救難食糧の写真をみて思ったこと
「尾西の炊込みおこわ」 尾西食品 (丼王への道)
このエントリで 4-5 枚目の写真に出てくる「ビスケットバー 救難食料」って、「戦闘糧食の三ツ星をさがせ !」に載ってる、航空自衛隊の救難食糧と同じもの。ということは、空自が備蓄品を放出したのでしょうか。
缶メシならともかく、ここまで放出するとなると相当に大変な状況なのかなと思いました。そもそも、十数万人の規模で救援部隊が現地入りすれば、一日あたり数十万食の食事が追加で必要になるわけですし。
「まずは被災者が優先」ということで、救援のために現地入りした自衛隊の方が、自分達のことは後回しにして食事でもなんでも被災者の方に回しているという話を何かで目にしましたっけ。でも、これを美談で終わらせていいのかなぁ、とも思う次第。
被災者そっちのけで救援部隊がいいものを食べてたら顰蹙を買うかも知れないけれど、ミイラ取りがミイラになってしまっても問題があります。当初の「捜索・救援」は sprint ですけれど、その後の「片付け・復興」は endurance だから、現場に負担を押しつけているだけでは長続きしなくて破綻するでしょうし。
かといって、投入できるリソースには限度というものがあるし、どうやって解決したらいいんだろう… こういう、簡単に割り切れない種類の問題って、大災害や大事故みたいな場面では、いろいろと出てくるんでしょうね。
Comments
救援に来た自衛官は食事も休憩も必要ないと考えている人間が稀(?)に見られるという話が。
自衛官が被災地で飯食べてると怒られることがあるんですって。
Posted by: ゆきかぜまる | Apr 10, 2011 10:21 PM
ひでえ… ということで、この話を Opinion のネタにもらったのでした。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 11, 2011 09:34 AM
少しズレた話題ですが、原発の災害地に原子力空母を派遣するのは無神経だ!と非難した大学教授がいましたね。
Posted by: メリッサ | Apr 11, 2011 10:44 AM
原発反対教は本尊からの御信託が…とか言いたくなる様な熱狂っぷりですわ…問題なのは、ロクに内容を咀嚼出来ていない在京マスコミが、清濁ごちゃ混ぜでだだ流している事ですわ。
で、自衛隊は交代も少しは考えているのかな?と思ったら、全然そんな事はなく、今後どのように持続するのか模索中だそうで… gkbr 。
その辺についても、状況に応じて切り分ける、とか一切無しで、全員を最高水準に持って行け、とか報道ありますが、自分が何言っているのか判っているのかな?と。
Posted by: ぼろねこ2k | Apr 11, 2011 01:04 PM
>大学教授
震災がなければ「唯一の被爆国である日本に~」とすり替えると思われるので、どっちにしても大差はないのかも知れません。
>模索中
今回の災害派遣、あるいはインド洋の海賊対策派遣などを契機にして、ローテーション展開しつつ「練成→派遣→休養」のサイクルを回すノウハウを確立する、というところまで持って行ければいいのに、と思ったのですが。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 11, 2011 04:00 PM
むしろ捜索の情報収集や被災者のメンタルも含めた健康チェックのために可能な限り被災者と一緒に食事を摂れと大っぴらに命令の形で出した方が良いのではないかと思いました。隊員に食事摂らせたり少しでも休ませる効果が明確に出るのかは分かりませんが。それと「命令受けてるので」と無理やりにでも関わってくる人が居た方が良い場面もあるんじゃないですかね。
Posted by: AL | Apr 11, 2011 07:56 PM
おお、これは思いつきませんでした。
確かに、一緒に食事をしている場面の方が、殊更に「状況を聞く」よりもむしろ、状況認識に役立つかも知れないですね。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 11, 2011 09:00 PM
>ぼろねこ2kさん
>原発反対教
高円寺でデモを行ったり、共○党の都知事候補を持ち上げたり、どうぞご自由にと言いたいです。
Posted by: メリッサ | Apr 12, 2011 10:59 AM
奇妙な感じがしてならないのは、「原発は危険だから反対」という人ほど福島第一原発を危険な状態にしたがり、まずい話が出てくるほどハッスルしているように見えることなんですよね…
一体全体、安全な原発が欲しいのか、危険な原発が欲しいのか、どっちだろうと。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 12, 2011 01:31 PM
>井上氏
100%安全な原発は存在しないのだから、原発を廃止するべきだ!とか言い出すのでしょうね。多分
Posted by: メリッサ | Apr 14, 2011 04:22 PM
そもそも、この世の中に「100% 安全」なものがあるのかなぁ、と問い質してみたいところであります。水力や火力どころか、風力発電だってレーダーに悪さをするリスクがあるというのに。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 14, 2011 06:18 PM
