自己満足な平和活動
「綾波書店」さんからの情報によりますと、例の杉原氏、強力な援軍 (苦笑) を得たようです。転送・転載歓迎だそうなので、遠慮なくやらせてもらいましょう。
[AML 6944] Fw:『確かにパソコンは丈夫な方がいい』ピースチョイス情報 (44) より引用。
----- 引用はじめ
【転送・転載歓迎/重複失礼】
杉原浩司です。先日4月22日に発信した、イラクなどの戦場で使用され今なお虐殺に加担している松下電器製ノートパソコン「パナソニック・タフブック」の回収を求める呼びかけを、「ピースチョイス」の方が転送紹介してくれました。貴重な補足情報が含まれていますので、下記に紹介させていただきます。(この件につき情報などありましたらお寄せいただければ幸いです)
※なお、私が文中で引用した『戦うコンピュータ』(毎日コミュニケーションズ)の著者である「テクニカルライター」の井上孝司さんが、私の呼びかけに対する興味深い「批判」を自身のサイトに書かれていますので、こちらもご参考までに紹介します。
●「opinion:松下電器はパソコン兵器の回収を、だって!?」
(井上孝司さんのサイトより)
→ http://www.kojii.net/opinion/col060501.html
●以下は「ピースチョイス」さんの紹介文です。
[ピースチョイス→ http://3chan.net/~peacechoice/index.htm ]
□転送歓迎(ピースチョイスより、と付記くださると助かります)□
今号はメールの転送です。ピースチョイスとしても、是非とりあげたいことをやってくださったので、御紹介します。
以下杉原さんのメールで話題にしている商品は「パナソニック・タフブック」です。
http://panasonic.biz/pc/toughbook/index.html
確かにパソコンは丈夫な方がいい。しかし戦場の過酷な環境に耐えるほどの丈夫さはいるのでしょうか。
パソコンがより便利になって気分のよいことはたくさんあります。しかし戦争で敵を殺すのに大活躍しているパソコンは気分のよい商品だろうか。
イラク駐留兵の技術サポート担当者は、大きなボストンバッグほどのケースを携帯しており、中にパナソニックのコンピューターと通信技術の一式を積んでいます。(hotwiredの記事参照)
http://www.wired.com/news/images/0,2334,65182-15702,00.html
IT技術の発展により、戦場での生死は、兵士の強さではなく、情報量にかなり左右されるようになった。ベトナム戦争映画で観たようなジャングルで孤立しているアメリカ兵はもういないのです。
イラクで駐留兵は、遠くの状況を衛星写真を呼び出して、敵の姿を確認し、適切な攻撃方法を決定し、必要な応援や資材を呼び出している。こうしたシュミレーションや計算にパソコンは欠かせません。
イラク民兵や、場合によって民間人は、こうしたIT技術によって捕捉され、狙われ、効率よく殺されていくデータみたいなものです。
パナソニックは、単なるハードとしてのパソコンを提供しているだけというかもしれません。本当でしょうか。
パナソニックは、米軍がどういう使い方をするか知っていて、パソコンを納品しています。決してアメリカ国内の米軍兵の給料を計算するためのものでなく、戦場でどのように人殺しを「支援できるか」について知っています。
そしてこの取引をありがたいと思っている。今後も戦争や占領が継続して、取引が伸びることを願っている。
杉原さんが言うように石油暖房機の犠牲者の命は尊重しても、イラク人のそれは大したことない、ということでしょうか。
松下電器の基本理念には「全世界に事業を展開しているグローバル企業として、私たちは、人権を尊重し、各国・各地域において法令を順守するとともに、文化・宗教・価値観などを正しく理解・認識することに努め、それらに対し敬意をもって接し、誠実に行動します。」とあります。
----- 引用終わり
私が本館で書いた指摘については、貴重なとか何とかいいつつも、見事にスルーしています。大方、そんなことだろうと思いましたが。反論のひとつでも頂戴できればと思ったのですが、甘かったようですね。
上のメールを見ると、どうやら「松下が掲げる企業理念と、米軍が松下製品を使うことは矛盾している」という言い分のようです。
じゃあ、松下が Toughbook を米軍に納入しなければ、それで万事オーケーなのかと。松下以外の企業が米軍に製品を納入するのはオーケーなのかと。松下だけが杉原氏の視点から見て「いい子」になればそれでいいのかと。HP の iPAQ が FBCB2 の端末になって、件のメールで扇情的に
イラク民兵や、場合によって民間人は、こうしたIT技術によって捕捉され、狙われ、効率よく殺されていくデータみたいなものです。
と書かれている行為に活用されることは問題ないのかと。どうなんですか。
ずいぶんと底の浅い「平和運動」じゃありませんか。え ?
