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Sep 21, 2007

裏切り者はアテにならない

クイナハウス: 軍備はムダ

リンク先の記事にある内容のうち、インターネット云々については「非武装の成功例 ?」でさんざん突っ込んだので措いておくとして、もうひとつの笑いどころを。それがこれ。

特に、今ってそんなことしなくたってもっと簡単に相手を攻撃する方法があるんですよ。各国と協力して、経済封鎖する、ってのはよくされますが、もっと簡単な方法がありますよね。

・軍施設関係者を買収して、自分の国を攻撃させる。

 そんなに簡単に買収なんてできないと感じるかもしれませんが、家族や親類や友達に危害を加えるといわれたら、抵抗するのは難しいでしょう。ポイントは、自衛の手段のつもりで確保している武器が、自分たちを滅ぼすことになるという点です。

な、なんだってー (AA 略

       。 。
       / / ポーン!
     ( Д )

 

       * *   * *
      * * * * * *
       * *    * *
           パーン!
     ( Д )

 

            スポポポポポポーン!!!
      。     。   
        。  。 。 。 ゚
       。  。゚。゜。 ゚。 。
      /  // / /
     ( Д ) Д)Д))

            スパパパパパパーン!!!!!!
         + ,,  *    +
   " +※" + ∴  * ※ *
    *  * +※ ゙* ※ * +
   +  "※ ∴ * + *  ∴ +
      * ※"+* ∵ ※ *" 
     ( Д ) Д)Д))

えーと。

常識的な軍人なら、自分の家族・友人に危害が及ぶとなった日には、その家族・友人に仇なす者達に刃を向けるんじゃありませんか ?

どうして、自分の家族・友人に危害が加わるとなったら、その危害を加えようとしている相手じゃなくて、自分が忠誠を誓った (はずの) 自国に刃を向けないといけないんですか。古今東西、そんなことをやって他国の転覆に成功した事例が、いったいどれだけありましたっけ ?

よしんば、そんな馬鹿げたことを試みたとしても。自分が忠誠を誓った (はずの) 自国政府に対してコロッと寝返って刃を向けるような裏切り者が、どれだけ信頼に値すると思います ? そんな信頼のおけない連中を頼って他国の転覆という形の "政治の延長行為" を行うのって、ちとリスクが多すぎると考えるのが、常識的な判断ってものじゃあーりませんか。

一度裏切った者は、いつまた逆の裏切りをやらかすか分からない。だから、裏切り者は簡単には信用できないと考えるのが基本です。戦争になってから、捕虜になった敵兵を寝返らせた事例ならありますけれど、最初から寝返りをアテにして工作を仕掛けた成功事例って…

それから。
そもそも件のエントリは「軍備はムダ」っていうタイトルなんですけれど、そこに書かれている「他国を攻撃する方法」を実現するには、ターゲットとなった国に軍備がないと駄目なんですよね。自国の軍備はムダだから否定する、他国の軍備は寝返らせるために必要って、そりゃ調子が良すぎませんか。ダブスタってレベルじゃないですよ。

そ・も・そ・も。

他国の軍人を脅して政府を転覆させるのに、軍備を持たない国が、いったいどうやって「危害を加える」って脅すんでしょうね ?

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Comments

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
(゚Д゚ )ハァ?

自分だったら速攻でその不埒な輩を捕縛または殺害して上層部に提出ですけどね。

少なくとも自分の国を売る様な奴がこの日本にいますかと。いるとすればそれは国益と安全保障、国民の財産生命を守ると誓いを立てない奴ら(サヨクと呼ばれる偏向思想者)くらいでしょう。

親兄弟を守るために住んでいる国を裏切ると言う行為がまかり通る考えを持つ奴は犯罪予備軍でしか無いのでそうそうに始末してしまわないと・・・

なんともかんとも・・・ムクゲのお花畑で戯れる方々の考えというのは・・・orz

Posted by: にゃんこ | Sep 21, 2007 05:09 PM

あーうーあーうー・・・・言葉が出ない・・・
色んな毒電波浴びたからだいぶ耐性はついていたはずなんだけど、さすがにこれはビックリですよ。
やっとこさ出てきた言葉が「おめぇ、人間の心持ってっか?」でした。

相手国の家族を脅迫の道具になんてしたら、どっかのテロ組織と同様に世界中から非難されて国益に大ダメージだと思います。
「経済封鎖」って方法を知っているんだったら、当然脅迫作戦で被る国益へのダメージも想像できて然るべきだと思いますが・・・

目的を達成するために手段を選ばない良い(悪い?)例かと思います。
色々突っ込まれたから「兵器に変わる手段を見つけないと!」って目的で、人道を忘れて手段を選ばずって感じですね。
追い込むと人刺しちゃうようなタイプなんだろうか。

