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Oct 12, 2009

江畑謙介氏の訃報

小田原まで EOS 7D の試運転に行って、さんざ堪能した帰りの電車で Web やメールなどのチェックを始めたら、このニュースが入ってきていました。60 歳って早すぎますよ…
。・゚・(ノД`)・゚・。

しばしば世間では同一視されますけれど、「兵器評論家」と「軍事評論家」は違うと思うのです。兵器はあくまで軍事のツールのひとつですから、軍事評論の方が幅が広いし、広範な分野の識見を求められる。それができるところが、氏の凄かったところだと思うのです。

それに、変に専門家ぶらないで誰でも分かりやすく語れるところは、見習っていかないと、と思っていました。ある事象について「知っている」ということと、「それについて分かりやすく説明できる」ということは別の問題で、後者ができない人って少なくないですし。なにも軍事の業界に限らず、どこでも。

一人で氏の穴を埋められるような人がいる ? と聞かれると、正直いってよく分かりません。でも、三本の矢の話じゃないですけれど、いま現役で活動している面々が真面目に努力していくしかないよなあと思います。

いや、もはや私にとっても他人事ではない (汗) 幸いにも、機会を得て航空・軍事関連分野で寄稿するようになっていますし、自分にできる範囲のところで出せるだけのものを出すと。そんな考えでやっていこうと思います。

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Comments

 かけがえの無い人が、また一人旅立ってしまいました。
 ご冥福を、深くお祈りいたします。

Posted by: 整備兵 | Oct 12, 2009 11:09 PM

どうして、長く活躍して欲しい方に限って早く亡くなるのかと、あまりの理不尽さにガックリきてしまいました。

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 12, 2009 11:37 PM

キヨタニブログでも、訃報に関するブログ記事を書かれていた様です。
http://kiyotani.at.webry.info/200910/article_2.html

やっぱり、みんなビックリしているんですよね・・・・・・・・・。

Posted by: SCARFACE1 | Oct 12, 2009 11:47 PM

緊迫する北朝鮮問題、増大し続ける中国の脅威、対テロという新たな戦いに迫られる国際社会と、ここにきて軍事的問題が山積してきたなかでこの訃報…
氏のご活躍はまさにこれからというところだったのに、本当に残念でなりません

今はただ故人のご冥福をお祈りしたいと思います

Posted by: S5 | Oct 13, 2009 12:23 AM

本当にもっと活躍して欲しかった御方なのに…
御冥福をお祈り致します。

Posted by: 井上さん二人分の重さの男 | Oct 13, 2009 12:34 AM

今日のOpinionに

>多分、自分に自信がある人は、それほどまでに必死になって自分を高みに置こうとしないんじゃないかと思う。

という一文がありますが、江畑氏はこれに当てはまる方でした。

幅広い知識を有しながらそれに驕ることが無く、分からないことに対しては、思い付きやいい加減な憶測を語ることなく「分からない」と率直に答える。
自身の中で咀嚼できている情報をベースにして語るからこそ、氏の評論は誰にでも分かりやすいものであったのだと思います。

Posted by: 長月@ReadMe.毒 | Oct 13, 2009 02:17 AM

60歳。地元に健在の私の両親より、若いご年齢でお亡くなりになったことは、本当に残念で悲しいです。
今年春に北朝鮮ロケット発射の伴ってPAC-3展開したとき、NHKの解説で久しぶりにお姿を拝見していましたが、以前に比べて痩せた印象(前より細身の方だったと思いますが)を受け、健康には気をつけていただきたいなと思っていたのですが、本当に残念です。

軍事に限らず、解説者・評論家として、鑑となる方であり、多くの方がいわれるように、もっとご活躍していただきたかったです。心よりご冥福をお祈りします。

Posted by: K.T | Oct 13, 2009 03:15 AM

憎まれっ子……という言葉もありますが、逆に素晴らしい方に限って早世というのも多くてたまらんな、と思った次第。心よりご冥福をお祈りいたします。

Posted by: TB&SH | Oct 13, 2009 06:31 AM

すでに業界の端っこにいる私としては、的確な内容の著述をコツコツ続けていくのが何よりの供養ではないか、と思っております。こういう状況だからこそ、安全保障問題に関するまっとうな知識って必要だと思いますし。

