Laser JDAM と Paveway IV
先日、イラクで初の実戦使用を記録した GBU-54/B LJDAM (Laser JDAM) は、GPS/INS 誘導を使用している JDAM (Joint Direct Attack Munition) のノーズに、SALH (Semi Active Laser Homing) 用のシーカー ヘッドを追加して、レーザー誘導を可能にしたものです。
(Photo : USAF)
一方、英空軍が導入を決めた Paveway IV は、Enhanced Paveway の発展型で、もともと SALH を使用していた Paveway II/III に GPS/INS 誘導を追加したものです。
行き着いたところは同じじゃん。
というツッコミは当然ながら出てくるわけです。メーカーがそれぞれ違う (JDAM は McDonnel Douglas → Boeing、Paveway は Texas Instruments → Raytheon) というだけでなく、上にも書いたように、目的地に行き着くまでの流れも違うのですね。
JDAM に SALH 用のシーカーを追加したのは、命中精度改善と移動目標攻撃能力の実現を図るため。移動目標攻撃については、以前にデモンストレーションを行った AMSTE (Affordable Moving Surface Target Engagement) を使う手もありますが、AMSTE を使うにはターゲットを追跡する E-8 みたいなプラットフォームが要る上に、データリンクを用意しなければならないので、費用がかかります。レーザー誘導の方がお手軽です。
Paveway に GPS/INS 誘導を追加したのは、悪天候対策。"Operation Allied Force" などで、天候が悪くてレーザー誘導の Paveway を使えないケースが多発したため、補助手段として GPS/INS 誘導を追加したのが Enhanced Paveway、それを改良してイギリス向けに売り込んだのが Paveway IV という図式。
源流も背景事情も違うけれども、行き着いた先は同じでした、というお話。
もっとも、搭載可能なプラットフォームに違いがあるとか、JDAM は GPS/INS 誘導パッケージを尾部に付けてる (もちろん SALH シーカーは尖端部) とかいう違いがありますけれど。
P.S.
AMSTE を開発したのは Northrop Grumman ですけれど、JDAM を手掛けている Boeing としては、KC-X で角突き合っている Northrop Grumman の製品を使いたがらなかった… なんてことはないよね。
Comments
隊長! いいアイデアを思いつきました!
デジカメに電話機能を付けましょう!あと、ワンセグチューナーにも付けて見たらどうでしょうか? それとも、PDAに電話機能を付けたらビジネスマンはもうウハウハですね!
いや、携帯音楽プレーヤーにデジカメと電話をつけたら完璧ではないでしょうか!
Posted by: 金珍宝 | Sep 10, 2008 01:50 PM
それだったら、それぞれのコンポーネントを超合金で作って合体式ロボットに… うわーなにをするきさま(ry
真面目な話、PC にワンセグチューナーと VoIP 用のソフトウェアをインスコすれば、電話・テレビを兼用できますね。ということは、同じことを PDA でやればよいのですが、課題はバッテリの保ちかも。
Posted by: 井上 | Sep 10, 2008 02:07 PM
ウィルコムのW-ZERO3esを使っておるのですが、音楽再生だけでも2時間ぐらいしかもちません。
http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/ws/007sh/index.html
PDAだとソフトウェア処理になるのでCPUも辛いでしょうし、もう数年モバイルデバイスの進化を待たないとダメでしょうね。
Posted by: 金珍宝 | Sep 10, 2008 03:25 PM
いわゆるネットブックもそうなんですよね。絶対的な馬力もさることながら、バッテリが長持ちしない機種が多くて。モバイル PC っぽいけれども、自宅で据え置き… って意味ないじゃん !
だから拙宅では、MacBook がお遊びネット端末を兼ねています。
Posted by: 井上 | Sep 10, 2008 06:45 PM