まぁでもこの作戦、ロシアには効かない作戦ですね。あそこは人質への打撃も厭わない作戦を立てる国ですから。

Posted by: Tivonix | Sep 21, 2007 05:24 PM

>自分の国を売るような奴
ノルウェーのヴィドクン・クヴィスリングみたいな例もあるので、皆無、とはいえません。ただ、こういう方法って、えてして長続きしないんですよね。

ホメイニ体制になった後のイランで、イラクに攻め込まれた途端にシャー時代のイラン軍士官までが必死になって、自国防衛のために戦ってましたよね。あれが自然な姿だと思うわけです。


>世界中から非難されて国益に大ダメージ
そういえばそうですね (をひ)
つい軍事的観点に偏ってしまったようです。反省。

まったく御指摘の通りで、結論に合わせて強引に論旨展開しようとして、見事に破綻した悪い例です。あちらのサイトでもいろいろ突っ込まれているようですが、さて、どんな言い訳が聞けますやら…

Posted by: 井上 | Sep 21, 2007 05:51 PM

きっと漫画の世界の展開が気に入っちゃったんだろうなと憐憫の情がわいてきました。

Posted by: にゃんこ | Sep 21, 2007 06:02 PM

もうどこまで観たのか自分でも分からなくなってしまったのですが、その24はシーズンいくつで?(^_^;)

Posted by: AL | Sep 21, 2007 07:09 PM

後で思ったけれど、件の記事って「日本が軍事力を持ったとしても、他国に寝返らされて自国に刃を向けることになるから、持つだけムダ」っていうつもりだったんだろうか… だとしたら。


あやまれ ! 全国の自衛官にあやまれ !
(AA 略)

Posted by: 井上 | Sep 21, 2007 07:42 PM

つーかまともに相手国に打撃を与えるだけの人数寝返らせる労力ってどれほど掛かることか。
戦車も戦闘機も、一人じゃ動かせないのに。
小火器振り回したところであっさり鎮圧されるのがオチだし。

Posted by: sironeko | Sep 21, 2007 08:14 PM

「ならずもの国家」の正しい用法を教えていただきありがとうございました、と言いたい。
そーいう工作の例はありますが、相手国家もバカではないから防諜を担当する機関があるわけでして。
クーデターなんぞは軍事力と警察力を一手に握るぐらいの権力者であるか、国民世論に熱望されていない限り成功はしないわけで。
敵対国のテロ組織の活動を黙認(時に直接支援も)してガンガンやらせるのが最近のトレンドかな?


ハッ、
国民が軍事に不勉強で防諜が弱く軍人が不当に虐げられていて風見鶏なマスコミによってころころ変わる世論という工作に最適な国家が近くにあるじゃないか・・・

Posted by: hage | Sep 21, 2007 09:01 PM

酔っ払っていたせいか変な文章を書いてしまいました。
見なかったことにしてくだされ

Posted by: hage | Sep 21, 2007 09:05 PM

はじめまして、こんばんは。
>「日本が軍事力を持ったとしても、他国に寝返らされて自国に刃を向けることになるから、持つだけムダ」っていうつもりだったんだろうか
あちらのブログでは
>自衛の手段のつもりで確保している武器が
とありますので、たぶんその通りかと。
つまりJitoh氏は

自衛目的の軍備は他国に買収され、自国を滅ぼす事になるので自衛はするな

といっている訳ですよ。
すごいなあ、なんてかくしんてきなあいであなんだろう(棒

Posted by: oneeye | Sep 21, 2007 10:15 PM

いやあ、まさか井上さんのブロクで腹抱えて笑うことになろうとは(笑)。

何故こういう人って「自分の文章に対してこういうツッコミが来るかも知れない」という想定をしないんでしょうかね。自分自身が設定した「正しい結論」に合わせて無理やり論を構築してしまうとモノが見えなくなるんでしょうか。

にしてもコレ、全世界の軍人敵に回してるような。

Posted by: kamo | Sep 21, 2007 10:24 PM

>寝返らせる労力
ですよねえ。イラク戦争で米軍の特殊部隊が、イラク軍の幹部を買収して抵抗させないようにしたとかいう噂がありますけれど、「抵抗させない」のと「自国に刃向かわせる」のとでは、それこそ月とスッポンの差があるわけでして。

>hage さん
そんなに無茶苦茶なコメントじゃないと思いますが、もしも御所望でしたら削除しましょうか ?