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 13, 2009 08:01 AM

かと思えば、訃報に便乗して余計なことをいっている人もいるわけで、これはあんまりだと思いますよ ?

http://blog.goo.ne.jp/sutoband/e/03fdc5aba5f001a0c2f1cfc0e88696de

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 13, 2009 08:49 AM

 ああ、炎上してはる。

 この人小沢氏の新人議員に対する言いつけを対岸の火事と思ってんじゃないかしら。>余計な失言癖のある議員さん。

Posted by: ooi | Oct 13, 2009 09:20 AM

この御仁、「炎上するには炎上するだけの理由がある」を地で行っちゃってるので、同情の余地はないと思いました。自分で火を点けに行こうとは思いませんけれど…

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 13, 2009 10:03 AM

> この御仁
「貴殿の血の色は何色か?」
というのが正直な印象。某所ではつい怒りにまかせたコメントをしてしまいましたが、その気持ちは今でも変わらず。
 ただ、単にブログを炎上させるのではなく、その御仁の国会議員・知識人たるにふさわしく、責任ある言論の世界で是々非々の対応
(ただし極めて厳しいゼロ・トレランスの対応になることは必定)
を一過性ではなく、将来にわたっても続けていく必要性を感じます。
 ただ、「自称危機管理の専門家」に限って、自ら言論的な自爆テロを企てようとするのは何故でしょうか。焼身自殺をするのであれば止めませんが、故人や他人を冒涜するのだけは絶対に許すべきではないと考えます。

Posted by: へぼ担当 | Oct 13, 2009 07:16 PM

とりあえず、この件を来週の Opinion のネタで使おうと決めましたが、どういう切り口に落とし込むかは、これが思案してみます。まずは、新着の JDW に目を通すのが先 (え

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 13, 2009 10:36 PM

これだけ惜しまれて慕われてたら本望でしょう。
奥様が故人の全仕事をまとめられるよう願います。

江畑賞を創設して、毎年、堅実な仕事の軍事評論家に黒ベレーを授与して、その名と功績を顕彰すべし。

Posted by: しまだ | Oct 13, 2009 10:55 PM

>堅実な仕事の軍事評論家
な、なんかノミネートされる人数がすごく少なくなりそうな気が… (汗)

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 13, 2009 11:18 PM

三年に一人ぐらい授賞できるかな

Posted by: 炎暑雪国人 | Oct 13, 2009 11:53 PM

受賞者より、選考委員を誰が務めるかで揉める予感が...

Posted by: ベムパ@ | Oct 14, 2009 01:47 AM

そして選に漏れた人が異議を申し立てて… って、KC-X かいっ !

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 14, 2009 08:55 AM

首藤氏、お詫びする気は無いようです
http://www.j-cast.com/2009/10/13051574.html

>これに対し、首藤議員本人が、取材に応じ、ブログのエントリーを撤回することも、お詫びをすることもないことを明らかにした。その理由について、こう説明する。
>「この分野に関係ない人が、内容を曲解して書いているんだと思います。現実を知らない人の話ですよ。イラク戦争のときも1日5000件来ましたが、同じような人が同じようなキーワードで書いているのでしょう」

首藤議員にとっての「現実を知っている」の定義が聞きたい物です。

Posted by: 儀狄 | Oct 14, 2009 09:41 PM

これは立派な危機管理ですね (棒読み)

ただ単に首藤議員を叩くだけでは不毛だし、どう扱ったものか…

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 14, 2009 11:18 PM

> 危機管理
 あの御仁や光市の殺人事件で「1.5人」の発言を行った外道といい、何か共通要因があるように感じます。
 ある程度の社会的地位を手に入れた優越感と、それをいつ失うか分からないと行ったコンプレックスと、その点がない交ぜになったような独特の立場にいて、自分自身の言動を意識、コントロールできなくなっているように感じます。
 まあ、大学等である程度の社会的地位を築いた人間が、一般人とは感覚が全くずれた言動を行う例が多々見受けられるのですが、その亜種とも言えるのかも知れません。
 ただ、両者とも危機管理を専門に加えているのが、ブラックユーモアとしか言いようがありませんし、燃料投下の末に全面戦争宣言をする段階で逝っている、という感想しか抱きませんし、それ以上の価値があるとも思えませんが、反面教師として学ぶべき点は多いでしょう。

