2012 年 7 月のお仕事・その 1 (予告編)
Twitter で少し触れましたけれど、7 月に光人社さんから久しぶりの単行本が出ます。
ロジスティクスというと、二言目には「『山・動く』を読め」って連呼する人がいるみたいですけれど、モノを運ぶのは兵站業務の一部であって全体ではないだろうに。ということで、「軍事作戦を支える人・モノ・仕事」「自己完結能力の尻尾」といったあたりをキーワードにしてみました。
第一線の戦闘部隊を支える裏方さんの仕事に興味を持ってもらうきっかけに、ということで、対象はそれなりに広く取っています。タイトルも「入門」ですし。(このタイトルを決めるのに、編集者ともども盛大に悩んだのは秘密)
ちなみに、この本が世に出ることになったきっかけというのが面白くて、編集者と雑談していて「戦艦大和って、一日に何トンの米を消費してたんでしょうねえ」といって、ちょいと計算してみたのがそもそもの発端。そこからイモヅル式に話を発展させて、以前からやりたいと思っていた燃料の話なんかも盛大に突っ込んでみました。
Comments
大和の、戦闘部門ではないいわゆる裏方さんについては、本が出ていたと思います。
それはともかく、「山動く」を読めと叫ぶ人は、あまり読んでいないんじゃないかと思ったりして。
出版時期を考えれば当たり前の話ですが、定性的にせよ、数字とかがほとんど書かれていなかった記憶があります。
(原書は分かりませんが、少なくとも、邦訳版では、既にこの種の業務の知識もしくは経験のある方でないとロジスティックスの参考にはならないと思いました)
著者としては、湾岸戦争についての報告書を脇に置いて読めという事かもしれませんが。
Posted by: いーの | Jun 29, 2012 09:19 AM
補足ですが「山・動く」にはM1戦車をM1A1に改造する話もあって、運ぶ話だけというわけでもなかったと記憶しています。
でも、ロジに付随する問題については、大石英司「第二次湾岸戦争」の方が網羅していると思うくらいですので、深く書いてないのは確かです。(あれも、運ぶ方がメインでしたが、インフラ整備とか風俗街の話があったので)
Posted by: いーの | Jun 29, 2012 09:24 AM
湾岸戦争の公刊戦史 (っていってよかったのかな) も、実は参照してます。さすがに全分野でというわけには行かなかったものの、数字を出せるところはできるだけ出す、というのも課題のひとつでしたね。
インフラ整備の話については、いきなり冒頭の章で出てきますよ。「こんな仕事が必要、あんな仕事も必要」って。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jun 29, 2012 10:32 AM
>第二次湾岸戦争
現代の従軍慰安婦にフォーカスしたお話ですね!(^_^;)。
て、戦時のロジは国家総動員で何とかやり抜くつもりなんだろうけれど、平時のロジも何とかしてよん、あれもこれも飛ばなくなるから(ーー;)、な感じはしますが。
あと忘れてならないのが、軍属の皆様の貢献。カンボジアPKOでもイラク派遣でもほとんど報じられることはなかったけれど。
Posted by: えいじ | Jun 30, 2012 06:56 AM
実は、民間委託の話や、メーカーが戦地に FSR を派遣している話も出てきます。今回はどちらかというと「広く浅く」ですね。部分的に例外もありますけれど。
架空戦記小説で兵站の話が出てくるというと、ラリー・ボンドの「レッド・フェニックス」。あれ、物資の滞留を解決する話が (直接的に言及していないものの) 米韓聯合軍の勝利に貢献するっていう筋書きですよね。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jun 30, 2012 07:35 AM