FY2008 の MD 関連予算
ど~こ~の誰とはい~わな~いけ~れ~ど~、
MD が実際には役に立たないとして、米国議会が NO を出した
というガセネタを書いている人がいました。ガセネタです。以下、米上院が承認した FY2008 国防予算のサマリー (PDF) より引用。
MISSILE DEFENSE $8.5 billion, $310 million under the President’s budget request.
・Fully funds near-term missile defense programs, including ground-based
missile defense, Aegis ballistic missile defense, Theater High Altitude
Area Defense, and Airborne Laser
・Provides an additional $100 million for test and training range upgrades
and support and ground-based missile defense upgrades
・Adds $75 million for Arrow co-production, the Arrow System Improvement Program, and Short Range Ballistic Missile Defense
・Reduces funding for the European Third Site program by $85 million
・Reduces funding for the Kinetic Energy Interceptor by $30 million
・Provides no funding for the Space Test Bed and the Space Experimentation Center
というわけで、GBI・イージス BMD・THAAD・ABL は要求通りに満額、さらに GBI では射場の施設更新で増額、イスラエルと共同でやっているアローも増額、減額になったのは東欧への MD エレメント配備関連と KEI ぐらいのもんです。
Comments
ふと思ったのですけど、アメリカの軍事的政策は「敵の攻撃手段をすべて封じること」を最優先にしているようですね。
対テロ戦:アメリカの防衛網をかいくぐってやってくる一点攻撃の元ネタをつぶす。
MD:アメリカの防衛網外から飛んでくるものに対しての防衛
開戦時戦術:敵の対空施設をまず叩く
やっぱり、「防御重視の戦い」は被害の増大が許されない状況に置いて最大の効果を発揮する戦略なのかと思います。
自国民の生活を守るのが最大の目的ですからね。
さて、前段が長くなりましたが、議論の防御について。
最近話題のJitoh氏も含めて、たいていの平和論者はある一つの正解(たとえば敵の家族を(ry)が見つかったらそれが唯一の正解の如く天に掲げて攻め込むから、ボッコボコにされるんではないでしょうかね。
走り出す前に「この正解は本当に正解なのか?」とセルフツッコミをして検証し、問題が無ければ攻めていけばいいのに・・・
裸で援護も無く竹やり一本で突っ込めば、そりゃ撃破されるってもんです。
持論に対して、バイアスをかけないセルフツッコミによる検証とその検証の正しさを補完するバックボーンの知識がとても重要だと、改めて考えさせられました。
Posted by: Tivonix | Sep 23, 2007 11:17 AM
WWII の戦闘機における、「攻撃は最大の防禦」といって防弾鋼板なしで機動性アップに力を入れるか、それとも多少の性能低下を忍んで防弾鋼板をつける方を優先するか、という違いに通じるものがあるかも知れません。
もちろん、セルフ突っ込みによる検証とは後者のことです。それによって "弾避け" ができるわけですから。Jitoh 氏のブログでの応戦ぶりを眺めていると、昼間強襲を強行しては莫大な犠牲を出した一式陸攻みたいです (え
Posted by: 井上 | Sep 23, 2007 12:49 PM
普通の人なら、出来うる限り客観的な証拠を見つけた上で、主張を展開しますよね。そうでないと持論に説得力が発生しませんから。
また、新しい理論を展開するにしても、元となる証拠がある方が良いに決まってますからね。
まあ、そこを大目に見てもその理論展開そのものが、幼稚と言うか、穴だらけ。自分の理論に間違いが無いか、様々な想定をして普通は考えるものですけどね。理論自体が正しければ、証拠が無くとも突っ込むのは難しいと思います。
平和主義者って、全ての事象が自分の都合に良いように動くと頭から決めて理論を展開しているように思います。普通、社会人になれば、というより小学生高学年ぐらいより上なら、世の中が自分の思い通りに動かない事ぐらい経験で学ぶはずなんですけどね。また、そもそも現実の世界が何故自分達の理想と大きくかけ離れているか、という普通なら真っ先に考えるべき、いや、普通なら考えてしまう所をすっ飛ばす(笑)
対して、現実主義者は、出来うる限りの想定を行い、その中でも最悪の事態を想定して理論を展開する。
最初から勝負は決まっているようなものです。で、平和主義者は、そこで無理やり持論を通そうとするから、泥沼にはまると。
やはり、理想的平和主義者は平和の敵だと思いますね。
Posted by: leopard | Sep 23, 2007 02:36 PM
戦争なんぞしないで済むなら、その方がいいというところでは共通するハズなんですけれど、そこに行き着くための方法論が隔絶しているんですよね。
彼等のいうことはあまりにも理想論に走りすぎていて、かつ自説を補強するために往々にして陰謀論やガセネタにはまり、かつ異論に対して不寛容すぎる。そういうやり方が往々にして争いごとのタネになるというのは、歴史が証明していると思うんですが。こまりものです。
Posted by: 井上 | Sep 23, 2007 06:58 PM
今年も怪情報&デマという電波が発信されてるのですねぇ。
自分でソースやら検証しない人が見たらどうなることやら;
>彼等のいうことはあまりにも理想論に走りすぎていて、かつ自説を補強するために往々にして陰謀論やガセネタにはまり、かつ異論に対して不寛容すぎる。
こういうタイプはお話する気もないぐらい攻撃的で、自説に反論するものには罵倒やらレッテル貼り放題・・・あれ私は平和主義者と話してたはずなのにってなりますね。
>ど~こ~の誰とはい~わな~いけ~れ~ど~、
それは英語の資料の意味が分からないカナダの人ですか{ヲイ
Posted by: 人狩 | Sep 24, 2007 12:29 AM
始末が悪いのは、この手の人が喜ぶ陰謀論やガセネタを振りまいている人の存在なのかも知れません。いえ、どこかの国際ニュース解説のことだなんていいませんよ。いってませんってば。
Posted by: 井上 | Sep 24, 2007 10:20 AM
http://www.nids.go.jp/dissemination/briefing/2007/pdf/briefing78.pdf
FY2007までのミサイル防衛構想についての日本語の取りまとめ。防衛研究所だから、「ガセネタを書いている人」にとっては大本営発表だけど。
Posted by: sionoiri | Sep 26, 2007 05:19 AM
改めて、いかに MD にカネを食われているかを再認識しました orz
といって、MD 以外の解決策だとさらにカネがかかるし…
Posted by: 井上 | Sep 26, 2007 08:16 AM