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Jan 17, 2011

最近読んだ本 : 飛翔への挑戦

大いなる飛翔」… は中野不二男氏の著書で、STOL 実験機「飛鳥」がお題でしたが。って、それとは違うってば。

一言でまとめると「日本における航空機開発現場の生の声」となりましょうか。日本の組織では、技術者に限らず「個人」が表に出てくることがあまり多くないと思うのですが、そのことと、分野が分野ということがあるので、この本は貴重。もともと「航空情報」誌で連載していたのを、さらに加筆して単行本にしたみたいですね。

ただ、この本に登場するのは基本的に「機体屋さん」ばかりですから、コンピュータが出しゃばってきて電子制御化が進んでいる昨今の飛行機、あるいはウェポン システムということになると、また違った視点の本が必要かもしれないなと思いました。その手の話になると、書きたくても書けない話題が増えそうですけれど。

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Comments

今、ホンダジェットのところまで読み進めた私が来ましたよ。

この本は、ここ最近の国産航空機開発のプロジェクトリーダーに聞きにいっているので、どうしてもメインが機体の話になるのは致し方ないとは思います。個人的にはXC-2の開発遅延の産みの苦しみの話を読みたかったのですが、ほとんど何も書いて無くて残念。

電子制御となると、私もXP-1のフライ・バイ・ライトやJ/APG-1の開発者とかの話も聞いてみたいなと・・・って、やっぱり書くに書けなくて無理ですかね?(苦笑)

Posted by: 観音旭光の両刀使い | Jan 17, 2011 12:57 PM

P-1/C-2の話は誰か書いてくれる、と信じてます(w。いや、世界的に見ても空前絶後の開発でしょう、あの2機同時は。

コンピューターも民生機の制御システムならまだ書きようがあるのでしょうけど、軍用機じゃどうしょうも無いですからね、コンピューター前提の機体(戦闘機システムと言った方が的確?)設計ですし。

F-35みたいにウエポンベイのフタで空中姿勢の制御、とかあと20年経っても覇権を狙っている某国には涎物な気がします。

Posted by: ぼろねこ2k | Jan 17, 2011 06:31 PM

前間氏の特徴として、「とりあえず国産」という臭いがして、戦闘機屋人生は残念でした。と言っても、YS-11は名著だと思いますし、そもそも氏の著書はまだ3冊くらいしか読んだことはないんですが。

個人的には、それは分かるけれどもじゃあどうして国産がならないか、ということまで踏み込んで欲しいんですけどねぇ……。

Posted by: TB&SH | Jan 17, 2011 07:25 PM

あー、私が書くのを差し控えていたところに突っ込みが…

多分、「技術的にできる」ということと「事業として成立できる」ということは別の問題で、さらに政治的問題を初めとする外的要因が関わってくるのが、この業界。

そうなると、「何が何でも国産」とガチガチになるのではなくて、「日本ならではの武器となる技術やノウハウ」を基に海外企業とのコラボに打って出る覚悟が求められるんじゃないかなあ、と思うのでした。

C-2/P-1 の共通化なんていうのも、ひとつのノウハウとして活用できないですかねぇ。機体構造よりもアンコの部分で共通化が進んでいる (ように見える) あたり、それなりにキャッチーですし。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jan 17, 2011 07:40 PM

あれ、それは失礼をいたしました。

そういう気になるところはあるとはいえ、でも前間氏の著書は一読すべし、と思わせるのは、やっぱり取材力と筆力なんだろうなぁ、と思います。前間氏と言えば、YS-11をネタに読書感想文を書いたら、小5の書いたもんじゃなかろ、と言われてはねられた記憶がw

>C-2/P-1
まるで用途の違う2機種のシステム共通性が75%と言うんですから、逆に飛ぶことそのものの難しさが見えるような気がします。そう考えると、やっぱりこの2機種同時開発は空前絶後のような……。おや、P-8とA400Mがこっちに向かって突っ込んd(ry

Posted by: TB&SH | Jan 17, 2011 08:38 PM

とはいっても、「書いていないものを読み取れ」というのは無茶な相談ですし。
ちなみに、規模が異なる機体で中身の共通性を高めた事例というと、B.757 と B.767 なんていうのもありますね。

海外の開発プログラムが炎上しているのをくさす人は少なくないですけれど、その背景にある心理について書いたファイルがスタンバイ中だったり。出したら盛大に dis られそうなので、タイミングを計っているところなんですけれど。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jan 17, 2011 09:43 PM

今週の軍事ニュースのEADSのA400Mの下りを見るに、C-2って幸せだな、とかみしめる事が出来ますね。もう少しでほぼスペック通りという噂の2号機が飛びますし。

この手の民生でも立つ瀬がありそうな商品(もう商品扱いで良いでしょう)をシームレスに輸出できる様になれば、防衛関連の開発に協力する企業も増えるor撤退を止める、…ちとお気楽過ぎますかね?

Posted by: ぼろねこ2k | Jan 18, 2011 06:49 PM

A400M の不幸は、船頭が多すぎてフネが山に登ってしまったところが大きいでしょう。
技術的な問題は、技術者が頑張るとか要求仕様を切り下げるとかいう解決ができますけど、A400M で未だに仕切り直し版の契約が実現していないのは、政治とカネとステークホルダー過多のせいですから。

Posted by: 井上@Kojii.net | Jan 18, 2011 10:13 PM

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