条約とは相手を縛るもの
"US stays firm on right to defend space assets"
(JDW 2006/7/12)
中国やロシアが「宇宙空間への兵器の配備」を禁止する条約を提案していて、それは自国による兵器の配備だけでなく、他国による兵器配備への支援も禁止する内容になっているそうです。で、それに対してアメリカは反対で、宇宙配備資産は敵の攻撃に対して脆弱だから防護措置をとる必要がある、という言い分。
これだけみると、単細胞な人は「宇宙への兵器配備を禁止する中露両国は善、それに反対するアメリカは悪」と決めつけるわけです。んが、ちょいと立ち位置を変えてみると、この分野でアメリカに対抗できないと見た中露両国が、相手の手足を縛る目的で条約を持ち出した可能性も考えられるのですね。こういう大義名分なら、世評を気にするとおおっぴらに反対しにくいですし。
確かワシントン軍縮条約で「5・5・3」の話が決まった後だったかに、山本五十六が「なあに、これは相手を縛るための条約だからいいんだよ」と発言した話を思い出しますね。
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