WIG@韓国
後で本館にも上げるネタですが、Windows Live Writer のテストも兼ねて、先行公開。
韓国の KORDI (Korea Ocean Research and Development Institute) が、WIG (Wing-In-Ground) を開発したそうです。プロトタイプは "Haenarae X1" といい、全長 12m、200HP のエンジンで駆動するプロペラ 2 基を備えて水面上 1-2m の高さを飛翔するもので、人員 20 名を載せて最高速度 130km/h。
この後、2009 年に本番用の機体が完成する予定で、そちらは全長 24m、2,000HP のエンジンを搭載して最高速度 200km/h とする計画。2010 年からの商業運行開始を目指していて、船と飛行機の隙間を突くつもりらしいのですが、はてさて。
ちなみに、KBS の Web サイトで動画を見られます。少なくとも、イランが以前に公開した "空飛ぶ船" よりは、ずっとまともに見えます。
http://english.kbs.co.kr/vod/player.html?url=vnews$2007$08$09$070809_3&kind=vnews
Comments
そういや小笠原TSLいまどうしてるんでしょうねえ……
Posted by: なかた | Aug 10, 2007 03:34 PM
確か、引き取り手や今後の去就が決まっていなくて、三井玉野かどこかで係船中じゃなかったかと…
Posted by: 井上 | Aug 10, 2007 04:20 PM
うーん、この大きさでどこまでスケールメリットが得られるのか、それはよく考えた方がいいような気がしないでもないような。
冬の日本海の荒れ様は結構凄いし、年のどの程度運行可能なのか、船と飛行機の隙間と言うけど、その辺りのリサーチはどこまで真面目に行われたものなのか、まあでも、新機軸を開発したと思う人がその辺りを真面目にリサーチしたかどうかは不明だわね。
TSL何かだと、逆に言えば実船就航前に何とか損切りが出来たとも言えるのかもね。
Posted by: ooi | Aug 12, 2007 07:26 AM
そうなんですよね。「ゆにこん」の轍を踏まないためには安定運行の確保が必須で、そっちはどうなんだろうと。中国と日本に運行するつもりみたいなので、黄海方面を使うつもりかもしれませんけど、それにしても。
>損切り
同感。商業運行するなら、どんな方式であれペイしないことには。
Posted by: 井上 | Aug 12, 2007 08:28 AM
ゆにこんの話を言えば「根性が足り(ゲフンゲフン」いや、冗談はさておき、運用海域の海象に設計が今一つ合致しなかった、ってのは有るんでしょうね。(まあ想定外とも言うかなあ)
高速船故にどの程度運用可能なのかのリサーチが「今一つ及ばなかった」例と言えるのかもなあ。
でまあ、今回の例で言えば、確実に日本海での運用が見込まれるわけで、そうでなくとも門司か博多辺りへの航路に投入されると見て良い(現用水中翼船の代替かなあ)わけで。
でまあ、WIGに限らず地面(水面)効果を利用している以上、荒天もだけど風に弱いのは確実なんだよね、それはSES何かだとサイドハルである程度抑えられるらしいけど、例えばホバークラフトなんかは「踏ん張りが効かない」という欠点があるわけでして、WIGでもその特性は大なり小なりあるだろうね。
その辺りどう理解しているのかしら。
Posted by: ooi | Aug 13, 2007 07:55 AM
技術的な研究テーマとしては興味深いものがありますけれど、それと実用になるというのはまた、別の問題ですからねぇ。もちろん、WIG を開発して飛ばして見せた、という点については正当に評価して然るべきですけれど。
本番用は全長 24m にスケールアップするそうですが、その程度のサイズだと輸送力は限られるでしょう。それでさらに安定運行が確保できなければ、当事者が主張する 43 億ドルの売上は、ちと怪しいんじゃないかなあと思います。
Posted by: 井上 | Aug 13, 2007 10:04 AM
そーですねえ、比較対象にするならジェットフォイルかなあ、アレなら全長は30メートルばかりですが、それで200人以上を運べます。
飛行機で言うならRJクラスかな、YSよりもちょっと小さいぐらいですから・・・現実になったとして50名ほども運べれば御の字かなあ、これは構造にも左右されるからもうちょっと増えるかも知れません。
ダッシュエイティの原型が大まか2000馬力の双発で、40人前後運んで時速500キロ以上出します。
・・・一体どんな隙間を狙っているのやら?
