なぜ DoJ が BAE Systems 社の幹部を ?
米国税関が新制度を近くスタート、入国者が所持するPCのデータを丸ごとコピー - Technobahn
http://www.technobahn.com/news/2008/200805161507.html
の誤報に絡んで、BAE Systems 社の CEO・Mike Turner 氏が一時、米司法省 (DoJ) に身柄を拘束された際に PC と Blackberry 端末の内容を調べられた、という話が出てきました。
I have got some news from...
http://d.hatena.ne.jp/nofrills/20080519/
この件については讀賣でも報じているので、御存知の方も多いと思いますが、問題は、司法省の捜査対象が「サウジ不正疑惑」、つまり Al Yamamah 計画がらみという点。なんでイギリスの疑惑にアメリカの司法当局が出てくるのか ?
イギリスの司法当局がこの件に関する捜査を取り止めてモメていますが、 代わりに米司法省が捜査に乗り出した… というのともちょっと違います。
BAE Systems 社はサウジアラビアから Typhoon×72 機を受注していますが、これにはアメリカ製品もいろいろ使われています。すると、実際に輸出を実現するにはアメリカの承認も必要で、その承認を担当する部門が司法省による Al Yamamah 計画に関する調査の結果待ち、という状況なのですね。だから司法省が BAE Systems の CEO に「ちょっと話を聞かせてもらいたい」とやったわけです。
これに限らず、輸出する装備品の製造当事国だけでなく、そこで使っているパーツやコンポーネンツの製造国からも承認が要るのは、他の件でも同じ。
これを活用 (?) して、ベネズエラがスペインの EADS CASA に C-295 輸送機と CN-235MP 洋上哨戒機を発注した際に、アメリカが 1976 U.S. Arms Export Control Act の規定を盾にして「これらの機体で使っているアメリカ製品には輸出許可を出さない」とやって、結局は商談をつぶしてしまったことがあります。
もちろん、ヨーロッパ製のコンポーネンツに入れ替えれば回避できますけれど、そうすればまたインテグレーションや試験でおカネがかかりますし。
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