"気分" だけでいいの ?
山手線の電車についている車内液晶 TV で、洞爺湖サミットの日と、あともう 1 日 (いつだったかは忘れた)、照明を消して CO2 排出削減がどーたらこーたら、とかいうキャンペーンの宣伝をやっているのを見かけました。
いや、だからさ。
一過性のイベントで照明を消して、それで CO2 排出削減に貢献した気になるよりも、平素からこまめに無駄な電力消費、ガソリンの消費、あるいはゴミ削減等々を心がける方が、よほどトータルで見た場合の CO2 排出削減に貢献するのと違いますか。
大きめのハイブリッドカーとコンパクトカーと比較したときに、どっちが燃費がいいか、という話にも関わってくることですけれど。パッと目につく部分の削減と、日々の細々した削減の積み重ねと、どっちが実質的に貢献するかということは、常に意識しないといけないと思うんですよね。そうしないと、単に「いいことをした気分」だけで終わってしまいかねない。
その「いいことをした気分」だけで終わった最大にして最悪の事例が、日本における貧困国支援の黒歴史・ホワイトバンドだと思うわけですよ。
今朝、本館で書いた話ともかぶりますけれど、いいことをした気分、正義の味方になっているという気分だけでいい気になっちゃって、それを批判する人を見下したり、罵倒したりするのって、あまり褒められたことじゃないんじゃないかなあと。そんなことを考えてしまいました。
Comments
プリウスを近場だけに乗って、遠くにいくときはクラウン、センチュリーに乗っている方もいますね。どこのえらいさんとは言いませんが。
プリウスとヴィッツの比較をした方がいます。
http://vitz1f.ninja-x.jp/prius/prius.htm
「きっかけ」といいますが、「きっかけ」が間違ったことならきっかけにはなりません。また、「きっかけ」が全く普及するはずのないことなら、きっかけになりません。「CO2を50~80%減らす」という目標を掲げても、評価するのは狂信的エコロジストくらいでしょう。
間違ったきっかけが真になるのは、男女の関係くらいだと思います。
Posted by: | Jun 16, 2008 10:21 PM
「いいこと」をして、いい気分になっていたら、見えない部分がとんでもない事になっていた・・・。
そういうケースに比べたら、気分だけの盛り上がりで終わってしまったケースは、まだ罪が無いように思えることがあります。
Posted by: alpha | Jun 16, 2008 11:00 PM
>どこのえらいさんとは言いませんが
東京ではベントレーに乗っていて、地元ではもっと地味な車を使っている政治家が、かつて存在してたような…
プリウスに盛り込まれたテクノロジーとノウハウは素直にすごいと思いますが、製造過程や消耗品のことまで考えたときに、トータルで環境への影響が抑えられているのかなあ、という疑問は残りますね。
これ、電化製品でも同じことで、エコな電化製品に乗り換えること自体は電力消費低減につながるとしても、それでリプレースした旧い製品の方はどうなんだ、という問題があります。
>まだ罪がない
確かに、その通りですね。善意が結果として悪い方向に突っ走るのは、悪いと知っていて悪いことをするよりも厄介そうです。
Posted by: 井上 | Jun 16, 2008 11:32 PM
「いいこと」を求めるのは人間の本能なのかもしれません。
で、そこに資本主義の原理で乗っかっているのが、エコやイカリングといった「いいこと商法」なんでしょう。
「いいこと」が需要と供給の関係になるとは、何だか考え物ですね。
Posted by: オヴニル① | Jun 17, 2008 12:00 AM
「いいこと商法」で厄介なのは、何か問題があったときに正面きって批判するのが難しく、その分だけブレーキが効きにくいことでしょうか。なにしろ大義名分が立派ですから。
しかも、こういうのに乗せられやすい人って、たいてい二進法で物事を考えるんですよねえ。
Posted by: 井上 | Jun 17, 2008 12:14 AM
都内プリウス田舎クラウンというのは一応正しい選択のような。ただしプリウスは本来ならクラウンの業務に常時こき使うという前提で、ですが。
プリウスなんかは未来への先行投資だと思うしかないですね。ていうか都内のタクシーは台数減らして全部プリウスに置き換えるのが筋だと思うのですが。
LCAを考えると不具合廃車な致命的な機器が多いプリウスより、備品単位になりはててでも地の果てまででもドナドナされていくカローラとかハイエースのほうが環境に優しいかと。
Posted by: 憑かれた大学隠棲 | Jun 17, 2008 02:39 AM
その前提条件が、いつの間にかどこかに行っちゃう事例が多いような希ガス。
ハイブリッドのキモは電力回生によるエネルギー回収ですから、ゴー・ストップが頻繁に発生する街中でないと、本来の威力は発揮できないと思うのです。もっとも、エンドユーザーに「そこまで承知した上で買え」というのも難しい話ですけれど。
エコに限りませんが、パッと見の分かりやすさにひっかかっている事例って、他にもありそうです。
Posted by: 井上 | Jun 17, 2008 08:06 AM
> ハイブリッドのキモは電力回生によるエネルギー回収ですから...
これ、どれくらい市街地でどれくらい効果あるんでしょうか?
