「ひゅうが」についての徒然
土曜日に一般公開があったので見物してきた「ひゅうが」について、つらつらと。
- 航空管制所の上に謎のアンテナ。ESM かなと思いましたけれど、真相は不明。航空運用に関連する可能性も ?
- 艦尾側の右舷に起倒式のアンテナが 4 本立ってますが、前の 2 本と後ろの 2 本で長さや太さが違ってます
- 統合運用時、あるいは災害派遣時に指揮所をしつらえる「多目的区画」は、CPO 室や士官室、CIC などと合わせて、飛行甲板下の第 2 甲板に。米海軍式にいうとギャラリーデッキ
- その第 2 甲板は左右に 1 本ずつ通路を通した配置ですが、「おおすみ」や米海軍空母も同じですね。その通路の外側にも区画があるようです
- 格納庫では、両サイド、甲板 1 層分上がったところの左右に狭い張り出し通路があって、その上に移動式のクレーンらしきモノが。機材運搬用 ?
- 格納庫甲板に出入りするランプは右舷だけ ? 舷梯を降ろして人が出入りするだけなら、左舷側でもできるみたいですけれど
- 同程度の全長と排水量を持つインヴィンシブルと級と比べても大きく感じるのは、おそらくは飛行甲板の幅が違うせい
- 洋上給油用の給油口や補給ポストは飛行甲板の右舷側に固定設置してあるので、ちょっと場所を食っちゃってるかも。補給ポストは、使用しないときは後方に倒しておくのだとか
- AFFF 消火器の制御盤が、やたらと目についたような気がします
- 格納庫の照明は、昼間用の白色灯と夜間用の赤色灯を交互に並べた配置
Comments
>格納庫甲板に出入りするランプは右舷だけ ?
きっと艦橋が右舷に寄っているから右舷だけで接舷するのかな?
フェリーとかも右舷だったような・・・<じゃあ艦橋の位置は関係無いかなぁ・・・
Posted by: にゃんこ | Apr 13, 2009 08:16 PM
> AFFF 消火器
ごく一般的には粉消火器を使うのでしょうが、使った経験のある方はご存じの通り、その後の処理が大変です。
<これはヘリコプターなどガスタービン内蔵の物が吸い込んでしまうと、非常に大変ことになることは明らかです。>
また、粉消化器は意外に油火災に対しては効果が小さく、粉で埋もれるほどでないとなかなか消えてくれないところ。唯一、電気火災には向いているのですが、それ以外はかなり大量に使わなければ難しいところ。
以上を考え合わせると、消火栓の代わりに AFFF 消火器を大量に装備するのは、非常に合理的な考え方と愚考します。
<しかし、本当に見に行きたかった(まだあきらめきれないらしい)。
Posted by: へぼ担当 | Apr 13, 2009 08:38 PM
そういえば、側面にランプをつけたフェリーって、みんな右舷側ですね。業界で何か決まりがあるとか。
>粉消化器は意外に油火災に対しては効果が小さく
軍艦の火災の場合、油火災が多いでしょうからねえ。
ただし真水は貴重品ですから、海水と薬剤を混ぜて、泡にしてぶちまけるようです。そのため、圧力計と圧力調整用のバルブとホースをワンセットにしたものが、艦内の随所に設けられていました。
もうひとつ面白かったのは、予備灯が LED ライトのように見えたことです。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 13, 2009 09:03 PM
大きく見える「ひゅうが」は全通甲板のはずなのにCH-47には幅が足らなかったという「おおすみ」の津波での運用の過度な反省に立っている筈なので、そりゃデカイわなぁ。
http://www.asagumo-news.com/news/200904/090402/09040206.html
艦に艦載機を合わせるのか、艦載機に艦を合わせるのか?流石に艦内にCH-47を収容できるわけではないので、統合運用ではやっぱりMCH-101が落としどころ?
