160 円でバスを貸し切った話
前のエントリでは熱くなってしまったので、渋滞のニュースを見ていたら思い出した話をひとつ。
実は、あちこちで喋って回っている話ですが、本館でもここでも書いたことがなかったので。
まだ学生の時分で、小田急沿線に住んでいた頃の話です。
調布に住んでいた友人のところを訪ねた後、「さて、どうやって帰ろうか」と思案しました。京王相模原線だと稲田堤・登戸と二度の乗換が必要で、しかも稲田堤は駅が離れてます。明大前まで引き返して下北沢に出るのも大変です。そこで、小田急の柿生に行くバスがあるのを見つけて、それを使うことにしました。神奈川県内に住んでいたので、目的地に近い方がバスの後の電車代が安くつくという理由で。
南口のバス乗場に出て時刻表を確認したところ、確か 17 時台で、03 分と 48 分のバスがあったと記憶しています。ただし 03 分は過ぎてしまっていたので、バス停の前にある「真光書店」(「まひかりしょてん」ではなくて「しんこうしょてん」)に立ち寄り、40 分過ぎにバス停に戻りました。
ちょうど 48 分頃にバスが来ました。バス停には「交通事情のために遅れる可能性が云々」とあったので、時刻通りに来るなんて偉いじゃないかと思いつつ、160 円払って乗り込みました。乗客は私だけでした。
ところが、その後がいけません。大渋滞に巻き込まれて、多摩川原橋を渡るまでにどえらい時間がかかる始末。最前列の席にいた私も、運転手さんも、もはや諦めムードでウンザリです。
そして、運転手さんが唯一の乗客である私に、確か「お客さん、どこまで行くの」とか何とか訊ねてきたのです。そこで私、「終点の柿生までですぅ」。そしたら運転手さんの返事がこれです。
「すみませんねぇ。実はこれ、03 分のバスなんですよ」
( Д) ゚ ゚ ポカーン
確か 1 時間以上かかって、やっとこさ多摩川原橋を渡りました。その後は、鶴川街道を通って稲城、黒川、柿生と移動するルートです。その途中、稲城のあたりで向こうから来たバス (本来の 48 分発) とすれ違ったら、なんと運転台の位置を合わせてバスを止めてしまい、双方の運転手さんが一言二言。「本来なら、もう車庫に入ってる時間なんだけどネー」とかなんとかボヤいてました。
# そりゃボヤきたくもなるけど、道をふさがないで YO!
その後は何も問題なく柿生に到着したのですが、もう時刻なんてメチャクチャです。そして、調布から柿生までの間、乗降はゼロ。つまり、私は 160 円で 2 時間ばかり、バス 1 台を貸し切ってしまったというわけです。もっとも、こんなに時刻がアテにならないバスでは、利用したくても無理ですが。
それからずいぶんと月日が経過して、調布駅南口に何年か住んでいました。その頃には、確か柿生行きのバスはなくなってしまったのか、路線免許維持のために極めて間引き運転していたのか… そして、私はクルマを買って自分で運転するようになったので、多摩川原橋を起点とする鶴川街道の渋滞にはさんざ悩まされたものです。
この多摩川原橋が 4 車線になるそうですが、南武線・京王線の立体化と合わせて、鶴川街道の渋滞緩和に多少は貢献することでしょう。と期待したい。
追記
そういえば、安比高原から盛岡に向かうバスを一人で貸切状態にしたこともありましたけれど、これは「1,070 円で 1 時間」。それと比較すれば、「160 円で 2 時間」の方がインパクトが大きいですね :-)
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