鳥が羽根に当たって死ぬ!!!!って自然保護派が問題にするかもねえ
Posted by: bugaisha | Apr 14, 2011 06:32 PM
>井上氏
事故が起きた時の被害が大きいのは確かですけど、簡単には廃止出来ませんからね。
>bugaishaさん
>鳥が羽根に当たって死ぬ
その話題で環境保護団体と動物愛護団体が討論していましたよ。(環境保護団体が風力発電賛成派で動物愛護団体が慎重派)
Posted by: メリッサ | Apr 15, 2011 06:19 AM
確かに、風力発電だと環境保護団体と動物愛護団体が衝突しますね。失念してました。
とどのつまり、何にでもメリットとデメリットがあるし、リスク要因だって程度の差はあれ存在するんですけれど、それを一面だけ見て "完全無欠の解決策" であるかのように勘違いするのが問題なのかも知れません。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 15, 2011 09:20 AM
>井上氏
原発反対派は政府がクリーンエネルギーを推進していない!と非難していますけど、地熱発電にしろマイクロ水力発電にしろ普及しない理由がありますからね。(法の不備も存在するでしょうけど)
Posted by: メリッサ | Apr 15, 2011 10:38 AM
そもそも、クリーンエネルギーが本当にクリーンなのか、発電単体ではなくライフサイクルで見てどうなのか、というところまで、もっとキチンとデータを並べて比較検討してみた方がいいと思うのです。
ひところ、米軍が天然ガス素材の FT 燃料を試してましたけれど、製造過程で CO2 を出しまくるという批判のせいなのかなんなのか、最近はバイオ燃料に鞍替えしてしまい、FT 燃料はまるで話が出てこない、なんていう前例もありますし。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 15, 2011 03:15 PM
原子炉と言えば、溶融塩型の欠点って放射性ガスって聞きましたがどうなんですかねえ?
国内の話題聞かない(見ないから???)ですが、西の向こうの国が力を入れようって言っているようで。
Posted by: bugaisha | Apr 15, 2011 05:18 PM
↑ここで聞いたんだよね
判らなくなってた OTL
Posted by: bugaisha | Apr 15, 2011 05:19 PM
地熱は、20年くらい放置してたのをここ何年かでまた再開するみたいですよ(wikipediaがネタ元ですが)。大規模な物ですと10万kwくらいは確保できるようですので、悪くないと思います(建設費が幾ら掛かるやら、という話はありますが)
太陽電池は…作るのに大量の原発の電気を使ってたような…、今は生産エネルギーと予想される総生産エネルギーは、後者が多いんでしたっけ?
マイクロ水力…むかーし、層雲峡の施設で、電気を水力で全賄いしようと思惑して作ったのは良いのですが、予想より全然出力が出なくて(水量が足りなかった)改造するにも費用が洒落になんない(同じ金額で20年分のディーゼル発電が可能)、て事を遠い昔見たことがあります。
(今だと、15年くらいでボイラー+燃料とどっこいになるとは思います。当時の3倍以上燃料が高くなりましたので)
個人的には、まだ全然収束が見えていない3月の段階で、経産の大臣か副大臣が、「この経験をふまえ日本の原子力を世界に広める」、的な事を言って、天晴れ。と思いました。
実際、自然循環で崩壊熱を放出する炉の研究はかなり進んでいるみたいですから、原理的に福島第1みたいな事にならないみたいですね。(この辺、某担当様の見解を聞いてみたいです)
Posted by: ぼろねこ2k | Apr 15, 2011 06:16 PM
何か最近は浜岡原発を即刻止めろだの何だのそちら絡みの言説が盛んになってきたように感じます。だけど今すぐ止めたらそれこそ静岡・浜松・名古屋が大停電になりそう……
Posted by: 池沼・高橋和司 | Apr 16, 2011 02:43 AM
正直な話、「安全のために原発を止める」のが目的なのか、「原発を止めろと運動すること」が目的なのか、よく分からなくなってきました。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 16, 2011 08:15 AM
体調不良で詳しくは解説出来ませんが、溶融塩炉については以前にまとめた
「へぼ担当(@hebotanto)氏によるクローズアップ現代「トリウム最前線」感想」 http://htn.to/Tmi8Cz
を参照願います。
溶融塩炉は連続(もしくはバッチ式)「再処理」により、原子炉炉心の溶融塩に含まれるFPやTRUを取り除き、技術的には極小に出来るのは事実です。
と簡単に言いますが、やっていることは化学的手法は異なるとは言え、溶融塩炉毎に小規模な再処理工場を併設しているのと同じと考えていただいて結構です。
(もちろん溶融塩炉で連続、もしくはバッチ式再処理をせずに、そのまま廃炉まで循環させる方法もありますが、これはまた別のお話。)
しかし、取り除いたFP(筆頭として放射性希ガスや昇華した放射性ヨウ素が挙げられます)やTRUが、半減期(消滅処理含む)以外にこの世から消えて無くなるわけではないわけで。
その点を意図的に無視、もしくは過小評価して技術的優位性を喧伝するのは如何か?