Posted by: sionoiri | Apr 14, 2009 08:30 AM
確かに、パネルにあった「搭載機」は SH-60・MCH-101・MH-53 だけで、CH-47 は載ってなかったですね。
格納庫の幅も、インヴィンシブル級より広かったように思えます。後で主船体の幅を確認してみなくっちゃ…
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 14, 2009 09:45 AM
おおすみ級はアパッチも着艦してましたからGW明けから訓練が始まり、サマーフェスタの頃には各自衛隊ヘリが着艦してるかも。
アパッチが艦載機になると周辺諸国から警戒感を・・・(以下略
Posted by: にゃんこ | Apr 14, 2009 11:18 AM
>フェリーとかも右舷だったような・・・<じゃあ艦橋の位置は関係無いかなぁ・・・
都市伝説というか俗説ですが。
右舷を意味するスターボードとは、ステアリングボードサイドがなまったもので、つまり古くは主に右側に舵輪があったと。
なので、艦橋は右、と。
コレにはオチがありまして、左舷を意味するポートとは、港側のことで、こっちで接岸すると。
なので、以上の話は両舷ともまったくのガセであるわけで、高校新入生のころヨット部の先輩にかようにして一杯食わされたわけであります。
語源を良く知らずにスターボードという言葉を知っているとはまり込む罠。
ちなみに、いまだに語源は良く知りませんが、「さげん」を「ひだりげん」と言う様にはなってしまいました。
Posted by: 七面鳥 | Apr 14, 2009 12:21 PM
就役式のときにも話題になっていたかと思うのですが、ひゅうがは基本的に右舷側からしか接舷できないようです。
これは船首右舷側にしかないもやいの取り回しの孔、そしてわざわざ(直下にソナーがあるにもかかわらず)艦首と左舷に設置した錨の配置から伺えます。
搭載艇の収容場所もそれに沿って配慮されているようですね。
Posted by: 彩葉 | Apr 14, 2009 02:16 PM
>アパッチが艦載機になると周辺諸国から警戒感
どうせなら、アパッチ違いでノースアメリカン P-51A を (ばかもん)
そういえば、右舷のことを「みぎげん」っていうことがありますね。「さげん」「うげん」よりも聞き間違えが発生しない、という理由でしょうか。ひょっとして。
右舷からの接岸だけを考慮しているとなると、平素はいいとしても、有事の際には困る場面が出てこないかと心配になります。もちろん、中の人もいろいろ考えているのでしょうけれど。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 14, 2009 04:16 PM
>艦尾側の右舷に起倒式のアンテナが 4 本立ってますが、前の 2 本と後ろの 2 本で長さや太さが違ってます
送信用(碍子部赤)と受信用(碍子部緑)なんで絶縁や周波数特性等の関係で仕様が異なるのでは無いでしょうか?
>航空管制所の上に謎のアンテナ。ESM かなと思いましたけれど、真相は不明
ESM関連の空中線は大体マストに集中してたと思いますので
恐らく通信用の空中線かと・・・
しかし、どのNOLQ-3について紹介しているサイト見ても妨害空中線のみをNOLQ-3と記載してるのがなんとも・・・
そういえば、水上レーダを装備しない関係で航海レーダを2基積んでるという話をどこかで聞いたんですが見られた方居ますかね?
マスト構造についている航海用レーダもフレアが従来の物より大きいものが付いているように見えました。
Posted by: BELL | Apr 14, 2009 09:01 PM
>右舷のことを「みぎげん」
「みぎげん」「ひだりげん」は、日本海軍・海上自衛隊のみの「方言」で、やはり聞き間違い防止のためだそうです。商船では普通に「うげん」「さげん」を使用しています(少なくとも大学の海事学の授業ではそう習いました)。
意外ですが、海保も「うげん」「さげん」らしいです。
>アンテナ
起倒式のアンテナは、現物を見ていないので不確実ですが多分短波帯のアンテナです。アンテナの長さは周波数に依存し、太さは送信出力が大きいほど太くなる筈ですが、短い方が太いと言うちょっと疑問な所も。
同じのが短い間隔で2本あるのは、位相差アンテナにしては間隔が短いので、ちょっと位置をずらして電離層伝搬時でも地上局と繋がりやすくする小技かなと思います。
>航海レーダを2基積んでる
色々ネットで写真を探したところでは、前艦橋のマストの恐らくJ社のインマルサットアンテナ(裾絞りのない白いドームアンテナ)の直下に大型の航海レーダがあり、その下の飛行甲板側の張り出しに小さいレーダがあるようです。
Posted by: 観音旭光の両刀使い | Apr 14, 2009 10:00 PM
新しい JDW が来ちゃったのでちょっと遅れるかも知れませんが、おいおい、アンテナの写真を載せますね。
ESM は、マストで NOLQ-3 より上の方、左右に取り付いているのがそれかなという気もするのです。が、問題のアンテナの形状が違法電波取り締まり用アンテナの形に似ているという情報をいただいていて、そうなると何らかの方向探知機能があるのでは、と疑っているわけです。
航海用レーダーらしきものについては、コメントをいただいたように、大小 2 基あります。
大きい方は対水上レーダーのようにも見えますが、対水上レーダーがないというコメントがあるのと、左側に付いている航海用レーダーでは右舷側がカバーできない感じなのを考慮すると、どちらも航海用ということでしょうか。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 15, 2009 12:37 AM
観音旭光の両刀使いさん
>前艦橋のマストの恐らくJ社のインマルサットアンテナ(裾絞りのない白いドームアンテナ)
それはヘリリンクの空中線(ORQ-1)ですね。
http://www42.tok2.com/home/fleet7/Museum/Muse472.html
Posted by: BELL | Apr 15, 2009 06:26 PM
BELLさん
>インマルサットではなくヘリリンクORQ-1の空中線
言われるとおりでございます。
J社のHPでインマルサットのアンテナを見た後に次掲の写真を見たら、起倒式アンテナの横にある方がインマルサットのアンテナでした。どうも縮尺を間違えたようで、申し訳ありませんでした。やはり現物を見ないと判らないなぁ。
Posted by: 観音旭光の両刀使い | Apr 16, 2009 12:38 AM