ずいぶん前に読んだ本 : エネルギー
似たようなタイトルの本がいろいろありそうですけれど、ここで取り上げるのは、以前に Twitter で言及したアーサー・ヘイリーの小説。
日本語版のハードカバーが出たのが 1979 年という古さですけれど、電力事情やエネルギー政策をめぐって喧々囂々の今こそ、皆で頭を冷やして読むべき本だと思うので、ここで改めて紹介します。一応、Amazon で中古が手に入るようですし。(検索結果)
主役はカリフォルニア州の電力会社。軸となるのは「発電所の新設に抵抗する環境保護団体・消費者団体」、「その消費者団体のボスから密かに資金援助を受けているテロ組織」、そして「発電所の新設ができないのに需要ばかり増えて、電力供給の危機と輪番停電の実施」といったところ。
そこに、盗電・盗ガスやら、やり手の新聞記者と電力会社のスポークスマンの確執やらと、いろいろな話題を絡めてストーリーを展開させる内容。
これに限らず「業界もの」の小説が多い (らしい) アーサー・ヘイリーですけれど、よく調べてるよなぁ、と感心することしきりです。
Comments
あれ?思っていたより新しかったんだなあ、件の本。半分くらいは読んでますねえ、作品。
別の小説で、自動車ばらして日本車への辛辣な批判がでてますけど、それは他で引用紹介されているのも読んだことがありますねえ。で文庫でそれ読んで出典が判ったり。
これもよく調べられてますよねえ。
(でもいくつかTV化された作品はあっちのも含めちと・・・日本で連続ドラマ化されたホテル(「姉さん事件です」で始まるのではありません、念のため)は原作と比べると別話で期待してみるとひどかった)
Posted by: bugaisha | May 09, 2011 09:21 AM
これか・・・
http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-16952
でも放送が1979って・・・?
その前に文庫で読んでるけどなあ。
あ、英語版が1965ですね。
出版社ちがい出ているのかもしれませんねえ。
クイネルの作品とかでも同じ翻訳で文庫が新潮社と文春を行ったり来たりしてますし。
Posted by: bugaisha | May 09, 2011 11:29 AM
おっと、本題はエネルギーでしたねえ。
おっしゃるとおり今でも内容において社会情報インフラとかの変化を除けば十分読めると思います。
Posted by: bugaisha | May 09, 2011 11:32 AM
停電に行った先の脊髄損傷の顧客となさぬ仲になる事しか覚えていませんな。いまなら、別件で逮捕ですな。
Posted by: sionoiri | May 09, 2011 12:05 PM
逮捕、かなあ?まあそれより、最近の入浴施設での似たような手口で莫大な、でそれに関係した人がどうとかでその関係の道義的辞職の方がありそうだったり。
とか
視察先での手順に従わずに障害を取り除こうとっした作業員の転落事故とかねえ、レベルは違いますけどバケツ型の事故の芽ともいえますかねえ
(ヒーローと報道されたはいいけどその件で注目されるのまずいとか大人の事情ね)
手紙も消火器も怖いけどタービンブレードは別の意味でやだなあ。
Posted by: bugaisha | May 09, 2011 02:25 PM
確かに、「エネルギー」の主人公の女好きぶりと来たら、お堅い私には容認しがたいレベルなんですが (笑)、それは読者サービスだと割り切ってしまいました。その件を差し引いても、十分に読む価値がある一冊だと思いますし。
Posted by: 井上@Kojii.net | May 09, 2011 05:57 PM