Posted by: へぼ担当 | Oct 14, 2009 11:42 PM

>ただ単に首藤議員を叩くだけでは不毛だし、どう扱ったものか…
「江畑謙介氏が死んだ早々、ブログで中傷して炎上した民主党議員」
ってタイトルで○文字くらいの文章を△時間ほどで書けますよ~、と週刊文春、新潮などに売り込みをかけてみてはいかがでしょうか(笑)

Posted by: 儀狄 | Oct 15, 2009 01:01 AM

その手の話とか、あるいは「人間としてこういう発言ってどうよ」的な話はすでにあちこちで出ているので、もうちょっと違った視点から眺めてみたいです。どういう心理がああいう発言に走らせるのか、とか、そもそも危機管理とは、とか。

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 15, 2009 07:54 AM

ネタとして起用出来るか自信有りませんが、「広報と信頼性」に絡めて別の事例の引き合いにするとか如何でしょう?

対外的な信頼性ってのは距離が遠すぎると人でも物でも事情が変わらなくなる物ではないかなぁ…と。

Posted by: SIRO | Oct 16, 2009 02:12 PM

>儀狄 さん
>首藤議員にとっての「現実を知っている」の定義が聞きたい物です。

「まったく紛争地や実際の戦場に足を運ぶこともなく」とありますから、「現場に足を運んだ」というのが首藤議員にとっての「現実を知っている」なのでしょうね。
もっとも、現地に足を運んだのはいいものの、見るべき物が何かが分からずに頓珍漢な理解をしてしまうなんてのはよくある話ですが(笑)

私の高校時代の恩師は

 「人間は前にしか眼がないから、最前線というのは一番物が見えないところでもあるということを意識しろ」

ということを常日頃からおっしゃっていました。
若かりし私は「いや、現場が一番物が見えるに決まってるじゃないですか」とか反論していましたが、前に鉄道関連の仕事しているとき「列車ダイヤが混乱しているときに
一番情報が不足しているのはホームに立っている駅員だ」ということを鉄道会社の人から言われたときに、はっと思いましたね。

Posted by: 長月@ReadMe.毒 | Oct 16, 2009 09:07 PM

「現場を知っている」ばかり重視する人がどれだけ信頼できるのか、という切り口は考えてました。帝国陸海軍でも、アメリカに駐在していたのに、アメリカのことをなぁんにも分からずに帰って来ちゃった人がいたようですし。

あとは、危機との向き合い方で、どれくらい信頼できる人かばれるかも知れないよー、というのもできそうですね。

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 16, 2009 09:53 PM

> 最前線
 ご指摘はごもっともと考えます。
 ただ、その物事にとって最前線とは何か?という定義にもよると思いますが。
 実際、最前線でしか分からないこと。一歩引いた目で見なければ分からないこと。総合的な目で見なければ分からないこと、それぞれ全くに異なります。
 よって、一番物事が見えないのは誰か?という問いに答えるのは難しいのですが、自分自身の視野で得られる物だけにこだわることなく、与えられた使命に愚直に答えながらも、同時に自分自身を客観視して考えることの重要性は、非常に難しいことですが指摘するまでもないでしょうね。

Posted by: へぼ担当 | Oct 16, 2009 10:12 PM

「物」は精一杯見ようとしている人にはよく見えるが、見ようとしない人には見えないものじゃないかと・・・。

前衛にしても後方にしても、得られる情報が限定的なのは同じだと思うので、どれだけ異なる立場にある者から情報を得て、かつ正確に分析することができるか、また絶えずその地道な努力を続けていけるか、という事が意外と大事なのではないのでしょうか。

Posted by: alpha | Oct 17, 2009 01:43 AM

現場にいても、何も見えない人がいる。現場にいなくても、ちゃんとモノが見えている人もいる。ただし、現場で実際に体感しないと分からないことも確かにある。難しいなあ…

件のスットコドッコイ議員氏は、炎上の現場にいても何も見えていないようですが。

Posted by: 井上@Kojii.net | Oct 17, 2009 11:39 AM

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