北海道の戦略的価値
「障害報告@webry」さんのコメ欄で振られた話題。
毎日新聞が「北海道開拓は無駄だった」という記事を載せていて、それに対して当該記事やコメ欄で「いやそれは違うだろ」と。そのひとつとして軍事的な話が出ているのですが、ソ聯/ロシアの立場から見ると、北海道の土地そのものよりも、チョーク・ポイントに風穴を空けられる魅力が大きかったのではないかと。
現状では、日本が北海道まで押さえているので、「水深が浅くて潜水艦には辛い宗谷海峡」「平時はともかく、戦時になると領海宣言されて通行できなくなる津軽海峡」「辛うじて通れる公海部分が残るものの、日本と韓国に挟まれていて、おまけに両国の海軍基地から近い対馬海峡」という、気の進まない三択を求められる状況にあるわけです。
でも、北海道がソ聯/ロシアのものなら、宗谷海峡では好き勝手にできるし、津軽海峡だって雪隠詰めというわけにはいきません。そうすれば、艦隊が自由に太平洋とウラジオストクの間を行き来できます。SSBN をウラジオからオホーツク海に向かわせるのも簡単です。
それができなかったからこそ、高い有形無形のコストを払ってド僻地のカムチャッカ半島に SSBN の基地を維持する羽目になりましたし、さらには本土との間を結ぶ電話用海底ケーブルに盗聴器を仕掛けられる、なんていうオマケまで付いてしまいました。北海道を確保すれば、こんな問題はないのです。
トム・クランシーの「レッド・ストーム作戦発動」では、G-I-UK ギャップに風穴を空ける目的でソ聯がアイスランドを占領しました。つまりは、あれと同じ立場に北海道も置かれていたんじゃないの、という認識です。どんなもんでしょう。
Comments
リンク先を辿ってみましたが、また実に香ばしいですな、毎日の社説、と言うか、「風の息づかいを感じて」しまいましたよ?
とりあえずアレだ「北海道の一次産業従事者に謝れ」と。
こういう人が「島根県や鳥取県の人口は6ケタ台なんだから、市町村を大合併して一個の市にすれば効率的じゃないか」とか言う迷言を吐くのではないかとか思ったりした朝でした、さ、仕事しよう。
Posted by: ooi | Sep 03, 2006 08:14 AM
そうなんですよ。特にこれからの季節、北海道からどれだけ大量の農業・漁業産品が内地に運び込まれることになるのか。そんなことも知らずに書いた記事としか思えません。
漁業は東京で水揚げしろ ? そのためにどれだけの時間と燃料費がかかるのかと小一時間 (ry
Posted by: 井上 | Sep 03, 2006 02:25 PM