>かくしんてきなあいであ
ややややっぱりそういうことですよね Σ(||゚Д゚)ヒィィィィ
とりあえず、日本海の向こうの金ちゃんのところにいって、同じことを御注進してきたら。と Jitoh 氏に申し上げたいところです。

# しかし、独裁者ってマジで軍隊の寝返りを心配するんですよね
# シャレになってないかも

>井上さんのブロクで腹抱えて笑うことになろうとは
そんなにお堅い blog だと思われてたんでしょうか、ここ (´・ω・)?

Jitoh 氏に限りませんけれど、物事を反対側から点検してみるって大事だなあ、と再認識させられました。私もよく失敗するから、気をつけなくっちゃ…
はっきりいって、件のエントリは軍人の誇りや使命感を愚弄していますよ。

Posted by: 井上 | Sep 21, 2007 10:43 PM

相手を寝返らせるためには「調査→誘拐→脅迫」ときて、攻撃させるまでにえらく時間を食いそうですが。平時から誘拐しておくわけにもいかんだろうし……。
となると、相手の侵攻を察知してからの実施は想定外っぽいので、先制攻撃しかない?

Posted by: 73式編 | Sep 21, 2007 11:06 PM

…んーと、頭が悪いのでよく理解できないのですが(´・ω・`)

件のブログの方の脳内では
「"軍備=絶対悪"だから、持っちゃダメです。だって、仮にこんな外道な事(軍備よりマシだけど)されたら、逆に自分達の国が危ないじゃないですか!」という認識なんでしょうか?

…むしろ危ないのはこの方の(ry

Posted by: Mane | Sep 21, 2007 11:21 PM

>調査→誘拐→脅迫
うーん、危害さえ加えられればいいわけですから、自爆テロみたいなのを想定しているのかもしれませんよ。確か、当該エントリでも言及していたかと思いますが。

>頭が悪いのでよく理解できないのですが
いいえ、常識人には理解できない、が正しいのです。ですから、理解に苦しむのは当然の反応なのです。

Posted by: 井上 | Sep 21, 2007 11:58 PM

なんなんでしょうねぇ……。彼らの頭の中を推察するに、
・自分たちは平和を愛する正義の味方である
・正義の味方の言うことはみんな聞く
・軍人だって自分たちの説得で涙を流して改心する
てな所じゃないでしょうか。

……ぬぅっ、軍人とは書いていない!!軍施設関係者と書いてある!!となれば、話の方向が少しずれてくるような……。

Posted by: TB&SH | Sep 22, 2007 12:16 AM

軍施設関係者が戦闘員以外を指すのだとしたら、ますます、政府転覆なんて不可能に近付くと思うんですが。もはや、わけわかめであります。

「話し合いで解決を」と主張する人に限って、態度が高圧的だわ、相手を見下すわ、言い訳ばかりするわ、話を逸らすわ。道理で戦争がなくならないわけです。

Posted by: 井上 | Sep 22, 2007 12:37 AM

>>井上さん

まさしくその通りですね。非武装や平和、友好を主張する割りに、自分達はガチガチに防備を固めたり、攻撃的だったり、そもそも議論さえ出来なかったり。

自分達の主張が正しいと認めさせるには、対立意見を尽く納得させ、自分達の主張を受け入れてもらうか、自分達が対立意見に納得するか、お互いに妥協点を見つけるか、のいづれかですよね。要は話し合いを双方納得して終わらせる。
これが出来ない時点で、彼らの主張は間違っており、話し合いだけでは全ての問題が解決できない事を証明していると思います。

Posted by: leopard | Sep 22, 2007 12:44 AM

利害や見解が対立することがあるのは、仕方ないんです。数式で解決できる問題なら 100:0 もアリですけれど、利害の対立や歴史の解釈なんていうのは、そういうわけにいかない。

外交が典型例ですけれど、どちらか一方の言い分が 100% 通ることは滅多にないし、それを強行すれば新たなもめ事の原因を作ってしまう。となると、どこか適当な落としどころを探って双方が納得するしかないんです。

だから、先にちゃぶ台をひっくり返した方が負けなんですね。ましてや、最初からちゃぶ台を出さないのは、その時点で「話が通らない相手だ」と自ら認めたも同然。それでいて「話し合いで解決を」なんていわれても、困ってシマウマです。

Posted by: 井上 | Sep 22, 2007 09:58 AM

仮にお金で買収した場合を簡単ですが計算してみました。
(計算、間違ってたらすいません(汗))
隣のならず者国家の兵員を100万人として、日本の国防費
5兆円で買収しようとすると。一人500万円で買収しなくては
いけません。……安くないか?
逆に日本人の大卒平均生涯賃金3億円(見返りとして日本で
不自由なく暮らしてもらうため)とすると1.67万人しか
買収できません。
どうやら敵軍への寝返り工作はpricelessのようです。