民生品の軍事利用がかつてないほどに盛んな昨今、そのすべてを問題視するというなら、まだ分かりますよ。でも、「松下だけをターゲットにすることの説明が全然ついていない」という事実は変わらないのです。
杉原氏が猛反対されている様子の MD にしても、イージス・システムのベースライン 7.1 では MIL Spec 対応品がほとんど消え去って、ほぼ完全に COTS 化されているわけですよ。それなら、「MD 反対活動家」の杉原氏としては、そのベースライン 7.1 に使われているコンポーネントの納入について、ことごとく反対してメーカーに回収を要求するのが筋じゃありませんか。松下だけ槍玉に挙げておいて、そっちはスルーですか。
それとも、英語で文句を書かなければならない相手はスルーなんですか。目の前の、取り付きやすい相手しか攻撃しないのが氏のやり方なんですか。それで世界が平和になると思っているんですか。イラク人の生命は尊重しても、ダルフールやコンゴやその他の紛争地域で亡くなっている人のことはスルーなんですか。
だから、杉原氏の最初のメールみたいなのを、私は「オナニーだ」って書いたんですよ。「Toughbook の回収を求めたり、イージス艦の入港に反対するよう求めたり、といった呼びかけをしている自分」に酔ってませんか、あなた。
追伸
「ピースチョイス」さんにも一言。とりあえず「IT 技術」とか「シュミレーション」とかいう誤記は恥ずかしいから、止めた方がイイと思いますよ。老婆心ながら。
Comments
開いた口を閉じるのを忘れてしまいました・・・orz
Posted by: にゃんこ | May 04, 2006 11:43 PM
これぐらい書いてしまうと、次あたり「井上宛の抗議行動」を煽ってくるかも知れませんねえ、杉原氏。
Posted by: 井上 | May 04, 2006 11:49 PM
読めばよむほど、タフブックを讃える記事にしか思えんなあ。>AML
いっそなんだ、一等自営業先生あたりにタフブックをテーマにした戦場まんがを描いてもらうのはどうか。「イラクでピンチに陥る米軍のパトロール隊、UAVからのデータをタフブックで受信してからくも脱出。一息ついたところでアメリカの家族からの写真添付メールが届く」みたいな感じの。
Posted by: 緑川だむ | May 05, 2006 12:00 AM
戦場でも平気で使えるToughbook、近いうちに起きるとアナウンスされてる大地震のときにはヘルメット代わりにもなるだろうし、被災者と救援者に的確な情報を与えられるだろうから、少なくとも2億台は作って配布したほうが良いかもしれない…と思えるほどすごいPCに感じてしまいました(笑)。
Posted by: akion | May 05, 2006 12:34 AM
>戦場まんが
それ、いいかも。英語版も作って出しましょう。
>震災対策
実は、米軍の前線では Toughbook だけじゃなくて ThinkPad も使われているようです。Northrop Grumman が開発した兵站管理システムのコンピュータが「IBM 製ノート PC」とのことで。
でも IBM が Lenovo になっちゃったので、今は Toughbook に代わったかも知れませんね :-)
Posted by: 井上 | May 05, 2006 12:48 AM
これで電波が流入して電波障害が起きなければ良いのですが。井上先生のサイト、一部左翼に監視されているような気がします。APCの背後を御存知ですか?タフブックで松下電器を批判しているサイトも、MOABが燃料気化爆弾と馬鹿のことを書いて米国を批判したサイトもJCA.APC.ORGです。某サイトもJCA.APC.ORGですが、この組織は様々な左翼団体が参加しており、「北」と密接な関係にあるVAWW-NETもここでサイトを開設していて、自民党の安倍晋三をNHK圧力疑惑への批判で裏で「北」と共闘して色々と暗躍していたという噂です。リベラル派とは名乗っていますが、このAPCの源流を辿るとTides Foundationという米国の左翼組織に行き着きます。この組織は他の反米左翼組織や左翼国家にあらゆる支援をしていると聞きます。もっとも、APCは多数の独立した左翼団体の連合体みたいなものなのですが。それでも、巨大な組織(の連合体)なので気をつけてくださいね。
Posted by: 通行人 | May 05, 2006 01:07 AM