これまで溶融塩炉が忌避されたのには様々な技術的背景もありますし、それを工学的規模で地道に解決する努力が払われなかったこともあります。
しかし「核兵器生産のための陰謀」との主張する言説だけは「残念ながら陰謀論に墜ちた信用に値しないもの」と愚考します。
スレ違いご容赦の程。
以上、取り急ぎ。
Posted by: 担当 | Apr 16, 2011 09:22 AM
>井上氏
被害が大きかったのは確かですが、電力供給を無視するのは困ります。
「原発無しでも日本の電力は賄える」みたいな話は眉唾ですし
>ぼろねこ2kさん
再生可能エネルギーが当てにならないのなら、当面は天然ガスに頼るしかないのかもしれませんね。
Posted by: メリッサ | Apr 17, 2011 01:06 AM
そういえば共産党のポスターに「自然エネルギーへの転換を」って書いてありましたけど、もしも不足が生じたら「大企業に応分の負担を」とでもいうつもりなのかしらん…
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 17, 2011 07:52 PM
共産党が二の句をダイキギョウガー、と言うのはある種のテンプレなので普通に言うかと。因果関係ってのを考えないのか、と頭痛いのも毎度です。
で、天然ガスですが、もう少し本気で国内資源の開発を進めても良いと思います。今のところ3%強、石油に比べたらマシですが、目指せ10%台、あたりを。(と言っても、最大産出する勇払のガス田で国内の0.3%なので先は長いですが)
サハリン2からLNGを宗谷線の貨物で、なんて妄想も数年前はしてましたがw
Posted by: ぼろねこ2k | Apr 18, 2011 12:33 PM
石油はともかくガスの場合、パイプラインをひいた方が合理的なのでは… と思ったのですが、実際のところ、どうなんでしょう。広い外洋をまたぐ場合には船便にせざるを得ませんし、結局は「状況次第」なのでしょうけれど。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 18, 2011 06:49 PM
海底パイプラインを考えた場合、石油の場合事故時に海洋汚染を考えなければなりませんが、天然ガスの場合その影響は比較的軽微であることから、近距離の場合は特に有利ですね。
あまり知られていませんが、火力発電所用に東京湾を縦断する天然ガスパイプラインが実在します。
一方、遠距離輸送の場合ですが、欧州のような陸続きの場合はパイプラインの現実性がありますが、数千キロに及ぶ海底パイプラインはあまり現実的ではありません。
よって、わざわざ多大なエネルギーを使って、本来は気体の天然ガスを圧縮・冷凍して液化し、日本等にLNGの形で持ってくる訳であり、何も好きこのんでそのような手間を掛けている訳ではありません。(もっとも『備蓄』との観点からすれば、近距離LNG保管も一概に否定は出来ませんが。)
全ては輸送や保存等を総合的に判断し、エネルギー安全保障も含め、最適解は何処にあるのか、地理的状況も含め柔軟な対応が必須と考えます。
Posted by: 担当 | Apr 23, 2011 06:20 PM
戦争中に海底や湖底にパイプラインを敷いた事例がありますけれど、あれは「非常時で止むに止まれずやったもの」ですもんね。陸路の場合にも、途中でいろいろな国を経由すると、それがもめ事のタネになることがありますし。
うーん難しい。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 23, 2011 09:03 PM