教育とか訓練って
あくまで一般論として読んで欲しいんですけれど。
人に何かを教えるとか、何かのやり方について訓練するとかいう場面で、いきなり最高難度の本番環境に放り込むことはしないですよね ?
普通、基本的なところから話を始めて、段階的に理解を深めていったり、スキルを上げていったりして、最終的に最高難度の本番に臨むもの。
特に訓練では、本番が危険であればあるほど、ドジっても怪我人や死人が出ない状態から始めることが重要ですよね。だから、危険な作業について訓練するのに、いきなり本番と同じ環境で始めるのは愚の骨頂。まずは安全な環境を用意して、そこから順を追ってレベルを上げていかないと。
極端な話、いきなり新人パイロットを F-15E に乗せて、Red Flag 演習に送り込むような馬鹿な空軍は存在しないわけでして。それだからこそ、初等練習機とか高等練習機とか、あるいは LIFT (Lead-In Fighter Trainer) といったものがあるわけです。
物事を教えるときでも同じ。まずシンプルで分かりやすいところから話を始めて、段階的に難易度を上げつつ理解を深めていきますよね ? これ、私が書籍や雑誌の記事を書くときに必ず意識していることです。
その「段階」をどう踏むかというところが、私の原稿書きにおける中核のノウハウといえるかも。
Comments
とりあえず、政治家に言ってやりたいのかな?などと曲解し。(w
Posted by: ぼろねこ2k | Jun 24, 2010 12:41 PM
え、DDH の訓練プラットフォーム化なんて話には誰も言及して… ケホンケホン
Posted by: 井上@Kojii.net | Jun 24, 2010 03:00 PM
>人に何かを教えるとか、何かのやり方について訓練するとかいう場面で、いきなり最高難度の本番環境に放り込むことはしないですよね ?
システム構築屋の世界だと敢えて地獄に突き落として為人やスキル、ポテンシャルを見極めるってのはよくありますが…
#まぁ、事前にリカバリする手段を講じたり、失敗した分を取り返すための頭数を揃えたりしておきますが…
私が新人で配属先に初めて出社したときは、先輩から「俺、君の面倒見ないから」と言われて1時間後にはお客さんのところに向かう新幹線に乗っていたなぁ。(遠い目)
え、『あくまで一般論』ですか、じゃぁ、この話は当てはまらないかな。
Posted by: かきぴぃ | Jun 24, 2010 11:59 PM
そこで、リカバリ手段をこっそり用意しておくのは教育者で、何も用意しないで放り出すのは… (以下自主規制)
ただ放り出せば鍛えられる、と思うのは、ただの勘違いではないかと思う次第であります。本人が自分で行き先を見つけても、その方向性が間違っていたらどうするのかと。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jun 25, 2010 08:28 AM
する事を教育する事は容易い。
政治家に何々をせよと強いるのも容易い。
ナニをしなくても良いとか、優先順位をつけ後回しにする。
これを習得したり教育するのは難しい。
「決断しない決断」という台詞で、洞爺丸事件のドラマで他の遭難しなかった船長が言っていたこともある。
---成瀬さんのインタビュー記事---
「こういう場合はこう対処した」という結果はあくまでその場合の解決策であって、重要なのは「なぜ、そうしたのか?なぜ、そう考えたのか?」ということであり、それがいわゆる"技術(ワザ)"というモノです。
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http://gazoo.com/racing/grmn/meister/vol_01/page03.asp
どうしてこれをしなかったと、追求するのは、遺族の訴訟とかも、マスコミの記者会見でもある。
しかし、どうしてこれをしなくて済んだというのは、聞く機会もないし、教えようもない。
Posted by: sionoiri | Jun 25, 2010 01:01 PM
それはひょっとすると、「知識」と「知恵」の違いに通じるのかも知れないなあ、なんてことを思いました。
知識は教えることができても、知恵は個人個人が人生経験を通じて育成していくしかないもの、という意味ですけれど。たとえば優先順位の話もそうで、どんな場面で何を優先するべきなのかの判断基準は多分、経験の蓄積によって蓄積されてくるものですよね。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jun 25, 2010 05:21 PM