信号間隔が密で、制動が急であればあるほどフットブレーキがメインになるはずなんで、回生効率は落ちそうな感じがするんですが。
むしろ信号間隔が広くて余裕を持ってエンブレがかけられる郊外、村落の方が向いてそうな気がしますがどうなんでしょうね。
> LCAを考えると...
まだ、ライフサイクルコストの概念があまり滲透してないので無視されてますけど、いずれマスコミ屋が馬鹿の一つ覚えみたいに「LCA」を繰り返して、したり顔で「プリウスは実はエコじゃなかった!」なんて記事を... 出せませんね、大広告主のトヨタ相手じゃ。(笑)
Posted by: H@tokara | Jun 17, 2008 03:32 PM
長距離走行だとディーゼル、都会だと電気が向いているかなあて印象ですね。今は。
後都会だとアイドリングストップの方が良いかもしれませんねえ。
電気は最大の課題は電池でしょうねえ。容量が大きく、余りレアメタルみたいな貴重な物を使わず、安全でLCAも優れたものはなかなか難しいかと。(・ω・)ノ
プラクインハイブリットなんてのもやはりまだまだ現状ではそこまで電池が行っていない故の過渡記の物なんでしょうなあ。一回の充電で400~500km走行可能な物出来るのはいつの日かなあ?
Google先生したら、一回の充電で800km走行可能のキャパシタて怪しいのが有りますけど。
Posted by: 井上さん二人分の重さの男 | Jun 17, 2008 05:52 PM
>過渡記
過渡期です。スミマセン^^;
Posted by: 井上さん二人分の重さの男 | Jun 17, 2008 05:56 PM
市街地での効果については、乗り方にも拠りそうです。
惰行運転を上手く使えばエネルギーを回収できますが、やりすぎると流れを乱しますし、ガーッと加速してフットブレーキで急減速、ではエネルギーを回収しにくくなりますし。
むしろ、プリウスがバッテリなんかで重たい分だけ、却って効率が悪いかも。
バッテリ屋さんや自動車メーカーには、そっちはそっちで頑張ってもらうとしても、ハイブリッドにはハイブリッドの乗り方があるという啓蒙も必要そうですね。
そういえば、このあいだ拙宅のレガが 12 ヶ月の法定点検をやったのですが、ブレーキパッドがロクに減っていませんでした。なにせ市街地の走行比率が低いですから。
Posted by: 井上 | Jun 17, 2008 06:39 PM
プリウスを借りて、田舎の山道を下った勢いで登ってを繰り返すような感じで走ったら、満タン法でアバウトですが大人4人乗車でリッター30走りました。(田舎の)市街地のモニター表示では20行かないみたいだったので、トータルでは軽い小さなエンジン車の方が良いような。
霞ヶ関周辺でエンジン掛けたまま停まってるタクシーに路上駐車許可証と乗務員待合室でも作ってやった方がだいぶCO2削減になる気がします。
Posted by: AL | Jun 17, 2008 08:07 PM
客待ちのタクシーは、相当な量の石油燃料を燃やしているかも知れませんね。似たようなところでは (似てないよ)、高速道路の SA・PA でエンジンをかけっぱなしにしているトラックとか。
Posted by: 井上 | Jun 17, 2008 11:20 PM
SA・PAでのトラックに対しては、航空機のGPUみたいなのからエアコンなどの電源を取るようにすることで、エンジンかけっぱなしの問題はかなり解決できるかと思います。
Posted by: 長月@ReadMe.毒 | Jun 18, 2008 10:50 AM
エンジンをかけっぱなしにしている理由が「空調が止まるから」だったら、カプセルホテルみたいな仮眠所を作る手もありそうです。
クルマの空調がエンジンの動力で回っているのであれば、外部電源で動かすのは難しいかも知れませんし。
CO2 云々は別にしても、あの回しっぱなしのエンジンのせいで五月蠅いんですよね…
Posted by: 井上 | Jun 18, 2008 10:57 AM
>電源を取るよう
https://www4.tepco.co.jp/cc/press/betu07_j/images/071015a.pdf
>路上駐車許可証と乗務員待合室
昔は公用車を運転するのは公務員だったんですよ。
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/netreport/2006/no_3/10.htm
あるいは山手線内の公務員宿舎というものがありました。民間に出来るということでタクシー券になってですね、或いは家賃安すぎとかね。
コンプライアンス違反ということなら、指名入札制のハイヤーに戻るか…でもこれも入札制限けしからんとか談合とか言われてしまう(価格競争の自由は運賃固定だから余地無い)。
結局イタチゴッコ。タクシーのメーターが伸びるのは公務員宿舎がどんどん遠くなるのも一因。
自家用車のパーキングタワー?居眠り運転で労災事故激増の恐れよりも、「安い駐車料金」という後ろ指がまた控える。
残業制限をすれば、明るいうちに帰る役人がとやっぱりここでも後ろ指。
Posted by: sionoiri | Jun 18, 2008 11:13 AM
>公用車
そうだったんですか。そういえば、社長専用車の運転手も、その会社の社員だったりしますしね。ここにもまた、「いちぜろ」で解決できない問題が。
>電源
みんな考えることは一緒だ…
Posted by: 井上 | Jun 18, 2008 12:39 PM