ケリー失言騒動
例の「ケリー失言騒動」ですが、原文が気になったので CNN のサイトを見に行ってみました。
まず、問題の発言がこれです。
"You know, education -- if you make the most of it, you study hard and you do your homework and you make an effort to be smart, you can do well.
"If you don't, you get stuck in Iraq."
Microsoft Bookshelf で調べたところ、"get stuck" は「一生懸命になる」という意味の俗語です。これだと失言にはならないのですが、"get stuck in the mire" (苦境に陥る) という言い回しがあるので、意味合いとしてはそちらなのでしょう。「イラクに行って苦労するぞ」というところでしょうか。
で、この失言に関する日本の報道で、ケリー氏の言い訳が載っているわけです。
大統領がイラク戦争の勉強を事前に十分行わなかったからイラクで身動きがとれなくなったという趣旨だったと釈明し、「大統領こそ米兵に謝罪すべきだ」と反論した。(讀賣)
「大統領やその取り巻きを指した下手なジョークだった」と述べ、兵士らではなく、ブッシュ大統領らを指したものと釈明した。(産経)
CNN によると、弁明はこんな内容でした。
"I sincerely regret that my words were misinterpreted to wrongly imply anything negative about those in uniform, and I personally apologize to any service member, family member, or American who was offended," he said in a written statement.
"As a combat veteran, I want to make it clear to anyone in uniform and to their loved ones: My poorly stated joke at a rally was not about, and [was] never intended to refer to any troop," he said.
この手の海外記事の日本語訳では、微妙なニュアンスや訳語の選び方で、訳者の主観が入りこむ場合があります。陸自の派遣部隊がイラクから撤収してきたときに、毎日新聞が「撤退」という言葉を用いた件について、
「撤退」と「撤収」は、ほぼ同義である。英語ならwithdrawalだ。毎日新聞は、イラクからの外国の軍隊の引き揚げに言及する場合、凱旋(がいせん)か敗走かというニュアンスとは無関係に「撤退」という表現を使ってきた。
と説明していたのは記憶に新しいところです (でもこれ、後になって嘘だとばれたんですが)。
こういうことがあるから、海外がらみのニュースでは元ネタをあたることも重要ですね。
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Comments
勉強しないで英語がしゃべれないのはBush Jr.だし、ゲット スタックしてるのもBush坊やと言えばよかったのに
Posted by: sionoiri | Nov 02, 2006 08:21 PM
民主党ですが苦境から脱出することができません。
…おっと、これは日本の民主党でした。国会で「憎いし苦痛」を持ち出して総理を問い詰めようとしているようでは、先が思いやられます。
閑話休題。
「勉強しないで英語がしゃべれないのは~」も酷いなあと思いましたが、アメリカの選挙戦での舌戦って、いつもかなり酷いことを言い合ってるみたいですよね。なんだかなあ。
Posted by: 井上 | Nov 03, 2006 12:33 AM
>酷いことを言い合って
http://www.marinecorpstimes.com/story.php?f=1-292925-2333360.php
まさしく、泥沼に嵌るですね。
Posted by: sionoiri | Nov 05, 2006 07:24 AM
これもずいぶんな言い草ですねぇ…
「火事と喧嘩は江戸の華」ならぬ「政治家の罵り合いは合衆国の華」でしょうか。
Posted by: 井上 | Nov 05, 2006 03:57 PM