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Oct 20, 2007

続・なに考えてるんだ民主党

なに考えてるんだ民主党 の続き。

インド洋での給油任務に関して、「給油した燃料が OEF ではなくて OIF に使われている」 なんていう難癖が登場したあたりから、ずっと感じていたことですけれど。

そもそも本筋からいえば、日本が置かれている状況、現在の世界的な状況に照らして、日本がどういう形でコミットしていくのが最善か、 という議論が必要なんです。
もちろん、「なにもコミットしないで引きこもる」という選択肢もあります。ただしそれは、 その結果として生起するであろう事態をちゃんと考慮して、それに対する覚悟を説いて、その上で賛同を求める必要がありますけれど。

ところが現実にはどうかというと、そういう議論はそっちのけで、安全保障上の問題を政争の具にしてグダグダにしてしまっている。 似たような事例というと、真っ先に連想するのがロンドン条約をめぐる統帥権干犯騒動なんですね。

この件では、統帥権干犯だとかいって野党が与党を叩く道具にしてしまったことが原因で、話がどんどん大きくなってしまいました。 特にタチが悪いのは、政党政治に携わる政党人が自ら、「軍の戦力策定に関する問題は統帥権に属することであり、 内閣のような文民が手を出すのは間違い」とやっちゃったこと。
その結果として、軍部の発言力強化と政党政治の弱体化につながり、ついでに海軍では艦隊派と条約派の対立が激化する原因をつくりました。 そして、太平洋戦争につながる原因のひとつ (すべてではない) を作ったともいえるわけです。

本来なら、政党人としては「軍が何でも好き勝手にやってはいけない。選挙で選ばれた国民の代表が集まる議会、 あるいは政府がきちんとコントロールすべきだ」とやるべきなんですが、それをやると明治憲法そのものに手を入れないといけないし、 それよりなにより、野党としては「与党を叩くのに格好のネタがある」という誘惑に勝てなかった。まったく、 目先のことだけ考えて罪深いことをやったもんだと思います。

今の民主党が、それと同じ轍を踏まないっていいきれますか ?

なんていってたら、年金未納騒動について似たようなことを書いているサイトがあったので、リンクしておきます。
給油問題も、年金未納問題も、政治資金をめぐる騒動も、事の良し悪しよりも単なる与党叩きの道具に堕している点では同じなんですよねぇ…

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Comments

 自分も給油問題を見るたびに同じ様な事を考えていました。けれど、統帥権干犯問題は海軍の艦隊派の暴走として知ってはいても、それを政争の具として問題を深刻化させた事はあまり知られていない様な気がします。(自分が知らないだけかもしれませんが)
 戦後の日本はドイツがナチスに全ての罪を被せたように軍に全てを押しつけてその事が今になっても尾を引いているのではないでしょうか。全く別の話になるのですが、沖縄の教科書問題に対して、『軍がアメリカに対する恐怖、偏見を教えたために集団自決が発生したのであり、だから軍の責任がある。』という主張とこの件をみてそう思いました。

Posted by: 銑鉄 | Oct 20, 2007 04:19 PM

私も以前は、「艦隊派の暴走」という側面しか知らなかったんですが、後でいろいろ調べてみると、よりによって政治家が火にガソリンをぶっかけてたんですね。

ドイツにおけるナチスは、日本の場合、帝国陸海軍とアメリカといえるでしょう。とりあえず、何かあると「軍部が悪い」「アメリカが悪い」と。
確かに、褒められたもんじゃない話はいろいろあるのですが、その尻馬に乗っかった国民やマスコミの責任はどうなの ? とも思うわけです。

>軍がアメリカに対する (中略) だから軍の責任がある
「鬼畜米英」と煽って「空気」を作り出したという意味では、一理あると思います。ただ、それは問題になっている「軍命令」とは別次元の問題だろう、とも思います。