Posted by: ooi | Aug 13, 2007 06:30 PM
>どんな隙間
日本でも中国でもやっていない、という隙間でしょうか (マテ)。
他国でやってないものに手をつけたという点では、どでかい SES を作ってしまった TSL に共通するものがあります (ちと強引)。
旧ソ聯の WIG みたいに、もっと巨大でいろいろ積めそうなやつなら、また事情は違うと思うんですけど、これじゃねぇ。
Posted by: 井上 | Aug 13, 2007 09:55 PM
ちょっとしつこいけど。(^^;
>TSL
いやまあ、TSL自体はそう悪いモンでもなかったと端から見て思いますね、あの頃の流れで行くならまあ、高速船はある種の流行みたいなモンでしたし、わりかし(変に、ですが)手堅い方向を狙っても居ました、そりゃまあ、人と同じ方向でやっても優位に立てるわけじゃなし、技術的に特徴を持った方向に計画を立てることは理解できるかと思います。
しかし、時代の変化に付いていくだけの柔軟性があったかと言えば疑問ですし、また、それを実用段階に持っていく際にそれなりのリサーチが行われたとは言え、よりに寄って特殊な路線に特殊な仕様を必要とする、言わば「潰しの利かない」計画で実用化を目指してしまった、まあ、この辺りは痛恨のミスでしょう。
後、技術的に困難な目標を高度な技術でクリアしようとしたのもある意味問題だったとも言えるのかなあ、バランスを保った計画を作ることが無理だったとは思えないんだけど、どこかで無理をした結果がああなったと言えるんだろうなあ。
>で、話を戻してWIG
で、どんなモンなのかざっくり見てみました。
24m級、20人乗りで200km/h、運行費用の内、燃料消費が飛行機よりかなり押さえられる、と言うのが売りになるそうなんですが。>エンコリ辺りの翻訳を読む限りでは。
・・・井上さん、TSLに謝りましょうよ、流石にここまであの計画はお花畑ではなかったですよ。
Posted by: ooi | Aug 14, 2007 05:01 PM
ひとことでまとめてしまうと、「優れた技術、必ずしも優れた商品ならず」を極端な形で具現化してしまったのが小笠原 TSL ということでしょうか。
テクノロジー・デモンストレーターとしてなら評価は違ってきますけれど、商業運行を視野に入れると、小笠原でもその他の方面でも、コストの問題はもれなくついてきたと思われるので、どこでも同じことになったんじゃないのと思います。
で、問題の WIG。
隙間を突くという作戦は、裏を返せばどっちつかずの中途半端、ということでもありますからねぇ。とりあえずお手並み拝見といきましょうか (マテ)
Posted by: 井上 | Aug 14, 2007 10:06 PM
これとかはうまく行くんでしょうかね?
説明を読むと完全には離水しないようなのでWIGと呼んで良いのかどうか、素人はちょっと悩むわけですが。
http://www.mes.co.jp/Akiken/business/projects/al2004_104.html
Posted by: H@tokara | Aug 15, 2007 11:13 PM
動力が船外機 (つまりお尻は常に水の中) ですし、浮力の一部を翼に負担させているようですから、セミ WIG とでもいうべきでしょうか ?
この手のものにも二乗三乗法則が影響してくるなら、大型化しようとすると困難が増えそうなので、それが商用化のボトルネックになるかも、と思いました。
Posted by: 井上 | Aug 16, 2007 10:23 AM