形態分類
鉄道趣味の世界では、「形態分類」はポピュラーですが、実は軍艦でも軍用機でも成立します。
特に軍艦の場合、長い時期に渡って建造することから途中で仕様を変える場合が少なくない、あるいは就役期間中に近代化改修などでいろいろ装備を変える、といった事情があるので、艦ごとに形態が微妙に違ったり、同じ艦でも時期によって形態が違ったりします。
特に、米海軍のニミッツ級原子力空母みたいに 30 年以上に渡って建造が続いていると、もう別物といっていいぐらい。まず、対空捜索レーダーが AN/SPS-43 から AN/SPS-49 に変わったり、ファランクス CIWS が増設されたり、シースパロー SAM 発射器が Mk.25 から Mk.29 になったり、アングルド・デッキと艦首のブライドル・リトリーバーがなくなったり、ファランクスに代わって RAM が搭載されたり、電子戦装置が交換されたり、衛星通信アンテナが増設されたり、ときには魚雷発射管まで載せちゃったり、etc, etc。
フォレスタル級なんかも、艦ごとにレーダーの配置が違っていたので、艦番号を見なくてもどの艦か分かっちゃったりしました。
そんなわけで、鉄道趣味界で形態分類の眼力を培っておくと、兵器を眺めるときに役立ちます。ホントです。
ただ、最近だとコンピュータだのネットワークだの指揮管制装置だのと、表に見えない部分で能力が向上する事例が多いので、見た目だけでは判断できないことが増えていますね。イージス艦のベースラインがいくつかなんて、外から見たって分かりませんから。たとえば、最新のベースライン 7.1 が ATM (非同期転送モード) ネットワークを使ってるなんて話は、外見には現れません。
Comments
私は形態分類を艦艇観察で身につけましたが何か(わはは)。
ただ、先日呉見物に出かけたとき、みんなして私に「あの船の名前って何?」って聞くのはどうよと思わないでもなかった、そりゃまあ、おおよそわかったけどね(^^;(機雷戦艦艇は同型艦でも割と違いがわかるモンなので)
Posted by: ooi | Mar 01, 2006 08:35 AM
>機雷戦艦艇
それ凄いかも。私は電測兵装にばかり目がいってしまうもので…
Stanflex 300 みたいな PnP 軍艦が増えると、形態分類もへったくれもなくなって、ちょっと嫌かもと思います。
Posted by: 井上 | Mar 01, 2006 06:34 PM
でも、機雷戦艦艇の区別はそんなに難しい事じゃないですよ、電子兵装の他に、結構違いが出るもんでね、特に大きさとか、後は艦番。
一番楽なのは、自衛隊手帳辺りを所持しておくと便利なんですが、まあ、それは無い物ねだり。
結局武装と電子兵装、後は各艦艇の特徴で判断しますね、キモさえ覚えておけばそんなにハズレ無いですよ、何だかんだ言っても艦艇は個艦の特徴が結構あるモンで、量産品とは言え、まだまだ一品モノの性格がありますな。
Posted by: ooi | Mar 02, 2006 12:47 AM
>個艦の特徴
だからこそ、海自の P-3C に乗っている武器員の人なんかは、個別の艦船をパッと見分けられてしまうわけですね。あれは凄いワザみたいですが。
Posted by: 井上 | Mar 04, 2006 12:32 PM