「軍の命令で集団自決した」と、「軍の命令でマスコミを統制して鬼畜米英ムードを煽り、それによって作り出された空気のせいで集団自決につながった」では、同じ「軍の命令」でも似て非なるもの。
後者まで「軍命令だった」なんていいだした日には、二段・三段の間接論法でもアリになっちゃいますから、何でもかんでも軍命令にできてしまうんじゃないでしょうか。それでは収拾がつかなくなります。

Posted by: 井上 | Oct 20, 2007 06:13 PM

アメリカの政治ドラマで、最低賃金引き上げを提案しようとしたら野党が数十セント高い対案を出して反対するという話がありましたが、反対できない問題に関しては実現不可能か似たような対案を出して後は与党の問題だけをしつこく叩くというのはどこでもあるようです。まあここまで迷走するとそういう問題でさえありませんが。

Posted by: flanker | Oct 20, 2007 08:27 PM

アメリカの政界って、日本以上にえげつない部分がありますからねぇ…

大手メーカーが工場を新設するとか、軍の施設を新設・維持するとか、何かというと地元選出の議員が出てくるあたりの利益誘導ぶりは、ひょっとすると日本以上かも知れません。

Posted by: 井上 | Oct 20, 2007 09:44 PM

>アメリカの政界
 「えげつない」のは事実ですが、日本との違いはそれを織り込み済み。全く隠し立てせず、堂々公言し議論するところではないでしょうか。
 どちらが良いとは言いません。しかし、どちらにしても独裁国家ではなく、民主主義国家ではそれを選ぶ有権者に最終的な責任が及ぶこと。それを覚悟しているアメリカと、全くしていない日本の違いは致命的に大きいでしょう。
 ブーメラン効果が言われて久しい民主党ですが、さて今回はどうなるでしょうか(大汗)。
 国益を損なう程度ならまだ許せます(<普通は許さないのですが)が、人身御供で自衛官などの命をもてあそぶようだったら、絶対に容赦おかないところ。
 しかし、どうも悪い方の予感があたりそうで、怖いところです。

Posted by: へぼ担当 | Oct 20, 2007 11:35 PM

>隠し立てせず、堂々公言し議論する
太平洋戦争中に、「どうしてこんな膨大な犠牲が出る上陸作戦をやったんだ」って喧々囂々になっちゃうような国ですからねぇ。ある意味、トンでもない国です。

また、有権者だけでなく政官界も、常に「有権者」や「納税者」を意識せざるを得ない状況で仕事をしているからこそ、何か不祥事があれば議会で吊し上げられますし、納税者に対する情報公開ぶりにも相当なものがありますし。そういうところは凄いと思います。

おそらく民主党、「対案も出せないくせに」といわれたくなくて、できもしない無理難題をふっかけているように思えます。与党の足を引っ張るためだけに。
もしも、まかり間違ってそれが具現化してしまったら、それによって生じたことの責任は全部与党におっかぶせますよ、きっと。

Posted by: 井上 | Oct 21, 2007 12:12 AM

>おそらく民主党、「対案も出せないくせに」といわれたくなくて、できもしない無理難題をふっかけているように思えます。与党の足を引っ張るためだけに。

まったく同感ですね。
今日のお昼のニュースを聞いても、給油トン数が間違っていたという末節な話しか出てきません。
マスコミが悪いともいえますが、国会でこの程度の話し合いしかしていないって事でもありますよね。
国益というか、国民の明日のご飯やガソリンをなんだと思ってるんだ。


>もしも、まかり間違ってそれが具現化してしまったら、それによって生じたことの責任は全部与党におっかぶせますよ、きっと。

いっそのこと、ISAF派遣の責任者を小沢以下、民主党議員にしたら良いんじゃないですかね。

Posted by: あるくびゅーず | Oct 22, 2007 01:14 PM

統帥権干犯騒動のときにも、新聞が一緒になって政友会や軍令部強硬派の尻馬に載っかり、世論を煽ったんじゃなかったでしたっけ。今回も、どちらかといえば些末な話ばかりほじくり出していて、肝心の話はそっちのけ。実にこまりものです。

Posted by: 井上 | Oct 22, 2007 02:28 PM

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