Posted by: W.K | Sep 22, 2007 01:16 PM

 だからこそ、自衛体内組織等による情報収集が必要と言うことでFAですか?
 件のエントリに限らず、その手の人たちは自衛官やその家族などを愚弄することは数知れず。
 私自身ももう慣れっこになっていますが、しっかりと記録に残しておくことは有効と考えます。古くは録音なり、ビデオ撮影なり、新しくはweb魚拓なり。
 たいてい、そのことを告げると、いきなり削除・証拠隠滅にかかったり、逃げ帰ったりすることも、またこれお約束ですが(笑)。

Posted by: へぼ担当 | Sep 22, 2007 01:46 PM

誤字修正です:自衛体内組織→自衛隊組織内

Posted by: へぼ担当 | Sep 22, 2007 01:48 PM

>寝返り工作はpriceless
「スマイル \0」で買収して寝返ってくれたら、安いのになー (え

>情報収集が必要
特に不正規戦の時代には、こういう対処が必須ですね。実際、デンマークでは軍人の家族を対象とする心理戦工作が発生して、当局が必死になって対策しているそうですよ。

Posted by: 井上 | Sep 22, 2007 02:04 PM

「家族や友人を人質にとって脅迫して自国を攻撃させる」
…魔人探偵脳噛ネウロのシックスですか?
妻子を人質にとって毒薬飲ませて血を吐かせたり、
一軒の館の各部屋で一斉に殺人事件を展開させるお人なら
他国の軍隊まるごと脅迫したり、弱みを握るくらい朝飯前でしょうな。

blogを書いた日付よりネウロの掲載号が数日前ということから、
本当にマンガからインスパイア受けたんじゃないかというのは、穿ちすぎかな?

Posted by: マシン語 | Sep 22, 2007 03:09 PM

軍施設関係者か・・・
屎尿処理とか残飯処理とか隣接地に生えてる高木の処理とかでも軍施設関係者っていえそうなんだよな
業務に関する部署くらいしか知らないだろうに反乱させてどうするんだろう

寝返り工作は将官クラス以上じゃないと意味がないとおもうんだが、下っ端を籠絡するとか意味がわからん。

Posted by: 遊び人 | Sep 22, 2007 03:37 PM

>マンガからインスパイア
本当にありそうで、笑えないです。都合の良さそうなモノなら、どこからでも手当たり次第に拾ってきそうだし…

>軍施設関係者
基地の食堂や厚生にいるおばちゃんだって「軍施設関係者」ですよねえ。

>下っ端を籠絡するとか意味がわからん
多分、そこまで細かく考えてないと思います。「脅せばいうこと聞くだろー」程度じゃないでしょうか。

Posted by: 井上 | Sep 22, 2007 03:48 PM

相手がアフガニスタンの軍閥とかなら可能かもしれませんね…
ドスタム閣下ならきっと金で転んでくれますよ!!

逆に言うと私兵レベルじゃないと無理なんですが。

Posted by: Shaul | Sep 22, 2007 11:49 PM

それ。軍閥やゲリラ相手に使う手であって、正規軍相手に使う手じゃないんです。本当は。

Posted by: 井上 | Sep 22, 2007 11:53 PM

失礼します・・・。
この(クイナハウス)文章を読んで、思わず・・・

曰く、「国際貢献は無駄である。世界中の国々で国際貢献している国はいくつあろうか?殆ど無い。
だが、どの国も国際的に孤立してない。だからイラク沖の給油と米国追従は(以下略)」

という、その、何といいますか、
頭を抱えてしまうような文章を思い出してしまってではないですか!

思い込みや想像だけで語るというのは(右も左も)
時に恐ろしい事を招くのだなと、悶々と・・・orz

Posted by: 通りすがり | Sep 29, 2007 04:17 AM

>・軍施設関係者を買収して、自分の国を攻撃させる。

・・・ボーグ?(・_・;)そりゃ抵抗は無意味だ。

Posted by: ぽてとぱい | Sep 29, 2007 07:55 AM

>頭を抱えてしまうような文章
書いてあることもさることながら、その後のコメントへの対応ぶりの方がもっと、頭が痛くなるものだったり…

>抵抗は無意味
後で mixi で指摘されたところでは、インドでインド国民軍 (日本軍のお仲間) が対峙するインド軍部隊を説得して、大隊レベルの寝返りを起こさせたことがあるんだとか。

http://www.yorozubp.com/netaji/academy/170imphal-j.htm

ただ、この時点でインドはイギリスの植民地であり、「独立国の軍隊を転覆工作に使う」っていうのと同列に扱えるかどうかは疑問ですけれど。

Posted by: 井上 | Sep 29, 2007 10:14 AM

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