲板の上が寂しくなりますね。
Posted by: 通行人 | Feb 17, 2006 02:54 AM
これで大戦略や戦闘国家シリーズからトムキャット消えたらどうしよう(汗)。現実では使われることがなかったフェニックスですが、ゲームでは空飛ぶパトリオットとして、トムキャットの長距離対空兵器フェニックスは、かなり重宝していたのですが。
Posted by: 通行人 | Feb 17, 2006 02:58 AM
フェニックスはすでに退役していますよ。
確か旅客機一機のスコア(ぉぃ)もあったような・・・。
6発積むと重すぎて着艦できないとか、爆撃機みたいな鈍重なのにしか当たらないとか、
色々欠点も多いミサイルでしたね。
Posted by: だよもん星人 | Feb 17, 2006 07:59 PM
本館に書きましたが、ドラ猫とホーネットを比較すると、メンテにかかる時間が段違いだったみたいですね。これは実働可能な機数を減らすことにつながるので、大問題です。
フェニックスは、実はロケットを吹かすのは最初のうちだけで、後は慣性で飛んでいる時間がかなりあったはずです。だから、機動性の高い目標に当てるのはそもそも難しいのですが、想定ターゲットが熊式や逆火式だから問題ない、と考えられていたのでしょう。
Posted by: 井上 | Feb 17, 2006 09:58 PM