続・何も足さない、何も引かない
ちょっと遅くなっちゃいましたけれど、何も足さない、何も引かない の続き。
続・「マスゴミ」と呼ばれ続けて (友人座談会編) (IT Pro)
↑の記事の冒頭で、こんなことを書いてあります。
コラムに登場する友人たちからも「自分たちの意図がきちんと伝わっていない」との指摘がありました。
大元の記事そのものからして、登場する「友人」がそもそも実在するのか、脳内友人なんじゃないか、という突っ込みがありますが、それをいいだすと収拾がつかなくなるので、ひとまず「実話」として話を進めることにして。
なぜ、上で引用したような指摘を受ける羽目になったか ? それこそが、「マスゴミ」と呼ばれる理由に関わっているんじゃないでしょうか。
発端となった記事には、「マスゴミ」と呼ばれることに対する反発心というか、「本当はそうじゃないんだ、本当の我々を分かってくれてないんだ」みたいな感情を感じました。
そういうベクトルで書かれた記事だから、「個人的な事例・特定の事例」を「全体の傾向」に結びつけようとしたり(「毎日.jp」に対する記事を引き合いに出した件)、「友人」の発言内容と記事の内容が噛み合ってない上に「意図が伝わっていない」と突っ込まれるような記事に仕立ててしまったり、といった結果につながったのではないかと。
日常的に、特定の方向に読者を誘導して "世論を作っていくんだ" という理念で動いているからこそ、それを反映した記事を作ってしまい、「意図がきちんと伝わっていない」という指摘を受けたんだ、という自覚が足りない感じがするんですよねえ。
電凸がらみのやりとりにしても、「一般人が抗議活動をすることの是非」をさらっと撫でているだけ。「一般人の抗議活動に対しては批判的だが、マスコミが取材攻勢や吊し上げをかけるのはよい」で正しいのかどうか、それが行き着く先である「責任者出てこい」の連呼や「首さえ取れば満足」という風潮でいいのか、といったあたりにまで踏み込めていないし。
なんだか底の浅い記事だなと思いました。今更ですが。
Comments
今回は座談会形式の記事になってますが、元々の座談会での会話記録と記事を照合できると面白いんですけどね。
登場する友人ABCDさんたちが、それぞれ類型的な印象で「脳内友人?」と言う感じも若干ありますね。 それとも記事編集の過程ではっきり類型分けできるように、それぞれの発言を取捨選択した結果でしょうか?
記者の島田昇氏もマスコミ人であるということで、自身によるあまりにもはっきりとしたマスコミ批判を憚ったために、脳内友人に喋らせた可能性もありそうですね。(笑)
Posted by: H@tokara | Sep 30, 2008 03:54 PM
そうそう。ABCD のパターン分けがあまりにも明快なだけに、却って捏造疑惑につながってしまっています。なんにしても、タイトルの割には竜頭蛇尾、というところは当初の記事と同じだと思いました。
そのうち PV 稼ぎも兼ねて「続々」が出てくるんじゃないでしょうか。
Posted by: 井上 | Sep 30, 2008 06:34 PM
そもそも出版物に一定の信頼を置くことと、マスコミの信頼性とは別の話だと思うのですが、この辺の区分けをあいまいに話を進めるのが気になります。
例えばなぜかWikipediaの信頼性が(今更)引き合いに出されてますが、ネットユーザはWikiの編纂しかできないがブリタニカの編纂をしているのはマスコミだとでも言いたいんですかね。
Posted by: ROM者 | Oct 02, 2008 08:14 PM
明言はしていませんけれど、よく分からない無名の人がやっているネット上の情報よりもマスコミの方が信頼できるはずだ、というところに落とし込みたかったのかも知れませんね。
もちろん、常にネット上の情報が正しくてマスコミの情報が間違っている、ということはないし、その逆もない。ケースバイケース、ということで終了のはずなんですが。
Posted by: 井上 | Oct 02, 2008 10:36 PM
突然のレスで恐縮いたします。
何も足さない。何も引かない。
このコピーには何かもう少しフレーズがあったように思います。
この前後はどういう文句だったか教えていただけないでしょうか。大原麗子が出ていたCMのように覚えていますが、周辺部分もご記憶でしたらご教授いただければ幸いです。
Posted by: 鍋島 秀 | Mar 18, 2010 11:36 AM
白状すると、私はこの部分しか覚えていないのです。そもそも、なんの CM だったかの記憶も曖昧で。サントリーの「山崎」でしたっけ… ?
Posted by: 井上@Kojii.net | Mar 18, 2010 06:23 PM