アメリカの GAO (Government Accountability Office) が、ARRA (American Recovery and Reinvestment Act of 2009) から 80 億ドルを高速鉄道プロジェクトに支出する件について、報告書をまとめてました。
すでに新幹線を売り込む話が出ている San Francisco - Los Angeles 間の高速新線だけで 330 億ドルの費用がかかると見込まれている上に、それ以外にもいろいろ計画があるため、ARRA で 80 億ドルを支出するのは「最初の一歩」。80 億ドルというと 8,000 億円かそこらですが、確かにこれで済むはずがなく。
そうした多額の支出をするからには、一般市民や政治面のサポートが必要、と至極もっともな指摘をしています。あと、この件にばかり連邦政府のおカネを出すわけには行かないわけで、保健、国防、産業支援といった分野との兼ね合い、なんて問題もあります。実際、軍の施設改善工事なんかでも ARRA から支出している事例はいろいろ。
そうした中で、連邦政府が明確な目標を掲げて関係各方面からの支持を取り付けて、キチンとコミットメントして継続的に取り組まないとダメ、という当たり前のところに落ち着くのでした。
しかし冷静に考えると、西海岸、あるいは東海岸だけならともかく、いまさら全米に高速鉄道網を張り巡らしても、飛行機から転移するもんだろうかと。自著で書いた話の蒸し返しになりますけれど、鉄道が威力を発揮できるのは所要時間 3-4 時間ぐらいのレンジが中心。でも、アメリカの国土の広さはそれを大きく超えていると思うわけです。
だから、空港に高速鉄道を入れる等の施策により、各種交通機関をうまく連携させるのが重要なのでは。
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