エアバス大丈夫か ?
日経だけが報じていたようですが、ルフトハンザが B.747-8 の発注を決めたというニュースがありました。もちろん、A380 の納入遅延が原因でしょう。
なんだかんだといってもエアバスを引っ張っているのはフランスですが、イギリスやドイツの存在感も大きいわけです。もっとも、納入遅延騒動の原因を作ったのはドイツの工場だという話なので、あてつけみたいに「ドイツの生産ラインを他国に移す」なんて話も出てきているのですが。
ともあれ、エアバスにコミットする立場にあるドイツの看板エアラインなのに、そのエアバスの競合機種を発注するところまで追い込まれてしまった、と見ていいんじゃないでしょうか。もちろん、ルフトハンザは民間企業ですから政府の国策に完全に従わされるわけではないにしても、まるっきり無視もできないでしょうし。それでもボーイング製品を買わざるを得ないというのは、かなーり深刻です。
あまり話題になっていませんが、A400M 軍用輸送機についてもスケジュール遅延の噂が消えません。
もともと、エアバスは「アメリカに対抗するヨーロッパの星」という政治的航空機メーカーです。だからこそ、開発費を政府から援助してもらっていますし、そこをボーイングに突かれてモメているのは御存知の通り。ひょっとすると、エアバスでは意志決定に際して、経済原理よりも政治的な判断が優先される風土があるのかな、なんて思ってしまいました。
Comments
http://www2g.biglobe.ne.jp/~aviation/koutai.html
ご存知かもしれませんが、この問題についての論評です。
Posted by: 唯野 | Dec 07, 2006 09:45 PM
ありがとうございます。それ、しばらく前に読みました。
ルフトハンザの件は正式に発表があって、確定 20 機、オプション 20 機の B747-8 を発注するとのことです。
http://www.defense-aerospace.com/cgi-bin/client/modele.pl?prod=76467&session=dae.23890703.1165495942.RXgOhsOa9dUAACmX4Vo&modele=release
ダイムラークライスラーが放出する EADS 株がドイツ国外の投資家に渡る事態は回避できそうですが、一難去ってまた一難。
Posted by: 井上 | Dec 07, 2006 09:55 PM
EADS のインサイダー疑惑も、なかなか底が深い模様…
http://www.defense-aerospace.com/cgi-bin/client/modele.pl?prod=76457&session=dae.23890703.1165495942.RXgOhsOa9dUAACmX4Vo&modele=release
Posted by: 井上 | Dec 07, 2006 10:27 PM
EUに入るために、必死にドイツと英国からエアバスの株をかうトルコ
アリタリア=エールフランス=KLM同盟を鑑みてオランダに頼み込むフランスとか、ってフォッカー無理
Posted by: sionoiri | Dec 07, 2006 10:47 PM
そのフォッカーの親会社・Stork では、「防衛関連以外の事業を売却汁」と求める投資ファンド株主と、「売却はしない」と主張する経営陣がもめてます。
Posted by: 井上 | Dec 07, 2006 10:53 PM